ルーラー喚ぼうとしたら、なんか違うのが来たby聖杯   作:陣代高校用務員見習い

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みなさん、CCCイベントはいかがでしょうか。
私は無事ミッションを全てクリアし、今はデーモンの心臓を抉りながらチップ集めしています。
とても面白いイベントだった。
………だが!
コレ、期間限定にしちゃイカンでしょう!?



今話のタイトルですが○○○○にはカタカナ4文字が入ります。
書いてしまうと内容が一発でバレるので伏せ字にしました。


○○○○降臨!冬木市最後の日‼

sideキシナミ

 

はくのんと藤丸君と別れた自分達は、新都の爆破現場まで来ていた。

周囲は立入禁止だったが、アーチャーさんとクロエちゃんがなんとかしてくれた。

アーチャーさん、どんな感じですか?

 

「巧妙に隠蔽されているが、破損した魔術礼装がいくつかある。

だがビルの様子からすると爆破には通常の火薬が使われているな」

 

「という事は、ホテルの中に魔術師が潜んでいて、それを爆弾で吹き飛ばそうとしたわけ?」

 

多分そうだろうね。

潜んでいた魔術師について何かわかる事はある?

 

「欧米人の宿泊客がフロア1つ分貸し切りにしていたそうだ。

おそらく、フロアを魔術工房に改造していたのだろう」

 

魔術工房?

 

「魔術師にとって工房というのは研究室や資料室なのだが、同時に身を守る要塞であり、侵入者を確実に始末する処刑場でもある。

今回は迎撃能力に特化したものを用意していたのだろうな」

 

「もっとも、どんな手の込んだ工房を作っても、建物ごと爆破されたら意味ないわよね」

 

でもまぁ、爆破は有効な手だと思うよ?

敵が居る場所が分かっていて、罠があると分かっていたら、罠ごと壊すのが一番手っとり早い。

こんな街中じゃなかったら、自分も同じ手を使うかもしれない。

 

「……まあ、月の聖杯戦争では確実にペナルティーをとられるけどな。

工房を作っていた魔術師の生死だが……死体が見つかっていない以上、生き延びたと見るべきだろう」

 

「サーヴァントもいただろうから、何とかなったんじゃない?」

 

爆破をした側についてはわかりましたか?

 

「爆破に魔術を使っていないからな、ほとんど情報が無い。

一応、爆破前に一般客を逃がすぐらいの良識はあるようだな。

単に監督役からのペナルティーを避けるためかもしれないが」

 

……ねぇアーチャーさん?

ひょっとして、この手口に心当りがあったりしません?

 

「………鋭いなキシナミ。

あぁ心当りがある。

おそらく、セイバーのマスターの仕業だ」

 

え!?セイバーのマスターと言うと、イリヤちゃん達のお母さんだよね?

……良いところのお嬢様風だったけど、意外と実戦派だったんだ。

 

「いや。セイバーの本当のマスターはアイリスフィールではなく、彼女の夫である『衛宮切嗣』だ。

……少なくとも私の中の『英霊エミヤ』の記録ではそうなっている」

 

…なるほど。目立つアイリスフィールをマスターだと誤認させて、相手マスターを衛宮切嗣が後ろから狙うという手か。

なかなか怖い手だね。

月では考えられないやり方だ。

 

「…やっぱりこの世界もそうなのね」

 

クロエちゃん?

 

「わたし達のパパの方の衛宮切嗣も、昔は結構物騒だったらしいのよ。

なかなか家に帰ってこないのって、多分昔のヤンチャの後始末しているからでしょうね」

 

「『魔術師殺し』の悪名は、その筋では有名だったらしいからな。

……ふむ。もう調べる事はなさそうだな」

 

そのようだね。

じゃあ戻ろうか。

……………と言いたいところだったけど。

二人とも気付いている?

