To Be Continued?   作:葵_

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前回のおさらい

レティシア「システムコマンド!オブジェクトIDエクスキャリバーをジェネレート!」
黒ウサギ「そ、その剣はまさか!」
レティシア「十六夜よ、決着をつける時だ。箱庭の騎士と異世界からの問題児。どちらが箱庭の貴族の伴侶として相応しいかのな!」
十六夜「小賢しい真似を。黒ウサギを嫁とするのはこの我ぞ。お前のような純血の出る幕などないわッ!!」
黒ウサギ「二人とも等しく黒ウサギには大切な人なんです!こんな事で不毛な争いをするのはやめて下さい!」
十六夜&レティシア「「くどいッ!!」」
ペルセウス「十六夜と言ったか。私達はレティシアが欲しい。黒ウサギは譲ってやる。ここは手を組まないか?」
十六夜「乗った!!」
ペルセウス「では行こう。ゴーゴンの威光ッ!!」
レティシア「しまッ......!!」
十六夜「さあ、これで邪魔者はいなくなった。2人で愛を育もうではないか」
黒ウサギ「何をお馬鹿なことを言っているのですか十六夜さん!レティシア様を取り返しに行きますよ!」
十六夜「......ふむ。レティシアを取り返して、黒ウサギと共にメイドプレイというのもなかなかにそそるものがある。よし!取り返しにいくとしよう。」
ペルセウス「マジデカ」

こんな感じで、本編どうぞ。


07 ギフトゲームと眠り姫

あの後、ゴーゴンの威光により石化したレティシアをサウザンドアイズ傘下のコミュニティ、〝ペルセウス〟に奪われた十六夜は、黒ウサギと耀、飛鳥を伴ってサウザンドアイズのコミュニティに乗り込み、白夜叉を交えてペルセウスのリーダーであるルイオスにギフトゲームを挑もうとした。

しかし、それをルイオスは一蹴し、〝黒ウサギとレティシアを交換(トレード)しよう〟などと言い始める。その取引に黒ウサギは即決で頷こうとしたが、飛鳥や耀のおかげでいったん踏みとどまることになった。

そして十六夜は、黒ウサギに代わるペルセウスとの交渉材料を手に入れるためにここ数日走り回っていた。

 

「―――ここか......」

 

そう呟く十六夜の背中には何かが入った大風呂敷を背負っている。

その中身はペルセウスとの交渉材料、〝伝説への挑戦権〟が片割れ、〝クラーケン討伐の証〟だ。

そして挑戦権のもう片割れを手にするためのギフトゲームに参加するため、十六夜は〝世界の果て〟に程近い場所まで足を運んでいた。

ギリシア神話に登場する〝グライアイ〟という魔女は、オケアノスの果てに住んでいたという。

オケアノスとは、神話において〝地の果て〟という意味で用いられることが多いらしい。それは、大陸をオケアノス――海流がぐるぐると回っていたと考えられていることに由来するからなのだそうだ。

だからといって、箱庭(こちら)の世界のグライアイまで〝地の果て―――世界の果て〟の傍にコミュニティを構えることはないのではないかと、十六夜は思ってしまう。

クラーケン討伐の試練を課すコミュニティから距離があるために、移動だけで相当なタイムロスになっているからだ。

トリトニスの大滝に続く河――さしずめ、トリトニスの大河とでも呼ぶべき河から、滝へと続く本流の脇に支流が伸びている。

そこを伝っていくと、洞窟に差し掛かる。その中をただひたすらに川沿いに歩くと、淡い緑色に発光している湖に出る。その中にはなにか、クリスタルのようなものまで沈んでいる。その光景に見惚れながらも、十六夜の目には洞窟の壁に貼り付けられた〝契約書類(ギアスロール)〟の文面が写っていた。

 

 

 

『 ギフトゲーム名    FAUST in OKEANOS

  ゲーム参加者     逆廻 十六夜

  プレイヤー側勝利条件 伝説をなぞれ。

  プレイヤー側敗北条件 勝利条件を満たせなくなった場合。

  プレイヤー側禁止事項 ゲームをクリアした場合、〝グライアイ討伐の証〟以外の一切のモノの持ち出しを禁止する。(現時点でプレイヤーが所持しているもの、またはホストマスターが許可したものは例外とする)

 

   追記  プレイヤー、ホストマスター両名の命は〝契約〟により保証されていることを記す。しかし、故意に命を脅かす行為を働いた場合、無条件で敗北とし、二度とこの試練を受けることを禁止する。

 

 

  宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、〝ノーネーム〟はギフトゲームに参加します。

                                              〝オケアノス〟印 』

 

 

