なんか、少しグダグダになった気がしますが、どうにか完成しました
上手く表現できてるかな?
楽しんでもらえたら、嬉しいです!!
次元と凛華が次郎と節乃に拾われた日から、数年が経過していた。そして現在、次郎と次元はある危険区にいた。
「ギュオ?!」
「今のがデビル大蛇のノッキング法じゃ」
「スゲェ」
次元は次郎の説明を受けながら、目の前の存在に意識を向ける。紫の皮膚と三つの瞳を持った伝説の魔獣。
それを意図も容易くノッキングした姿に感嘆を覚える。数年前から次郎のもとで美食屋としての技術やいろはを学んでいるが、ノッキングに関しては素直な尊敬の念しかわかない。
「と言う訳じゃ。わかったな」
「まあ、大体は」
次郎の言葉に次元は、先ほどの次郎の動きと説明を何度も脳内で反芻させる。そうやって確固たるイメージを脳に刻み付けていく。
そんな次元の傍に――――
「オロロロ」
もう一匹のデビル大蛇が姿を現す。
「丁度いい。こ奴で実践してみぃ」
「了解」
次郎の言葉に次元は軽く返し、目の前の
自分は紛れもなくこの場所の王だ。今まで自分に出会った者は例外なく恐怖した。なのに、目の前の小さき存在達からは、全く恐怖を感じない。一体なぜ?どうして、無意識に自分の体は後退している。なぜ、体が震えている。
「さて、行くぞ」
「ギャオッ!!」
危険だ。そう本能が刺激し、デビル大蛇は胴体から手足を生やし、次元を捕まえようとするが…
「おせぇ」
まるで最初から来る場所を知っているように次元は、その攻撃をかわす。
「オボ…」
「うん?」
瞬間、デビル大蛇は口から消化液を吐きだす。その量は、回避不可の量であり、敵は無慈悲に溶けるのみ…の筈だったが…
「で、終いか?」
「ゴアッ!!?」
その攻撃を容易に潜り抜け、己の目の前に跳んでくる。不味いそう思った瞬間、次元の姿が消え…
「ノッキング!!」
横顔に衝撃が走る。刹那、体の自由が奪われていく。
「ゴガ…!!?カ…!!」
次の瞬間にはデビル大蛇は大地に伏す。その姿を見ていた次郎は、持ってきた酒を飲みながら、舞い降りた次元に視線を向け
「ふむ。合格点の動きじゃが、
「うっす」
次郎の指摘に次元はどこか悔しそうに呟く。そんな次元の頭に次郎は優しく手を乗せる。
「このまま精進せい」
「…うっす!!」
労いの言葉に次元の顔が僅かに喜びで彩られる。その後二人は、その危険区を後にした。
満腹都市『グルメタウン』のはずれにある、節乃食堂。そこに、節乃と凛華がいた。
「おばあちゃん。下ごしらえ、終わったよ」
「そうか。そうじゃあ、少し休憩してよいぞ」
「わかった」
節乃の言葉を聞いた凛華は、下ごしらえした食材を節乃の傍に置き、厨房を離れ外へと出る。そして節乃は、凛華が下ごしらえした食材を手に取り、じっくりと目を通す。
――――流石じゃの
その下ごしらえは節乃を持っても見事としか言いようのないレベル。料理を覚えて未だに数年ながらもその才能に節乃は何度目かもわからない驚嘆を覚える。
――――ジロちゃんや、若い芽は着々と育っておるぞ
外の方角を見つめながら節乃は笑みを浮かべる。
そして外に出た凛華は、その場で大きく背筋を伸ばす。そこへ一陣の風が吹き、その場に
「ユアン!!」
「クウン」
ユアンが姿を見せる。その存在を認識した凛華はユアンに思いっきり抱き着く。
「そうだ、ユアンごはん食べる?私が作ってあげるよ」
「クオン」
「わかった。ちょっと待っててね」
ユアンの言葉を聞いた凛華は、一度店に戻り、一分ほどしたのちに再び姿を見せる。手にはドックフードの器に収められた料理がある。
「はい、どうぞ」
「ウォン」
差し出された料理をユアンは美味しそうに頬張る。その姿に凛華も頬を緩める。
「美味しい?」
「ウォン!!」
「よかった」
凛華の言葉にユアンは嬉しそうな声を上げる。その声を聞いた凛華は安堵の様な嬉しそうな笑みを浮かべる。
