俺のサーナイトがバグってて夜しか眠れない   作:libra

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 早く書く事、そしてコメディー色の強い作品を書く。
 これが今作のテーマ......時々コメディーってなんだっけとなりましたが。


 タグが仕事しないのはいつも通り。


愛は岩をも砕く(物理)

 カナズミシティ。

 カントーのシルフカンパニーに並ぶ大企業、デポンコーポレーションの本社があり、同時にトレーナーズスクールと件のジムがある経済的にもトレーナー業的にも重要な、ホウエンでは珍しい都会の2文字の似合う街である。

 

『ここがジムですかー』

「......」

 カナズミジムの前に立つ一人と一体、言うまでもなくカルマとサーナイトである。

『大丈夫ですか、マスター?』

「......寿命が縮んだわ、年単位で」

 その顔は青を通り越して白かった。

『大丈夫です、オボンのみを食べれば治ります』

「俺はポケモンじゃないんだが......」

 

 

 

 

 色々と手続きと準備とかくかくシキジカという事があって向かい合うジムリーダーとカルマ&サーナイト。

「体調が優れないのでしたら日を改めた方がよろしいのでは?」

 ジムリーダーのツツジは、その手の性癖を持つ大きいお友達が喜びそうな少女だった。

 スクールの在学生でありながらジムリーダーを務めるというスクール始まって以来の秀才、別の次元では先生をしていた気がするがこの世界では少しばかり生まれるのが遅かったのだろう。

「心配なく......うちの相棒は待てができない質でね」

『どういう意味ですか、マスター?』

「そのままの意味だ」

「......わかりました。それでは、始めましょう」

 

 カルマが繰り出すのは、当然サーナイト。

 対するツツジが繰り出したのは岩のボールからムキムキの腕が突き出たポケモン、イシツブテ。

 ちなみにイシツブテの一般的な体重は20キロ、それを投げ合う遊びがあるというが......人間をやめている。色々な意味で。

 

「それでは、イシツブテ......って、大丈夫ですか⁉」

「あー、お構いなく」

 立っているのが辛くなったのか、へたりこむカルマ。しかし、その顔は苦しそうなものではなく、苦笑いを浮かべていた。

「よそ見をしていいのか? バトルはもう始まっているんだぞ?」

「えっ?」

 

 鈍い嫌な音が響いた。

 

 サーナイトは細かいレベルは忘れたが、キルリアを30レベル程度まで育てて初めて進化するポケモンだ。

 そして、ジムは挑戦者のバッジの所持数によって使用ポケモンのレベル(難易度)が変わる。

 そして今のところカルマのバッジ所持数は0。

 

 そのレベル差は、ただの殴打で倒せるほどに広かった。

 

 重い音を響かせながら、イシツブテは壁にめり込む。

「い、イシツブテ!?」

「正直、悪かったと思っている」

「い、いえ......貴方のサーナイトから目を離した私が悪いのです。本当に体は問題ないのですね?」

「ああ、少し頭がくらくらして吐き気がするだけだ」

「......それは大丈夫と言えるのでしょうか?」

 

『マスター、マスター、次のポケモンを出すよう言ってください』

「俺の体調なんて些細な事だ、次のポケモンを早く出してくれ」

「わかりました、行ってくださいココドラ!」

 

 ココドラは、彼女のエキスパートタイプであるいわと同時にはがねタイプを併せ持つポケモンだ。

 はがねタイプ(ココドラ)フェアリータイプ(サーナイト)に強い。相性の上でならココドラが有利だった。

 ......なお、レベル差。

 

 ツツジは戦慄した。

 トレーナーズスクールと同じ街にあるジムという事で、彼女のジムの挑戦者は大半がジムバッジを有していないトレーナーばかりだった。

 時たま、高レベルのポケモンによる勝てないならレベルを上げて物理で殴る(ゴリ押し)をされる事もあった。

 彼のサーナイトもその類だと思っていた。

 

 さっきのような無様は晒すまいと、サーナイトの姿に集中したまではよかった。

 しかしだ、肝心のサーナイトが突然消えてしまった。

 一瞬、思考が止まる。

 

 次の瞬間、緑色の影がココドラの真上に現れ――。

 

 

 ココドラは耐えていた。

 先ほど、イシツブテを文字通りワンパンした殴打を受けて生まれたてのシキジカのように足を震わせながらながらも立っていた。

 ポケモンには特性という物がある。

 そのポケモンが持つ、特殊な能力や生態といった物をプレッシャーや、するどいめ、いかくなどと言ったものに分類した物......それが特性だ。

 このココドラの特性はがんじょう。一度もダメージを受けていない状態だと、戦闘不能になるダメージを受けても一回だけ耐えることができるという特性だ。

 イシツブテもこの特性を持っていることがあるが、きっと別の特性(いしあたま)だったのだろう。

 

 ただ、耐えることができてもそれは一回限り。

 レベルが同じくらいだったのならば、反撃して返り討ちにすることもできたかもしれないし、ターン制のゲームだったらがむしゃら等をを使って、後のポケモンに望みを繋げたかもしれない。

 

 倒れていないことを見て取ったサーナイトは、今さっき振り下ろしたのとは逆の手で再びココドラを打った。

 

「......よく育てられていますね」

「ああ、まあな」

「この手の言い訳をするのは好きではないですが......色々な意味でここを最初にされたのは悔しいですね」

 

 ここを訪れる挑戦者は大抵、スクールを出たばかりの新米か、自己流で強くなったトレーナーばかり。

 時たま、他のジムリーダーと親善試合の名目で戦う事はあっても文字通りに時たまで頻度は少ない。

 

 ツツジは飢えていた。技巧と連携を駆使した勝負に。

 だからこそ強く思う、手加減抜きでの本気での勝負をしたかったと。

 

 

 

 サーナイトの蹴りとサイコキネシスが続けざまにノズパスを捉え、いつかのイシツブテのように吹き飛ばす。

「ノズパス戦闘不能! 勝者、シダケタウンのカルマ!」

 レフェリーの言葉と共にサーナイトがカルマの元に歩み寄る。

『マスター、私一体でも勝てましたよ!』

「そりゃあ、最初のジムだからな」

 持っているバッチが多いほど、ジムリーダーの使うポケモンは多く、かつ強くなっていく。

『......そういえば、そうでしたね。でも大丈夫ですよ、私はマスターのポケモンなんですから』

「どういう根拠だ、それは......」

『愛があればどんな障害だって乗り越えていけます!』

「......ああ、まあ、ほどほどにな?」

 

 こうしてカルマとサーナイトの初めてのジム戦はサーナイトの3タテで幕を下ろした。

 だが、バッジ集めの旅は始まったばかりだ!

 負けるなサーナイト! めげるなカルマ!

 君たちの冒険はこれからだ!(※終わりません)




 戦闘中のテレポートの使用は困難とかそういう説明入れようかと思ったけれど、ヨイショっぽくなるからカットしました。

 まだまだ序盤なので色々とおとなしいです。
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