俺のサーナイトがバグってて夜しか眠れない   作:libra

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 次は早いと言ったな……なんか、描写をダラダラ書いてたらなんか長くなった。
 あと、次に書くかもしれない2次の本文を書いてました。果たして日の目を見せる機会はあるのだろうか……。


硬かろうと、愛の前には無力

「初めまして、四天王のプリムと申します。ここまで来たという事は半端なトレーナーではないという事……。少しくらいは彼のように期待を持ってもいいの?」

「……戦うのは、俺じゃなくてポケモンなので」

 プリムはつまらなさそうに目を伏せた。

「ダイゴから話は聞いていたけど、期待外れかしら? まあ、それだけポケモン単体で強いという事? どちらにせよ、戦ってみれば分かることね」

 

 プリムの一体目はトドゼルガ。いつかに登場したトドグラーの進化形である。

 対するカルマのポケモンは当然サーナイト。

「れいとうビーム!」

 凝縮された冷気がフィールドを薙ぎ払うように照射され、薄い氷を張っていく。

『機動力に差をつけるつもりでしょうか?』

 普通のポケモンは、足を取られて満足に戦う事のできなくなる環境。逆にトドゼルガのような寒い地域に生息するポケモンは体を滑らせる事で、普段見られないようなスピードで動き回る事ができるようになる。

 だが、それは足場が凍っていればの話だ。

 拳に纏った炎が念力によって拡散し、その熱でもって氷を融かしていった。トドゼルガは体を滑らせていた氷が突然なくなり、ゴロゴロと転がる。

「ッ! なみのり!」

 仕切り直しとばかりに、乾いたフィールドを大波が覆う。

 テレポートで空中に逃げるも、その間に濡れに濡れたフィールドは冷気によって凍り付いた。

 さっきとは違って段違いの厚さの氷に覆われたフィールド。全体を融かすには、それこそきちんとしたほのおタイプのポケモンを連れてこなければならないだろう。

 凍っていようと、足を着けなければ問題ないとばかりに宙に浮いたまま、電撃を撃ち放つサーナイト。しかし、余裕を持って避けられる。

 数度、電撃が煌き氷に小さな穴を穿ったところで不意にサーナイトの姿が掻き消え――いつものようにトドゼルガの後ろに現れる。そのまま、頭目がけてソバットを叩き込むも氷の上を跳ね、そのまま滑る事で距離を取られてしまう。

 何度かこのようなやり取りを繰り返した。攻撃をしては、躱され、その反撃を躱す。長期戦になればなるほど、ポケモンの数の少ないカルマ側の負担が大きくなるが、それでもサーナイトは余裕のある表情を浮かべていた。

『そろそろいいでしょう』

 2体の分身を生み出し、トドゼルガを包囲する。それに対しトドゼルガは体を滑らせ、円を描くようにれいとうビームを放った。それを宙で跳ねるように回避し、肉薄。跳ねて距離を取ろうとするも、それを塞ぐように本体が電撃を放つ。逃げ場を塞がれ、たたらを踏んだトドゼルガを2度の強打が襲った。それでは終わらず、衝撃でゴロゴロと転がっていくトドゼルガを再び放たれた本体からの電撃が貫いた。

 

 プリムの二体目はユキメノコ。ジョウトで見かけられる着物を着た女性のような姿をしたポケモンである。ゴーストタイプを併せ持つためサーナイトに有利だが、果たして――

 

「あられ!」

 プリムの声と共にフィールドに薄い霧が立ち込める。視界がボケる中、何か硬い物が地面に落ちては砕ける音が鳴り続ける。

 こおりタイプ以外がダメージを受け続ける天候、あられ。長い時間戦う必要のあるサーナイトにとって、明らかに不利な天候であり、さらに追い打ちをかけるかのようにユキメノコの特性(ゆきがくれ)も相まって、苦戦を強いられる状況となっていた。

 トドゼルガの時のように、火の塊を宙にばら撒くものの効果は薄い。さらにその姿に隙を見出したのか、あられに紛れてユキメノコがその背に忍び寄る。背後から放たれるシャドーボール。それを当然のように蹴り返すサーナイト。虚を突かれたユキメノコ。確実に倒したと思ったタイミング、その上で予想のできない反撃。固まったまま、まっすぐ蹴り返された自らのシャドーボールの直撃を受けてそのままフィールドに沈んだ。

 三体目は二体目のトドゼルガ。先のトドゼルガと同様に、凍り付いたフィールドをスケートリンクのように使ってサーナイトを惑わせる。降り続けるあられも相まって、より攻撃を当てづらくなっている。

 数度攻撃を空振りした後、先ほどと同じように分身し襲い掛かる。だが、トドゼルガはともかくプリムは先の戦いでこの戦法を見ている。対処を口にしようとしたところで――トドゼルガの周りの氷が圧壊する。トドゼルガもダメージを受けたのか苦し気な声を上げていた。

 分身は陽動、本命は面による制圧。(10まんボルト)が当たらないなら、(サイコキネシス)でより広い範囲を攻撃する。戦闘開始から密かに積み重ねられためいそうによって強大な威力を発揮したサイコキネシス。動きの止まったトドゼルガに向けて再び力が照射される。

