今日明日を乗り切れば、少し執筆の時間が取れるはずっ!
AO入試が上手くいけば、10月中旬には自由になれるぜ...!!
前回は世界のパワーバランスをぶっ壊す少年が出てきましたが、今回は狂戦士が召喚されます。
??「行け、バーサーカー!」
狂戦士「----■ ■ ■ ■ raxaxaxaxaxaaaaaaaaa--!!」
こんな感じでやっていきます。
貴賓室を出た十六夜と飛鳥は、ノーネーム本拠の屋根の上にいた。
喧嘩をするために部屋を出たわけではないとはいえ、これから話す内容は黒ウサギやジンに聞かれていいものではない。
―――鴉野廻について。
十六夜たちが経てきた時間において、鴉野廻という人物は存在しなかった。
過去の時間に呼ばれたということを考えれば、その時点で間違った解釈だろうが、本来この世界に
自分たちが過去に呼ばれたのとはワケが違う。自分たちは元々いるべき人間で、呼ばれた時間が違うというだけだが、彼に関しては完全に居ない人間だ。
自分たちというエラーのせいで過去が変わってしまった可能性も考えてはいるが、判断材料が少なすぎるため何とも言えない。
そんなことを考えている間に同じく貴賓室を出てきた耀が合流した。
「.........」
「.........」
「.........」
3人無言で空を見上げる。
例え雨が降っていたとしても星が見える箱庭の天幕は、今日も綺麗な星空を写していた。
「......まだいくらか明るいのに星が見えるなんて、やっぱり変な気分」
沈黙を破ったのは耀だった。
その独り言ともとれる問に、十六夜と飛鳥は同意を示す。
「......廻、どうやらしばらくはウチに居るみたいだね。この辺のコミュニティを見学して回るみたい」
顔を空に向けたまま、再び耀は呟いた。
今いるのは屋根の上だが、この場所は先程までいた貴賓室から程近いために黒ウサギたちの会話を聞くことは耀にとって造作もない。
聴覚から得られる情報によれば、現在は廻に貸す部屋へと案内している最中のようだ。
「......ねぇ」
寝転がったまま十六夜へと視線を向ける。
十六夜はまだ何かを考えているような顔をしながら星を眺めていた。
「.........
「......そう」
「うん、分かった...」
さっき彼から感じた異常な力はなんだったのか。
わかるわけがないと思いながらも頭の中を駆け回るそれを意識の外に追い出そうとするだけで、夜が更けていった。
☆★☆★☆
こちらの世界では〝コミュニティ〟という集団に属しなければいけないらしい。ただ、異世界から来た僕には30日間の猶予が与えられている。その間にいくつかのコミュニティを訪問して、最終的にどこに所属するかを決めればいいのだという。
元の世界に未練がないかと言われれば、無いとは言えないが、獣耳持ちの美少女がいる世界に飛ばされて、すぐに帰るなど勿体無さすぎる。元の世界に帰るにせよ帰らないにせよ、30日ほどこの世界を楽しんでも構わないだろう。
と、判断したのが昨日。
「それなら、私たちのコミュニティを活動拠点にしてください♪」という黒ウサギさんのお言葉に甘えて部屋を貸してもらって眠りについた。
そして翌日。
ペチペチと頬を叩かれることで夢の深部から浮上する。
元の世界とこの世界の時差のために若干寝不足気味だが、なんとか意識を保とうとする。しかし、人は古来より権力者と睡魔には抗えない運命にあるのか、意識は再び夢の底へと沈んでいく。
だが、それを遮るかのようなタイミングでペチペチともう一度頬を叩かれる。
未だにまどろみからは醒めないが、それでも2度も頬を叩かれて先ほどよりも浅い場所まで意識が浮上する。
故に、腹部に何かが乗っている感覚に気がつく。
「お、重いッ!?」
まどろみの中で口にした言葉を最後まで言い切ることなく、体の中を何かが走り抜ける。
その衝撃で一気に覚醒した廻は、頬を叩かれた時に起きておかなかったことを後悔した。
「重い? 私が、重い...?」
「え...と、春日部さん...?」
「私は重くない。仮に重いとしても、身長的に考えて平均だし」
逃げようにも、腹部に乗られているために身動きが取れない。
掌と頭部に電撃を発生させてバチバチを音を鳴らせる耀の姿に、どこかの中学生を連想して現実逃避を試みるが、嫌な汗が止まらない。
「ていうか、女の子に対して重いとか、言っちゃダメだと思うんだ」
―――だから、ね?
