色々忙しかったんです。
夏休みに入ったので、次の話は(書ければ)早く上がると思います。
バトル開始の合図とともに、サーナイトの姿が光り輝きメガサーナイトとなる。
メガシンカを終えるや、否や三体に分身し一斉にサマヨールに襲い掛かった。
カゲツに続く二人目の四天王、フヨウはゴーストタイプの使い手である。
話は変わるが、それぞれの地方に必ず一つは心霊スポットとされる場所がある。ホウエンのそれはおくりび山、山のほとんどがポケモンの墓に覆われている場所だ。
彼女はそこで修行し、ゴーストポケモンと心で通じ合えると言う。
距離を縮めるサーナイトに対して、サマヨールの手は黒く染まり、長く伸びる。
両の手から打ち出されたシャドーパンチはサーナイトを捉えるも、両方ともそのまま掻き消える――その間に本体はサマヨールの懐に飛び込み足を振り上げた。
鈍い音と共に、サマヨールの頭部が打ち上げられる。
動きの止まったサマヨールに対し、そのまま繰り出されるラッシュ。ゴーストタイプとしては比較的タフと言えるサマヨールだが、無防備な所に連撃を撃ち込まれてはどうしようもなく、そのまま戦闘不能となった。
『テレパシーのような物を使っているみたいですね、大言壮語という訳ではないみたいです』
「んー、強いね。アタシ達も負けてられないね!」
サマヨールに代わって繰り出されたのはジュペッタ。捨てられたぬいぐるみにエネルギーが籠って生まれたポケモンとされている……カゲボウズの事に触れてはいけない。
不意にジュペッタの姿が掻き消えた。
同時にサーナイトもそれを追うかのように消え、一拍の間を置いてサーナイトの立っていた地点にジュペッタの爪が突き刺さる。
攻撃を終えた後の一瞬の硬直。そこに白い足が横殴りに振るわれる。
間一髪の所で影に潜り込み攻撃を躱すジュペッタ。
だが、息を吐く間もなく、サーナイトが続くように影に入り込む。
かげうち。
地面にできた異空間から、勢いよく蹴り出されるジュペッタ。
あわや天井に叩き付けられる寸前で、宙に現れたサーナイトが横合いから再び蹴りを繰り出す。
ピンボールよろしく向きを変え弾き飛ばされるジュペッタ。その都度、追いすがるように転移を繰り返し足蹴を浴びせるサーナイト。おい、ポケモンバトルしろよ。
サンドバックのようにジュペッタをぼろきれにしたサーナイト。
彼の前に現れたのは、またもやジュペッタ。地方縛りだと数が足りないからダブるのは仕方ないだろう。エキスパートと銘打っているタイプじゃないポケモンを使うよりは何倍もマシだろう、きっと。
2体目のジュペッタはさっきの出るゲームを間違えたかのような空中殺法を警戒してか、距離を詰めようとはしなかった。
だが、前回から時間が経ちすぎてお忘れかもしれないがこのサーナイトに距離は関係ない。
どこに居ようと、逃げられようと、近づかれようと関係ない。彼の望んだ距離が彼と相手の距離となる。
2体に分身したサーナイトによる筆舌に尽くし難い蹂躙に2体目も先のジュペッタを追って、フィールドに沈んだ。
残ったポケモンは半分を切り、笑顔を浮かべていたフヨウの表情にも焦りが見え始める。
「ッ! お願い、ヨノワール!」
4体目は、サマヨールが進化したポケモンであるヨノワール。サマヨールに特殊な道具を持たせて交換することで進化するポケモンであり、道具の入手と交換という二つの困難なプロセスを乗り越えてようやく手にすることができる希少なポケモンである。
先のサマヨールのように腕を振り上げ、黒い拳を打ち出す。
それと同時にサーナイトはテレポートし、ヨノワールの後ろに回り込む――が、それを見越していたのかシャドーパンチを打ったのとは逆の手で地面を打つ。