「それじゃあ、おばあちゃんの手伝いしてくるね」
軽くユアンを撫でてから凛華は、店に戻っていく。その姿を片目で見ながらユアンはその場にゆっくりと腰を下ろし瞳を閉じる。近くから感じる見慣れた
店に戻った凛華は、節乃の指導の元、料理の特訓をしている。節乃の言葉に耳を傾けながらも、その意識のほとんどを目の前の食材に向けている。
「よいか、凛華よ。その筋に沿って包丁を入れるのじゃ。だたし、力加減を誤ると味が落ちる。見極めが大事じゃぞ」
「うん」
節乃の言葉に答えながらも、ほとんど無意識に答えている。ゆっくりとしかし正確に筋に沿って包丁を入れる。
「ふむ。見事じゃ」
その一連の動作を見た節乃は、動作を終えた凛華を褒める。褒められた凛華は、漸くその言葉に反応し、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「やった!!やった、やっと成功したよ!!」
実は今までも何度か挑戦してきたが成功しなかったそれが漸く成功し、凛華は節乃に思いっきり抱き着く。
「おばあちゃん、私立派な料理人になれてきてるかな?」
暫く嬉しさに震えていた凛華が、突然節乃に問う。問われた節乃は、一瞬その意味を理解できなかったが、その意味を理解すると笑みを浮かべ凛華の頭を優しく撫でながら――――
「勿論じゃ。既に立派な料理人じゃ。どこに出しても恥ずかしくはないの」
己の想いを口にする。それは身内贔屓なしに見て、料理人節乃としての意見。親バカと言われるかもしれないが、事実だと節乃は胸を張って言える。
そんな節乃の想いを感じ取ったのか、凛華はそれが嘘ではないと察する。だからこそ凛華は――――
「それじゃあね、
己の想いを口にする。放たれた言葉の意味を即座に理解した節乃は、優しい笑みを浮かべ
「勿論じゃ。むしろ、凛華とコンビを組める美食屋は幸せ者じゃな」
凛華の想いに背を押す。その言葉を聞いた凛華は、自分の想いを察しられたことに気が付き顔を朱色に染める。
そんな時――――
「今帰ったぞい、セッちゃんや」
「ただいま…です」
玄関より、次郎と次元が帰宅する。帰宅に節乃と凛華は、笑顔で二人を迎える。しかし先ほどの事もあり、凛華の顔は僅かに朱色に染まっている。
「おい、凛華。お前、顔が赤いけど大丈夫か?」
そんな異変?に気が付いた次元が凛華に顔をよせる。一瞬にして近くに現れた次元の顔に凛華は、更に顔を赤く染めながら慌てて大丈夫だと告げる。
「本当に大丈夫なんだな?」
「だ、大丈夫!!そんな事より、おなか減ってない?私の料理でよかったら、何か作るよ」
「それりゃいいの。酒に合う物も頼むぞ」
それでも心配する次元に対して、慌てて話を逸らそうとする。そしてその考えを察した次郎が凛華の話に乗る。次郎の言葉に凛華は、任せて!!と告げると厨房の奥に消える。その姿を見た次元は、まあ大丈夫かと、席に腰を下ろした。
そしてその裏で節乃と次郎が互いに弟子の成長を報告し合っている。そして勿論、凛華の想いも。
「ジロちゃんや、実は一つ私に考えがあるんじゃが…」
「奇遇じゃの。ワシも今、一つ思いついたところじゃ」
お互いに誰にも聞こえないほど小さな声で話し合う二人は、ほぼ同時に同じ考えに行き着く。そして長年の付き合いゆえにその考えが同じであると察して、互いにお顔を合わせ笑みを浮かべる。
そして二人の視線が、席に座る次元と厨房で料理する凛華の二人に向けられた。
その後すぐに凛華の料理が出来、全員で食事となった。
「!!。美味いの~。また腕を上げたの~凛華や」
「ホント!!おじいちゃん」
出された料理を一口食べ次郎はその味に驚きを露わにし、その反応に凛華は喜び、節乃は胸を張る。
「ねぇ…次元はどうかな、私の料理って…」
「うん?」
――――凄く食べてる
凛華が目線を隣に向ければ、ガツガツと料理を食べる次元の姿。その余りの食べ方に「シャンと食べんか!!」と節乃のゲンコツが落ちている。