ギフトゲームを開始した直後、ローブを着た老婆が2人、目の前に現れた。

一人は見るからに恐ろしい――否、おぞましい姿をしている事が、服の上に着ているローブ越しにも伝わってくる。

もう一人は何の変哲もないただの老婆に見えるが、その実空に浮いている。さらに、よく見れば2人とも目と歯がその顔に存在していなかった。

 

「汝に試練を与える」

 

そんな声が聞こえた直後、十六夜はバックステップでその場を離れた。瞬間、何かが地面にぶつかった甲高い音が響く。

敵の姿は見えない。故に、十六夜は己の神経を集中させる。

 

「―――そこだ!」

 

数秒の沈黙を経て、右斜め前方を思い切り殴りつける。拳に伝わる確かな手応え。直後には、老婆が目の前に倒れていた。

その老婆の顔から目と、頭にかぶって(いたであろう)兜を奪う。

目を奪われたことで、空での行動が出来なくなった老婆は地面へと激突し、自滅。十六夜は翼の生えた靴をその老婆から奪い取った。

そして、最後に残ったのはおぞましい姿をした老婆。彼女のことも一撃で伸し、今度はそのローブを引き剥がす。

 

そのローブは奇妙な形をしていて、うまくつなぎ合わせれると一つの袋へと姿を変えた。それに先ほど奪った靴と兜を入れ、封をする。

そして最初に奪った目を、目の前の湖に投げ入れると、〝契約書類〟がゲームの終了を告げ、〝契約書類〟はと紅い宝玉へと変えた―――。

 

 

☆★☆★☆

 

 

「入るぞ黒ウサギー―――」

 

大風呂敷を肩に担いだまま十六夜は黒ウサギの自室の扉を蹴り破る。

元々飛鳥がドアノブを壊していたせいもあって、その扉は完全にご臨終なされたようだ。

 

「何で貴方達はいちいち扉を破壊するんですか!?」

「いや、だって片手ふさがってるし、元々壊れてたし」

「もう片方の手で開ければよろしいでしょう!? これじゃあもう修理どころのお話じゃないじゃないですかッ!!」

 

先ほど飛鳥が外したドアノブを十六夜に向かって全力投球。投げられた本人は、ヤハハと笑ってそれを受け止めた。

 

「破壊なんてチャチなものじゃ断じてないね」

「ええ。もっと恐ろしいものの片鱗を見た気がするわ...」

「貴方達御二人も大概ですからね!?」

 

扉はまさに木っ端微塵である。破壊というよりは粉砕という方が正しい表現のように思える。

 

「い、十六夜さん。その風呂敷の中身はもしかして......」

「おう、ジン。きっちり間に合わせてきたぜ」

 

飛鳥や耀、黒ウサギと共に対ペルセウスの作戦会議をしていたのであろう、ジンが十六夜の担いでいる風呂敷を目に付ける。

十六夜はニヤリと笑って風呂敷の中身を晒す。ソレは、紅と蒼の宝玉。紛れもなく〝ペルセウスへの挑戦権〟である、クラーケンとグライアイを打倒した証だった。

 

「この短時間で本当に...ありがとうございます、十六夜さん! これで、黒ウサギを渡すことなくレティシア様を取り返せるかもしれません」

「ああ。俺も手を貸すし、頭も貸す。だからこそ、その根底はお前がしっかり考えるんだ。頑張れよ、ジン」

「はい!」

 

実際、今回は時間との勝負だった。

過去の知識がどうのというわけではなく、グライアイのゲームは最初から答えが分かっていて、耀でも楽にクリアできただろう。

 

――クリア条件の〝伝説をなぞれ〟。これは、ギリシア神話に出てくるグライアイの神話をそのまま行なえということ。

神話では、ペルセウスがメドゥーサ退治に行く際にゴーゴンの居場所を聞き出すために、グライアイの元に立ち寄ったとされている。その時は、グライアイも姉妹であるゴーゴンの居場所を教えるつもりは無かったのだが、3人で共有している目を奪われて渋々ゴーゴンの居場所を教えたという。

その際、キビシス(袋)と翼の生えたヘルメスの靴、冥府王ハデスの兜も奪われたという。

ハデスの兜は使用者の姿を見えなくするギフトである。十六夜は常人離れした身体能力や気配察知能力を駆使してそれを看破、撃破し、兜を確保した。ヘルメスの靴は見た瞬間に分かるだろう。翼の生えた靴なぞ、間違いようもない。

 

しかし、問題は袋だった。

3人ともそれらしいものは持っておらず、袋っぽいものは彼女たちの着ているローブのみ。

では、誰のローブがそれに該当するのか。それはギフトゲーム名に注目してみると一目瞭然だった。

 

〝FAUST in OKEANOS〟

 

このオケアノスというのはもちろん、コミュニティ名だ。

では、このファウストというのは何か?

