今回はジャンプの読み切りとなった話を元に作りました・・・・そのせいか、リョウの活躍が全くないです
楽しんでもらえたら、嬉しいです
ねぇ、知ってる?ゴキブリのスタートダッシュって、人間大の大きさに直すと、一歩目で時速320㎞になるんだって…
「マジで?ドドンパの倍じゃん」
いきなり振られた話にアレックスは驚きの言葉を口にする。
「どどんぱ?」
「確か伝説のジェットコースターの名前だよ。それにシーラ、それってゴキブリが人間みたいな大きさだったら、圧縮空気でブッ跳ぶのと同じ位のスタートダッシュを持ってるって話だろ?前にテレビで見たぜ」
「うへ~。それは、ぶつかったら死ぬな」
アレックスの言葉に続く様に燈が更に詳しく説明を口にし、そして続く様にマルコスも続けるように言葉を発する。
そこには燈やアレックス、マルコス、シーラ、エヴァそして八重子が一人の研究員の後ろをついていきながらそんな他愛もない世間話を話している。
だが、研究室の一室に入ると、女性の研究員は燈たちの方を振り返り、ボタンを押す。
すると壁がスライドし、ある
「――――で、これが人間大に成長したゴキブリです。平均身長2m平均体重110kg。通称『テラフォーマ―』です」
現れたのは大柄な男性が鍛えたようなガッチリとした体に短いパンチパーマを思わせる髪型(?)に触角を生やした生物。
それこそが火星に生息するただ一種の生物であるゴキブリの現在の姿。
改めて見せられるその姿に燈たちは、何も言えずに先ほどの軽口もない。そんな姿に女性研究員は、苦笑をこぼす。
「では、事前に説明したように、皆様にはこれと闘って貰います」
「無理です」
研究員の言葉に八重子が間髪入れずに否定する。
「これと闘って貰います」
「………無理…ですって」
ならばと間髪入れずに女性研究員が全く同じ言葉を告げる。八重子は、二度目は強く言えなかった。
西暦2619年
火星探査チーム特別研究棟の一室にクルーたちは集まっていた。
「わ冷たっ…うぅ、あのゴキブリ星人と会うのに何で、消毒しないといけないんでしょうね」
消毒用のシャワーを浴びながらエヴァは疑問を口にする。
「念の為だそうよ。あんなキモイ生物だから、どんな菌を持ってるか分からないじゃない」
エヴァの言葉に隣にいたエレナが冷静に答える。その近くでは――――
「でも、こないだの体力テストで少なくとも30位以下が確定した人は闘わなくていいんですよね………よかった~~死ぬかと思った」
八重子が安堵を零し――――
「か……加奈子さんは、闘うんですよね?やっぱり…その…不安ですか?顔色が…」
「いや…それもあるけど………何の順番だコレ?……偶然か?偶然かコレ?」
シーラと加奈子が、何気ない会話をしている。
そしてそれは男性陣も変わりなく、マルコスとアレックスの二人は緊張感のない会話をしている。
その中で燈は、先ほどの女性研究員の話を思い出す。自分たちに施された手術によって得た地球上の生物の能力。それを駆使すれば、先の
そして全員が記し合わせたようにシャワー室を後にし、隊服を身に纏い合流する。
――――確認しますが、
――――因みに、今回のテストで相手となるテラフォーマーは、地球で培養されたもので、急所である胸部には、小型爆弾が埋め込まれており、君たちが殺されそうになったら、
――――それでは、後ほど
「……無茶をやらすぜ、全く」
話を思い出し、燈は冷や汗を流す。既に目の前にはテラフォーマーの姿。迷う間も恐怖する間もない。
テストを開始した者達は、全員が迷うことなく動く。
――――
瞬間、ある者には触角が、またある者には翼が、ある者には複眼が、ある者には甲羅が現れる。
実験が、今始まる。
その光景が少し離れたモニタールームでも視認された。
「――――始まりました」
一人の研究員は、少し疲れを吐き出す様に息を吐く。
――――人間大になったゴキブリに対抗するための……人間を動物化して戦う実験…か
少し思うところがあるのか、一人の研究員が今回の内容を復習する。そこで部屋の扉が開かれる。
「あっ艦長。ちょうど今、クルーたちの戦闘テストが始まった所で…」
当然研究員は、次項にもあった艦長である小町の来訪だと思ったが―――
「す……」
現れたのは、先ほど燈たちに説明をしていた女性研究員の亡骸を持った一匹のテラフォーマー。
瞬間、部屋の空気が凍る。いち早く意識を取り戻した研究員の一人が非常ベルを鳴らす。それが合図となった。
小町だと思って声を発した研究員が、一撃でこの世を去る。
それは先ほど彼女が説明したとおりの能力が発揮される。
