ルーラー喚ぼうとしたら、なんか違うのが来たby聖杯   作:陣代高校用務員見習い

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お待たせしました。
AUO決着編を書いたら、妙に長くなってしまい、投稿が遅れてしまいました。



今話は、今まで以上に、キャラ崩壊やメタネタがありますのでご注意下さい。
あとAUOのファンの皆様へ。
本当にごめんなさい(土下座)


決着AUO!そして………

side??

 

 

 

 

 

頭が 重い

 

体が 軋む

 

 

 

 

 

………少し演算能力が低下しているようだ。

 

「……BB。いくらなんでも、そろそろ一度休息をとるべきです。

復活してから、まだろくに調整をしていないのでしょう?」

 

……ヴァイオレット、戻ったのね。

2人は見つかった?

 

「BB‼」

 

…わかったわよ。

報告を聞いたら、一度カズラの所に行くわ。

さすがにノイズが無視出来なくなってきたし。

 

「約束ですよ?」

 

で、結局どうだった?

 

「……『未明領域』の調査に向かい行方不明になったメルトリリス、そして征服王との交戦中に音信途絶となったパッションリップ。

2人とも未だに発見できていません」

 

以前ならともかく、今の2人が離反したとは考えづらいですね。

……最悪の事態を想定しておきましょう。

『未明領域』の調査もしばらくは後回し、今は戦力回復を優先で。

『彼ら』3人の様子はどう?

 

「『僧侶』が意味不明な事を叫びながら虚数領域にダイブしてしまい、こちらも行方不明です。

『兄弟』は今のところは、我々の指示に従っています。

現在、最前線でタマモナインと戦闘中です。

残念ながら、本体ではないようですが」

 

そう。『僧侶』が暴走するのは予想の範囲内だから、しばらく無視でいいわ。

戦場をかき乱してくれるだけでいい。

『兄弟』にはあまり気を許しすぎないで。

『弟』はスペックなら歴代最強のマスターだし、『兄』は一度わたしを出し抜いている。

気を付けなさい。

 

「わかりました、BB。

しかし、やはり手が足りませんね」

 

こればかりは仕方ないわ。

これ以上アルターエゴを造れば、わたし自身が崩壊しかねない。

『白い桜』がムーンセルと交渉した関係で、わたし達は『対タマモナイン用戦闘AI』としての立場を確立できた。

その一方で、わたしの能力を大きく制限されてしまった。

今のわたしでは、以前のようなSE.RA.PH.への大規模干渉は出来ない。

タマモナインと戦うにはわたし達は明らかに力不足、ならば余所から戦力を持ってくるしかない。

……それがたとえ、忌々しい聖杯戦争の参加者であっても。

 

「サーヴァントはマスターがいて、はじめて真価を発揮しますからね。

あの、3人以外にはいなかったのですか?」

 

残念だけど、今のわたしは『サルページ出来るマスターは月の裏側で死んだ人間だけ』とムーンセルに制限されているのよ。

遠坂凜とラニ=Ⅷ、そしてジナコ=カリギリは『裏側』では死んでいないから、サルページ不可能。

エリちゃんの元マスターは、『僧侶』とは別の意味で暴走しそうだから却下。

童話の幼女はサイバーゴースト、ムーンセルに来る前に死んでいたから無理。

緑茶さんのマスターは『裏側』に来ていないから、やっぱり無理。

わたし達を嵌めたあの女は論外。

もう、これ以上はいないわ。

 

「もう1人いたような気がしますが?」

 

ああ。あのワカメね?

スペックは悪くないんだけど、どうも気にくわないというか。

 

「……そうですね。私も同感です」

 

…さてと。

ではわたしはカズラの所で3時間スリープします。

ここは貴女に任せるわ。

一時的にわたしが抜けるわけだから、『白い桜』に守りを固めておくように言っておきなさい。

…そうだ。スリープする前に、気晴らしに先輩達の様子を覗いておこうかしら。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideキシナミ

 

では行きます!AUO‼

 

「…やはりキャストオフさせてからの金的狙いが妥当か?」

 

その手で行こう、はくのん!

