IS ー血塗れた救世主達ー   作:砂岩改(やや復活)

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第一革 その名は革命軍 ―backside―

太平洋上に浮かぶ島、無人島と思われているその大きな島の地下には巨大な空間がありそれに沿って作られた要塞は世界の技術力を遙かに上回る代物が数多く設置されていた。

 

その空間の4割を占める巨大な兵器製造、開発、整備、保管の機能を備えた施設には数多くの人が動き回り活気に溢れていた。

 

「第一部隊が帰還します、各員…マニュアルを参照し行程通りに作業を開始してください」

 

室内に響く放送と共に巨大な隔壁がゆっくり開く、その外から10機ほどの機体が赤い粒子を背中から発しながら帰還する。

その光景を見た人々は歓喜の声を上げながら英雄達を迎え入れる。

その光景は凱旋そのものだった。

 

「各機の粒子供給急げ!防護服を忘れるなよ!」

 

所定の位置に着地した10機ほどの機体は背中の粒子を止めると機体前面部が開き降りてくる。

その者達は全員宇宙服のようなパイロットスーツを着込み顔は分からない。

 

「アルケーのドライブは三つだからな!まちがえんじゃねぇぞ!!」

 

「了解!」

 

「やっと帰って来たっすか…」

 

「あぁ、拍子抜けだぜ…国家代表があんなざまじゃあな」

 

黒髪に若干朱が混じっている髪の毛を無造作に伸ばしどことなく怠そうな顔をしている18歳位の少年、木更津カゲトはアルケーガンダムから降りてきた黒髪オールバックの同い年、相模リョウの姿を見るや笑いかける。

 

「戦闘記録は見せて貰うっすけど…僕が興味深いのは初戦闘だったジンクスⅢのデータっすね」

 

「ひどいなぁ、俺のも見ろよ」

 

「神様からチート能力を貰った奴のデータ見たって大して役に立たないッすからね…」

 

「技術力チートに言われたくないな…」

 

「はぁ、お互いに罵倒にすらならないっすね」

 

「だな…」

 

無駄な会話がさらに不毛だと分かると二人は更にため息をつく。

そんな会話をしていた二人だったが周りが突然ざわめき騒がしくなる。心当たりがあったのか二人は高い位置に設置された足場を見るややっぱりと言う顔をした。

そこには二つの影、その全てが彼らと同じ年であった。

 

「諸君、ご苦労…」

 

年相応の声、だがその声には質量があった。人の心を揺らし感動させる質量が…。

世界の半数を死に至らしめた戦争を起こした軍の指導者、ギレン・ザビを沸騰させる声を彼は持っていた。

 

IS(忌まわしき災悪)が生まれて早十年、世界は変わり新たな秩序とも呼べないものが生まれた」

 

高い場所に設置された足場で演説をするのは少年の名は花柳ユイト、彼は鋭い眼光を光らせ顔の右側にある大きな火傷の跡を見せながら話を続ける。

 

「女尊男卑…所謂、男女逆転である…しかしそれまでの世は男尊女卑…我々にその事について不平不満を漏らすのは実に不謹慎なことだろう…」

 

彼の演説を聞かぬ者は誰一人といない、中学生ぐらいの者から五十代半ばまで幅広い年齢層の"男女"が彼を尊敬の眼差しで見つめていたのだ。

 

「そして我々は思っていた…ISが産まれようとも我々の生活…世界は変わらないと…男女平等に向けて歩き始めていた世界には関係ないとそう考えていた…」

 

ユイトの横に立つ人物、黒髪に緑色の瞳を持つ少年、五十鈴ハルトは無表情でその声を聴き続ける。

 

「しかし!世界はこんなに変わってしまった!!男女平等を叫んでいた者達は女性至上主義等を掲げ世界が自分たちの庭だとばかりの振る舞い!!この様な呪わしき自体を!容認できる者がいようか!!」

 

許せるか!我々の尊厳を!傍聴者たちの意気が上がってきたのかそこら中から声が上がる。

 

「そうだ!その答えは否だ!断じて否だ!!男と女…2色の色で塗り分かれられようとしているこの世界はいずれ破滅の道に進むであろう…我々はやらねばならん!この世界の未来のために!!」

 

「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」

 

空気を割らんばかりの歓声に包まれながらユイトは笑いその場を去るのだった。

 

歓声が届く廊下を歩いてるユイトの後ろ、通路の影に一人の女性が笑いながら彼に話し掛けた。

 

「流石、私が見込んだ子…貴方は良くも悪くもこの世界の歴史に刻まれるでしょうね」

 

「フンッ…歴史に刻まれるテログループを裏で支援していたのがこの世界の神そのものだとは…皮肉だな"女神"」

 

