俺のサーナイトがバグってて夜しか眠れない   作:libra

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 感想が全く来ないと思ってたらログイン限定だったので、解除しておきました。


 
 あ、前に書いたかもしれませんがサーナイトのテレパシーはカルマにしか聞こえてません。

 今回は初のバトルがない話です。
 テレポートとかで移動の疲れはないけれど連日ジム戦じゃ疲れるからね、仕方ないね。


休養を取りましょう?

「いい加減休もう」

 サーナイトが殿堂入りを目指すと言ってから3日、エスパータイプの特権であるテレポートやら空中浮揚やらで移動時間を短縮してはいるものの、メインディッシュであるジム戦は少しずつ疲労を重ねていた。

 カルマの提案にサーナイトは不承不承と言った体で頷いた。

 

 カルマの本業は木の実ブリーダーである。ジム巡り初日は作業の途中でドナドナされたが、それ以降はある程度の時間手入れをしてからジムに向かっていた。

 しかし、じっくり時間を掛けてと言うわけにはいかず、その結果木の実の木が生えている土にはちらほらと雑草が生えていたし、よくよく見ると調子のよくなさそうな木もあった。

 

「この木を潰してくれ」

『分かりました』

 サーナイトのサイコキネシスが、状態の悪い木を押しつぶす。

 ぐしゃぐしゃになった木はそのまま、サイコキネシスでカルマの持つ袋に入れられる。

『......というか、私を休ませるんじゃなかったんですか?』

「体は動かさないだろう? あと、俺は見てるだけだが結構疲れるんだぞ、精神的に」

『むぅ......』

 サイコキネシスがぷちぷちと雑草を引き抜いていき、袋の中へと放り込まれていく。

 

 地面に敷かれたシートの上でゴロゴロとしているサーナイトを横目に、カルマは丁寧に土の状態を見ていく。

 栄養が足りていないようならば出来立てほやほやの肥料を混ぜ、水が不足しているようならば水を撒き、硬くなりすぎているようならば解していく。

『それは手伝わなくていいんですかー?』

「サイコキネシスじゃうまくできないだろ?」

『そこまでものぐさじゃありませんよっと』

「一応、お前を休ませる日なんだが」

『そうですか』

 (テレパシー)ではそう言ったものの、サーナイトはつまらなさげな表情を浮かべていた。

 

 見栄えの悪い木の実で作ったサンドイッチでランチタイム。

 とはいえ、味も品質も問題ないと言えるレベルで、少し小ぶりだったり日焼けしていたりする程度だ。

 

 もしゃもしゃ、もきゅもきゅ。

 

『マスター?』

「......どうした?」

『お客様が来ているようですが』

「そうか、サンキュー」

 適当にパン屑を払い、店へと足を向ける。

「んで、誰だか分かるか?」

『ええと、この感じは......』

 サーナイトにはいつの間にか思念を読み取り、人やポケモンが近づいてくるのを察知する能力が身についていた。流石に戦闘中には使えないようだったが、二人そろって店を離れて作業している時にはとても役に立つ能力と言えた。

 

 思念には波がある。

 感情などによって乱れることはあっても、基本的には変わらない。

 個々人に差があり、知っている相手かどうかを見分けることもできる。

 

『......チャンピオンですね』

 

 

 ホウエンチャンピオン。

 それはつまり、ここホウエンにある8つのジム全てを制覇し、その上でリーグを守護する四天王、そして主とも言えるチャンピオンを撃破しその称号を引き継いだものの事である。

 他の手段もある事にはあるが、基本的にはその地方で一番強い奴がチャンピオンという上記のような理解でいいだろう。

 

 ホウエンチャンピオンはつい先日、代替わりをした。

 何人目かはあまり知られてはいないが、ある事実を前にすればそれはどうでもいいことだろう。

 その事実とは、かのオーキド博士の孫と並ぶ最年少チャンピオンであるという事。

 

 

「お久しぶりです、カルマさん」

「随分ご無沙汰だったな、最近の景気はどうよ?」

「景気って......なんかおじさん臭いですよ?」

「バーカ、俺はまだまだ花盛りの十代だっての」

 

 その名はユウキ。

 先述通りチャンピオン就任の最年少記録(タイ)を持ち、その上世界の危機を2度も救った文字通りの英雄(ヒーロー)である。

 ......最も、後者は一般に公開されていないが。

 

 

「そういえば、父さんから聞いたんですけどジム巡りしてるでしたっけ?」

 二言、三言会話を重ねてふとした風にユウキは尋ねた。

「ああ、サーナイトがやりたいってな」

「へぇ......そのうち僕とも戦う感じですかね?」

「殿堂入りしたいって言ってたからなぁ、お得意先のよしみでお手柔らかに頼む」

 ユウキの顔がにっこりと笑みを浮かべる。

「それなら少し付き合ってくれませんか?」

「何を?」

「トレーナー同士、目があったらバトル。でしょう?」

「わっつ?」

「最近ご無沙汰だったんですよ、本番のデモンストレーションだと思って付き合ってもらえませんかね?」

 

 

 激しくデジャブを感じた。

 具体的に言えば、サーナイトがポケモンリーグを目指したい(概要)と言ってきた時と同じ状況。

 どんなに言葉を重ねても、大魔王(チャンピオン)は止まらず、さらにはもう一人の大魔王(サーナイト)も乗り気という地獄絵図。休養とはなんだったのか。

 カルマは頭を抱えた。頭が頭痛だったのだ。




 普通にほのぼのとした話を書きたかった。
 しかし、気づいたらこうなっていた。

 だけど皆さんお好きでしょう?(バトル)
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