俺のサーナイトがバグってて夜しか眠れない   作:libra

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 色々と説明入れようとしてたらグダったので端折りました。

 原型なくなっているけれど、この話をやりたくて書き始めたような物です(愉悦)


トウキ? ああ、いい奴だったよ…(過去形)

 蹂躙。

 その二文字が相応しい惨状だった。

 

 フィールドには薄くひびが入り、壁には何か重い物がぶつけられたのか大きくへこんだ箇所がいくつもある。

 慌ただしく作業着を着た男たちが補修作業を進める中、一人の男が呆けたように突っ立っていた。

 

 ムロジム、ジムリーダートウキ。

 かくとうタイプの使い手であり、先ほどトップクラスの手持ちをたった一体に瞬殺された男である。

 

 作業を進めていた男たち曰く、その立ち姿は煤けたという表現を通り越して白い灰のようだったという。

 

 

 

 

 ムロタウン。

 描写すらなく突破されたムロジム以外には特に特徴のない、トクサネやルネと同じく離れ小島にある町である。

 強いて特徴を挙げるならば、度々元チャンピオンが訪れるという洞窟が町の外れにある事ぐらいだ。

 

 

「やあ、早かったね」

「相性は良かったですから」

「それでも8個目だろう? うん、彼の言う通り面白いサーナイトだ」

 普段は二人で行動しているカルマとサーナイトだが、今は珍しくも一人加えた三人で砂浜を歩いていた。

 世間話、ポケモンの話、共通の知り合いである現チャンピオンの話――足が止まると同時に会話も途切れた。

「それでここが」

「うん、目的地だよ」

 男は指し示すように手を洞窟――いしのどうくつ――に向けた。

 

 

 洞窟の中は暗く、少しでも離れれば輪郭すら分からないという状態だった。

 少しの間をおいてサーナイトの組まれた手の中で光が生み出される。

「これはおにびかな?」

 紫色の淡い光が踊るかのように揺らぐ。

「どうなんだ?」

『はい......それで、元チャンピオン。そろそろここに私たちを連れてきた目的を話してもいいのでは?』

 珍しくカルマ以外の人物に向けられるテレパシー。

 それを受け取った人物――全チャンピオンダイゴ――は苦笑いを浮かべた。

 

「君たちはメガシンカがしたい、僕は人手が欲しい。まあ、変な事を企んでるような人に渡せるような物じゃないってのはわかってるよね?」

 歩くことによって生まれる風がおにびを揺らす。

「だから面倒ごとを片付けるついでに、君の人となりを見たかったんだ......ユウキ君の話を聞く限りだと心配はいらないだろうけど、一応ね?」

『......』

「それで面倒ごとというのは具体的に?」

 その声に答えるように鈍い地響きが洞窟を揺らした。

 それと同時に、薄い緑色の膜が三人を覆う。

 

 天井から細かい石が落ちては、乾いた音を立てて膜に当たりどこかに飛んでいく。

 収まった頃を見計らってか膜が消える。

「なんですか、ポケモン?」

「ああ、この手の洞窟じゃとびきり厄介な......ね」

 サーナイトの手から大量のおにびが放たれ、洞窟の闇を晴らしていく。

 おぼろげに見えていた巨体は光の下に照らし出され、その重厚感溢れる姿を紫色に染めていた。

「少し前の異常気象の後、本来ならホウエンで見られないポケモンが見られるようになったという話は知っているね?」

「らしいですね、あんなポケモンは初めて見ました」

「あれはハガネールといって――悠長に話している暇はなさそうだね」

 振るわれた尾が近くにあった岩を粉砕し、その破片がカルマ一行目がけて襲い掛かる。

『あれが面倒ごと......ですか?』

 石礫はサイコキネシスによって止められ、そのまま押しつぶされた。

「うん、なんだか知らないけど暴れまわってて手が付けられなくてね、おまけにやたらと手ごわい上に追い詰めるとどこかに逃げて行ってしまうんだ」

『こういう時、リーグは動かないんですか?』

「また聞きだけど似たようなポケモンがいるらしくてね、ここは優先順位が低いんだ」

 ダイゴがボールを放り投げ、光と共に飛び出した巨体が地響きをたてる。

「行くよ! メタグロス、メガシンカ!!」

 再び放たれる光。それが消えた時、地面に突き立っていた足を2倍に増やしたポケモンが宙に浮いていた。

「僕が攻撃するから、君たちは逃げないように押さえつけてくれ!」

『その言い方は気に入りませんね、別に私が倒してもいいのでしょう?』

「サーナイト、来るぞ!」

 カルマの声と共に、先ほどより多い石礫が一行に襲い掛かった。

 