「ふ…有史以来人が平等だったなんてあり得ない…でもね人類という大きな目で見ればISが産まれる前は平等と呼べるものだったのよ」

 

「あんたの願いは人類の存続、俺たち5人はあんたに命を救って貰った…やるだけはやるさ…」

 

「そう…」

 

女神はそう言い残すと姿を消した。最初からいなかったように。

ユイトは女神がいたであろう場所を見やりその場から去るのだった。

 

ーーーー

 

「また来てたね…彼女は暇なのかな?」

 

「計画が動き始めた…だからだろうな……」

 

地下要塞の司令部、メガラニカの司令室を沸騰させる空間に到着したユイトを迎えたのは坂下ケイ。

 

「大層な演説だったじゃないか…こっちでも大歓喜さ」

 

「俺本来の物じゃない…アレは……」

 

「チート能力、絶対的なカリスマ性……普通の人なら姿を見るだけで心震え、声を聞くだけで歓喜の声を上げる……」

 

「そうだ…」

 

「それだけかな?」

 

そう言いつつケイは心の中でほんの少しだけため息をつく。行動、理念、覚悟その他諸々…彼は完璧になるまで努力し続け今や完璧そのものだ。

 

(自分を過小評価するのは治らないなぁ…)

 

それも良い所だけど…っと付け足す。

 

花柳ユイト、相模リョウ、木更津カゲト、五十鈴ハルト、坂下ケイの5人は俗に言う転生者だ。

ユイトはカリスマ性、リョウは戦闘能力、カゲトは開発力、ハルトは頭脳、ケイは情報力…それぞれ女神からチート能力を受け取り"ある目的"の為に行動している。

 

その為に作り上げた組織《革命軍》には今の世界を良しと考えない者、彼らに助けられた者、この世界に絶望した者、多くの人々が集まり組織を形成している。

 

だが…この世界に転生させられた人物は彼らだけではなかった。

 

ーーーー

 

「よくやったセシリア…」

 

「ありがとうございますわ!」

 

デスクに座るイギリス代表、イルフリーデ・シュルツのパソコンの横の時計は午後2時を指している、と言うことは日本にいるセシリアは午後10時…ちょうど良い時間だ。

 

「織斑一夏の戦闘データはしっかりと記録しておけよ、一応サラにも頼んでおくがお前もアイツが撮りやすいように動いてやれ」

 

「はい!」

 

彼女も転生者の1人、容姿はGジェネのエルフリーデその者である。彼女はモンドグロッソであの織斑千冬と二度も決勝で雌雄を決したヴァルキリーだ、ちなみに彼女は二位である。

そしてセシリアが最も尊敬する人物だ。

 

「そしてな、学年別トーナメントは幸いな事に行けそうだ」

 

「本当ですか!」

 

「ゴルドウィン准将の付き添いだ……」

 

「あ……」

 

画面の中のセシリアの顔がどんどん青くなっている…まるでブルーティアーズのようだ。っと下らんことを考えていた彼女は笑う。

どうやら彼女は彼のことがそうとう苦手らしい。

 

「所用があってクラス対抗は無理だ…IS学園で起きたことは出来るだけ報告してくれ、転校生や……特に襲撃事件はな……」

 

襲撃、この言葉を聞いたセシリアの表情はしっかりとした表情に戻る。

 

「お前も分かっているだろう…あの事件は軍隊の物じゃない…テロリストだ…我々の想像を遙かに越えた……」

 

「流石に私でも分かりますわよ…では破片、出来ればコアを回収せよと…」

 

「その通りだ…物分かりの良い子は好きだよ…」

 

「ありがとうございますわ」

 

イルフリーデの言葉にセシリアは思わず赤面する。そうとう嬉しかったようだ。

 

「では一週間後、期待してくださいまし」

 

「あぁ」

 

報告を終えたセシリアは画面を切りパソコンの画面は真っ暗になる。

 

「……」

 

彼女は真っ暗になったパソコンを操作しサイレント・ゼフィルスの開発データを表示した。

 

「彼のデータも大切だが…我々にとっては彼女のデータの方が重要だったりしてな…」

 

そう呟き、イルフリーデは不敵に笑うのだった。

 

 

 

 

 




どうも初めまして、砂岩改でございます。

取りあえず説明をと思いまして参上した次第であります。

サブタイトル横にーblack sideーと表記してありますがこれはIS学園外の出来事を書いたお話です。
ーschool sideーではIS学園内で起きた出来事を書いていくつもりです。
つまり一話につき大体、二部構成になっています。
ーschool sideーは途中まで原作に沿って行きますが当然ながら変えていくつもりです。

ついでに過去も改ざんしてますので(特に第二回モンドグロッソ関係)

ではでは、そう言う事ですので…ありがとうございます。

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