ルーラー喚ぼうとしたら、なんか違うのが来たby聖杯   作:陣代高校用務員見習い

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大変お待たせしました。
FGO7章&最終決戦に参加していたら、執筆に時間がかかってしまいました。
今回が今年最後の投稿になると思います。
みなさん、良いお年を!


ゴッドハンド白野

sideキシナミ

 

さて、新しく出会った藤丸君達を連れて江宮邸に帰還。

はくのん達と合流した後、自己紹介と情報交換をしたわけだけど………

 

「月の演算装置……………ムーンセル・オートマトン?」

 

「月で聖杯戦争ですか?」

 

いきなり言われても信じられないよね。

こちらとしても、藤丸君たちの人理修復の旅には驚きだ。

 

「…人理焼却の件、ムーンセルが知ったら激怒不可避」

 

間違いない。

気の遠くなるような時間と手間をかけて記録した人類史が歪められてしまうわけだし。

万物全てを記録対象としているムーンセルにも限度というものがあるだろう。

 

「…これは、私かキシナミが地上に送り込まれて人理修復を手伝うパターン?」

 

おい馬鹿ヤメロ。

不穏なフラグを建てるんじゃない!

たしかに人理焼却の話を聞いた時、「ひょっとして、自分達はこっちの件で喚ばれたのかな?」と一瞬思ったけど‼

 

《………うーん、ムーンセルだよね?

やはりそれらしい記録はこちらのデータベースには無いようだ》

 

そうですか。

この世界にも無いそうですから、案外レアなのかな。

というかロマンさんだっけ?

なんか、通信ウィンドウがノイズだらけなんですが?

 

《今回は事故性の高い急なレイシフトだったから、回線の繋がりが不充分なんだよ。

索敵もほとんど出来ないし、観測にもかなり手間取っている。

これでは藤丸君達の帰還は、予想以上に時間がかかるかもしれないね》

 

それでしたら、ここをこうすれば………

 

「!ドクターの顔がテレビに!?」

 

《回線が一気に調子が良くなった!

これならそちらの観測も捗るよ‼》

 

《ふむ。今の回線を繋いだ技術、アトラス院のやり方に少し似ているね》

 

えーと、どちら様で?

 

「…モナリザ?」

 

《おっと失敬。私はカルデア技術局特別名誉顧問のレオナルド・ダ・ヴィンチだ。

ムーンセルの諸君、私の事は気軽に『ダ・ヴィンチちゃん』と呼んでくれたまえ》

 

そんな!

まさか、そういう事だったのか?

 

「…この事実はムーンセルに記録する価値あり」

 

《む?二人ともどうしたのだい?》

 

これが『ダ・ヴィンチコード』の真実。

 

「…まさか」

 

「「…モナリザが自画像だったとは!」」

 

《……………………は?》

 

ずっとモナリザを加筆していたのは、単純に自分の見た目が加齢で変化していたからだったのか!

 

「…歴史記録と性別や見た目が違うのは、この業界では日常茶飯事」

 

《これは驚いた!

まさかそのように解釈してくれるとは!》

 

《笑い事じゃないよ!

ムーンセルが記録装置だというならば、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』がその姿で永久登録されるかもしれないんだよ!?》

 

《私としては願ったり叶ったりだね。

何よりもそちらの方が面白いとは思わないかい?》

 

「あの先輩………本当の事を教えた方がよろしいのではないでしょうか?」

 

「別にいいんじゃないかな。ダ・ヴィンチちゃんだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《さてお互いの事もそれなりに分かったところで、そろそろ話を進めようか》

 

「一番話を脱線させていたのはダ・ヴィンチちゃんだったような………」

 

「…まだアーチャーと魔法少女の関係を聞いていないよ?」

 

《イリヤさん達にはかなり強めのお薬を使いましたからね。

今晩は起きないとおもいますよ♪》

 

仕方ない、この件は明日にしようか。

 

「…アーチャー、逃げないでね?」

 

「………冤罪……のはずなのだが………」

 

《とりあえず藤丸君とそちらにいるサーヴァント達を『カルデアチーム』、キシナミ君達4人を『ムーンセルチーム』と呼称する事にしよう》

 

《先程ロマニが言っていたように、我々カルデアではムーンセルが観測できていない。

一方で、君たちムーンセルチームも『人理焼却』を観測できていない。

ならば、ここはお互いを『そういう人達』という認識だけして、あまり深く関わらない方がいいだろう》

 

《そうだね。幸い、その世界にはムーンセルが無く、今のところ特異点化の兆候も見えていない。

お互いにとって無関係の世界というわけだ》

 

大事なのは、これからの行動というわけですね?