よしアーチャーさん、自分と一緒に水着になりましょう!

 

「…………………理由を聞いてもいいかね?」

 

自分達が水着姿を披露すれば、対抗してAUOも脱ぐかもしれません。

そこを狙いましょう。

藤丸君も協力してくれ。

 

「え?……えぇぇ!?」

 

「キシナミ、脱ぐなら1人でやりたまえ。

私達を巻き込むんじゃない!」

 

う~ん?仕方ないな~

まぁ、こんな事もあろうかと制服の下に水着を着ておいたんだけどね。

 

「あの、キシナミさん?

脱ぐ前に1つよろしいでしょうか?」

 

ん?藤丸君、何か気になる事でも?

 

「英雄王は広い視野と凄まじい自我、そして全能と言っていい叡知を持っています。

ならば英雄王は、カルデアやムーンセルが冬木聖杯戦争に巻き込まれた理由を知っているのではないでしょうか?」

 

…………ふむ。

 

「…どうだろう?

キアラの事は的外れだったような気が…」

 

…いや、アレは無理でしょう。

彼女に関しては、キアラ本人とアンデルセン以外には理解不可能だろう。

AUOは、少なくともBBの事は見抜いていた。

ならば、試しに聞いてみるかな。

というわけで、AUO!

何か知りませんか?

 

「………下らぬ理由だ。

願望器が中途半端に自我を持つと、ろくな事にならない。

…此度の件、ただそれだけの話よ」

 

やはり何か知っているのか。

しかも今の話し方からすると、大聖杯に異常があるのは確定か。

……となると、ちょっと困ったな。

 

「…藤丸君。悪いけど、カルデアチームで数分間AUOの足止めをしてくれない?

その間に、こちらは別の手を考える」

 

「わかりました。

モーさんは攻撃担当、ただし身を守るのを優先。

マシュはいつも通り防御担当、『王の財宝』は盾で直接防ぐのではなく逸らすようにして。

邪ンヌは支援担当、マシュの後ろからモーさんの強化をしながら宝具の準備を。

イリヤちゃんは、気絶したクロエちゃんを連れて一度下がってくれ」

 

「「「「はい(おう)(わかったわ)!」」」」

 

藤丸君の指示に従い、マシュちゃん達が一斉に動き出す。

と同時に、AUOも戦闘態勢になった。

モードレッドさんが『王の財宝』の射撃を剣で弾きながら前進し。

マシュちゃんが盾で的確に攻撃を逸らし。

ジャンヌさんが、マシュちゃんの後ろから黒い炎を放ち。

イリヤちゃんはクロエちゃんを抱えて、さらに後ろに引いた。

……あ、ルビーがなんか注射器持っている。

クロエちゃんに射つつもりかな?

しかし、これは凄いな。

 

「…最初の指示が4人同時。

今はリアルタイムに3人のサーヴァント個別に指示を出し続けている。

………これが『人類最後のマスター』」

 

これが藤丸君の力。

1対1の勝負なら自分は負けていないと思うけど…

 

「…私達は複数のサーヴァントへの指揮をした事がない。

これは藤丸君が人類史を守るために、死に物狂いで磨きあげた力だ」

 

凄い、凄いぞ藤丸君‼

 

《えーと。藤丸君を褒めてもらえるのは嬉しいけど、別の手とやらはいいのかい?》

 

おっと失礼しましたロマンさん。

藤丸君の勇姿に、つい興奮してしまいました。

 

《でも、どうするつもりなんだい?