そう続けながら両手を近づけてくる姿は、ナントカ局の白い悪魔さんを彷彿とさせる。
ーーーつまり、回避は不能。悪魔らしいやり方で話を聞いて(聞かされて?)しまう事は想像に難くない。そして、
「―――少し、頭冷やそうか...」
『バジッ!!』という音を残して、廻の意識は暗闇の底へと沈んでいった。
* * * *
耀が廻を起しに行っている頃。
(ふふ、バッチリ寝てるみたいね、十六夜くん...)
飛鳥は気配を殺して資料室の本棚の影に隠れていた。
視線の先には本の山に囲まれて寝ている十六夜とジン。
飛鳥はポケットの中に入っている手紙を確認する。それは〝サウザントアイズ〟からの依頼書で、〝火龍誕生祭〟への招待状。それを指先に感じる封蝋で確認すると、ポケットから手を出す。
(今度こそ成功させてもらうわよ...)
眠りこけている十六夜へのシャイニングウィザード。今度は気配を完全に殺しているし、ギフトでの身体能力強化もかけている。これで当たらなければ諦めるしかないだろう。これ以上があるとは思えない。
(......死になさいっ!!)
足音を殺しての助走。深紅のドレスを少しだけたくし上げて、飛ぶ。もちろん、叫ぶなどという愚行は犯さない。
「......甘いな」
眠っているように見えた十六夜は飛鳥には聞こえない声量で呟くと、隣で寝ているジンの襟首を掴み、飛鳥の膝に対してその額が垂直になるように自分の前にかざした。
結果、飛鳥の膝はまたしても十六夜に届くことなくジンによって(意図的にではないが)防がれてしまう。
「......っ!?」
悲鳴を発する間も無く、後方へと吹き飛ぶジン。2回のバウンドと数回錐揉みして本の山へと突っ込んでいく。
その衝撃で積んであった本が崩れる。そう高くは積んでいなかったが、まるで城を囲う石垣のように置いてあったから、崩れた量は相当だ。
「.......少しは加減しろよ....」
「.......十六夜くんに確実に当てるつもりだったから....」
飛鳥はジンに心の中でそっと謝罪することにした。
「で? 飛鳥は何の用があってこんな朝っぱらからシャイニングウィザードなんて大技をかましたんだ?」
崩れた本の山から這い出し、涙目になりながら額を抑えて蹲るジンを横目に飛鳥に問う。
すると飛鳥は、薄く笑ってポケットから封書を取り出す。裏面には向かい合う双女神の封蝋、表に踊るは『火龍誕生祭』の文字。
それを見た十六夜の口元がニヤリと、意地悪く歪んだ。
「鴉野を呼んでこい。北へ行くぞ」
「すでに春日部さんが起こしに行ったわ」
「流石、手際がいいな」
「もちろんよ、十六夜くん。そこに抜かりはないわ」
再度口元を歪める十六夜に、飛鳥も同じく口元を歪めて答える。
ジンのことは拉致ってしまえばいいとして....
「置き手紙の内容は、そうだな―――」
そう呟きながら。
真面目な、それでいて心の底から楽しそうな笑みを浮かべて、近くに置いてあった
* * * *
ノーネーム裏手に広がる広大な農地。
現在の荒れ果てた姿は、まさに〝跡地〟と呼ぶに相応しい風貌をしている。
そこにコミュニティ〝ノーネーム〟所属の〝箱庭の貴族〟黒ウサギと、同じく〝ノーネーム〟所属、メイド歴1ヶ月の〝箱庭の騎士〟レティシア=ドラクレアの2人が佇んでいた。
「これは......酷いな。土に栄養があるとか無いとか、それ以前に死んでいる」
土を少し掬ってサラサラと手の中をすり抜けさせる。
それだけで何十年もの間放置されて枯れ果てた土壌だと感じることができる。
「せめて水の都合がつけば、子供たちにも手入れが出来るのですが...」
「......いや、それは無意味だろう。この荒廃の仕方、どう考えても時間操作系のギフトが使われている。これを元の状態に戻そうとしたら、膨大な時間がかかることは目に見えている。.......まあ、何もしないよりはマシだがな」
かつてはこの広大な農地で様々な食物の栽培などをしていたが、今は見る影もない。
時間操作系のギフトを所持しているとなると、〝星霊〟級以上の魔王だろうか。
星が生まれ、時が流れ、やがて緩やかに死滅していく。膨大な時間を内包する〝星〟という存在。その精霊だからこそ、時間を操るギフトを授かることが出来るのである。もちろん、すべての〝星霊〟が時間操作系のギフトを有するわけではないが。
(しかし、これほどの力の持ち主となると、検討ぐらい付いても良さそうなものだが...)