 

「……………ああ」

 

「……まだ夕方だっていうのに、全然生き物の気配がしないわ。

この辺りが警察に封鎖されているにしても、これは異常ね」

 

……はくのんや藤丸君、カルデアと連絡がとれない。

これはかなりマズイかもな。

 

「人払いの結界か?いや、しかし……」

 

この時代の魔術師がムーンセルの技術に干渉したというのは、ちょっと考えづらい。

やったのはキャスターか、もしくは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しいな、雑種」

 

何でもありのAUOだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒壊したホテルの事故現場。

その瓦礫の山の頂点に原初の王が現れた。

勝負服である金色の鎧を纏い、自分達を見下ろすその姿は、まさしく人の形になった太陽のような威圧感があった。

 

「英雄王ギルガメッシュ!」

 

「これ、かなりヤバイんじゃない!?」

 

お久し振りですAUO。

その様子では月の記憶があるようですね。

 

「ふん。貴様ら『岸波白野』が現れたさい、一時的とはいえ大聖杯とムーンセルは繋がったからな。

その影響だろうよ」

 

なるほど。

ところで、本日はどのような御用件で?

 

「……自分で気付いている事をわざわざ問いかけるというのは関心せぬな。

まさか、我に説明させる気か?」

 

やっぱりそういう事ですか。

二人とも戦闘準備をしてくれ。

 

「……状況がさっぱりなのだが。

キシナミ、お願いだから説明してくれ」

 

今のAUOは冬木聖杯戦争に喚ばれたサーヴァントとしてではなく、かつて岸波白野とともに月の裏側を駆けたサーヴァント・ゴージャスとして目の前にいます。

…あの眼は『裁定者』としての眼だ。

かつてAUOは『共に戦う者』として岸波白野の価値を認めた。

今度は『戦う相手』としての価値を見定めようとしています。

目の前に現れた以上、もう逃走は不可能だ。

下手に逃げようとしたら、最悪この街ごと消されるかもしれない。

二人とも力を貸してくれ。

自分達が生き残るには、前に進むしかない。

 

「おまえの剣が、贋作者と紛い者というのは些か興ざめだが……まあよいか。

雑種よ、その陳腐な贋作二振りで我を楽しませてみよ」

 

えーと、それはいいんですが。

AUO、貴方の今のマスターは大丈夫なんですか?

 

「…ああ、時臣の事か。

それなら、ほれこの通りだ」

 

そうして見せたAUOの右手の甲には令呪が。

うん。ある意味予想通りだ。

AUOのマスターだったらしい時臣さんは、見事に令呪を奪われていた。

 

「令呪の強奪ですって!?」

 

「我の蔵には人類が作り出す物は全てある。

ならば、契約魔術の破棄や改竄などいくらでも出来るわ。

………しかし、あの時の時臣の顔。

案外、あやつはあれで道化の才能があったのやもしれんな」

 

……顔を見た事も無い時臣さんの扱いに目頭が熱くなってくる。

強く生きてください。

というか、取られたのが令呪だけで良かったと思ってください。

 

 

 

 

 

「……さて。では始めるか、雑種」

 

わかりました、AUO。

最後に一言だけ。

……自分達は勝ちにいきます。

 

「はっ!言うではないか!

ならば見せてみろ『岸波白野』‼」

 

二人とも覚悟はいい?

 

「正直な話、この状況には全く納得出来ていないが。

やるしかあるまい」

 

「厄介な事になったわね」

 

なんか巻き込んでゴメンね?

 

「別にいいさ。マスターの方に行かれるよりはマシだ。

…それに『英霊エミヤ』の記録の中には英雄王との戦いもあった。

私なら、ある程度は戦えるはずだ」

 

「で、キシナミさん?どんな作戦でいくの?」

 

とりあえず二人とも遠距離戦は絶対に避けてくれ。

『ギルガメッシュ叙事詩』に出てくるギルガメッシュは天性の肉体を使ったパワーファイターだったらしい。

だけど、サーヴァントで召喚されているとどうやら宝具メインの戦い方に変更されているみたいなんだ。

あの姿でも近接戦の能力はかなりあるはずだけど、『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』一斉射による蹂躙戦法を好んでいる。