 

「…ムーンセルチームは、大聖杯のルーラー召喚を妨害した可能性がある。

聖杯その物に用は無いけど、聖杯戦争中の被害に関しては対処する予定」

 

《カルデアチームは、特異点化の兆しが無い以上、必要以上に干渉したくない。

レイシフトに問題が無いと分かり次第、すぐ戻ってもらうつもりだったけど……》

 

《ムーンセルチームの情報からすると、これはレイシフトの事故ではなく、カルデアチームも大聖杯に喚ばれた可能性が出てきた。

ルーラー召喚に割り込んだムーンセルチームはともかく、本来無関係のはずのカルデアチームが喚ばれたのはかなり不可解だ。

大聖杯そのものに異常が発生しているかもしれない。

その件もふまえて再計算する必要があるね》

 

「ドクター、やっぱり時間かかりそう?」

 

《キシナミ君が回線を繋いでくれて大分マシになったけど、やっぱり数日はかかるかな。

藤丸君の不在で一部サーヴァントが暴走しそうだから、出来る限り急ぐつもりだよ》

 

「………ちなみに暴走しそうなのは、誰ですか?」

 

《藤丸君だって予想ついているんじゃないかな?

筆頭は清姫ちゃんと頼光さん。

あとは、最近仲間になった静謐ちゃんかな。

カルデアに戻ったらフォローしてあげてね》

 

「………………善処します」

 

『清姫』ってまさか『安珍清姫伝説』の!?

明らかにヤンデレじゃないすか!ヤダー‼

藤丸君、やっぱり君もヤンデレに苦労していたんだね。

 

「………ひょっとして、キシナミさんも?」

 

うん。詳しくは話せないけど、自分とはくのんは散々ヤンデレに追いかけ回された経験がある。

だが安心していい。

此処には君を追いかけ回す、気がついたら真後ろに立っているようなヤンデレはいないんだ。

勝手に部屋が掃除されているような事も、私物が時々無くなるような事も無いんだ!

一人で、眠れるんだ‼

 

「………………………うっ……ひっぐ………ありが……ありがとうございます…

……いつも…誰かの視線を…感じて………ベッドの下や…天井裏にも誰かいて…………一人に………なれ…なくて………………う…うわぁぁぁぁぁ‼‼」

 

《こ…これは……!》

 

「せ……先輩!?」

 

「…ガチ泣き?」

 

いくらなんでも追い詰められすぎだぞ!藤丸君‼

 

sideout

 

 

 

 

 

 

side藤丸立香

 

………ごめん、みんな。

恥ずかしいところを見せちゃって………

 

「すみません先輩。

まさかそんなに精神的に追い詰められているとは知らなくて………」

 

いや別にいいんだ。

マイルームがいつの間にか片付けられているのも、最初の頃は物凄く怖かったけど、最近は慣れてきていたし。

 

《それは絶対慣れちゃいけない類いものだよね!?》

 

「……先輩のこの状態からすると、後で掃除シフトを再考する必要がありますね」

 

………………………え?

ひょっとして…………マシュも?

 

「はい。以前は私が毎日行っていたのですが、今は週に一度しか出来なくなってしまいました………」

 

《ちなみに今の掃除のメンバーは?》

 

「私を筆頭に、マタ・ハリさん、清姫さん、ブーディカさん、頼光さん、静謐さん、そしてスカサハさんです」

 

《影の国の女王まで!

それ絶対、何かルーンを仕掛けられているよね!?》

 

………どうしようドクター………震えが止まらないよ…

 

「…ちょっといいだろうかマシュちゃん」

 

「何でしょうかキシナミさん?」

 

「…その掃除シフトに男性サーヴァントは入れられないだろうか?

おそらく、今さら掃除を禁止しても誰も言う事を聞かないだろう。

ならば妥協点を見つけ、少しでも藤丸君が精神的に落ち着ける日を作っておくべきだ」

 

「そうですね……たしかエミヤさんと呪腕さんが立候補していましたから、カルデアに戻ったら頼んでみます」

 

キシナミさん!本当にありがとうございます‼

 

「………なぜか先程から、先輩がキシナミさんと仲が良すぎるような気がするのですが…」

 

《ふむ。私の推測ではムーンセルチームの二人、特にキシナミ君は、藤丸君と『同じ』だからだろうね》

 

「先輩と『同じ』?」

 