たしかに英雄王は強大だ。

でも、今はあくまでもサーヴァントの枠組みに入っている。

両チームのサーヴァント全員でいけば、力押しできそうだけど?》

 

ロマンさん、それではダメなんです。

ムーンセルチームの立場としては、AUOは倒さないでほしいんです。

 

「…今日の戦いで、両チームとも冬木に留まるのが難しくなった。

私達は冬木市を去らなければならない」

 

でも、ムーンセルチームは大聖杯のルーラー召喚を妨害しています。

ですので自分達は冬木を去る前に、冬木聖杯戦争の監督役に、事情を話せる範囲で伝えるつもりです。

 

《なるほど。英雄王が大聖杯の異常を知っているなら、その事も伝えておきたいんだね。

キシナミ君達は正体不明のイレギュラー、対して英雄王は正式に召喚された冬木聖杯戦争の参加サーヴァント。

監督役なら、たしかに後者の方を信用するだろう》

 

「…だからAUOは倒さずに、撤退をさせたい」

 

「待てマスター。

あの英雄王を撤退させる、だと!?

それは倒すのよりも難しいぞ!」

 

うん。アーチャーさんの言う通り、かなり難しい。

だから、これは命懸けの作戦になる。

 

「…AUOの弱点をつく。

これしかない」

 

《英雄王の弱点!?

そんなものあるのかい?

見たところ、君達が相手だと慢心や油断もしなさそうだけど?》

 

あるんだよロマンさん。

AUOには明確な弱点がある。

月の裏側の記憶の中に、はっきりと刻まれている。

他ならぬ、AUO自身が認めた弱点だ。

 

《なんだって‼》

 

でも、これはかなり危険な手だ。

正直恐ろしい。

震えが止まらない。

 

「…ちょっと勇気が欲しい。

だから…」

 

そう、だから。

セイバー!

 

「ぬ?」

 

「…エリちゃん!」

 

「子リス?」

 

「……………待て。

この話の流れ……お前達、まさか‼‼」

 

 

 

 

 

「「…2人とも全力の歌で応援してくれ!」」

 

 

 

 

 

「奏者!?はくのん!?」

 

「子リス!?子ブタ!?」

 

「ヤメロォォォォォ‼‼」

 

セイバー!君の歌が今、聞きたい。

自分に勇気をくれ!

 

「…エリちゃん。私はエリちゃんの歌を聞いてここまで来た。

でも、あまりはっきりとは聞けなかった。

それを、今聞きたい。

出来ればデュエットで。

さらに言うならば、思う存分にやりたい放題で」

 

「………」

 

「………」

 

セイバー、エリちゃん。

ダメかな?

 

「………ふっ。ネロどうする?」

 

「愚問だなエリザベート!

我が愛しの奏者が!

我が親愛なるはくのんが!

我らの歌を求めている!

勇者として、あの英雄王との戦いに赴くために、我らの歌を欲している!

ならば、それに応えるのが『スタア』というもの‼

エリザベートよ!余について参れ‼」

 

「貴女の方こそついて来なさいネロ‼

最初からとばしていくわよ!」

 

「2人とも思い直せぇぇぇ‼」

 

《まさか、第5特異点の悪夢再び!?

ちょ、管制室の騒音防御を全開に!》

 

ワーイ!セイバーヤッター‼

エリチャンヤッター‼

 

「我が才を見よ!」

 

「サーヴァント界最大のヒットナンバーを!」

 

「万雷の喝采を聞け! 」

 

「聴かせてあ・げ・る!」

 

「座して称えるがよい…… 黄金の劇場を‼」

 

「『鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)』‼」

 

2人の宝具が同時発動する。

セイバーの宝具『招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)』で黄金の劇場が作られ、アチコチにエリちゃんの宝具『鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)』の魔城のアンプが付けられた。

 

「……!雑種、貴様ぁぁぁ‼」

 

AUOがこちらの動きに気づき激昂する。

だが、もう遅い!

この空間は、今やパッションリップのロケットパンチすら防ぐ。

逃げる事も壊す事も出来ない!

 

「あ、あ、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼」

 

「先輩!?先輩しっかりして下さい!

正気に戻って下さい、先輩‼」

 

《ああマスターさん!

そのトラウマが直撃して、理性が壊れていく表情!