アーチャーさんの『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』なら防げるだろうけど、消費魔力の関係で連発は難しい。

だから作戦はシンプル。

アーチャーさんが『熾天覆う七つの円環』で『王の財宝』の初撃を防いで、二人で突撃し、接近戦を挑んでくれ。

 

「やはり、それしか勝算が無いか…」

 

あとクロエちゃん。

自分では君に指示できない。

自分はサーヴァントを複数同時に指揮した事なんてないんだ。

だからクロエちゃんは、自分が指示を出したアーチャーさんに合わせるような形で動いてくれ。

 

「……ちょっと自信がないわね。

ま、なんとかやってみるわ」

 

「大丈夫だクロエ君。

君の中の英霊は、私と起源を同じくしている。

ならば、自然と合わせる事が出来るはずだ。

私が前に出る。クロエ君、ついて来たまえ」

 

「!上等‼

ついて行くどころか、うかうかしていると追い抜いちゃうからね『お兄ちゃん』‼」

 

 

 

 

 

『王の財宝』の第1射が来た!

アーチャーさん、お願いします!

 

「『熾天覆う七つの円環』!!!」

 

アーチャーさんの右手から赤い花弁状の七つの障壁が展開される。

よし!やはり防げるな!

 

「え!?ちょっと待って!

このアイアス硬すぎない!?」

 

月の聖杯戦争では、むしろ防げない物が少数派だったぐらいの最高の護りです。

…この弾道、やはり自分には当たらないように撃っているね。

試すのは、あくまでも『マスターとしての岸波白野』という事か。

二人とも、自分の事は気にせず突撃してくれ。

 

「「わかった(わ)‼」」

 

『熾天覆う七つの円環』を解除したアーチャーさんが前に出て、クロエちゃんがそれに続く。

自身に当たりそうな攻撃を双剣で弾き、一気にAUOとの間合いを詰めていく。

…AUOも『王の財宝』の砲門を増やした。

二人とも気を付けろ!

 

「……極限まで研ぎ澄ませ、クロエ君」

 

「アーチャーさん?」

 

「一手一手が致命。

一瞬一瞬が必死。

ゆえに、余分な思考は殺せ」

 

「………!」

 

「私達が今見るべきは、生と死の境界!」

 

「…………‼」

 

「読みきれ、そして勝ち取れ。

………5秒後の生存を‼‼」

 

二人は飛来してくる武器を捌き、ついにAUOがいる瓦礫の山を登りきる。

よし!その距離なら!

アーチャーさん!

 

「鶴翼、欠落ヲ不ラズ(しんぎ むけつにしてばんじゃく)」

 

「心技 泰山ニ至リ(ちから やまをぬき)」

 

「心技 黄河ヲ渡ル(つるぎ みずをわかつ)」

 

「唯名 別天ニ納メ(せいめい りきゅうにとどき)」

 

「両雄、共ニ命ヲ別ツ(われら ともにてんをいだかず)」

 

「「鶴翼三連‼」」

 

全方位からの逃げ場無しの斬撃が二重!

さらにクロエちゃんは背後に転移しての奇襲!

…………だが。

 

 

 

 

 

「…で。この大道芸がどうかしたのか?」

 

 

 

 

 

アーチャーさんとクロエちゃんの渾身の技は、AUOが周囲に展開した盾によって防がれていた。

 

「クロエ君!手を止めるな!

そのまま攻撃し続けろ!」

 

「アーチャーさん!足下からくる!」

 

「ちっ!」

 

……そして、防がれたのは予想通りでもあった。

アレではAUOは墜ちない。

だからこそ、自分がさっきからしている準備に意味がある。

そう、二人にお願いしているのは、ただの時間稼ぎである。

 

 

 

 

 

自分キシナミと平行存在のはくのん。

あまりに共通点が多いが、異なる点もそれなりにある。

自分は男で、はくのんは女だ。

自分はセイバーを喚び、はくのんはアーチャーさんを喚んだ。

自分は月の裏側の制服を着て、はくのんは月の表側の制服を着ていた。

自分はあんみつが好きで、はくのんは飴が好きだ。

自分は自爆に巻き込まれそうだった凜を助け、はくのんは自爆しそうなラニを助けた。

………そして、はくのんに無くて、自分だけにあるものがある。

 

 

 

 

 

さっきまで絶え間なく攻撃していたアーチャーさん達だが、今ではAUOの迎撃で身動きがとれなくなっている。

……あれなら、一度距離をとった方がいいな。

二人とも!今から援護する!