《うん。ここから簡単にスキャンした限りでは、キシナミ君もハクノちゃんも大した魔術師では無いんだ。

魔力量はそれなりにあるけど、魔術回路は本当に平凡だ。

それに二人の様子からすると魔術を修めたのはつい最近だと思われる。

『僅かに魔術回路があるだけの素人が、マスターとして聖杯戦争に巻き込まれた』というわけだ。

何処かで聞いた話みたいではないかね?》

 

《今のカルデアにはマスターは藤丸君しかいない。

だから、本当の意味で藤丸君のマスターとしての悩みを聞ける人間がいない。

僕やレオナルドは『カルデアの仲間』だ。

サーヴァント達は、中には王様や師匠のような人もいるけど、最終的には『マスターとサーヴァント』という関係に落ち着いてしまう。

一番距離が近いマシュでも『マスターとサーヴァント』であり『先輩と後輩』だ。

藤丸君からすれば全員仲間なんだろうけど、同じ立場の人はいない》

 

そう……なのかもな。

もちろんマシュやドクターにダ・ヴィンチちゃん、そしてサーヴァントのみんなは大事な仲間だ。

でも心の何処かは求めていたのかもしれない。

自分と肩を並べて戦う『仲間のマスター』を。

 

《冷凍睡眠中のマスター候補達は大半が典型的な魔術師だ。

もし起きていたとしても、彼らみたいに藤丸君と意気投合する事はまずないだろう。

今回の転移事故、彼らと出会えたという点では幸運だったね》

 

「………そうですね」

 

《おや?マシュ、ひょっとして藤丸君を盗られたような気がして拗ねているのかい?》

 

「そ、そんな事ありません!

ドクターいい加減な事言わないで下さい‼」

 

「…ふむ。はくのん、任せた」

 

「…任された」

 

え?ハクノさんが無駄に洗練された動きでマシュの背後に回り込んで………

なっっっ‼‼

マシュのマシュマロを背後から鷲掴み‼!?

 

「ななななな!何をするんですか!

ハクノさん止めて下さい‼」

 

「…見た目以上のボリューム……だと!

この程よい弾力と柔らかさ、まさしくマシュマロ。

もっと吟味しなくては‼」

 

「ふ、服の下に直接!?

駄目ですこんな事は!

あ、ちょ、そこはっ‼‼」

 

「…ここがええんか?そうなのか?」

 

「ど、どうしてこんな、あっ‼」

 

「…『持つ者』には『持たざる者』の気持ちは分からない。

だから、マシュにはわたしの気持ちが分からない」

 

『持つ者』?『持たざる者』?

…………あっ………そういう事か。

 

「待て、落ち着きたまえマスター!

自分に無い物を求めるのは分かるが、揉んでもご利益はないぞ!?」

 

「…アーチャー、後で蔵に来い。

今夜は寝かさんぞ女の敵め………‼」

 

「ヒィィィィッ‼‼」

 

「あ、あ、な、なんか、変なか、感じ、が‼」

 

《ロマニどうだい?》

 

《大丈夫、バッチリ記録しているよ。

マシュの成長記録だしね!》

 

「削除して下さい!今すぐ、確実に、削除、を‼

ってハクノさん!?下は‼下は本当に駄目です‼ご容赦を‼‼」

 

「…マシュの後輩力が強すぎて、自分が抑えられない。

マシュは魔性の後輩キャラだった!?」

 

「むぅ、はくのんズルいぞ!余も混ぜよ‼」

 

「………おい聖女モドキ、おまえ顔スゲー真っ赤だぞ?」

 

「う、うるさいわねヤンキー騎士!

どうせあんただって、その仮面の下は似たようなもんでしょ!?」

 

《ふっふっふっ~♪イリヤさん達に良い資料が出来ました。

明日が楽しみですね~♪》

 

………………………………キシナミさん、そろそろ止めた方がいいのでは?

 

「…大丈夫だろう。アレははくのん流のスキンシップだ」

 

「フォウ。フォウフォウフォウフォウフォウ‼」

 

「…なに?

『お団子の食べ過ぎでお腹がいい感じになっている。胸は見た目以上、マシュは着やせするタイプだった。まさしくデンジャラス・ビースト‼』だと!?

その話詳しく聞かせてもらおうか、キャスパリーグ‼」

 

キシナミさん!?言っている事分かるんですか!?

 

sideout




マシュマロのあたりはもっとエロくしたかった(無念)

とりあえず、今話までの展開でキシナミにはいくつかのルートが発生してしまいました。
ゲーム風に言うならば、今後のフラグ次第で彼の運命は変わります。
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