ルビーちゃんたまりません♪

愉悦♪愉悦♪》

 

《マシュ!対衝撃・対騒音防御を展開‼》

 

「わかりましたドクター!

皆さんも早く盾の影に‼」

 

そうしてカルデアチームは我先にとマシュちゃんの盾に隠れてしまった。

予想通り、マシュちゃんの宝具は『盾』のようだ。

AUOの攻撃を防げるぐらいの盾ならば、おそらくこの必殺コラボも防げるだろう。

……藤丸君が凄い声をあげているのが、若干気になるが。

自分とはくのんはセイバーとエリちゃんをコラボさせてしまった。

だから、責任をもって最期まで歌を聴こうと思う。

 

「離せマスター!キシナミ!

私も、俺も早くマシュ君の所に!」

 

「…ダメ。アーチャーはここで私達と一緒にサイリウムを振るんだよ?」

 

勿論、アーチャーさんはこちら側。

アーチャーさん。サーヴァントがマスターを置いて行ってはいけないんですよ?

 

「こんな状況で正論を言うな‼」

 

さて、はくのん覚悟はいいか?

自分は出来ている。

 

「…大丈夫だ。問題ない」

 

ならば!

セイバー!エリちゃん!

景気のいいのを一発頼むよ!

 

「余の!」

 

「私の!」

 

 

 

 

 

「「歌を聴けぇぇぇ♪」」

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時の事を、とある少女は振り替えって以下のように述べた。

 

「…混ぜるな危険」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideキシナミ

 

 

 

 

 

……………………ん?

ここは…学校の教室か?

月の表側の校舎、月見原学園の教室によく似ているけど…

自分はいったい、なぜこんな所に。

たしか、さっきまで冬木市でAUOと戦っていたはずなのに。

はくのん達は何処に行ったんだ?

訳もわからず別の場所に跳ばされるのは日常茶飯事だけど、さすがに今回のコレは脈絡が無さすぎる。

そうこう考えていると教室の扉が開き、1人の女性が入ってきた。

 

「あら?もう起きていたのね」

 

オレンジ色と黒色メインの服装をした、自分より多少年上、辛うじて成人しているぐらいの女性だ。

跳ね気味な白髪で、少し鋭い目付きをしている。

印象としては『真面目で神経質』『プライドが高いけど小心者』『実はチョロい』かな?

 

「…………なにやら、えらく失礼な印象を持たれたような気がするわ」

 

お気になさらず。

ところで、ここは一体?

そして、貴女は一体?

自分の質問に、目の前の女性は不敵な笑みを浮かべながらジョジョ立ちをした。

 

「此処こそが、愚かな子羊を導く道標!

才色兼備の魔術師によるマンツーマンのパーソナル・レッスン!

異常な死亡率を誇る型月主人公達の最後の希望!

そう!此処は!」

 

此処は?

 

「BADエンド救済コーナー『教えて♪オルガマリー先生!』よ‼」

 

………………………………

 

「『教えて♪オルガマリー先生!』よ‼」

 

………大事な事だから2回言ったんですね、わかります。

恥ずかしがりながらポーズを決めているその姿は、なかなかクルものがある。

えーと?オルガマリーさん、でいいんですか?

 

「此処では『先生』と呼びなさい!」

 

わ、わかりました先生。

あの、つまり此処は………

 

「そのままズバリ。

BADエンドを迎えた型月主人公にアドバイスしたり、ヒントを出したり、弄ったりするコーナーよ」

 

そ、そうですか。

自分は……死んだのか…

あれ?でもおかしいな?

自分の所には、こういうのは無かったような?

BADの時は容赦なく死んで、ノーヒントでリトライだったはず…?

 

「……だって…だって仕方ないでしょ!

このペースで行くとFGO編は厳しそうだし!

6章まで行くとわたしの事なんてほとんど話題に出ないし!

こうでもしないと出番が無いのよ!

ねぇ!分かる!?わたしの気持ちが!

大晦日に死亡シーンをTVで流されたわたしの気持ちが!