その隙に一度離れてくれ!

 

「……何をする気だ雑種?」

 

これこそが自分の切り札。

この状況を覆す一手。

……自分はポケットの中の『黒いキューブ』をAUOに向けた。

 

 

 

 

 

エリちゃん!君に決めた‼

 

 

 

 

 

手の中の黒いキューブは内側が開放され

 

「絶頂無情の夜間飛行(エステート・レピュレース)!」

 

竜の角と尾を持つ少女『エリザベート・バートリー』が、愛用の槍型マイクに腰掛け、AUOに突撃した。

 

「なに?雑竜だと!?」

 

当然のように突撃は止められたが、隙は出来た。

アーチャーさんとクロエちゃん、ついでにエリちゃんはAUOから離れ、自分の側まで戻ってきた。

 

「子ブタぁぁぁぁぁっ!」

 

やぁエリちゃん、久しぶ……ガハッ!?

…エリちゃん、尻尾ビンタは止めてくれ。

その攻撃は自分に意外と効く。

あとどうでもいいけど、縞パン見えてるよ?

 

「なんで!私の出番がこんな終盤なのよ!

しかもアレ、ゴージャスな変態じゃない‼

喚ぶにしても、もっとマシな時なかったの!?」

 

あの、エリちゃん?

自分、何度か連絡していたよね?

その度に「ボイストレーニング中」とか「服が決まらない」とか「良さそうな歌詞が閃いたから後で」とか言って、出てこなかったよね?

 

「うぐっ!?……だって、せっかく子ブタや子リスに会うんだし……

…中途半端な姿はイヤだったというか…」

 

とか言いつつ、本当のピンチの時にはあっさり来てくれたね。

ありがとう。本当に助かったよ。

 

「それでキシナミ。この後はどうするつもりだ?

次は3人ががりで挑むつもりか?」

 

「ちょ、ちょっと待って!

私はイヤよ‼

このマッチョな変態と一緒に戦うのも、あのゴージャスな変態と戦うのも!」

 

アーチャーさん、貴方は重大な勘違いをしている。

貴方はエリちゃんを何だと思っているんだい?

 

「何って…サーヴァントだろ?

たしか、今は『ランサー』だったはずだが」

 

違う。エリちゃんは…『アイドル』だ。

 

「…は?」

 

「…へ?」

 

「キシナミさん、麻婆豆腐の食べ過ぎでおかしくなっちゃったの!?」

 

「雑種。お前は何を言っているんだ?」

 

広いアイドル業界、ひょっとしたら歌って踊って戦いもこなすアイドル戦士もいるかもしれない。

でも、エリちゃんは歌とルックスで勝負するタイプだ。

戦いは本業ではない。

 

「え、えーと?子ブタ?」

 

だからエリちゃん。自分の願いはただ1つ。

…君の歌が聴きたいんだ。

 

「え!?」

 

アイドルの、エリちゃんの応援歌があれば、あのAUOとも戦える。

エリちゃんが己の心が命じるままに、やりたい放題に歌ってくれたら何か素敵な事が起きる。

………そんな気がするんだ。

だから、君の歌が聴きたいんだ。

 

「え!?え!?」

 

君の歌が聴きたいんだ。

 

「子ブタ!?」

 

君の 歌が 聴きたいんだ。

 

「キシナミ!正気に戻れぇぇぇ‼」

 

「キシナミさん!ダメぇぇぇ‼」

 

「雑種!貴様ぁぁぁ‼」

 

エリチャンノウタガキキタイヨ~

 

「………ふっふっふっ!

