To Be Continued?   作:葵_

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アニメ放送お疲れ様でした!!
アニメ放送中の2次創作ラッシュにあえて乗らなかった自分は絶対に勝ち組だと思う((キリッ
アニメ、不満多いですよ。【擬似神格・金剛杵】がちゃっちいとか、欲しいギャグが抜けてるとか...
それでも最終回の黒ウサギ【チャンドラ・マハール】→飛鳥【インドラの槍】顕現→サンドラ【レストリクト・ロック】→飛鳥【インドラの槍】投擲の一連の動作だけはいい感じだったきがする。特にレストリクト・ロックがww

OPのレティシアの絵からもそうだったけど、どうにも2期フラグが立ったようだ。
原作は大好きなんだけど、アニメが微妙だったからな...
2期やるなら内容頑張って欲しいです。
OP,EDはかなり好みだったですね。特にEDのちみキャラ。完全にドツボですw

では、長くなりましたが、本文どうぞ。


第一章 Yes! ウサギが呼びました!
01 流れた時間とそれぞれの世界で...


窓の外では肌寒い風が吹いている。

高層ビル群が立ち並ぶ中のとあるマンションの一室に彼はいた。

高校を中退し、そのご3年間も行方不明になっていた少年――いや、もう青年という背格好か。

1年と少し前にふらりと現れた彼は、少年時代の体験をもとに世界に感動を届けようと本を書いた。

「......ふぅ...」

青年――逆廻十六夜はキーボードを打つ手を止める。

今書いているのは、なんちゃって現代風異世界ファンタジーノベル。

世界を旅した時の体験記をあらかた書き終え、何を思ったかライトノベル作家に転身。その第一作目にして大ヒット作がこのなんちゃって現代風異世界ファンタジーノベル「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」略して、「問題児シリーズ」だった。

ファンタジーノベルとして発売したこの小説は、実際は十六夜が失踪していた3年間の軌跡だったりする。

高校生の時に突然異世界に召喚され、そこで出会った多くの人達と様々なゲームに挑み、世界を荒らす魔王を討伐し、隷属させて。自分が所属することになった弱小コミュニティの名と旗印を取り戻した、その軌跡。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

その才能を試すことを望むのならば、

己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

我らの〝箱庭〟に来られたし』

 

その手紙を読んだ瞬間に異世界に呼ばれ、仲間と共にハチャメチャを巻き起こす主人公3人と、コミュニティの長である少年。そして彼らを呼んだ、ツッコミ兼いじられ役な少女たちの物語。

それを物語として世に出版したのにはもちろん理由がある。

 

 

十六夜たちは箱庭生活の中で守るものが増えるにつれ、元の世界に残してきた人達の事もそれなりに心配になってきた。

十六夜自身、自分の全力を出すことのできる相手が現れるまではそんなこと微塵も感じなかったのだが、それが現れ、満たされたと感じた後から、だんだんと焔や鈴華の事も気にかかってきてしまった。

そしてすぐに、名と旗印を取り戻す大勝負が始まったことで暫くは忘れていたその感情も、すべてが終わると心に重くのしかかってくる。

全てに決着が付いて、十六夜自身の願いもかなって気が緩んでいたのか、耀と飛鳥とこう言った話をしているところをコミュニティの皆に聞かれてしまった。

黒ウサギやジン、リリやほかのメンバーたちも、今まで助けてくれたお礼にと、十六夜たちの帰還の準備を整えてしまったのだ。

コミュニティを再建させた張本人たちが抜けてしまうことに抵抗はあったものの、皆の努力を無駄にするのも悪いかな、と思ったこともあって、『コミュニティが再び脅威に見舞われた時には何があっても駆けつける』という約束を交わして各々帰還をしたのである。

 

仲間思いの黒ウサギたちとの生活を脚色たっぷりに書き上げれば、世に笑いをもたらせるのではないか。

優しい仲間と共に経験した面白おかしい毎日を、フィクションとしてでも誰かに届けて、一緒に楽しめたらと、そう思ったのが始まりだった。

その物語も今書き終わった分量で完結となった。

十六夜は机の上の音楽プレイヤーの再生を止めて、愛用のヘッドホンを外した。

 