そのシーン以外では、FGO本編で全く話題にされなくなったわたしの気持ちが!

居場所がリヨ先生の漫画の所にしか無いわたしの気持ちが!

分かる?分からないでしょうね!?

まだまだ出番がある貴方には‼」

 

落ち着いて下さい先生!

危険なレベルのメタ発言をしていますよ!

……不覚にも、涙目の先生が可愛く見えてしまった。

そうか、先生はこういうタイプか。

しかし、やっぱり『先生』という呼び方には違和感があるな。

どちらかと言うと『委員長』や『生徒会長』とかの方が合っているような?

 

「………お願い、末尾に『長』が付く役職の話はしないでくれる?

本当に、大変だったんだから……!」

 

アッハイ。

………あれ、なんか、頭が。

 

「………もう時間切れね。

まぁ、貴方はまだ死んでいないから仕方ないか」

 

え?自分は死んでないの!?

 

「ええ。死にかけただけで、一応死んではいないわ」

 

なら、先生はどうして?

そんなに出番が欲しかったんですか!?

 

「……欲しかったのは、むしろ『縁』かしらね」

 

『縁』?

……意識がいよいよヤバイ。

先生!何か最後にアドバイスを!

一言だけでいいんで!

 

「……これからも貴方には多くの苦難が待ち構えているわ。

そんなに貴方に出来る最初のアドバイスはこれでしょうね。

『絶対に諦めない事』

もっとも、わたしが言わなくても貴方は諦めないのでしょうけど」

 

そう言って、先生は自分に微笑みをむけた。

ありがとうございます!

先生!自分頑張ります‼

だから、また何処かで会いましょう!

…もう、意識、が……

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頑張りなさい『岸波白野』」

 

「貴方が次に出会うオルガマリー・アニムスフィアは『わたし』ではないけど」

 

「貴方も此処での事をほとんど覚えていられないだろうけど」

 

「それでも」

 

「また何処かで会いましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideキシナミ

 

 

 

 

 

「…キシナミ、起きて?

早く起きないと、パンツ下ろすよ?」

 

させるかぁぁぁぁ!

…って、はくのん!?

えーと、そうかツイン・ジャイアン・リサイタルで意識が飛んでいたのか。

はくのんは大丈夫だった?

 

「…無表情な黒服の少女に色々説明を受けていたような気がする。

一緒にいたでっぷりとした青いコマドリが喧しかった」

 

なんだそれは。

自分の方は学校の教室で、かなり若い『先生』に出会った気がするね。

……名前と顔が何故か思い出せない。

オルガナイザー先生、いやオルゴンクラウド先生だったかな?

 

「奏者よ!はくのんよ!

余の歌はどうだった!

最高であったであろう?」

 

「2人ともアンコールはいかがかしら?」

 

セイバー、エリちゃん。

最高だったよ。

あまりの素晴らしさに、瞬間的に意識が次元を超越したような気がするぐらいだ。

何というか、深淵を覗いた気がする!

 

「…でも2人とも、一度休憩して。

はい、タオル」

 

スポーツドリンクもどうぞ。

 

「あら?気がきくじゃない!」

 

「うむ。今回は久々に本気を出してしまったからな。

しばし休息をとるべきであろう。

……しかし、奏者よ。

あの金ピカはどうするつもりだ?」

 

大丈夫。

ここまでお膳立てしてもらえれば、確実にヤれる。

 

「わかった。

でも2人とも、無理をするでないぞ?」

 

ありがとうセイバー。

さて、周囲の状況は………

 

 

 

 

 

AUOは

 

「…お、の、れ!

音を遮断しても聞こえてくるとは、一体なんだというのだ!」

 

おお!かなり効いている。

あのAUOが肩で息をして、ふらついているぐらい消耗している。

これならイケる!

 

 

 

 

 

「…アーチャーは」

 

「ふむ。問題ない。

この川を渡ればいいのだろう?

む?もしや、そこにいるのは……じいさんなのか?

