リアルが忙しすぎて、創作威容が全くわかなかったのですが、落ち着いてきたので更新できました!!
いろいろ言いたいこともありますが、とにかく楽しんでもらえた、嬉しいです!!
次元の宣言を受けた
「ボォオオオ」
巨大な槌のように高速で振り下ろされる前足が、かなりの精度をもって振り下ろされる。それでも全く動じない次元の姿に凜華が悲鳴を上げる。
「次元っ!!」
逃げてという思いをのせて名前を告げる。しかしその不安を消したのは次元ではなくユアンだった。ユサと一本の尻尾が凜華の頭を優しくなでる。まるで心配はいらないよと伝えるように。
その優しさに一瞬呆ける凜華。その瞬間、森林大亀の足が次元を押しつぶさんとするが、
「
その瞬間、凜華は確かに視た。次元の右腕が黒鉄のように黒く染まったかと思うと、その背後に
――――あれは…
――――
――――ゴリラ?
次元の拳と森林大亀の前足が激突する。ゴンッ!!と凄まじい音共にとてつもない衝撃が森へと放たれる。
「きゃっ!!!??」
そのあまりの衝撃に凜華は、ユアンの背から吹き飛ばされそうになるがそれよりも早く九本の尾が凜華を優しく包み込み、衝撃から身を護る。その衝撃が凜華に、これから起きる戦闘の激しさを感じさせた。
自身の持ちうる絶対的な自信ある一撃。数多の敵を踏み潰してきた一撃。今回もまた、その一撃をもって己の地位を脅かさんとする外敵を潰すはずだった。
「っ!!??」
最初に感じたのは拮抗。己の力に、あの小さき外敵は対抗している。その事実に僅かな戸惑い。次に感じたのは、自分が殴られたと感じる痛みと、両前足が浮いたことによる視界の変動。
「ボッ!??」
そして己が力負けしたことを理解し、危機感がより大きくなる。いけない。この強者には、己の全てを絞りつくさねば足りぬと。だからこそ、急ぎその姿をとらえんと下を見るが、そこには次元の姿はない。
「こっちだ」
殴り終えると同時次元は跳び、大亀の頭よりも高い位置へと身を置く。黒く染まった両腕を貫手の構えを取り、追撃を仕掛ける。
「連射型―――
空間を貫く様に連続で発射され、空気が弾丸となり、鷲の姿を形づくり大亀の身体を貫いていく。
「ボォォオオアアアアアアっ!!」
今迄の叫びとは違い、明らかに痛みを含んだ叫びが森に木霊す。対する次元は、空中で体を回転させると、大気を蹴り空中で加速し、大亀へと肉薄する。
そして今度は両足が黒く染まる。
「
ドンッ!と空中であるがゆえに可能となる、両足を限界までたたみ一気に放つ大砲のような蹴りが大亀の頭を貫き、ドゴン!と地面へと叩きつける。
その戦いをまじかで見て凜華は「すごい」と小さく呟く。それほどまでに圧倒されるほどの衝撃。しかしそれでいながらもどこか…
「きれい」
そう感じてしまう。それほどまでに今の次元には野生故の美しさがある。だからこそ、不謹慎かもしれないけど、もっと見てみたいと思ってしまう。
地面にたたきつけた大亀へと追撃を仕掛けんと、次元は再び大気を蹴り一気に地上へと降り立たんとするが、
「ボオ!!」
「なにっ!??」
次元が地面に脚をつけた瞬間を狙って、大亀は地面を極大に揺らす。地面に降り立った瞬間という事もあって、その揺れに次元は体勢を大きく崩してしまう。
――――まずい
そう感じると同時、横腹に大亀の横薙ぎの首の一撃が直撃する。体勢も悪く、踏ん張りも効かずに次元は大きく大木へと叩きつけられる。
「痛ってぇ」――――一瞬でも硬化が遅れてたら、アウトだったな、こりゃ。
しかし直撃は受け手も横腹を黒く染め、受けるダメージを減らした次元は、油断なき瞳で前方の王を見据える。
そして大亀もまた今ので倒せたなどとは思ってはない。起き上がり体勢を元に戻すと、先ほど以上に大きく地面を揺らし、地割れをあたりに起こす。
「うおっ、マジか!!」
その場にいては地割れに巻きこまれると、次元は即座にその場から離れる。しかしそれも大亀も織り込み済み。回避した次元の視界が突如として、緑に染まる。
――――なにっ!??
