なぜか度忘れした挙句、一か月放置プレイをキメてしまった。本当に申し訳ない。
たくさんの人が並んでいる姿をカルマは呆けたかのように眺めていた。
店の常連客、シダケタウンに住むご近所様、今まで戦ってきたジムリーダー達に四天王、そして元チャンピオンと現チャンピオン(カルマが辞退したためにユウキが続けて職務をこなしている)。
おめでとう。
おめでとう!
おめでとう。
口々に同じことを言い、拍手と祝福を一様に向けてくる彼らにカルマは困惑を隠せない。
なんだこれは。
その答えは思わぬ所から現れた。
「ご主人様♪」
後ろから不意に投げかけられた声。
振り返ってみれば、なぜか通常のメガシンカをしたサーナイトが立っている。
……鍵かっこがおかしい? 前回からだ。
「なんでメガシンカを? ……それにこの集まりは」
「嫌ですねご主人様。寝ぼけているのですか?」
今日は私たちの――結婚式じゃないですか。
「ハッ!?」
結論を急げばいわゆる夢オチである。
跳び起きたカルマは辺りを見渡し、いつも通りの様子を見せる我が家に安堵の息を吐いた。
祝福の声を掛けてくる知り合いも、花嫁のような姿をした相棒(♂)の姿もない。
いつも通りの清々しい朝だった。
チャンピオンを下し、念願であった殿堂入りを果たした後も彼らの暮らしにそこまでの変化はなかった。
せいぜいがジムリーダーや、四天王等のトッププレイヤーの常連が増えた程度。
売り上げが以前より増え、懐が温まったものの、二人の暮らしはサーナイトの我儘の前とそこまで変わりはない。
のんびりとした時間。
サーナイトと一緒に畑をいじり、家でのんびりとし、ゆっくりと時間を過ごす。
なんだかんだと言いつつもジム巡りは刺激的だったと感じていた。しかし、こういう時間の方が好きだとカルマはまどろみの中、ぼんやりと考える。
この時間がずっと続けばいいのに――そう考えるも、それはあり得ないとどこか苦笑の混じった考えでそれを打ち消す。大なり、小なりの違いはあれど彼の我儘は今に始まった事じゃなかった。流石に一体でリーグに挑もうとするのは彼の我儘の中でも特大の暴挙ではあったが、振り回されるのは今に始まった事ではない。
そこからカルマが得た教訓は、ゆっくりできるうちにゆっくりする事。ふとした一瞬の一服がその月、最後の安らぎになりかねないことを身を以って知っているからだ。
リーグ挑戦は暴挙ではあったけれど、家に戻ってこられるだけ楽ではあったかもしれない。と、独り言ちる。
まあ、流石にあれだけ全力を出す機会に恵まれたんだ。しばらくは大人しくしてくれるかもしれない。そんな楽観的な考えが一瞬浮かぶ。
それがいけなかったのかもしれない。
「ご主人様!」
駆け込んでくるサーナイト。その手には一冊の雑誌が握られている。
「……どうした」
「別荘を買いましょう!!」
握られた雑誌には海に浮かぶ4つの島の航空写真がデカデカと掲載されていた。
遅れたのは大体、書く事がなかったせい。
アローラに行くって感じの終わり方をしていますが、続きません。
今後もポケモンで何かしらの作品を書く予定ではありますので、目に留まったらまた贔屓にしてもらえると助かります。
まあ、ポケモンじゃないかもしれませんが……好みに合うようだったらまたよろしくお願いいたします。