時間は夕飯を取るには少し早い時間帯。

少し小腹が空いたなと、冷蔵庫からカロリーメイトの箱を取り出して一本咥える。

咀嚼をしながらリビングに戻ると、テーブルの上、さっきまで十六夜が執筆していたノートパソコンの隣に『逆廻 十六夜殿へ』と書かれた封書が鎮座していた。

 

「これは.....!」

 

懐かしい手紙。しかもそれはある意味待ち望んでいたものでもあった。

焔や鈴華達とは此方に戻ってきて最初に話をしたし、やってみたかったこと、行ってみたかったとこも全てやり終えていた。

そこに届いたこの手紙。それは、確実に十六夜に新たな快楽をもたらしてくれるものだった。

ギフトカードを顕現させると、そこから選別代わりにと貰ったネックレスを取り出して首にかける。

ヘッドホンと音楽プレイヤーを念の為にギフトカードの中へと収納して、カロリーメイトをもう一本噛み砕く。

 

「いいぜいいぜ、いいなオイ!!楽しくなってきたぞ、黒ウサギ!!」

 

子供のような楽しげな声を上げ、勢い良く封書を開けた。

 

 

☆★☆★☆

 

 

「次は此方の資料に判子をお願いします」

「えぇ、分かったわ」

 

そう言って、久遠飛鳥は秘書を下がらせ、資料に目を走らせる。

箱庭から帰還して暫くはゴタゴタとしていたが、それから間もなく飛鳥は、起業したのである。

社長とは言っても、実質的な業務はほとんど副社長に任せており、飛鳥は最終的な判断とアドバイスを主にしている。

しかし、それでもやるときはきちっとやるので、社員は誰も文句一つなくついてきてくれていた。

資料に目を通し終えて判子を押そうとすると、机に判子が置いてないことに気付いた。

判子を取り出すために上から2番目引き出しを開けるとなにやら見覚えのある、しかしそこに入れた覚えのない封書が一つ。

その『久遠 飛鳥殿へ』という宛名と封蝋を見た瞬間に自分がにやけてしまったのが分かる。

表情を取り繕うとしても、表情筋がいうことを聞かない。

書類に判子を押すと、部屋の外で待っている秘書に声をかける。

 

「直江副社長を呼んでちょうだい」

「え、今すぐですか?」

「そうよ。今すぐ、3分以内に!」

 

秘書は社長室を後にして、副社長を呼びに走る。

飛鳥用にサウザンドアイズから送られたギフトのおかげで、会社を経営していくことがすごく楽になった。

誰にどんな能力があるのか、上に立つ人間か否か。その判別が容易だったおかげで、起業して直ぐには会社を任せられる副社長を育て上げることが出来た。

社長という立場と、会社の功績で自分の神格を強化することもできた。

きっと今回の呼び出しでも何か役に立つだろう。

飛鳥は1番上の引き出しの中から箱庭の皆から餞別代わりにと貰った指輪を取り出し、右手の中指に嵌める。

ギフトカードを顕現して中身を確認したところでちょうど副社長が到着したようだ。

きっかり3分。几帳面な男である。

 

「失礼します。社長、今回はどういったご用件でしょうか?」

 

飛鳥よりも随分と年上に見えるその男性は、今まで呼び出されたということが皆無だったために、些か萎縮していた。

 

「直江さん、私は今から少し旅に出るわ。数年ほど。よって、直江さんに社長の座を守っていて欲しいのだけれど、やってくれるかしら?」

「は、はい?」

「.....副社長として私のいない間、この会社を任せても大丈夫よね?と聞いているのだけれど」

「は、はい。任されました!」

 

副社長に就任した時からこのような事態になることがあると聞かされていたので、それほど驚きはしなかった。

社長業務も副社長が行っていたので、仕事量もさして変わらないし、その為の経験も積んでいた。

 

「......では」

 

「行ってきます」とは続けなかった。

ギフトカードを片手に封を切るまでの僅かな時間ではそこまで続けることが出来なかったのだ。

 

(さぁ、今回は一体どんな楽しいことが待っているのかしら!!)

