そしてこの2次創作の設定が崩壊する予感...
活動報告も書きますので、よろしければそちらにも目を通してください。
前回のおさらい。
ガルド「俺らのコミュニティに来ないか?」
ジン「黙れ!この烏合の衆が!!」
飛鳥「ゲームを強制するために誘拐した子供をどうした」
ガルド「食べた。」
飛鳥「全員殺したと?」
ガルド「うん。」
飛鳥「よろしいならば戦争だ。」
こんなかんじ?本編、始まります。
十六夜がジンの名前を担いで〝打倒魔王〟を掲げた夜。
十六夜の部屋に来客があった。予てよりの同士、飛鳥と耀の2人だった。
「おいおい、こんな夜更けに男の部屋に押しかけるなんて、無用心にも程があるんじゃねえのか?」
「あら、十六夜くんに私たちを押し倒して相手をする甲斐性があって?」
「十六夜なら無理やりなんてことはしないって信じてるから」
「ははは、せめて意見を固めてから言ってくれ」
自分の冗談に軽口を返してくる2人にヤハハと笑い返す十六夜。
しかし、こんな冗談を言いに来たわけではないと分かっているのでさっさと先を話せと促す。
「明日のギフトゲーム。こっちを使っちゃダメかしら?」
飛鳥が取り出したのはワインレッドのギフトカード。
そこには飛鳥のギフトである〝威光〟の他に、〝ディーン〟や〝アルマテイアの城塞〟等の強力なギフトが名を連ねている。
言うまでもなく、以前の箱庭生活の中で手に入れたギフトの数々だ。それを使えばガルドなんて楽勝。いや、正直秒殺にすらならないだろう。
「ダメだ。」
――拒絶。その言い方はまさに、反論を一切認めないというものだった。
しかしこの答えはもちろん予想していたし、こうなることもほぼ確信していた。
「理由を聞かせてもらってもいいかしら?」
「......まず、春日部には話したが、ここが俺たちから見て過去の箱庭だっていうのは気付いているな、飛鳥?」
「ええ。あのガルドが存命しているのですもの。何の因果か知らないけれど、過去の箱庭に召喚されてしまったと考えるのが妥当ではなくて?」
「ああ、そうだ。じゃあ、次はこれを見てくれ」
十六夜が虚空より顕現させた2枚のコバルトブルーのギフトカード。
その片方には〝正体不明〟と書かれている。これは、夕方の白夜叉の試練を耀がクリアした際に貰ったものだった。
そしてもう一枚のギフトカードは過去に手に入れていたもの。そこには幾つものギフトが収納してあるが、〝正体不明〟などという名称のギフトは存在していない。
「未来で俺が名をつけてギフトカードの更新までしたってのに、さっき貰ったやつは相変わらず〝正体不明〟のままだ。全知である〝ラプラスの悪魔〟。その力では予知を行なうこともできたはずだ。予知とはつまり、未来の予測。にも関わらず、俺が未来で〝正体不明〟に名前をつけたことを予測できていなかった。つまり、俺たちがこの世界に呼ばれたのは何かしらのエラーのハズなんだ」
「だから、昔のシナリオをなぞる...と?」
「そうだ。それに、エラーならいつか正されるかもしれない。その時にもし、俺たちが
暫く飛鳥は目を伏せ、十六夜から聞かされた内容を反芻していた。
「そう、分かったわ。なら
そう言って飛鳥は新しくもらったギフトカードにもう片方を収納する。〝威光〟の下に〝ギフトカード〟の文字が浮かんだ。
耀はそれに習ってギフトカードを収納し、十六夜は虚空から片方を権限できる方法が見つからない今はそれが最善手かと、同じように収納する。
「じゃあ、今日はそろそろお開きにする?」
「そうね。流石にもう遅いし、そろそろ十六夜くんに襲われそうだわ」
「おいおい、俺がその気になったら抵抗する暇だって与えねえぞ?」
にやりと、不敵に笑って見せる十六夜。
スパァーンとなるハリセン。
「な、な、な、何をなさるおつもりですかこの問題児様はーーーーッ!!!」
黒ウサギは素早く耀と飛鳥を背中に庇うが、それでは逆に黒ウサギ自身が危険に晒されることになる。
それに気づかない黒ウサギは、十六夜に「貴方は乙女の敵です!」とか、「コミュニティの新しい仲間に初日から何をするおつもりですかッ!!」などと、暫くの間涙目で訴え続けた。
