To Be Continued?   作:葵_

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現在11月23日。
11月更新分がこんなに遅くなったことをまずはお詫びです。
受験が終わり、ITパスポートという、情報系初歩の資格も取得したので、これからは執筆の時間が増えると思えればよかったんですけど。
現在自分のパソコンが不具合なため、親のパソコンを使っております。後半から表現に若干の違和感を感じると思いますが、そこはそのうち、何とか修正したいと思います。
それでは、本編をどうぞ。


04 北の街並みと散策の末

「———はい。打倒魔王は、僕がこのコミュニティの長として定めた方針で間違いありません」

 

白夜叉の問いにそう答える。いきなりの予想もしない質問に少々戸惑いはしたが、それを除けば一コミュニティの長として、未熟なりにも中々に堂々とした態度である。

 ジンのことを観察するように見ていた白夜叉も、その声音と態度を見て納得したのか、キリッとした表情を崩し薄く笑みを浮かべる。そして、懐から一枚の封書を取り出してこちらへと向ける。そこに書かれていたのは———。

 

 

☆★☆★☆

 

 

「ふぉおおおお!! ここが〝北〟か!!」

 

 眼下に広がる煌焔の都。ガラスと焔で彩られたその巨大な都市に、廻は一人、興奮していた。いや、正確には十六夜も耀も、飛鳥もレティシアでさえも、煌焔の都の美麗さには毎度目を奪われている。しかし、慣れとは恐ろしいもので、今では初めに見た時ほどの感動は覚えられなくなっている。

 〝サウザンドアイズ〟、東の二一〇五三八〇外門支店から、北の四〇〇〇〇〇〇、三九九九九九九外門旧支店へと一瞬で移動をした〝ノーネーム〟一行。その移動方法とは、サウザンドアイズの特殊な作りにある。一つの店内に複数の出口を持つ作りをしているサウザンドアイズ支店は、店内から出口を繋ぐ場所を変えることができる。まるで何とかの動く城だ。移動先はアレよりももっと多いとは思うが。

 〝サウザンドアイズ〟北の支店は高台にの上に位置する。そこから下を覗けば、ガラスと煌く焔、何かで彫像されたモニュメントが目に映り、顔を上げれば遠目には赤壁が見える。境界門だ。その境界門の奥――否。外から、何かがその上へと跳躍してきたのを、十六夜はギリギリで見逃さなかった。それは黒く禍々しいオーラを纏いながらも、緋色に輝く長髪をした存在―――黒ウサギだ。

 

「やっべ……もう来やがった……」

「十六夜……?」

「どうしたの、十六夜くん?」

「逃げ―――!!!」

 

 地を砕きながらの跳躍。一気に眼下の街へと飛び降りる。その際の衝撃でふらつく耀や飛鳥の背後から黒ウサギが超スピードで十六夜を追いかけていくのが見えた。

 

「■■■■■■ァァアアアアアーーーー!!」

「.........ヤバイね、アレ...」

「えぇ、やばいわね、アレは...」

 

 流石の問題児もあの黒ウサギには恐怖を感じたのだろう、顔を真っ青にして震えている。

 街のいたるところで砂煙が上がる。地面の抉れる音や建物が倒壊するさまがここからでも確認できる状況に、問題児たちを主と仰ぐレティシアもそろそろ冷や汗が止まらない。

 

「影のギフトを主殿につけておいたから今はまだ負傷者は出ていないが...これ以上続くと死人が出るぞ、これでは...」

 

 ふと隣を見れば、流石の白夜叉も冷や汗がダラッダラと滝のように地面に滴っている。

 レティシアの影のギフトの一部が仕事をしているため未だに人的被害は出ていないが、これ以上街の被害が増大するのはこちらとしてもデメリットしかない。そして、白夜叉の精神的にもよろしくない。先ほど手に入れたばかりの命令権を早々に失うのは嫌だが、これ以上被害が拡大するのはそれ以上にマズイので、それを使うことを決意する。手元にギアスロールが権限する。今の黒ウサギにド突かれれば流石の主殿もタダでは済まないだろうとは思うが、それもこれも自業自得かなぁ、と思い――

 

「――我、レティシア=ドラクレアが契約(ギアス)によって命ず。逆廻十六夜よ、その動きを止めよ!」

 