 

封を開けた飛鳥は眩い光に包まれて、姿を消した。

 

 

☆★☆★☆

 

 

ぺら、ぺら、と紙をめくる音が続く。

春日部耀が読んでいるのはだいぶ昔の書物でタイトルは「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」その3巻である。

此方に帰還してから逆廻十六夜の名を検索した結果、その著書として表示された本だ。

自分たちが体験したことを脚色たっぷりの小説として生まれ変わらせた十六夜はまったくもってすごいと言わざるを得なかった。

インターネットとは便利なもので、今ではほとんど見かけなくなった紙媒体の書籍も扱っているところがある。

そこでこれを一括注文して、届いたのが数日前だった。

内容的にはちょうど、北の大祭が終わって南の大祭に参加しようとするところ。

読めば読むだけ、事細かに覚えている十六夜の記憶力にグゥの音も出なかった。

 

「.....?これは....」

 

本のページとページの間に挟まれた一通の手紙。表には『春日部 耀殿へ』と書かれていて、封蝋には向かい合う双女神の紋があしらわれている。

新品ということはないにせよ、自分で入れた覚えのない封書に自分の名前が書いてある不思議に、若干の既視感を覚えた。

最初に箱庭に飛んだ時。三毛猫が手紙を咥えて、『空から降ってきたんや!』と訴えてきた時の感じと似ているのだ。

 

(そうか...。今がその時なんだね...)

 

十六夜の名を検索した時に、数年の失踪から帰ったあとでもう一度数年ほど失踪した事が判明していた。

きっとコミュニティに何かがあって、黒ウサギに呼び出されたのだろうと、そう、思っていた。

右手首に嵌めてある選別にと箱庭の人たちから貰った腕輪を確認し、ギフトカードを顕現させる。

自分のギフトや所持物に異常がないことを確認して、耀は家の父親の部屋へと向かった。

 

「父さん、黒ウサギたちのところへ行ってくるね」

「.....そうか。気をつけてな。あいつらによろしく言っておいてくれ」

「うん」

 

父、孝明とのごく短い会話。

共に同じ世界を生きた2人にとってはこの程度の会話で何が起こったのかほとんど分かってしまうのだ。

服装と父から貰った自分のギフト【生命の目録】を軽くチェックする。

そして、封書を破って中身を取り出した。

 

☆★☆★☆

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

その才能を試すことを望むのならば、

己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

我らの〝箱庭〟に来られたし』

 

 

☆★☆★☆

 

 

「うお!」

「え...?」

「きゃあ!!」

 

それぞれに呼び出された3人は一瞬で視界が変わったことにはさして驚かなかった。

驚いたのは空中4000mに放り出されたことと、いきなり落下が始まったこと。

世界に目を向ければ世界の果を思わせる断崖絶壁。

眼下に見えるのは縮尺を間違えそうな程の天幕に覆われた既知の都市。

3人が呼び出さた場所は――完全無欠に異世界だった。

 




んと、あとがきでは原作ノベルでの考察とか少し書いてみようかな。

十六夜くんの正体はズバリ!半星霊ではないかな~なんて思っていたり。
最初は孫悟空の血族とか思ってみたし、それもあながちありうるかな~なんて思うのだけれど、半星霊に一票ですね。
知り合いと少し話して、『〝生命の目録〟と〝半星霊〟の両方を手にしたい殿下達の目的って天地開闢とかでも驚かない』って言われたときは「あぁ、なるほど。その発想はなかった」ってなりました(笑)
多分〝原典〟が何なのか分かればすべての謎が解けるはず。
とりあえずは4月1日に問題児の最新刊をなんとしてでも手に入れなければ...!


さて、批判については誠心誠意謝らせていただく所存にございます。
そして、これを面白いと思ってくださった方、次話の投稿は日曜の深夜か月曜の夕方以降を予定しておりますので、お待ち頂けると幸いです。
だいぶ長くなりましたが、今回はこれで失礼します。

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