トリコ~暴獣の弟子と国宝の娘~   作:スペル

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お待たせしました!!
本当は八月中に更新したかったのですが、無理でした・・・・・すみません

それにしても今週のトリコを読んでの一言いいたい―――――フローゼさん、なんでアカシアなんかを選んだの!!と

くだらない感想は置いといて――――
楽しんでもらえたら、うれしいです


グルメ6 新緑の森の王!!

ユアンが狩りから戻る間に次元は、身近な場所に隠れる燭台を探し、凛華は食事の準備をしている。ユアンが狩りに出ておよそ五分。次元はあらかたな食材を取り終え、凛華も準備をし終える。

 

「ハープキャベツにエッグマッシュ。まあ、添え物としては十分か?」

 

「うん。これだけあれば十分だよ。ありがとう、次元」

 

「気にすんな」

 

ハープキャベツ(野菜)捕獲レベル2――――香り豊かなキャベツ。

エッグマッシュ(キノコ類)捕獲レベル3――――卵の黄身を持ったキノコ。黄身にはキノコの風味が閉じ込めらている。

 

食材がそろい。あとはユアンを待つばかりといったところで、一陣の旋風が巻き起こる。

 

「クオン」

 

「お帰り、ユアン!!」

 

「お疲れさん」

 

声がするほうを向けば、獲物を加えたユアンがゆっくりとこちらに近づいてくる。

 

「わぁ~ハーブタだ。生で初めて見たよ」

 

「しかも結構な大物じゃん。でかした、ユアン」

 

「ク~ン」

 

ハーブタ(哺乳獣類)捕獲レベル7――――肉に臭みがなく生でも十分に食べれる。

 

思った以上の成果に二人はユアンをほめる。褒められたユアンもうれしいのか目を細めている。

 

「よし、ここからは任せるぞ凛華」

 

「クオン」

 

「うん、任せて」

 

次元とユアンの言葉に凛華は力強くうなずき、作業を始める。凛華が作業に行くのを見届けると次元とユアンの二人は、あたりを静かに警戒する。

時間にすれば、十分弱ほどだろうか、警戒していた二人の耳に――――

 

「できた!!二人ともできたよ」

 

凛華の言葉が届く。その声に反応して二人が凛華の近くによれば、葉っぱの皿にきれいに盛り付けられた料理がある。

 

「ハーブタとエッグマッシュの炒めだよ。風味がよかったから下手に手は食わなかったけど、どうかな?」

 

「うまそうだ」

 

「クン」

 

凛華の言葉に二人はわずかに涎を滴らせかける。その反応に凛華はよかったと息を吐き、三人は座り、次元と凛華は手を合わせる。

 

「「この世のすべての食材に感謝を込めて、いただきます!!」」

 

節乃から教わった所作を行い、三人は料理に食べ始める。

 

――――簡単な炒めじゃないだろう。火のタイミングとかが絶妙だ……たぶん

 

一口食べた瞬間にハーブタの風味が口内に走り、エッグマッシュの濃厚な味に豚肉としてはわずかに淡白なハーブタの味を底上げ、肉の持つ熱が二つの味を調和させる。そして添え物としておかれたハープキャベツの(フレッシュ)がさらに肉の風味を押し上げている。

総じていえば――――

 

「美味い!!」

 

その一言に集約される。次元の言葉に同意するようにユアンもまた声を上げる。二人の純粋な賞賛に凛華はとても嬉しいのか、ほほを朱色に染める。

そんな形で賑やかに次元たちは休息を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高速で迫りくる葉っぱを右腕で払う。ぶつかった瞬間、葉っぱは勢いをなくしふわふわと宙を漂う。

 

「ぎゃう!!??」

 

リーフバシリスク(爬虫獣類)捕獲レベル26――――かかとに葉っぱをはやしたバシリスク。高速で足をふるい、葉っぱを斬撃として飛ばしてくる。またかなりの速度で移動可能。

 

己の攻撃が簡単にいなされた事実にバシリスクの動きが驚愕に止まる。その隙に次元は距離を詰め―――

 

「ノッキン!!」

 

「ぎゃっ!!??」

 