本当にしょうがないわね~♪

いつもならこんな事しないんだけど。

今回は特別に。ト・ク・ベ・ツ・に!

一足先に、最高の一曲を聞かせてあげるわ♪

こんなサービス、滅多にしないんだからね!」

 

ワーイ!エリチャンヤッター‼

 

「クロエ君!全力でガードしろ!

耳を塞ぐだけでは駄目だ!

防御宝具を使え‼」

 

「さぁ!冬木での一発目!

『恋はドラクル』ver.F‼

いっくわよぉ~♪」

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、新都のハイアットホテル跡地から半径3キロメートル以内の住人達は原因不明の頭痛と吐き気を訴え、市営病院に担ぎ込まれた。

幸い死傷者は出なかった。

後日、冬木市警察が調査を行ったが、ハイアットホテル跡地が荒れていただけで、他には何も見つからなかった。

地元住民の中では「よくわからないけど、多分ガス会社のせい」という意見が出ている。

この件について、とある少年は以下のように述べている。

 

「…悪い方にパワーアップしているのは予想外でした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideキシナミ

 

…あ? 大きな星が点いたり消えたりしている…

あはは、大きい! 彗星かな?

いや…違う……違うな…

彗星はもっと、バァーって動くもんな。

………暑苦しいなぁ、ここ。

うーん……出られないのかな?

おーい、出してくださいよ。ねぇ?

 

「どうよ子ブタ♪

私の歌は!」

 

……………………はっ!エリちゃん!?

うん。凄かった!

天に召されそうになったというか、何か悟りを開きそうになったというか。

 

「クロエ君、無事か!?

……駄目か。完全に気を失っている」

 

「雑種め!このようなおぞましい音色を我に聴かせるとは。

ただでは済まさんぞ‼」

 

うん。みんなにも好評みたいだね。

クロエちゃんなんて、絶頂して気絶しちゃったみたいだし。

 

「そこの雑竜の歌で我を追い払うつもりだったか?

だとすれば、随分と我を嘗めてくれたな!

紛い者は倒れ、雑竜は戦わない。

次は貴様が贋作者と共に、我に直接挑むつもりか?」

 

AUO、まさかそんな訳ないでしょう。

…『岸波白野』に戦う力は無い。

漫画の主人公みたいに、未知の力を覚醒させて、直接戦ったりするような事は出来ない。

『岸波白野』に出来るのは『歩き続ける事』『諦めない事』そして『考え続ける事』ぐらいです。

だから、AUOと戦い始めてからずっと考え続けていました。

…二人には悪いけど、アーチャーさんとクロエちゃんだけではAUOの相手はキツい。

エリちゃんが加わっても大差無いだろう。

ならばどうするか。

戦力が足りないなら、援軍を呼べばいい。

つまり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…セイバー!いって‼」

 

「天幕よ、落ちよ! 花散る天幕(ロサ・イクトゥス)!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女達に自分の居場所を教えればいい。

そのためのエリちゃんの歌だ。

音楽大好きで、エリちゃんのドル友であるセイバーなら、必ず気がつくと思いました。

 

「チィ!女の方か!」

 

自分達の後ろから白い剣を携えたセイバーがAUOに斬りかかった。

AUOは盾を喚びだして防いだが、勢いを殺しきれなかったのか、わずかに後退した。

二人ともありがとう。

ナイスタイミングだ。

 

「奏者よ!無事か!」

 

自分達は大丈夫。

その様子では、キャスターの方は無事に終わったみたいだね。

 

「キャスターに捕らえられていた童達は警察官に任せてきた。

あちらはもう大丈夫だ。

…そして久しいな、我がドル友にして宿敵、エリザベートよ‼」

 

「久し振りね、ネロ。

私の歌はどうだった?」

 

「うむ。相変わらず恐ろしくも美しい魔曲だった。

少しでも気を抜けば、心を奪われるところであった。

ここで余も一曲といきたいところだが………まずはあの金ピカの相手が先のようだ」

 

はくのん、とりあえず態勢を整える。

そっちはまだ戦えるかい?