…本当に……本当に久しぶりだ。

……俺、話したい事が一杯あるんだ。

今からそっちに……なに?

渡し賃が1メートルにつき1万円、だと!?

いくらなんでもぼったくりだぞ!凜‼」

 

「…多分、大丈夫」

 

いや、アーチャーさんの全身から光の粒子が出ているけど!?

 

 

 

 

 

カルデアチーム、藤丸君達は

 

「……マシュ…」

 

「先輩!しっかりして下さい!」

 

「……酷い…夢を見た気がするんだ。

ネロとエリザベートが…一緒にライブをしていた。

……そんな事、あるわけないのに…

…そんな事起きたら…世界の終わりだと言うのに…」

 

「……先輩。それは…夢です」

 

「……夢?」

 

「……先輩は夢を、悪い夢を見たんです」

 

「……そうか。

ああ……よかった…」

 

「……先輩?」

 

「……ゴメン、マシュ。

僕、とっても眠いんだ……だ…か…ら……」

 

「先輩!目を…目を開けてください!

先輩‼…私を……置いていかないで……」

 

「マスターさん!だめぇぇぇ!」

 

「マスター!オレを…オレを遺して逝くなぁぁぁ!」

 

「私を置いて逝くなんて、そんな事したら絶対許さないからね!

だから…だから早く起きなさい!

…起きてよ……お願いだから……」

 

《あの、みんな?

藤丸君は死んでないからね?

ただ致命傷レベルのトラウマを抉られて、気絶しているだけだからね!?》

 

《ふっふっふっ♪

ここはルビーちゃんの出番ですね~

先程クロエさんに射った特製気付け薬を使えば、すぐにマスターさんも元気になります!

……スッポンやらマムシやらガラナやらを大量に使っていますので、アッチ方面も元気百倍になってしまいますが。

まぁ是非もないですよね♪》

 

「……目を覚ましてから…妙に体が火照っていると思ったけど。

ルビー!なんて物使っているのよ!」

 

《気をつけて下さいねクロエさん?

この気付け薬を射たれたクロエさんとマスターさんが3時間ほど2人っきりになると、1年後に家族が増えてしまいますからね?》

 

…………………………なんかスマンな藤丸君。

マシュちゃん達の様子からすると、ガードそのものは無事に出来たようだけど。

まさか、君がそこまでトラウマを背負っているとは本当に予想外だったぞ。

 

「…強く生きてくれ」

 

 

 

 

 

さて、はくのん。

こちらも仕上げといこうか。

 

「…合点承知」

 

自分とはくのん、2人の『岸波白野』は満身創痍のAUOの元に歩を進めた。

疑似コードキャスト『保管』の中から、AUOの弱点である『それ』を取り出しながら。

 

「き、貴様ら!『それ』が本命か!

く、来るなぁぁぁ!」

 

さあAUO。

 

「…さあAUO」

 

さあ。

 

「…さあ」

 

さあ!

 

「…さあ!」

 

さあ‼

 

「…さあ‼」

 

「おのれ、おのれおのれおのれおのれぇ‼‼」

 

 

 

 

 

 

 

「「…激辛麻婆、しっかりお食べ」」

 

「それだけはやめっ!グハッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「突然すまない」

 

「メッセージ担当のジークフリートだ」

 

「今、英雄王は本当に酷い目にあっている」

 

「具体的に言うと、羽交い締めにされた状態で激辛麻婆豆腐を口に無理矢理流し込まれている」

 

「毒味用の宝具を使う余裕も無いようだ」

 

「かなり哀れなので、次の場面に行くのを少しだけ待ってもらえないだろうか?」

 

「本当にすまない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideキシナミ

 

時間になり、黄金劇場が解除された。

今、自分達の足元にAUOが倒れている。

白目をむき、口から赤い物を垂らし、全身を痙攣させながら倒れている。

 

「…この戦い、私達の勝利だ」

 

《……キシナミ君、ハクノちゃん。

僕達カルデアは色んな英雄と、様々な戦いを経験している。

…でもね? 