バシリスクの動きを止める。バシリスクの動きを止めた次元は、そのまま止まらずにその場から回避する。瞬間、その場所に巨大な爪が振るわれる。

 

「グモォォオオオオオ!!」

 

「グリーンベアーか…」

 

グリーンベアー(哺乳獣類)捕獲レベル27――――体毛が緑で森と一体化する熊。

 

逃れた次元に攻撃を加えんとグリーンベアーは大きく腕を振るう。絶対の自信ある攻撃。ゆえにグリーンベアーは勝利を確信するが、腕を振るい次元にぶつかった瞬間、グリーンベアーが感じたのは、巨大な山。

 

「悪いが手間をかけてる暇はないんでな。寝ていてくれ」

――――ノッキング…

 

一瞬ひるんだ瞬間に次元がノッキングして動きを止める。そしてあたりを確認した次元は一本の木の影のほうを向く。

 

「もう大丈夫だぞ、凛華」

 

次元がそう告げると、木の影から凛華が恐る恐るといった形で姿を見せる。

 

「そんなに怖がるなよ。心配しなくても付近の猛獣は全員ノッキングしたからな」

 

怯える凛華に次元は優しく告げる。次元の言葉にようやく凛華は安どしたように息を吐く。森の中心部に近づくにつれ、一体でも強い猛獣が姿を現し始めた。今もいきなりの奇襲に次元が凛華を隠れるように指示したのだ。

 

「ユアン!お前のほうも大丈夫そうだな」

 

凛華の手を取り、安全を確認した次元は、自分の後方を振り向きながら告げる。その言葉に反応するように、ユアンが姿を見せる。

 

「苦戦はしてないみたいだな」

 

「ウォン」

 

次元の言葉に当然だというように声を発するユアン。どこか怒ったように尻尾で次元はペチペチと叩く。

 

「悪かったって。さて、凛華。まだ体は大丈夫か?香りが強くなってきたことを考えると、目的地まではもうちょいだと思うが……いけそうか?」

 

笑みを浮かべながらユアンを窘める次元。そうして改めて次元は凛華に問う。問われた凛華は「だ、大丈夫だよ!」と告げるが、次元の表情は思わしくない。

 

――――今でも呼吸が乱れてる…それに足が震えてる

 

すでに森に入ってから数時間が経過している。普段から狩りに慣れている次元たちならともかくとしても、初めての狩りそれもかなり危険度の高い危険区。消耗が激しいのは仕方ないのかもしれない。

 

「ユアン。凛華を背負っていけるな」

 

「ウォン」

 

「えっ?じ、次元…」

 

突然の提案に戸惑う凛華を次元は問答無用に横抱き、通称お姫様抱っこで抱える。突如のことに頭が混乱していたが、現実を把握すると途端に顔が熱くなるのを感じる。

 

「じじじじ、次元!!」

 

「無茶すんな。無理なら無理って辛いなら辛いって、ちゃんと言ってくれ。俺もユアンも別に責める気もねぇからな」

 

優しく告げながら次元はゆっくりとユアンの背に凛華を下す。下された凛華は、毛並みのきれいなユアンの背をつかむ。

 

「さて、行くか」

 

「ウォン」

 

「…うん」

 

次元の言葉に凛華は小さくうなずく。それを耳にしながら、ユアンは静かに次元の後を追うように歩き出す。その込められた心情を察して、どこか慰めそんなことはないとでも痛げに一度だけ体を震わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中心部へと進むほどにそびえ立つ木々は太くなり、日の光が届かなくなり薄暗い。大きな根っこを避けながら、次元たちは目的のハーマッシュを探してゆく。

 

――――妙だな、なんでさっきから猛獣の姿が見えねぇ。気配の残り香はチラホラとある。いないわけでも住んでないわけでもない…

 

薄暗い森の中で生じる違和感。そしてそれにはユアン自体も気が付ているのか、警戒が強まっている。不気味なまでに静寂を示す森。それは先ほどまでの森と同じだとは思えないどであり、否応なしに二人の意識が研ぎ澄まされてゆく。

 

――――辺りから猛獣たちが消える理由……「まさか…」

 

森を進んでゆく中で次元の脳裏にある仮説が浮かび上がる。自身が住んでいた場所を捨てる理由は、住めなくなったか、新た外敵が現れたか…もしくは

 