………はくのん?

 

「…AUO。『私の』キシナミに手を出すなんて、絶対にユルサナイ」

 

あの、自分ははくのんの物になった記憶は無いんだけど?

心配してくれたのは嬉しいけど、はくのん冷静になってくれ。

さっきから目のハイライトが無くて、ちょっと怖いんだが。

 

「…冷静?当たり前だ。

私達は聖杯戦争をしているんだ。

仲間が襲われた程度で…

当然だ。私は冷静だ。

サーヴァントへの指揮権を持つ者が、激情で動くなどあり得ん。

私は、冷静だ」

 

アッハイ。

 

「あんたの相方、さっきから滅茶苦茶怖いんだけど」

 

あ、ジャンヌさん。

ジャンヌさんも来てくれたんですね。

 

「……私だけじゃないわよ」

 

後ろから複数の足音?

もしや!?

 

「キ、キシナミさん。大丈夫ですか?」

 

おお!藤丸君も来てくれたのか!

これは嬉しい誤算だ。

自分達は無事………あの、藤丸君?

なんか、顔が真っ青なんだけど?

 

「だ、だ、だ、だ、大丈夫です。

恐ろしい歌声が聞こえたような気がしましたが、まだいけます」

 

「先輩…昨年のハロウィンでは酷い目にあいましたからね…」

 

《マスターさんのトラウマを抉られていた時の表情、あまりに素敵でルビーちゃんドキドキしちゃいました♪

これが愉悦の味なんですね!》

 

む、無理はしないでね?

ともかく!

AUO!改めて、こちらは全力でいきます。

お覚悟を!

 

「二人の『岸波白野』と『天文台の魔術師』か。

良いだろう、存分に足掻くがいい!」

 

sideout




というわけで○○○○に入るのは『アイドル』でした。



今話の補足

・AUOと赤茶&クロエの戦いってまるで…
元にしたのはプリヤドライの『アンジェリカvs美遊兄&クロエ』です。
冬木にカルデアチームが来た時点で、必ず入れようと思っていました。

・結局、ザビ男が使った手は?
ザビ男は赤茶やAUOと一緒に戦った記憶があります。
ですので、AUOの強大さを考えれば、赤茶&クロエ(赤茶と同タイプと推定)&エリちゃんでは苦戦は必至だと判断しました。
ザビ男自身が複数のサーヴァントへの指揮が慣れていない、令呪はセイバーにしか使えないという問題もありました。
そこでとった手は
赤茶に『王の財宝』の初撃を防がせる
→赤茶とクロエに接近戦をさせ、エリちゃん開放までの時間をかせがせる
→エリちゃん開放後、彼女の歌ではくのん達に居場所を伝える
というものでした。

・ザビ男の策は全部上手くいったの?
誤算はありました。
最大の誤算は『エリザベートの歌が悪い方向にパワーアップしていた』事でした。
これにより、クロエが気絶、ザビ男自身も精神崩壊しかけました。
嬉しい誤算はカルデアチームも来てくれた事です。





とりあえず、今話でムーンセルチーム&カルデアチームはあらかた登場しましたので、簡単なキャラクター紹介を下に載せます。



ムーンセルチーム

キシナミ(江宮岸波)
我らがザビ男。
実質的な、今作の主人公。
服装は、月の旧制服、海パン、礼装『月の勝利者』の格好。
性格はFoxTail版が一番近い。
作者自身、理想郷のとある作品の影響を受けているので、ザビ男のギャグ率が高めになっている。
セイバールートで、凛を助けている。
月の両側の記憶があるが、比較的裏側より。
他のルート&選択の記憶も断片的にある状態。
厄介な女性に好かれやすい性質で、今作でははくのんが肉食獣に。