あの英雄王をこんな方法で撃退したのは、君達が最初で最後だと思うよ》

 

ロマンさん、そんなに褒められとさすがの自分でも照れてしまいますよ。

 

《うん。全くもって褒めていないけどね。

ほらレオナルド!いつまでも笑い転げていないで、席に戻ってくれ!》

 

《クククッ。いやゴメンゴメン。

おや?英雄王はまだヤるつもりみたいだね?》

 

足元に倒れていたAUOが立ち上がった。

その目は涙目、顔は脂汗だらけ、足は生まれたての子馬のように震えていた。

それでもAUOは立ち上がった。

 

「くっ、くははははは!……ゲホッ!?

よもや我をここまで追い詰めるとは。

さすが『岸波白野』だな!」

 

AUOこそ、あれで立ち上がるとはさすがです。

 

「だが甘い!甘いぞ!

この程度の辛味を呑み干せなくて何が英雄か。

我をヤりたければ、この3倍は持ってこい!」

 

そこにいたのは、まさしく王であり、始まりの英雄であった。

涙目でありながら、なんという威圧感。

自分達はAUOを過小評価していたようだ。

どうするはくのん?

おかわり希望らしいよ。

 

「…もちろん受けて立つ。

私の麻婆は108杯あるぞ。

疑似コードキャスト『保管』のおかげで、いつでも出来立てホカホカの状態だ」

 

「………えっ?」

 

さすがはくのんだ。

でも『3倍』って、何を3倍にすればいいのかな?

量かな?辛さかな?

 

「…迷ったなら、全て3倍にすればいい。

AUOなら、きっと喜んでくれる」

 

「………えっ?………えっ?」

 

それならはくのん。

いっその事、例の試作品にしたらどうだ。

 

「…正気かキシナミ!

アレは私達でも水なしでは食べられない『究極の一』だ。

もはや、麻婆の形をした宝具だ。

それを解き放つのか!?」

 

「………えっ?………えっ?………えっ?」

 

大丈夫、AUOに捧げるならこれでもまだ足りないぐらいだ。

だってAUOだし!

 

「…そうかAUOだもんね」

 

「……………………………」

 

お待たせしましたAUO!

では、こちらから頂点の逸品を……あのAUO?

顔が真っ青ですけど?

ひょっとして体を冷やしてしまいましたか?

なら、早く麻婆を食べないと‼

 

「…………ふはははははっ‼‼

見事なり『岸波白野』!

我をここまで楽しませるとは大義である!

……それに免じて、此度は引いてやろう。

だから、追いかけてくるなよ!

いいか、絶対追いかけてくるなよ‼」

 

そうして、AUOは自分達の目の前で光になって消えてしまった。

……う~ん残念。

 

「…新しい麻婆フレンドになるかと思ったのに」

 

《えーと?レオナルド、これって?》

 

《当初は弱点である麻婆豆腐で英雄王を撃退するつもりだったんだろう。

でも英雄王が食べ干してしまって、2人を煽った事で、キシナミ君達がノってしまったようだね。

途中から英雄王を撃退する事そっちのけで、麻婆豆腐を食べさせる事しか頭になかったみたいだ。

本当に面白……恐ろしいね麻婆豆腐は!》

 

《……麻婆豆腐とは、一体!?》

 

 

 

 

 

 

 

さて、AUOが帰ってしまったし。

この後どうするかな。

 

「…ムーンセルチームはこの後は監督役のところに事情説明に行くべきかな?」

 

やはり、まずはそれかな。

どうせこの戦いも使い魔とやらで見られていたかもしれないし、出来れば関係者も集めてほしいよね。

 

「それでしたら、カルデアチームも同行させてください。

僕達は結局アインツベルンと会えませんでしたので、其処で話が出来たら……」

 

うん。わかった。

………その、なんだ、藤丸君本当に大丈夫か?

江宮邸でお昼寝中のキャスパリーグと一緒に、留守番してた方がよくないか?