 ――命令を言い渡した。

 

 

☆★☆★☆

 

 

 時を少しだけ遡る。

 境界門の上に外側から着地した黒ウサギを発見した十六夜は、表情にこそ出さないものの内心ではかなり動揺していた。なにしろ、状況を見るに黒ウサギは、98万キロを自力で走ってきたのだ。それに、レティシアがこちらに自分たちと合流してからまだ30分と経っていない。レティシアがサウザンドアイズまで来る間に昼寝をしていたとしても、自分たちとほとんど同じタイミングで此方に着くわけがない。箱庭の貴族の凄さを改めて認識する。そして、遥遠方にいる彼女と目が合った。――瞬間。

 

(―――ヤベェ...!!)

 

 

 逃げるぞと、声をかけることもままならない程急に、十六夜は地を砕いて走り出す。北まで追いつかれたにせよ、黒ウサギとの距離は相当あったはずだが、たったの一瞬で間を詰められる。そんな予感は得てして的中するものである。轟音と爆煙を撒き散らしながら境界門からサウザンドアイズ元支店の店先まで跳躍した黒ウサギはその勢いを殺しきることなく、前方へと駆け出す。その手に握るのは決戦兵器(ハリセン)。いくら身内の全員が諦めても自分の身がかかっている以上、安易に捕まるわけにも行かないので、全力で逃げ回る。屋根を駆け、路地を走りながらどうすれば黒ウサギを止められるかを考える。何やら黒いオーラを纏っていて、話ができる状態では無いので謝ったりする方向は先に除外しておく。次に考えるのは、力に任せて黙らせる方法。お互いの被害を考えなくても、正直現在の黒ウサギに勝てるビジョンが見えない。そもそも、こんなところで黒ウサギに怪我をさせることはNGなので、これも当然却下。

 では、どうするか。そこで思いついたのが、ギフトゲームによる黒ウサギの一時行動停止。ゲームが開始されればまた動かれるだろうが、それもゲームが終わればまた止まるだろう。いや、止まってくれなくては困るのだが...。

 

(イチかバチか...でも、試す価値はある...)

 

 既に半分詰んでいる。ならば、ちょっと無理がある挑戦でもやってみるしか他にない。

黒ウサギがら逃げながら、虚空より顕現させた"契約書類"にゲーム内容を記入する。―――そして、ゲームが開始された。

 

 

『ギフトゲーム名   "月のうさぎと十六夜の月"

    ・ルール説明

             ・ゲーム開始のコールはコイントス・

             ・参加者がもう一人の参加者を、"手の平で"捕まえたら決着。

             ・勝者は敗者の命令を一度だけ強制される。

    宣誓  上記のルールに則り、"黒ウサギ""十六夜"の両名はギフトゲームを行います。』

 

 案の定、ギフトゲームにだけは対応してくれるようだ。流石は月の兎といったところか。理性が飛んでいても、生まれ持ったギフトゲームに対する真摯さだけは失われないらしい。

 

「コイントスは俺が貰うぜ......」

「...............」

 

無言を肯定と取り、手に持ったコインを親指で弾いて空へと打ち上げる。ピッタリ真上に打ち上げられたコインは、そのまま真っ直ぐに降りていく。やがて十六夜の目の前を素通りし、地面へ―――

 

『"契約書類の使用が確認されました。"契約"に基づき、その身に命を顕現します』

 

そんな声が聞こえると同時、身体が硬直するのが分かった。"契約"は"恩恵"よりも上位に存在するため、"契約"により硬直した身体を動かすことは十六夜の"恩恵"を持ってしても不可能だ。

―――このタイミング、この状況。黒ウサギに勝つ術はもう無い、か......

