テラフォーマーズ~凶星に挑む獣~   作:スペル

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お待たせしました!!
リアルが忙しすぎて、創作威容が全くわかなかったのですが、落ち着いてきたので更新できました!!

今回は視点が何度も動くので少し読みずらいかもしれません
物語が落ち着けば、それもなくなるのですが・・・自身の技量不足ですよね

楽しんでもらえた、嬉しいです!!


07 START プランδ

変異した姿でリョウが、目の前に立つテラフォーマーたちへと宣戦布告を告げる。その言葉に感情を持たないはずのテラフォーマーたちの足が確かに一歩下がる。

 

「どうした?恐怖なんて脳機能(かんじょう)テラフォーマー(おまえら)には無縁だろ?」

 

その真意を悟りながらもリョウは、指をクイクイと上下させながら、不敵に俄然に黒い壁として立つテラフォーマーたちを挑発する。その意味が分かったのかは、定かではないが自分たちがなめられている事を察したのか、血管を浮き上がらせテラフォマーたちがリョウへと迫りくる。

もはや、黒い濁流としか形容できないものを前にしてもリョウは、先ほどと変わらずに

 

「返り討ちだ」

 

不敵な宣言と共に地面を蹴って、濁流の中へと飛び込んでいく。テラフォーマーたちを悉く片付けていくリョウ。まさに一騎当千の実力でテラフォーマーを倒しているリョウだが、結果とは裏腹に、その眉にはしわが寄り、悪人面がより際立っている。

 

――――ちゃんと全員を脱出させた。それに班には一人づつ、あの人たちが付いてる。心配する要素はないはずだが、なのになんだ?この胸騒ぎは…

 

その胸騒ぎが起きる直前、腕にロープを巻いた(・・・・・・・・・)テラフォーマーを倒したリョウ。その圧倒的な実力差が、その胸騒ぎの正体に気が付く機会を逃させてしまった。

そしてその胸騒ぎの正体(・・)に気が付くのは、少し後の事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アネックス一号』の計画に記されている対緊急用プラン『プランδ(デルタ)は、100名のクルーを六つの班に振り分けて『高速脱出機』を使い、全滅を避けるため六つの方向に別々にそして同時に火星へと脱出し、その後アネックス本艦へと集合。アネックスへと向かうさなか、幹部(オフィサー)の判断の元、他班との合流やサンプル回収を行い。約40日後に来る地球からの救助艦によって、火星を脱出する。

その間最も重要な事は一つ―――――

 

日米合同第一班:幹部(オフィサー)小町(こまち) 主な班員:マルコス、慶次

 

「チィ…やっぱクスリがすくねぇ」

 

日米第二班:幹部(オフィサー)・ミッシェル 主な班員:膝丸燈、アレックス

 

「よし。レーダーにゴキブリの影はない。一度、出るぞ」

 

ロシア・北欧第三班:幹部(オフィサー)・アシモフ 主な班員:アレキサンドル、イワン

 

「ふふ…計画通りだな(・・・・・・)

 

中国・アジア第四班:幹部(オフィサー)(りゅう) 主な班員:ジェッド、(バオ)

 

「ふぅ…とりあえずいきなり待ち伏せの心配はなさそうだね」

 

ドイツ・南米大五班:幹部(オフィサー)・アドルフ 主な班員:エヴァ、イザベラ

 

「………行くぞ」

 

ヨーロッパ・アフリカ第六班:幹部(オフィサー)・ジョセフ 主な班員:マルシア

 

「あちゃ~、こりゃあ貧乏くじ引いたかな?」

 

――――テラフォーマー(ゴキブリ)たちに殺されてはいけないこと。

 

「…‥‥…………………」

 

六班が火星に降り立つとほぼ同時、作業していた手を止めたスキンヘッドのテラフォーマーが、ピク!と一度触覚を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは文字通りの奇襲。日米第一班の高速脱出機に張り付き、脱出し安堵しする僅かな気の緩みを付く奇襲。

そのテラフォーマーの攻撃が人間(シーラ)を狙ったわけではなく、人間(かれら)の命綱である薬を狙っている。

だからこそ小町は、薬を節約することをなく全力で一匹を叩くことを決める。時を同じく班員を一人失ったアシモフたち第三班は、網による捕獲を決行する。

しかしそんな人間たちの思惑を嘲笑うようにテラフォーマー(やつら)は――――

 

「シーラァああ――――――」

 

「ねえ…ちゃん――――?」

 