顔真っ赤だよ?

 

「だ、大丈夫です。

体が火照っているだけですから」

 

「マスター?さっきみたいに、また背負ってやろうか?」

 

「大丈夫!大丈夫だからモーさん‼」

 

「あの先輩?先程から前屈みになっていますが、もしやどこか負傷したのでは!?」

 

「大丈夫!本当に大丈夫だから‼」

 

《う~ん。マスターさんの理性は強すぎますね~

色々溜まっている物を吐き出させて、少しでも楽になってもらおうかと思ったのですが。

逆にマスターさんを苦しめてしまいましたね、ルビーちゃん反省♪》

 

「……マスターが今のわたしと同じ状態なら、相当ヤバイと思うんだけど?

ルビー、今の話、適当にでっち上げているでしょ?」

 

《…………てへっ♪》

 

………すまない藤丸君。

自分は童貞だ。

童貞の自分は、こういう場面では無力なのだ。

 

《いやはや、本当に楽しそうだね!

私がその場にいないのが本当に残念だ》

 

《藤丸君は結構必死になっているけどね。

……ん?なんだ、この反応は?》

 

「…ロマン、どうかしたの?」

 

《…………パイ……!》

 

ん?この声は?

 

《…………先輩!》

 

「…私達の端末から?この声って、もしや」

 

《………キシナミ先輩!ハクノ先輩!》

 

BB!めんどくさいラスボス系後輩ことBBちゃんじゃないか!

 

「…BB、久しぶり」

 

《先輩!すぐにそこから逃げて‼》

 

 

 

 

 

 

 

 

《藤丸君!マシュ!警戒してくれ!

そこに神霊クラスの何かが出現しようとしている!》

 

《先輩!そこにタマモナインが‼》

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬっふっふっ~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout




というわけで、AUOは前座。
Zero編ラスボスはタマモナイン……というか神霊タマモキャットです。
実はこのあたりは変更しようか本当に悩みました。
というのも、感想欄でタマモキャット降臨を予想されてしまったからです。
AUO戦が『ザビ&ぐだが冬木を離れるきっかけの戦い』ならば、タマキャ戦は『ザビが月に戻るきっかけの戦い』になります。
ですので、結局変更無しでそのままいきました。
オリジナルのタマモナインなんて無理(笑)
一応ラスボスですが、かなりあっさり終わらせる予定です。



Fateの二次創作は星の数あれど、こんなバカな方法でAUOを撃退したのは今作ぐらいではないでしょうか。
AUOのファンの皆様、並びにウルク市民の方々。
本当に申し訳ありません!



今話において、ようやく第1話後書きの嘘予告を消化できました。
間桐邸にカチコミしたのはぐだ男になってしまいましたが。
Zero編も残り僅か。
お付き合いいただけると幸いです。
……というか、夏前に一区切りさせないと、FGO夏イベントでまた更新が遅れそうですからねぇ。





今話の補足

・リップとメルトはどうなった!『僧侶』や『兄弟』って、明らかにあの人達だよね!?
このあたりは、一応構想だけ練ってあるZero編の次に関わる部分になります。
……いつか、書けるかな(弱気)

・今回ザビーズがやらかしたのは?
簡単に言うなら、赤王&エリちゃんの宝具で弱らせてからの、麻婆アタックでした。
誤算はAUOが麻婆を呑み干した事。
もっとも、結果としてザビーズに火をつけてしまいましたが。

・所長?所長じゃないか!?
いいえ、オルガマリー先生です。
実際のところ、EXTRAやFGOでBADエンド救済コーナーが欲しかったのは、私だけではないはず。

・ラスボス戦!?Zeroは最後までやらないのかよ!
この部分で終わらせるのは予定通りです。
イレギュラーであるザビ&ぐだは、どちらも冬木聖杯そのものには興味がありません。
ですので、ザビは冬木を離れなければならない理由が出来たら、ぐだは帰る手段が見つかったら、そこで終了になります。
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