諸々の後始末をマリーさんに任せ、私は報告書を片手に織斑千冬が指揮し実況見分の続くアリーナへ向かう
その道中、私を待っていたのか彼と遭遇する
「こんばんは織斑さん、事情聴取は済んだんですか?」
「あぁ、俺達は大した事もしないで避難したから直ぐに事情聴取は終わったよ。ウーノ、お前に聞きたい事が有って此処で待っていたんだ」
これはイノベイターとして、私が どのルートを通りアリーナへ向かうか感じ取ったんだろう
着実に成長している様で嬉しい反面、今日は厄介でしかない
どうせ、ドローン3型についてだろうし
「・・・なんでしょう?」
「今日、襲撃してきたISについてだ。アレは本当にISだったのか?」
真っ直ぐ私を見据え彼は尋ねる
「知って如何します?」
「それは・・・」
そんな真っ直ぐな彼だからこそ、事実を知る必要は無い
彼が傷付く必要も無い、だから私は敢えて突き放す様に言う
「いいですか、織斑さん。貴方は学生であり一般人です、貴方は自分の分を弁えて下さい。貴方がアレの正体を知る必要は有りません、知った所で貴方に何が出来るのですか?」
「な・・・お、俺は・・・」
私の言葉に彼は戸惑い狼狽し悔しそうな表情をする
「俺は、今は何も出来ないかも知れない。だけど守られるだけの子供のままじゃない!何も知らない子供のままじゃない!千冬姉や仲間や みんな を守れる男になりたいんだ」
いやはや、やっぱり私と同じで諦めが悪い
だからこそ厄介だ
「だったら何ですかわ?貴方に人が殺せますか?敵を殺さねば味方が、仲間が死ぬ状況で、貴方は人を殺める覚悟が有りますか?」
私は彼に歩み寄り少し上にある彼の顔を胸倉を掴み引き寄せ言い戸惑う彼に
「無いでしょう、無くて当然です。織斑さん、貴方は何も知らなくて良い、知っても傷付くだけ。貴方が傷付く必要は有りません、だから今日の事は忘れてしまいなさい」
そう告げ私は彼の胸倉から手を離し、軽く彼の服を整えてから横を通り抜け
「おやすみなさい織斑さん、良い夢を」
色々な感情が混ざった様な表情の彼を置いて私は織斑千冬の元に歩む
これで良い、仮に私が彼に嫌われても構わない
その時は私の代わりに誰かが派遣されるだけの事
ただそれだけだ
「・・・はぁ・・・・何をしてるんだろう、私」
何でもっと普通に規則とか秘匿事項とかって言わなかったんだ私は
アレじゃ訳ありなの丸分かりじゃないか・・・
本当、何をしてるんだろう私は
そんな感じで、かなり反省しながらアリーナへ入り、織斑千冬に報告書を提出するのだった
一応、これで1巻分は終わりました
次より2巻目に入る予定ではあります