 

 それなりの厚さの氷に巨大なポケモンが思い切り踏みつけたかのようなクレーターができ、その穴の中でトドゼルガが目を回して倒れている。

 プリムは小さく息を吐いた。カルマの態度に煮え切らなさを感じたものの、サーナイト自体の能力は過小評価などしていなかった。ただ、実際の能力が彼女の予想を遥かに突き抜けていただけだ。

 

 四体目は、これまた二度目となるユキメノコ。ホウエンというくくりで見ると、生息しているこおりタイプの種類は少ない。いつかも書いた気がしなくもないがエキスパートでないタイプのポケモンを使うより、ダブらせる方がまだいいだろう。

 あられは依然として降り続け、このユキメノコも先の個体と同じように景色に溶け込んで姿を見る事ができない。

 放たれるシャドーボール。

「躱して!」

 それを易々と蹴り返すものの、先の珍事で懲りたのかユキメノコは既に回避行動をとっていた。

「ふぶき!」

 その指示と共にれいとうビームのそれを上回る冷気が暴れ狂う。吹き荒れたそれは、宙を舞うあられを巻き込みながら怒涛の勢いで展開し、効果範囲外へと跳んでいたはずのサーナイトに襲い掛かった。

 宙に浮かんでいた事が災いし、勢いに巻き込まれるがままに氷漬けのフィールドに叩き付けられる。強く体を打ち付けたせいか、その動きはノロノロとした鈍いものだった。あからさまに隙を晒すサーナイト、それを見逃すプリムとユキメノコではなく――シャドーボールがサーナイトに襲い掛かる。背後から、その上ダメージを負って反応が鈍くなっているという外す方が難しい絶好のタイミング。

 期待通り、シャドーボールはサーナイトに当たってその体を大きく跳ね飛ばし――その体が飛散するかのように宙に融ける。

 突然の出来事に生まれる一拍の思考の隙間。その一瞬の間に肉薄したサーナイトがユキメノコの体を蹴り上げる。靄の中を白い体が突き抜けて行き、まるでタイミングを見計らったかのようにあられが止む。

 

 巻き込んだのは本体でなく、分身。分身にいくらダメージを与えても本体に当てていなければ徒労でしかない。

 ともあれ、これで二体目のユキメノコもダウンし、プリムが残すポケモンはエース格であろう一体のみ。

 

 最後のポケモンとして繰り出されたのはオニゴーリ。ユキメノコと進化前を同じくするポケモンである。しかし、似てるところもなくはないが、同じポケモンから進化したとは思えないくらい見た目が異なっている二体である。

 宙に浮かび上がる強面。ボールから放たれ、光が形を取ると同時にボールの開閉時とは異なる光が周囲を満たし――光が晴れると、顎が外れたようにしか見えない姿のオニゴーリ、メガオニゴーリが浮いていた。

 これまでの四天王達と同様に最後の一体はメガシンカポケモン。

 基となるオニゴーリは見た目とは裏腹に能力値の尖りのない(特長がない)ポケモンだが、メガシンカする事で攻撃面と素早さが強化される。その上特性(フリーズスキン)の効果で高威力のこおり技を連打してくるという中々面倒なポケモンである。

「おんがえし!」

 ポケモンがトレーナーに懐いている程高威力になり、さらにこれと言った欠点もノーマルタイプである事くらいしか挙げられない技。その欠点もフリーズスキンによってこおり技に変化した事で消えている。

 勢いよくサーナイト目掛けて突撃するオニゴーリ。それに対しサーナイトはフィールドに下り――その拳を張った氷に打ち付けた。

 サイコキネシスによって生まれたのと同規模のクレーターが穿たれる。衝撃によって弾け飛んだ氷が勢いよく、四方に飛び散るが途中で向きを変え、向かってくるオニゴーリに殺到する。だが、細かく砕かれた破片では動きを止めさせるどころか、技の勢いを落とす事すらできず、向かう端から砕かれていく。

 それに構わず、二度目の衝撃が走る。氷は完全に砕け、サーナイトの周囲のフィールドが露出する。

 不意に、オニゴーリの動きが止まる。宙に浮かぶ事を止めた事で、サイコパワーの出力をフルに攻撃に回せるようになったのだ。

 身動きが取れないながらも、半分開いた口から冷気が放たれる。しかし、その悪あがきもテレポートされた事でフィールドに再び薄い氷を張るだけに留まる。

 テレポートにリソースを割かれたためか、オニゴーリの拘束が緩められる。しかし完全に解かれた訳でもなく、

宙を漂うその動きは鈍い。不意に襲い掛かった衝撃が、オニゴーリを眼下にあった氷に叩き付ける。

 オニゴーリの真上に現れたサーナイトは、オニゴーリを蹴り落とし、そのまま手にきあいだまを生み出しそのまま放り投げた。オニゴーリは躱そうともがくものの、叩き付けられた衝撃で体が氷にしっかりと埋め込まれており身動きすらできない状態で、甘んじて攻撃を受ける他なかった。




 
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