俺のサーナイトがバグってて夜しか眠れない   作:libra

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 ......こうなるからGWまでに終わらせたかったんだ(喀血

 頻度が落ちて本当に申し訳ないと思う。
 大体、チャンピオンと艦これって奴のせいなんだ......。


手を伸ばし続ければ雲だって掴めるはず

「ここまでテレポートを使いこなすポケモン、私初めて見ました!」

 押されているというのに、その声は華やいでいた。

「接近戦と遠距離の巧みな切り替え、とりポケモン使いとしての一つの到達点を見た気がします」

「褒められても木の実しか出ませんが」

 テンションの高まったナギに対してカルマは苦笑いするしかなかった。

 全てはサーナイトが勝手に習得した事である。彼がやった事と言えば、サーナイトの強さへのモチベーションを無自覚に上げていた事くらいだったからだ。

「そういえば木の実ブリーダーでしたっけ......こほん、その話は後にしましょう」

 ナギはボールを手に取り、放り投げる。

 中から放たれたのはもこもこの毛玉――否、それは翼だった。

 

 雲のような翼を持つポケモン――チルタリス。

 癒し系なオーラを放ってはいるが、見かけによらずドラゴンタイプである。

 ただ、不運な事と言えばドラゴンタイプはフェアリータイプに弱いという事だ。

 

「行きましょう、これが私たちの舞です――りゅうのまい!」

 ほんわかとした雰囲気を放つポケモンが荒々しい踊りを踊る。その光景はどこかミスマッチながらどこか目を引き付ける物があった。

 しかし、サーナイトはそれに目もくれずにテレポートによって一瞬でチルタリスの傍に跳んでいた。

 これはポケモン。変身シーンで攻撃してはいけないというお約束はない。

 

 ないのだが、そもそも攻撃が当たらなかった。

 

 りゅうのまいはめいそうと同様にポケモンの能力を一時的に引き上げる技だ。

 りゅうのまいによって素早さを強化したことにより、チルタリスの素早さは素のサーナイトの速さを凌駕した。

 

 ここまではオオスバメの時と同じ条件だ。

 しかし、このチルタリスはジムリーダーであるナギが自信を持って送り出したポケモン。それで終わる訳がない。

 

「しろいきり!」

 チルタリスを中心として濃厚な霧が辺りに立ち込める。

 本来は能力の低下を防ぐだけの技だが、チルタリスの羽毛は雲のような色。つまりは霧に紛れやすい。

 おまけに見通しが悪くなることで、テレポートの妨害にも役立っていた。

 

 何度か攻撃を繰り返すも、当たった様子はなく霧を突き抜けていくばかり。

 その間にも霧は広がり続け――サーナイトをも飲み込んだ。

 

 少し先も見えない霧の中。外にいるカルマはもちろんのこと、中にいるサーナイトも少し先すら見通せない霧の中。

 ふと、風を切る音がした。

 その方向めがけ、冷気をまとった拳を振るう。

 その拳は空を切り裂き、反撃とばかりに炎が放たれ、白い靄が赤く染まる。

 

『向こうからは私が見えているようです』

 そう離れた場所でもないはずなのに、返事の声は聞こえなかった。

 テレパシーの使えないことの弊害がくっきりと浮かび上がった形である。

 もっとも、バトルに対して門外漢である彼に助言を乞うた所であまり意味はないだろうが......。

 

 微かに羽ばたく音。

 次に放つは電撃。

 そのタイミングで羽ばたく音が僅かに乱れる。

 少し遅れて風を切る音。

 接近に合わせるように冷気をまとった拳を向かわせる。

 

 交差――二つの影が重なり、静かに衝突音が響く。

 予想以上に素早い動きで放たれたつばめがえしがサーナイトの体に突き刺さっていた。

 

『まだ......』

 勝利を確信したのか、一瞬チルタリスの気が緩む。

 しかし、目の前の相手はまだ瞳の光を消していなかった。

 彼にとってその一瞬は千載一遇の好機。

 手を伸ばせば届く距離。そこに素早さも視界の悪さもない。

 

 緑色の手が、雲のような羽毛を掴む。

 倒し切れていない事に即座に気付き、その口から炎を吐き出そうとする。

 その動作は素晴らしく速かった。

 しかし、サーナイトが攻撃の動作に入る方が速かった。

 

 強力な念力がそのくちばしを強引に閉じさせ、体の自由を奪う。

 切れ切れの思考ではわずかな間しか効果がないであろうそれ。

 しかし、この深い霧の中でも視認できる距離だ。現に、サーナイトが触れられる距離。

 片手がふさがっていても、サーナイトには二本目の手がある。

 

 先ほどより、重い音が響いた。

 

 バトルが終わったことで、この晴れ渡った空には似合わない霧が薄まり、やがて消えた。

 倒れかけながらも、サーナイトはその足でしっかりと立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱり防御にも力を入れるべきなんでしょうか』

 倒れる寸前まで戦ったという事もあって、ジム戦の翌日は休養日となった。

 またチャンピオンが来る可能性がありそうだが、流石につい先日来たばかりだ。おそらく来ないだろう。フラグが立った気がしないでもないが、きっと大丈夫だろう。

「やっぱり、昨日みたいな事になると避けるのは難しいのか?」

『見えていないと避けるのも、カウンターするのも難しいですね。現に距離感を掴めなくて倒されかけましたし』

 サーナイトはしばらく考え込んでいた。やがて伸びをする。

『そうですね、メガシンカを当てにできない以上何かしら新しいアプローチを考えないと......あの人には勝てませんしね』

 夕ご飯までには戻ります、と言いおいてサーナイトはどこかへと跳んで行った。

 




 
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