――――圧倒的な捕食者が近づいてきたか…

 

「グルルル!!」

 

「ユ、ユアン!!??」

 

その考えにきつくと同時、ユアンが前方に強い警戒を示す。瞬間、次元もまたユアンがにらむ方向に視線を向ける。不気味な沈黙の中、二人がにらみつける方角から、何かが飛んでくる音が聞こえる。

 

「……なに?」

 

その音が凛華にも聞こえるほどに大きくなった瞬間――――

 

「グモォォオオオ!!」

 

吹き飛ばされる形でグリーンベアーが木に直撃する。

 

「わっ!?」

 

想定いていた以上の光景に凛華はユアンの毛を強く握る。木に叩き付けられたグリーンベアーは、よく見れば右腕がない。起き上がった彼は自身が吹き飛んできた方角を見ながら、急いで逆の方向へと逃げてゆく。その光景を見て次元とユアンはすべてを察する。

 

――――ここにいるのは得策じゃないか「ユアン、凛華!!一旦、俺らも下がるぞ」

 

「ウォン!!」

 

「わ、わかった」

 

もしも次元とユアンだけならば気にはしなかっただろう。しかし今この場には、保護対象(凛華)がいる。二人が感じる気配(オーラ)から、危険と判断する。

次元の言葉に凛華は逆らわずにうなずき、ユアンにきつくしがみつこうとした瞬間、トクンと何かが湧き上がる。

 

――――えっ!?……この、感覚は

 

それは数少ない経験なれど、節乃との修行の最中に何度か感じた感覚。

 

――――そうだ、食材の求める声(・・・・)が聞こえた時の感覚

 

「凛華?」

 

それが聞こえた瞬間、凛華は他者の声など完全にシャットダウ。ただ声が聞こえたであろう方角を見る。

突然の凛華の変化に、次元とユアンの足が止まる。声をかけても全く反応を示さない。そのことに次元は困惑を見せる。

 

――――一体何が…

 

「…次元」

 

その中で凛華は目線も変えずに次元の名を呼ぶ。それに反応し、次元が「戻ったかと」安どを見せる。しかし凛華は構わずに――――

 

くるよ(・・・)

 

「なに?」

 

己の感じたもの(・・・・・)を口に出す。その言葉の意味を次元が意図できない。

 

「くる。ハーマシュが来るよ(・・・・・・・・)!!」

 

「何を言って…」

 

続けて告げられたその言葉になおさら困惑を見せる次元。だが、時間は次元を待ってはくれない。

最初に反応したのは、ユアン。

 

「グルルルルッ!!!」

 

完全なる臨戦態勢。そしてわずかに遅れて次元が反応する。

 

――――この気配は…遅かったか。相変わらず、見聞が弱いな(・・・・・・)、クソッ!!

 

ユアンの前に立つように構えをとる次元。二人が構え終えると同時、それ(・・)は現れた。

 

長く蛇と見間違うほどに伸びた首。口は三角形型で、目はつぶらである。顔から少し遅れて姿を見せたのは、全体を草やコケで覆われた巨木と見間違わんばかりの前足。そして何より特徴的なのが、全体を草やコケで覆われた円形の甲羅。そしてその顔もコケや草が茂っているが、口周りだけが、赤く染まっている。

 

その姿を見た瞬間、次元は己の考えが正しかったことを悟る。やはり猛獣たちは逃げていたのだ、今自分の目の前にいる圧倒的な捕食者から。おそらく食事の時間が決まっているのだろう、その時間帯にこのエリアにいればどうなるのかを、この森の生物たちは身をもって知っているのだ。

見間違うわけがなく一目見てその存在が、この森『ハープフォレスト』の王だと理解する。

 

王はあたりを見渡し、次元たちの存在を視認すると――――

 

「ボォォオオオオオオオオ!!」

 

一声、空気を震わせる声を上げる。そして次元たちを餌と判断したのか、視線をそらさない。

 

森林大亀(しんりんおおがめ)(爬虫獣類)捕獲レベル44(・・)




如何でしょうか?
なんか、自分にはネーミングセンスねぇなと思い知らされる気がします

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