ハクノ(江宮白野)
我らがザビ子、またの名をはくのん。
服装は月の制服、礼装『もう一つの結末』に『月の勝利者』の上着を着せた状態。
基本的な部分はキシナミと同じ。
アーチャールートで、ラニを助けている。
月の両側の記憶があるが、比較的表側より。
他のルート&選択の記憶も断片的にある状態。
愛さえあれば、年齢性別はおろか、たとえ自分自身でも問題が無いタイプ。
今作が一人称型になった元凶。
ザビーズは男女でそんなに台詞が変わらないので、『片方を一人称にして、もう片方を喋らせる』という方法をとる事になった。
実はザビ子の初期案は『タマモナインの擬態』。
本物のザビ子はタマモナインに捕まり、アーチャーは人質をとられて従っている状態。
だけど、途中でザビ子の一人称が必要になりそうだったので、この設定は断念。
『月の裏側の影響で同時に存在するようになってしまったif』という無難なものに変更になりました。
ザビ子が肉食なのは、このボツネタの名残。

セイバー(江宮音呂)
我らが赤王様。
ただし、今の格好は嫁王。
服装はエイプリールフール2015の『インペリアルローマ』の記者会見のスーツ姿。
他にも多数の私服あり。
性格は原作と同じ。

アーチャー(江宮士郎)
我らがオカン。
服装は黒の私服(メガネ付き)、水着、裸革ジャン、そしていつもの赤マント姿。
性格は無銘+エミヤ要素増し。
不動のツッコミ役&苦労人役。
今作オリジナル設定により『英霊無銘は、ムーンセルによって英霊エミヤの概念を付加されている』という事に。

エリザベート
我らがエリちゃん。
彼女もザビーズ同様、複数のルートを覚えている。
これは赤王や赤茶と違い、エリちゃんはCCCならどのルートでも登場するから。
キシナミと一緒にいたため、比較的セイバールート寄り。
色々な理由により、結局冬木を見て回る事は無かった。



カルデアチーム

藤丸立香
我らがぐだ男。
ネロ祭2016の片付け中に今回の事件に巻き込まれる。
私服は海パンのみで、冬木滞在中はキシナミの服を借りていた。
ザビーズがギャグ一直線なので、ぐだ男は真面目型に。
一人称は、原作では『俺』だが、今作では『僕』に。
ザビーズが(まだEXTELLAがあるが)一先ず自分達の戦いに決着を着けているのに対して、ぐだ男は戦いの最中。
そのため、無意識のうちにザビーズの後輩的ポジションに。
ただし、主人公力はザビーズに負けていない。
サーヴァントの指揮に関しては、一対一ならばザビーズが上だが、複数対戦ではぐだ男の方が優れている。
色んな事情(プレッシャーやヤンデレの猛攻)で精神的に壊れる寸前だったが、今回の事件でかなりリフレッシュできた。

マシュ
我らがマシュマロ。
揉みしだくシーンはもっとエロくしたかった。

ロマン
我らがドクター。
原作ネタバレの塊なので、扱いにかなり困りました。

ダ・ヴィンチちゃん
我らがモナリザ。
余談だが、今回の事件でムーンセルも『レオナルド・ダ・ヴィンチ』を『ダ・ヴィンチちゃん』で登録してしまった。

モードレッド
我らがモーさん。
比較的初期からぐだ男と契約している。
『モーさん』呼びを許しているぐらい絆レベルは高い。
Apoの記憶もある。

ジャンヌ・ダルク・オルタ
我らが邪ンヌ。
ジルを焼いたシーンは、最初はもっと色々言わせる予定でした。
でも、ふと気がついてしまった。
「冬木のジルは念願の再会だが、邪ンヌの方はカルデアで毎日術ジル&剣ジルと顔をあわせているのでは?」と。
ですので、あのシーンは両者の間にはかなり温度差があるようにしました。
邪ンヌとしては「放置しておくわけにはいかないけど面倒くさい。それらしい事言って、とっとと終わらせる」という感じです。

イリヤ&クロエ&ルビー
我らがプリヤ。
カルデアでは新参扱い。
時期としてはバゼット戦前と推定しています。
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