「おっ!そうじゃ、次元よ。お主に
瞬間、痛みに悶えていた次元の目が煌く。
「本当なら私自ら行きたいところじゃが、生憎と予定があってジロちゃんも動けん。そこでお主じゃ。ジロちゃんの話を聞く限り、お主に任せても問題はないと判断したじょ」
ビシッ!と指さされた次元は、武者震いに震える。今までの狩りは絶対に次郎が付きそう事が条件。曰く「一人前になったら、依頼する」と言われている。それが来たのだ、歓喜しない方がおかしい。
「で、何を
「うふふ。それは、あるキノコじゃ」
「キノコ?」「そうじゃ、世界でも三指に入るキノコ。その名も『ハーマッシュ』。味もさることながら、その風味は抜群じゃ」
告げられるターゲットの名前に次元は好奇心から更に体が震えだす。
「新緑の森に生えるそのキノコを見事、捕獲してきんしゃい」
「おう!!」
節乃の発破に次元は元気よく返す。その反応に節乃と次郎は満足そうに頷く。そしてその事を凛華は自分の事の様に喜んでいるが、どこか浮かない。
――――凄いな、次元は。もう一人前になろうとしてるんだ…
自分とほぼ同じ時期に修業を始めた。確かに次元の方が僅かに年上で開始は早かったが…
自分も早く親であり師でもある節乃から認めてもらいたいと思う。同じだからこそ、次郎から許可をもらえた嬉しさを誰よりも理解できる。
そんな凛華の気持ちを察してか、節乃と次郎は笑みを浮かべる。
「それと条件があるぞ」
「条件?」
「そうじゃ、凛華を同行させる。それが条件じゃ」
「え!」
突然の話題に驚きの声を上げる凛華。
「そろそろ生の食材に触れ合う機会じゃ。そういう意味では都合がいい」
「いいの、私が行っても」
「なんじゃ行きたくないのか?」
未だに踏ん張りのつかない凛華に節乃は何気なく問う。問われた瞬間、凛華には様々な想いが湧き上がる。特に大きいのは二つ。次元と旅を出来る事ともう一つは、生の食材を視れる事。ならば答えは決まっている。
「行きたい!!」
「そうか、行きなさい」
凛華の勇気を出した言葉に節乃は優しく微笑む。そして凄まじい速度で次元の方を向くと威圧ある声で…
「よいか、次元。しっかりと凛華を護るんじゃぞ」
「は…はい」
威圧ある雰囲気に次元はしり込みしながらもうなずく。
「なら、早く準備するんじゃ、次元に凛華や」
話がまとまった辺りで次郎が二人に声をかける。掛けられた二人は、慌てて準備に取り掛かった。
そして先ほどの話から数十分後、次元は準備を終え凛華を待っている。暫く待っていると凛華が慌てて出てくる。
「ごめん。待ったかな?」
「気にしいいぜ。次郎さんから料理人は準備に手間取る物って聞いてたしな」
「そっか…よかった」
「ユアン。背負えるな」
「ウォン」
次元が凛華の荷物を次元がユアンに背負わせ準備は完了する。そして準備が終わったところで節乃が二人を見渡す。
「ふむ。準備は万端の様じゃな」
「場所は先ほど言った通りじゃよ、次元」
「ユアンの足なら、恐らく数日のうちには着くじゃろう」
「うっす」
節乃と次郎からの言葉を受け、二人はユアンの背に乗り込む。
「頼むぜ、ユアン」
「宜しくね、ユアン」
「クウン」
「行くぜ!!」
「それじゃあ、おばあちゃん、おじいちゃん行ってくるね!!」
「気を付けての」
「任せたぞ」
次元と凛華の言葉にユアンは任せろと言わんばかりの声を上げる。そして足に力を籠め、思いっきり地面を蹴る。
節乃と次郎は、それを手を振りながら見送る。
「さて、どうなる事やら」
「まあ、大丈夫じゃろ。次元一人なら危ういかもしれんが、凛華もおるしな」
「そうじゃな」
二人を見送った節乃と次郎は、これからを想像し笑みを浮かべた。
――――
如何でしたでしょうか?
なんか、文にするのがすごく大変でした
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