こうして本日の問題児会議は、突如ウサ耳まで真っ赤にして乱入してきた黒ウサギによって終わりを告げたのである。
☆★☆★☆
翌日。ジンは昨日と同じく、草臥れたサイズのあっていないローブを着て、飛鳥は昨夜黒ウサギに貰った身を守る加護の付いた真紅のワンピースタイプのドレススカートを身に纏っていた。
現在、ジン以下ノーネーム一行はガルドとのギフトゲームに参加するべく、フォレス・ガロの居住区画を目指して歩いている。
居住区画とは本来、人が生活をするための区画であり、ギフトゲームは舞台区画というところで行われる。しかし今朝、昨日飛鳥がガルドと揉めた喫茶店の店員さんが「どうやら居住区画でやるらしい」と教えてくれたのだ。
どうして舞台区画ではなく居住区画でやるのか、理由はおろか、どんなゲームになるのかも知っているし、攻略法も分かっている。あとは耀なしで飛鳥がガルドに勝つだけだ。
『ギフトゲーム名 〝ハンティング〟
・プレイヤー一覧 久遠飛鳥
ジン=ラッセル
・クリア条件 ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐。
・クリア方法 ホスト側で指定した特定の武具でのみ討伐可能。
指定武具以外は〝契約〟によってガルド=ガスパーを傷付ける事は不可能。
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・指定武具 ゲームテリトリーにて配置。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、〝ノーネーム〟はギフトゲームに参加します。
〝フォレス・ガロ〟印』
〝契約書類〟。それは、ギフトゲームを行う際のルールが記されている。それには禁止事項も書いてあり、今回のゲームでは飛鳥のギフトでガルドを操ることが出来ないとされていた。これは〝恩恵〟よりも上位に位置する〝契約〟によるものなので、覆すことができない。それを最初に見た黒ウサギは飛鳥のギフトでは無茶だと喚いたが、この程度をこなせずして魔王のゲームなぞ乗り越えることは出来ない。大丈夫だと軽く微笑んで、飛鳥はジンと共にゲームテリトリーへと踏み込んだ。
☆★☆★☆
フォレス・ガロ所有する土地のうち、人々が生活をする場として提供される居住区画。そこに鎮座する豪勢な屋敷が今回のゲームテリトリーだった。ガルドが自己顕示欲を満たすために財をつぎ込んで建てたものだ。それが敷地丸ごと植物に覆われている。それは傍から見ても本人の所業ではなかった。
(それに、植物が鬼化している。......まさか、彼女が...?)
ドクドクと脈打つ植物に触れながらジンはとある人物を思い浮かべるが、いや、と頭を振る。
(そんなことよりも今はガルドとのゲームに集中しなくちゃ......)
初めてのギフトゲームで、白紙のゲームに参加する愚かさを知った直後に心配事が増えたにしては迅速に意識を切り替える。
飛鳥と2人で森を探索するが、指定武具は疎か、ガルドの姿すら見えない。
「しょうがないわね。取り敢えず、あの屋敷に行ってみましょうか。ざっと見、もう残りはあの中ぐらいしか考えられないわ」
飛鳥はこの手の退屈が苦手だ。いや、十六夜も、耀も、回答を知っている問題をトレースするということに少なからず不満を持っている。だからこそ、回答へと至る過程を捻じ曲げる。耀は十六夜について世界の果てへ足を運び、飛鳥は一人でガルドに挑んだ。つまり、水樹を手に入れるという結果に耀が立ち会うという過程をねじ込んだ。ガルドを倒すという結果に飛鳥が一人で立ち向かうように過程を捻じ曲げた。しかしそれでもガルドの居場所を知っているのに知らないふりをし、指定武具の在り処を知っているのに知らないふりをするのは面倒だった。
屋敷にたどり着いた飛鳥は、ジンに「退路を確保するため」と理由をつけて入口に置いて単身、ガルドの潜む部屋の扉へ手をかける。
(さあ、昔の私と違うということを思い知らせてあげるわ!)