レティシアは心の中で首を傾げた。
魔王とは、例外なく有名である。箱庭での生活が長ければ長いほど、数いる魔王と対峙する機会も増えるし、何より情報量も変わってくる。
例え対峙したことのない魔王であっても、何桁の外門に居座る実力があるのか、どのようなギフトを所持しているのかは自ずと耳に入るものである。にもかかわらず、これほど強力なギフトを持つ魔王の存在をレティシアは疎か白夜叉でも見当がつかないらしい。
それは、誰かが情報を止めている、もしくはその魔王が未だに
「く、黒ウサギのお姉ちゃあぁああああん!! た、大変だよーーー!!」
何も分からないこの状況で、早々に答えを決めてしまうのは早計だろうと
「リリ? どうかしたんですか?」
「い、いつの間にかこれが食堂のテーブルの上に置いてあって...!!」
そう言ってリリが差し出してきたのは一枚の〝契約書類〟。
『 ギフトゲーム名 〝Let's pray tag in the North festibal〟
プレイヤー名 黒ウサギ
レティシア=ドラクレア
プレイヤー側勝利条件 逆廻十六夜、春日部耀、久遠飛鳥の捕獲。
ホスト側勝利条件 制限時間を過ぎた時に、誰か一人でも逃げ切っている事。
プレイヤー側勝利報酬 上記3人のいずれかに対する1回のみの絶対命令権の獲得。
ホスト側勝利報酬 先1月、コミュニティに対する勤労権を破棄する。(なお、これを理由にコミュニティを脱退させる等の行為は禁止とする)
※この〝契約書類〟を読み終えてから3時間を制限時間とする。
宣誓 上記のルールの下、ギフトゲームを執り行う。
プレイヤー代表 〝逆廻十六夜〟印
〝 〟印 』
「ふ、ふふ...ふふふふふ........」
〝契約書類〟に目を通した黒ウサギは笑い声を上げた。しかしそれは愉悦から来る笑いでは決してなく、声音から判断するに怒りからくる笑いのようだ。
〝契約書類〟の内容を要約すると、『North festibal――北の大祭に遊びに行ってくるから、追いかけておいで。3時間以内で捕まえられなかったら、1月ほどコミュニティへの貢献なんて度外視して遊び倒すよ』と、こうなる。
なるほど、黒ウサギの髪色が黒から淡い緋色に染まるのも頷ける。
「イイデスヨ、エェイイデストモ...ソコマデコノ黒ウサギヲ馬鹿ニスルトイウノナラ、コテンパンニシテサシアゲマスッ!!」
怒りによって狂化の属性が付与された黒ウサギは勢いのままに契約書類にサインをして、駆け出してしまう。
個人間で執り行われるギフトゲームは、必ず両者合意の上で始まるものなので、サインをしなければ始まることはない。黒ウサギがサインをしようとした段階で止めに入るべきだったのだろうが、残念ながら令呪を宿していないレティシアには狂戦士:黒ウサギを止める術がない。
主殿にも困ったものだと、軽く頭を抱えて黒ウサギの後を追いかける事にする。
コミュニティの仲間であるジンなら兎も角、客人である鴉野廻のこともきっと拉致しているのだろうなと、そんなことを思うと本当に頭が痛くなってくる気がしたので思考の外へと追いやることにする。
「いや...私は白夜叉のところにでも行ってみるとするか...」
理性を犠牲に諸々のステータスアップを図った黒ウサギは境界門なんてなんのそのと、98万キロ位平気で走り抜けてしまいそうなものだが、十六夜たちにそんな真似が出来るはずもない。かと言って境界門を使う路銀もないわけで、そうなると必然的に誰かに頼らざるを得ないわけだ。
自分たちノーネームに力を貸してくれる人なんて、タカが知れている。その中で、今すぐに頼れる人といえば白夜叉しかいないだろうという判断だ。
「さて、では私と黒ウサギは主殿からの呼びかけに応じて北の大祭、『火龍誕生祭』に顔を出してくる。そのあいだの留守番は任せたぞ」
「は、はい! 任せてください!!」
黒ウサギの豹変ぶりに怖々としていたリリに声をかけて、レティシアもまた、自分用に残されていた〝契約書類〟を手にすると、サウザンドアイズを目指して歩を向けた。
と、いうわけで。この出来レースの決着は....次回? ((作成済みの3話を確認...
うん、多分決着つく。確か決着ついたはず。え、別に確認がめんどくさいとか、そういうわけじゃないんだよ!?
さて、今回どうでしたか?因みに、作中に出てきた矛盾が生じちゃいけない理由はこの作品を思いついた時に知り合いに言われたことです。正直、これがある限り、これの2次創作って存在できないんじゃないかなーとか、思ってる。まぁ、そんなこと知ったことではないんだけどね((どやぁ...
では、10月の1日の更新でまた会いましょう!
お疲れ様でしたーーー!