 

十六夜が黒ウサギから一撃貰う事を覚悟した丁度その時、コインが地とぶつかった―――。

 

 

☆★☆★☆

 

 

「造物主達の決闘?」

「そう。私のパートナー枠で出てみない?」

 

十六夜と黒ウサギのゲームが終了し、彼らがマンドラ率いる憲兵に連れ去られたのを確認し、燿は廻をゲームへと誘う。

 

「僕はいいけど、久遠さんは誘わなくていいの?」

「あぁ、私のことは気にしなくていいわ、鴉野くん。このお祭りはあなたの異世界デビュー記念会みたいなものも兼ねてるから、存分に楽しむといいわ」

 

それでもなお遠慮しようとする廻。しかし、それも次の飛鳥の一言で霧散する。

 

「私のギフトって、春日部さんのギフトとの相性があまりよくないのよ...」

「あぁ....、なるほど。......了解、僕でよければ一緒に出させてください」

「こちらこそ、よろしくね」

 

 そう言って、耀は廻へ手を差し出す。握手を求めているものだと解釈する。その手を握り、よろしくと、小さくつぶやいた。数瞬のあいだそうしていると、耀が小さく、「あっ...」と声を漏らす。

 

「戦いになるけど、大丈夫だった?」

 

 その問いに廻はこう答えた。

 

「僕も、男子ですから」

 

 ―――棒切れの扱いなら慣れたものですよ、と。

 

 

 * * * *

 

 

 十六夜と黒ウサギが憲兵に連れて行かれ、「ステイステイステイ........」と心を落ち着かせていた白夜叉も今回の騒動の責任者という形でしょっぴかれた後。耀と廻が共にギフトゲームに参加することが決定し、夕方まで一度解散することになった。

 

「それで、主殿はどこへ行こうというんだい?」

「どこに行く訳でもないわ。せっかくのお祭りだもの、そのへんをぶらぶらしながら、食べ歩きかしらね」

 

 そういう飛鳥の手には、既に途中の屋台で買ったクレープが握られている。黄金色の生地に生クリームやらイチゴのシロップやら、フレークやらをのせてくるくると巻いてあるそれに、口を付けて頬張る。

 

「うん、やっぱり美味しいわね」

「......やっぱり、というのはどういうことだい? 飛鳥の出身は戦後間もない頃と聞いてるのだが...」

 

 レティシアからのその指摘に、飛鳥は内面「しまった...」と思った。

 

「だって、見た目から美味しそうだったのだもの。流石、私の目に狂いはないわね」

 

 内心の焦りを全く表情に出さずに簡単な嘘を並べる。軽いドヤ顔も忘れないあたり、飛鳥の演技力もそれなりのものだろう。

 飛鳥の言葉に納得したのか、レティシアもその手に握るクレープを一口、頬張る。

 

「この赤いのが口の中にドロリと広がる感覚が何とも言えないな」

「あなたのその表現は割とゾッとするからちょっと遠慮してくれないかしら」

 

 これから赤いものが食べられなくなったらどうしてくれるの? そのときは私が責任を持って飛鳥の分まで食べるから大丈夫だ。そう言う問題じゃないでしょう!? と、軽口を叩き合いながら、紅焔の都一の面積を誇る洞穴へと足を踏み入れる。

 

「へぇ、こんなものもあるのね.........」

「北にはこういったギフトを創造することを生業としたコミュニティが数多く存在しているからな。ここはその芸術性などを高め合うための品評会の役目も担っているんだ」

 

 硝子で出来た蝋燭や火のギフトが埋め込まれたポットなど、芸術的に優れたものや実用性に優れたものなど、様々なものが並んでいる。それらに目をやりながら奥へ奥へと歩いていく。数々の作品を眺め、そしてやがて、洞穴の最奥へとたどり着く。

 もしここにディーンがいるならば。もう一度あのギフトゲームを受けることが出来るのなら、自分の戦力は大きく向上する。今回はまだハーメルンの群体精霊の一部であるメルンの姿を確認していないが、きっとそのうち会えるだろう。だが今はそれよりも、赤い巨人のほうが気になっていた。世界を超えてなお、そこに鎮座していなければならない盟友の姿を思い浮かべる。足を踏み入れた洞穴の最奥。大きく開けたその場所には、飛鳥のかつての戦友であり、同じコミュニティの盟友でもある赤い鋼の巨人の姿が―――

 

 

 

「―――――い、ない.....!?」

 

 




俺提督、E4エリアを諦める←
さて、PCが不具合を起こしている今、正確に次をいつ投稿できるかは分からないですが、次回は造物主たちの決闘、ペストちゃん襲来までいきたいと思います。

では、親が起きてくるのが怖いので、この辺で。

あでゅーです!
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