じならしによって、サーナイトはたたらを踏む。
接近戦において隙を晒すという事は、敗北を意味する。
動きを止めた時間は、ヨノワールがサーナイトに向き直るには十分な時間。
だが、振るわれた拳は、サイコキネシスによって止められた。
既にサーナイトは、態勢を持ち直し反撃を行える姿勢。
念力の呪縛が解けると同時にヨノワールを拳の乱打が襲った。
打ち込まれる打撃の一つ一つがヨノワールの体を揺らすが、それを無視して黒く染まった拳を振るう。
その拳は吸い込まれるようにサーナイトの胸に向かうが、彼の肘によって押しのけられる。拳を捌いた腕をそのままヨノワールに叩き付ける――クロスカウンター、作品が違うので別に威力が上がったりはしない。
流石の耐久と言うべきか、ヨノワールは連撃に怯まず果敢に反撃を繰り返した。が、その悉くを躱されダメージを蓄積していき、ついにその体をフィールドに沈めた。
フヨウ最後のポケモンはヤミラミ。
一昔前までは
だが、ヤミラミはそれと引き換えに新たな力を手にしていたのだ。
メガシンカを終えると同時に、跳んだサーナイトがヤミラミの真上からかかと落としを振り下ろす。それに対してヤミラミは構えた宝石を宙返りのように振り上げ足を殴り飛ばす。
思わぬ反撃に、サーナイトの動きが止まる。その隙を見逃すことなく、宝石を放り投げ追撃のシャドーボールを放つが我に返ったサーナイトはそれをテレポートで距離を取る事で回避した。
お返しとばかりに、電撃を撃ち出すも回り込んだ宝石の壁に阻まれヤミラミ本体にはかすりもしない。
ヤミラミは余裕だと言わんばかりの笑い声をあげ、フヨウの表情からは善戦できているためか先ほどまであった焦燥が消えていた。
炸裂音。
それは一瞬で間合いを詰めたサーナイトが宝石の盾を殴りつけた音。それは一度では収まらず、連続して何度も鳴り響く。
間断なく放たれる豪雨のような連打、連打、連打――。
いつしか、ヤミラミの表情からは余裕は消え必死に宝石の盾を支えていた。
「後ろ!」
自らの主の悲鳴のような声と共に、気づけば悪夢のような攻撃は止まっていた。
必死の形相で、宝石の盾で手を滑らせるようにして反対側に回り込む。
間一髪。ヤミラミが回り込むのと、衝撃音が響き渡るのはほぼ同時だった。
確かにダメージは免れた。しかし、咄嗟の行動だったためかヤミラミは碌に攻撃を避けた後の事を考えていなかった。体は宙にあり、当然踏ん張りは効かず――先ほどまで攻撃を防ぎ止め続けていた宝石の盾が宙に吹き飛んだ。
100キログラム近くあるとされる巨大な宝石が、綺麗な放物線を描いて、しがみついていたヤミラミを下敷きに落着。
「ヤミラミ!」
心配げな声。
それに応えるように、宝石がピクリ、ピクリと微かに揺れ、起き上がった。
見るからにボロボロな姿だったが、ヤミラミは再び立ち上がった。すべてはトレーナーであるフヨウのため。どんな敵が強かろうと、体が動く限りは負けていない。そんな闘志を発していた。
そんなヤミラミの前で、再びサーナイトの姿が掻き消え――宝石越しに目が合う。
再び襲い掛かる衝撃波。それも一度でなく、二度。
宝石越しに襲い掛かるサーナイトはいつの間にか2体に分身していた。殴打、蹴り、突き。様々なバリエーションの攻撃が宝石を絶え間なく揺らし続ける。
そして、一際強い一撃が宝石もろともヤミラミを吹き飛ばす――それをサーナイトの片割れが追いすがり、辛うじて掴んでいた宝石を明後日の方向に蹴り飛ばす。
身を守る術も、反撃する気力も無くしたヤミラミを冷気をまとった拳が打ち抜いた。
四天王、残すはあと2人。