自分たちが奪った技術(えたもの)をもって先手を取る。

第一班には、『小さき爆発魔(ミイデラゴミムシ)』の魔手が。

第三班には、『弾丸列車(メダカハネカクシ)』の速度が。

瞬時に理解する。20年前に会得した技術『バクズ手術』はテラフォーマーに奪われたのだと。

そしてその死を悲しむ間も悼む間もなく、テラフォーマーたちが動き出す。

 

――――このゴキブリが単体だったのは、単体だったからではない。能力持ちだったことといい…奴らには階級と役割がる。つまり…

 

――――火星中にいるゴキブリどもは…

 

――――予想以上に統率が取れた軍隊になっている

 

――――そしてばれている。俺たちが六つに分かれていることも…。どこかの班が待ち伏せを受けている可能性もある。

 

幹部(オフィサー)たちが瞬時に状況と敵戦力を把握する。それは同時に生き残りをかけた人間VSゴキブリの戦いのときが近づいている事をしめしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠く離れた惑星(ほし)で戦いが始まっているその中で、その場所はまさに準備段階といった雰囲気を持っている。

 

「それで今回も当然受けさせているんでしょう?バクズ手術を」

 

「ええまあ。我々にもいろいろな思惑がありますからね」

 

七星の言葉に晃博士は何かをこらえるように目を閉じる。

 

「しかし今はその名で呼ばれていません」

 

「なんですって?つまりそれは…」

 

七星の言葉に驚きをはらんだ声で晃博士は言葉をつむぐ。

 

「はい。昆虫以外の生物でも可能になってます」

 

「20年前も技術的には一歩手前まで来ていた。しかしそれではバクズ手術の恩恵が受けれないのでは」

 

「それを克服したのです。今の名称は――――」

 

七星は告げる。逃げていた晃博士に空白の20年間を伝えるために。そうしなければ、そもそも彼と話し合いができないと知っているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーラからの無言のメッセージを受けた小町は、その死に一度瞳を閉じる。そして次に目を開けると、そこには隠し切れない怒りの感情。

 

「害虫どもが…一種類から数十種類になっただけで、粋がるなよ。時代遅れの技術にせいぜい頼ってやがれ」

 

小町の言葉が告げられると同時、二班、三班、五班でも同じ動きが起きる。

 

服薬(つか)うぞ!お前ら」

 

「燈とアレックスは、脱出機(くるま)の警護。ここは私一人で十分だ」

 

「イザベラ。脱出機(くるま)を警護しろ。俺が片を付ける」

 

マーズランキング30位クラスの戦闘員たちが、その能力(ちから)を開放する。

 

 

――――M.O手術(モザイクオーガンオペレーション)!!

 

「つい百年ほどま前までよ、砂漠だった火星(ほし)だった虫けらがよ…!!125万種以上の生命の炎が燃え盛る…『地球生物(ちきゅう)』をなめんなよ」

 

リョウに続く様にクルーたちを代表するように、膝丸燈がテラフォーマーへと宣戦布告を告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地上にて戦いのゴングが鳴る。その時、すでに戦いが始まっていたアネックス内では、その戦いに区切りがつこうとしている。

 

「じょうじ」

 

「シィッ」

 

鋭く放たれる回し蹴りがテラフォーマーの半身を容易く両断する。ドサという音と共にテラフォーマーの死骸が地面に落下する。それにも目をくれずにリョウはあたりを見渡す。

 

「今ので最後か。思ったより、少なかったな」

 

ガシガシと頭を掻くリョウの足元には軽く50匹ほどのテラフォーマーたちの死骸が散乱している。

 

「つうか、体液がベトベトする。シャワー室ってまだ使えたっけ?」――――杞憂だったか?

 

軽口をたたきながらも、先ほど感じていた胸騒ぎの事を考えるリョウ。しかし時間が経てどもその胸騒ぎは消えるどころか、大きくなっていく。

 

「(急いだほうがいいか)さて小型航空機って、どこに格納されてたっけか?」

 

決めれば早くと自身の記憶を呼び起こすリョウ。そんなとき重い衝撃があたりに響く。

 

「うおぉ!!遂に墜落(おちた)か。まあ、速度もだいぶ落ちてたし、そこまでひどい衝撃(もの)じゃなかったな。お前らのおかげか?」

 

僅かに驚きながら上空の窓に見える黒い影にそう告げるリョウ。しかし次の瞬間違和感に気が付く。

 

「あ?」

 

先ほどまでいたはずの膨大な数のテラフォーマーたちが一斉にどこかへと飛び立っている。

 

――――どういうことだ?ここにいる意味を無くした?確かに六つに分かれたが、アネックス(ここ)人間(おれたち)の拠点には変わりない。ここを制圧する利点に気が付かないほど知能が低いわけじゃないだろ

 