――――一歩目から320㎞。人とゴキブリでは筋肉の付き方も構造も違うが、テラフォーマー達は、先ほどのゴキブリの説明に相違ない速さで動ける
「ヒィ…っ」
「何で…!!」
「け、研究用のヤツが脱走したのか…早く、早く銃をォォオオ!!」
距離が数百とあったにも関わらず、約二秒でテラフォーマーは彼らの前に現れた。
――――更に、全身がエビの尻尾の様な軽くて硬い甲皮に覆われています。おまけに痛みを感じません。腕の一・二本それどころか頭が取れても、そのまま襲い掛かってきます
銃をもって狙撃するがテラフォーマーは全く意に返さない。
――――力も当然強く、人間を粘土模型の様に簡単に引きちぎれます。厄介な事に知能が高い
射撃が厄介だと把握したのか傍にあったタブレットを投擲し、銃を撃っていた研究員の息の根を殺す。
「ク…クルーだ!!
一人の研究員の言葉を受けそのように動くが…
「……っ!?だ…っダメです!!
その言葉に誰もが絶望を覚える。
――――素早く、キモく、死なない。そして、一匹見たら三十匹いるという繁殖力が、人間大でそのまま持っている
それを証明するように、更に多くのテラフォーマーたちが扉から現れる。
「お……終わりだ……。大体こいつら何で、人を殺すんだよぉ……。うち等が、何をしたって言うんだよぉ……」
目の前に映る光景に絶望し、涙を流して一人の研究員が地面に座り込む。そんな研究員にテラフォーマーが手を伸ばした瞬間――――一本のクナイがテラフォーマーの胸部に刺さる。
そして研究員の後ろの扉から影が現れ―――
「消えろ」
呟くと同時に、青白い光が影の指先とクナイを繋ぐように奔った瞬間、雷音が響きテラフォーマーが力なく倒れこむ。
「
「どいう事だ。この大参事は…」
扉から現れたのは――――
「っけ……研究用のゴキブリが脱走しました。理由はわかりません。30匹位いると思われます……今、軍隊に救援要請を…」
先ほどの研究員が今までの状況を説明する。
「顔を上げて、大丈夫さ。
「…………………」
「たっく、リョウのバカを待ってたらこれとはな…あのバカあとでボコる」
――――か……勝てるのか!?この数に、如何に火星計画加盟国各国の代表者たち……たった六人で
―――
「全員ただちに、こちら側に避難しろ。ゴキブリ退治は俺たちの仕事だ」
火星探索チーム総隊長『アネックス一号』艦長小町庄吉(日本)
「野郎共。薬は待ってるな」
副館長ミッシェル・K・デイヴス(アメリカ)
「………」
幹部アドルフ(ドイツ)
「一足早く、六か国協力プレイといきますか」
ミッシェルの言葉にいち早く答えたのは流麗ながら幼さを残す顔立ちで一団の中で一番幼く見える男。
幹部ジョセフ(ローマ連邦)
「あんま他国の研究員に
次に答えたのは燃える赤い髪と髭を生やしたスーツの上からでも鍛えられら肉体がわかる大男。
幹部アシモフ(ロシア)
「確かに……ではこうしましょ」
アシモフの言葉に同意を述べたのは、一団で最も背の高い髭を蓄えた男。
幹部
劉は未だに唖然とする研究員たちに指を一本立てながら不敵に告げる。
「当ててみてください。僕ら
その言葉に誰も何も言えない。絶対の自信が其処には隠されていた。それを感じ取り、誰も何も言えない。
そもそもこんな状況下でも冷静に普段通りな彼らに僅かな安心すら覚える。
――――
最初に駆けだしたのは小町。テラフォーマーが仕掛けて来るよりも早く、その拳を連撃で叩きこむ。その拳より姿を見せた針が、連続で叩きこまれ、テラフォーマーは地面に伏せる。
小町庄吉。その戦闘スタイルは、
次に動いたのはミッシェル。小町の影から襲いかかろうとしたテラフォーマーの頭を容易に掴むと、100キロオーバーのテラフォーマーを片腕で持ち上げ、息を吹きかける。
瞬間、テラフォーマーが内部より破裂し死に絶える。
ミッシェル・K・デイヴズ。その戦闘スタイルは、プロレス×
ミッシェルの隣ではアシモフがテラフォーマーの口を掴み豪快に投げ飛ばす。
シルヴェスター・アシモフ。その戦闘スタイルは、
そしてその後ろではアドルフがクナイを連続でテラフォーマー達に投擲。そして指先から青白い雷光が、テラフォーマーを貫く。
アドルフ・ラインハルト。その戦闘スタイルは、
信じられない速度で
「これが、人間の技術と魂だ」
30匹ほどいたテラフォーマーたちを既に全部駆除された。誰もが安堵する中で、一般戦闘員の事を思い出し、急ぎ確認するが、そこに多少の疲労はあれど全員がテラフォーマーを倒している姿が映っている。
その事実に研究員の誰もが任務に対する希望を持つ。その中で幹部たちは――――
――――しかし、これは…
――――そう、問題はゴキブリが何億匹いることじゃない
――――本当に事故だったのか…?