ガルドは前の飛鳥を知っているわけはないのだが、それでも自分のファーストゲームの相手を前にしてそんな思いが湧き出てしまう。そしてその扉を開けると、獣と化したガルドの咆哮が響いた。
* * *
「―――今の声は!?」
「ああ、間違いない。飛鳥が本当の姿を開放したんだ」
「あ、なるほど。ってそれはいくらなんでも失礼でございますよ!」
「流石にそれは飛鳥が可哀想。それに今の咆哮はジンのもので間違いないよ。私の耳は誤魔化せない」
「耀さんがそういうのなら間違いはってボケ倒すのも大概になさい!!」
自分がゲームに参加できずに暇を持て余した問題児は、黒ウサギと漫才もどきを繰り返す。
十六夜はヘラヘラと笑いながら、耀は鉄門扉に手をかけ、爪先立ちで目だけををフォレス・ガロ本拠内に向けたまま黒ウサギのハリセンに打たれた。
「なあ黒ウサギ。やっぱり見に行ったらまずいのか?」
「ええ。お金をとって観客を招くゲームも存在しますが、最初に取り決めが行われていない限りはダメです」
「〝審判権限〟とそのお付きってことにしてもダメか...他に何かないのか?」
「ええと...この場合にゲームテリトリー内に踏み込むことのできる事例はありませんね。諦めてください、十六夜さん」
十六夜の前半の言葉は小さな声だったため黒ウサギには聞こえていなかった。
ゲーム参加時なら1キロ圏内、審判時にならゲームテリトリー全ての音を聞くことのできるウサギの素敵耳も、日常生活までは作用しないからである。
「貴種のウサギさんマジつかえねー」
「せめて聞こえないように言ってください! 本気でへこみますから!」
「流石、箱庭の貴族(笑)と呼ばれるだけある」
「そんな不名誉な呼び方されてませんヨ!?」
「で、春日部はゲーム開始時からそこで何してんだ?」
十六夜も耀も、黒ウサギの悲痛な叫びは華麗にスルー。すぐにそう呼ばれるようになることを知っているからである。
鉄門扉から動こうとせずに会話に混ざってくる耀。
その目は猛禽類を彷彿とさせる金の瞳と化している。
「飛鳥たちを見守ってる。私にとってこの程度の距離、なんでもない」
「......」
自分だけが状況を把握できていない事に対する若干の苛立ちを、ガルドのゲームテリトリーから外に出ている鬼化した蔦をちぎる事で発散する。
そして耀は、飛鳥とガルドの実力差を知ってなお、なまじ現状が把握できてしまうために飛鳥が心配だった。
(お願い...無事に帰ってきて...)
せめて無事に帰ってきて欲しいと、そう願った。
* * *
開いた扉の先にいたのは昨日飛鳥が喧嘩をふっかけたエセ虎紳士・ガルドではなく、赤い瞳を輝かせる虎の怪物そのものだった。
ガルドは目にも止まらぬ速さで突進を仕掛けてくる。
シナリオでは耀が受け止める場所だが、その耀はゲーム未参加。
しかし、その突進は飛鳥を捉えることができなかった。
「
自らの速度に静止をかけることができずに廊下まで転がるガルド。
しかし獣の身体能力をフルに活かして体制を整え、再度突撃を繰り返した。
「
瞬間、ガルドの振るう爪による攻撃を躱し始める飛鳥。防御は視野に入れず、ただただ躱しながら部屋の中央に設置された白銀の十字剣へと近づいていく。
3回攻撃を躱したタイミングで十字剣の下へと辿り着き、台座から引き抜いた。
そして...
「
ガルドの攻撃に合わせたカウンターでの袈裟斬り。その一撃でこのゲームの勝利を飾った。
飛鳥さん強すぎ。やってしまった、ガルドさん一撃撃破。
からくりなんかは次話で解説します。
では、また来週のこの時間にお会いしましょう!
....6話がちゃんと仕上がれば((ボソッ
いやいや、6話の執筆がまだ終わってないんです!これでストックなくなっちゃったんです!
もしかしたら少し遅れるかも...
頑張って1週間で仕上げますので、どうか見放さないでください!
進行状況とかは活動報告でするかもなので、そっちでチェックしてくれているとありがたいです。