突然の事態に次元の集中が僅かにぶれる。
――――しまっ、見聞が…
慌ててその集中を立て直そうとするが、それよりも早くその隙を付くように大亀の頭突きが次元に直撃する。
「がはぁッ!!」――――見聞がぶれたせいで、対処が…
口から血を吐き、割れ目へと飛ばされる次元。その姿に凜華は悲鳴を上げる。
「くそっ!!」
身体を回転させ勢いを殺し、空中に逃げた次元だが、何かに気が付き両腕を黒く染める。直後、横から大亀の足が思いっきり叩きつけられる。空中では受け身も取れず、次元は地面に叩きつけられる。
「やっぱ強ぇな」
起き上がり、こちらを鋭く見つめる大亀を見る。相手もまた小休止を取っているが、その瞳はつぶらながらも敵意しか感じさせない。
その事がどこか誇らしく感じた次元は、大きく腰を落とす。
「もう一度力比べだ。
それと同時に次元の額が黒く染まる。まるで次元の意図をくみ取ったかのように、大亀もまた額を地面へと下ろし、大きく足に力を籠める。
――――
次の瞬間、ドゴッという轟音と共に次元の額と大亀の額が激突する。
「「――――――っ!!!!!」」
互いに持てる限りの力をもって、目の前の巨大な壁を押し返そうとする。
「ボオォォオオ!!」
「オラァァアアアア!!」
己が勝利せんと叫び合う。そして僅かに次元の足が後退する。堪えようとするが、堪えきれない。吹き飛ばされる。そう察した次元は、その場で跳躍し、身体を回転させ、黒く染まった足で勢いをのせた踵落としを打ち込む。
「ボォ!!??」
「わりぃな力で負けている以上は、知恵で勝つのが人間だ。
地面に埋まった顔へと追撃をかけるように次元の拳が直撃する。さらに深く地面にめり込み、ぐぐもった悲鳴を上げる大亀。
更に追撃を仕掛けんとするが、再び視界を緑が覆う。それに加え、甘い匂いが漂い、僅かだが意識が混濁する。
「チィ」
まずいと感じた次元は、その場から離れる。それにより次元は、自分の視界を覆った正体を知る。
「なるほど。甲羅に背負ったハーブ類を落とすことで、視界を封じるのか。しかもにおいのきつい種を直で嗅がせることで、意識を惑わせると…それがお前の知恵か」
起き上がった大亀の策に感嘆の声を上げる次元。しかし目は冷静に敵の情報を解析する。
――――大きく息が乱れ、穿った場所からの出血量も増えてる。そして何より、焦りの感情。自分がギリギリであるがゆえにか。あと一撃ってところか…急がねぇとな。俺も余裕があるわけじゃねぇし
思考をまとめ、自身の姿を顧みる。無意識に息は乱れ、どこかで打ったのか、頭からは血を流しているし、体力の消耗も大きい。これ以上の長期戦は不利。
――――まあお前もそう思ってるんだろうけど。追い詰められた王者程、怖いものはねぇよな。だから、最大限に警戒して、叩き込ませてもらう
再び腕を黒く染め、腰を落とし、冷静に目の前の敵を見つめる。先ほどまでの騒乱が嘘のように、張り詰めた静寂が場を支配する。
そのさなか一枚の葉が丁度次元と大亀の間をユラユラと落下していく。そしてピトと地面に落下した瞬間、次元と大亀は同時に地面を蹴る。
次元は今もてる最高の速度を、大亀はその巨躯に似合わない速度をもって敵へと迫る。
「
拳を握るではなく、五指を爪に見立てた状態で次元は腕を大きく後方に引く。そして体のバネを使い鋭く大亀へと打ち込む。
――――
その一撃を前に大亀もまた迎え撃つように遅くした勢いすら力に変えた最上級の一撃ともいえる圧し潰しを放つ。
先ほどの頭突き合い以上の轟音と衝撃があたりに響く。拮抗は一瞬、今度はお互いに後方にはじかれる。
「っ―――――」
その中で右腕に鈍い痛みを感じながらも次元は、まるではじかれるのがわかっていたかのように、淀みない動きで体勢を立て直して大亀の懐へと侵入する。
「ボワッ!!」
まずい。この状況がどれだけまずいか察した大亀が急いで体勢を立て直そうとするが、それよりも早く次元はユラリと上半身を揺らす。
「インパクトノッキング」
「ボアっ!!????」
次元の一撃が撃ち込まれた瞬間、大亀の体内に電撃が走ったような痺れが全身を駆け巡る。
「ここまで弱ったなら、俺のノッキングでも通るだろう。最初から俺の目的は、お前をノッキングする事だったんだよ」
次元はふぅ――と深く息を吐きながら、意識が遠のきかけている大亀に向けて告げる。
「俺にはお前を倒しきれるだけのレベルはなかった。実際、今もギリギリだ。もしかしたら、単純な戦闘力ならお前が上かもしれねぇ」
その言葉は純粋な賞賛。
「それでもこの
次元の勝利宣言と同時に森林大亀の意識は完全に遮断され、ドサと地面に倒れこんだ。
いかがでしょうか?
最後の決着はなんか矛盾した気がするんですが、気のせいですかね?
次元の戦い方のモデルは、ほとんどの人が察していると思いますが、ワンピースのルフィをモデルとさせてもらっています