――――まあ、人為的なものだろうな。能力も見られちまったし
――――チィ、めんどくさい
――――今日の様に人類が側が手を取り合い協力する気はないという事か
それぞれが今の事件の事を考える。
そんな最中、一人の研究員がモニターを確認してると
「た…大変です!!」
「どうした」
「こ、此処だけじゃなかった。他にも脱走したゴキブリたちがいます。それも非戦闘員クルーの待機場所近くです」
「なんだと…!!?」
研究員の言葉に小町を含めた幹部たちに嫌な汗が流れる。急ぎ大モニターにその映像を移させると、そこには待機しているクルーたちの部屋のすぐ近くに十匹を超えるテラフォーマーの姿が映っている。
それを確認し、小町やミッシェルたちが駆けだそうとした瞬間
「待ってください。艦長」
アドルフが待ったをかける。
「なぜ、止めるアドルフ!!急がなくては…」
「どうやら行く必要はないようです」
「なに…?」
アドルフの言葉に小町は疑問を持つ。しかしアドルフは、小町を視ずにモニターの端を見ている。
最初に気が付いたのは、劉だった。
「成程、確かに僕たちの出る幕はないですね。いや、不幸中の幸いというべきでしょうね」
「全くだ」
アドルフと劉の言葉に誰もが疑問を持つが、その答えがモニターに現れる。瞬間、小町は安堵の笑みを浮かべ、ミッシェルは深くため息を吐く。
その中でアシモフが豪快に笑う。
「ハハ。寝坊しくれて助かったな」
幹部たちの目線の先には、困ったように髪を掻くリョウの姿が映っていた。
今日は大事なテストがある。だから幹部は時間内に集合。そう言われていたリョウだが、モノの見事に寝坊してしまった。急いで時間を確認して見れば、集合時間を15分もオーバーしている。
理解した瞬間、リョウの顔が青く染まる。前日に小町とミッシェルとアドルフにきつく釘を刺され、アシモフと劉には寝坊するなと言われていたのにこの失態。
どんな罰が待っているか、想像するのも恐ろしい。
急いで研究棟に向かっている途中、本来なら聞くはずのない声を聞き、その場所へと向かった。
するとそこには―――――
「何でいるの、お前ら?」
「……………」
十匹を超えるテラフォーマーの姿。
「脱走したのか、それとも
十を超える目に見つめられながらもリョウは、ゴキブリたちには脅威を持たず、その背後にいるであろう影に呆れを見せる。
「まあ、俺の立場上。お前らは野放しには出来ねぇな」
そういうリョウの手には一本の注射器。その注射器をリョウは迷うことなく首に差し込む。
「
火星探査チーム『アネックス一号』特別選考戦闘
結末は、語る必要もなく小町達がたどり着いた時には、既に躯とかしたテラフォーマー死体の上にリョウが悠々と座っていた。
その姿を見た研究員は…
――――かっ勝てる!!彼らと彼が手を組めば火星でも…あの火星に一億匹以上いるとされる
『準備は出来た!!さあ、戦士たちよ、
如何でしたでしょうか?
テラフォーマーって、どうして特別版の読み切りコミックスに乗せてくれないんだろう
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