 振るわれる尾よりも速く動き回り、長大な体を掻い潜るように飛び、やがて頭を至近距離に捉え――前方に向けられた4本の足によるアームハンマーが炸裂する。

 その衝撃にうめき声を上げ、ハガネールの動きが止まる。

 それに追い打ちを掛けるかのようにサーナイトのきあいだまが地面に触れている胴に突き刺さる。

 ダメージに耐え切れなくなってきたのか、ハガネールは大きな音を立てて倒れ込んだ。

「そろそろ穴を掘り始めるはずだ! 動きを封じて!」

『......むっ』

「サイコキネシスだ、サーナイト!」

 カルマの言葉に、繰り出そうとしていたきあいだまを消し、念動力を発揮する。

 当然、黙って宙に吊るされる訳もなく暴れようともがくが体力を消耗しているせいかその動きは鈍く、抜け出す事はできない。

「それで押さえつけましたが、後はどうするんですか?」

「そうだね、僕か君のどちらかで捕まえようと考えていたけれど......僕が捕まえていいよね?」

「いいですよ、サーナイトがうるさいから予備のボールなんて持ってないですし」

 カルマの返事に苦笑いを浮かべ、ダイゴは空のボールを動きを止められたハガネールに投げ当てた。

 

 

「ふむ」

「何かあったんですか?」

 件のハガネールが暴れ回った後。元々はなだらかな地面が広がっていた綺麗な洞窟だったようだが、今となってはところどころにひびが入っていたり、粉々になった石の欠片が散乱していたりと、かつての洞窟の姿を語るダイゴの顔はどこか悲しげだった。

「これだよ」

 ダイゴは手にした石を二人に掲げて見せた。

「宝石......ですか?」

『不思議な力を感じますね......』

「そうか、見たことはなかったのか」

 ダイゴは反応に怪訝そうな顔をしたが、自分で答えを出して一人で頷いていた。

『それで、なんですかその石は?』

「ああ、これがメガストーン......その一つだよ。多分ハガネールのだと思うけれど、ね」

 トレーナーとポケモン、それぞれが持つ二つの石の共鳴。それによって起こるのがメガシンカだ。

 本来ならポケモンが持つ方の石(メガストーン)だけでは何も起きないはずだが......。

「まあ、メガストーンもいわゆる進化に使う石の亜種っていう学説もあるくらいだからこういう悪影響が出てもおかしくないのかな?」

「俺に言われても困るんですが......」

『原因がわかったのならば、早く出ませんか?』

 ダイゴはまだまだ話足りないという気配を漂わせていたが、それを無視してサーナイトはテレポートを行使し三人の姿は洞窟から消えた。

 

 

 洞窟の外でカルマは約束通りキーストーンを受け取った。

 だが、キーストーンだけではメガシンカを扱う事はできない。

 キーストーンとサーナイトナイト。その二つが揃って初めてメガサーナイトへと至る事ができるのだ!

 

 カルマ達の明日はどっちだ!?

 

 

 

 テレポートでシダケに戻ったカルマ達を不思議な光が出迎えた。

 見るからに怪しい光だったが、周りの人々はいつもと変りなく日常を謳歌しているように見える。

 その光の元に向かって見れば、先ほどの騒動の原因となった石とよく似た石が落ちていた。




どうやってダイゴさんとアポ取ったの?
ユウキ君のおせっかい兼厄介払い。

いしのどうくつには
1グラカイを鎮めた後にイワークが出現するようになる。
2おあつらえ向きに、ハガネールナイトが落ちている。

初期案ではダイゴさんとバトルさせようと思っていましたが、こっちの方がすんなり行きそうだったからこのようにしました。


シダケに落ちているメガストーン
本家でミツル君のお姉さんから貰える奴。というか、メガストーンはキーストーンに反応するから見つけられるって設定ありませんでしたっけ?
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