敵側の予想外の動きに困惑するリョウ。落下すると同時にアネックスの緊急システムが発動し、外へと続く扉が強制的に閉められているはず。その為、中で好き放題させないために、侵入したテラフォーマーたちを全滅させたが、外からの介入をあきらめるとは考えにくい。

 

「何が目的だ?戦力を集めてから、再度攻めるつもりか?だが、一匹ぐらいは情報係として置いていくだろ、普通」

 

矛盾点。どう考えても道理に合わない。そもそも種族が違うのだから、当然かもしれないがいささか妙だ。

 

「うん――――なんだ?」

 

考えを中断し、早く合流し、情報を共有しよう。そう思考がまとまり始めていたリョウの表情が変わる。

一匹のテラフォーマーがアネックスの前に現れている。それだけならば、驚きはしない。しかし聞こえる感情が問題だ。

 

「求めてんのか?敵を…」

 

嫌悪感を覆い潰ぶさんとするほどの闘志に欲求。明らかに今まで聞いてきたテラフォーマーの感情とは乖離している。

リョウの直感が告げる。そのテラフォーマーを放っておいてはいけない。大変なことになると。他には気配はない。ならば…

 

「招待するか」

 

一対一の戦いをするのが得策。それもアネックス内でだ。外は奴らのテリトリー。何が起きるかわからない。それならば多少艦内が壊れるリスクを背負えど、外界から遮断された艦内で戦うのが吉だろう。

 

「確か緊急脱出用のハッチを開けるのは、これだったよな」

 

おぼろげな記憶を頼りにボタンを押し、外に待つ敵を艦内(なか)へと招待する。入ってこない可能性もあるが、聞こえる身としては断言できる。外にいる奴は、必ずこの誘いに乗ると。

 

「さて何が来る―――」

 

しばしの沈黙。それを引きつれるように一つの影が現れる。

 

「なっ!」

 

その姿を見た瞬間、リョウは胸騒ぎの正体に気が付く。その形状(すがた)は、既存のテラフォーマーたちとは似ても似つかない。

両拳が肥大化しており、その甲の先からは一本の針が出ている。更に背には二枚対の翅が計四枚。そして短めの触覚が生えており、顎付近には鋭い牙がある。

僅かな驚愕で硬直するリョウの隣を悠々と通り過ぎると、そのテラフォーマーはその場所のほぼ中央で静止し、リョウの方へと振り向く。

 

「じょうじじ」

 

「――――なるほどね…」

 

どうした。と言いたげなテラフォーマーの言葉にリョウは、その胸騒ぎの正体に納得がいったというべき声音で、後ろに立つテラフォーマーへと振り返る。

 

「俺たち人間側の武器は、テラフォーマー(おまえら)の武器でもあったわけか」

――――胸騒ぎの正体は、これか。もしも何の情報もなく、これと初見で会っていたら…いかにあの人たちといえど…護り切れない。すでに何人かは…

 

死んでいる。その考えが頭をよぎる。しかしそれも一瞬のこと、それを超える感情が沸き上がる。

 

「一応聞くけど、死体を(つか)ったのか?」

 

「…‥‥」

 

リョウの言葉にテラフォーマーは何も言わない。むしろなぜ聞くのかわからないといった表情をしている。

 

「まあ、そこから辺はいいわ。俺もそこまで(・・・・)怒れるわけじゃねぇし。だた…それは(・・・)いただけねぇな」

 

一度言葉を切り、怒りの感情をもって目の前の虫けらをにらみつける。

 

「『大雀蜂』は、俺の――――小町さんの能力だ。だから…」

 

そう目の前に立つテラフォーマーは、明らかに雀蜂の能力を持っている。恐らくというか、確実にバクズ手術のノウハウは奪われ、それを利用して得たのだろう。素材は死体から奪え(とれ)ばいいのだから。

だが、リョウが怒りを感じているのは、もっと独善的で独りよがりな怒り。

 

「お前ごとき虫けらが、我がもの顔でその力を使ってんじゃねぇよ!!あ”あ”ぁん」

 

 

瞬間、まるで暴風のように圧ともいえるものがリョウを中心に吹き荒れる。

 

「じじ‥?」

 

それを受けてテラフォーマーの身体は無意識に震える。

 

「来いよ、すぐに駆除してやる」

 

「じょうじ」

 

しかしその震えも一瞬の事無理やり震えを抑え込む。テラフォーマーはリョウが構えたのを確認すると、自身もまた構えを取る。

 

『その怒りは、人としての怒り』




結局原作では出てこなかったオオスズメバチ×テラフォーマーという敵を登場させてみました!!
なんで出てこなかったんでしょうね?毒に適応できなかったから?それともパーツが少なすぎたから?

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