グライアイの関係しているものの中で、〝ファウスト〟と名のつくもの――それは1833年に発表された戯曲『ファウスト』の、その2部を指しているものと見てまず間違いない。

2部の第5章に、女が登場する。主人公ファウストは、この女に恐怖してしまうという。

 

恐怖――

それがこのゲームの鍵だった。

ハデスの兜をかぶったエニューオーは武器を振り回した。

パムプレードーは、空から意地の悪い攻撃をする前に地面に落とされた。

そしてデイノーとは、恐怖。

 

このように、ゲーム名からデイノーが暗喩されていたのである。

各々からそれぞれを奪い、目をトリトニス湖に投げ入れれば、ゲームクリア。

正式にトリトニス湖というわけではないが、トリトニスの大河からの支流の流れ着いた先の湖である。役割としては十二分に働くのだろう、それでゲームがクリアとなった。

 

「さあ、手役は揃った。一丁ド派手に逝きますかッ!!」

 

白亜の宮殿、アルゴルの魔王、対ペルセウス。

自分たちの復興の足がかりへの第一歩を今一度、きっちりと踏み直すために。

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

「もう、終わりか?」

 

地べたに這い蹲るルイオスを見下ろす十六夜の目は冷たい。

ルイオスの切り札、アルゴールの悪魔でも制御の枷を外してすら十六夜に適う事はなかった。

十六夜はまず旗を奪い、名を奪った。次に人員を奪い、敷地を奪い、ペルセウスの全てを吸収した。

しかし、まだルイオスにゲームを挑み続けている。その目的がルイオスには分からなかった。

 

「ま、待ってくれ...俺にはもうゲームにかけられるものは何も残っちゃいないんだ...勘弁してくれよ...」

()()()()()?」

「お、俺にこれ以上何をさせれば気が済むんだよ!」

 

土地も、人も、金も、旗印も、名も失って、もはや自分ひとりのコミュニティとすら言えないノーネームに成り下がったあともしつこくゲームを繰り返し、辱めらたルイオスは、もはや十六夜の狙いが分からない。これ以上自分の何を欲するのか。

 

「......俺たちの最初の目的は何だった?」

「そ、それは...吸血鬼を取り返すことだろ。でもそれは既に果たされたはずだ。これ以上何を求めるんだよ!」

「いつ、()()()()()()()()?」

 

確かにレティシアは今はもうノーネームの仲間だ。しかし、それはギフトゲームで()()()だけに過ぎない。取り返したわけではない。

 

「........っ!」

 

ルイオスは一つ、唾を飲み込んだ。

十六夜が〝自ら負けを認めて〟、レティシアを返せと言いたいことを理解した。名無し相手に負けを認めるのはプライドが許さないはずだったのだが、先のゲームでそんなチンケなプライドも既に砕けている。

 

「あ、あの吸血鬼元に戻す方法は責任をもって教えるし、彼女の身柄はノーネームに引き渡す。だから、許してください」

 

ルイオスは十六夜に向けて土下座をし、そう訴えた。

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

「貴方も大概外道ね、十六夜くん?」

「おいおい。なんだよ、藪から棒に」

 

貴賓室に寝かされているレティシアが目を覚ますまでの間、十六夜は外へ涼みに出ていた。

飛鳥は十六夜と話をするために付いて来たというところだろう。

 

「ルイオスを徹底的にボコボコにしたって聞いたわよ」

「ヤハハ、どうやら俺も幾分ストレスが溜まってたみたいだな」

「あら、それは本当にストレスなのかしら?」

 

その問に十六夜はヤハハと笑って誤魔化すことしかできなかった。

自らの意思で戻った世界とは言え、退屈には変わりがない。しかし、それによるストレスだけがルイオスを叩きのめした要因だとは自分でさえ思っていなかったからだ。

 

結局あのあとルイオスは、レティシアの石化を解く方法を教える代わりに自分から奪ったものを返して欲しいと頼んできた。

元々十六夜は叩きのめす事はしても全てを奪うつもりは元から無かった。アルゴルの悪魔とペルセウスのコミュニティを完膚無きまでに叩き潰した事実があればそれで文句はなかったので、二つ返事で了承。自分から仲間になりたいと行ってきた者以外の人を無理矢理仲間にして、謀反を起こされては堪ったものではないというのも本音の一つだが。

 

「それにしても、レティシアを起こす方法があんなのだとは思わなかったけれどね」

「おいおい、眠り姫を起こすのはいつの時代だって王子様の役目だろう? それにこういう場合の方法はたった一つだ」

「その割には顔が赤かったわよ?」

「方法が方法だけにな。しょうがないだろ」

「そうね、確かにしょうがないと思うわ」

 

レティシアの石化を解くには〝メデューサの涙〟を飲ませなければならないが、レティシアは現在石となっているため飲むことができない。そこで、人工呼吸の要領で無理矢理飲ませたというわけだ。方法が方法だけに赤面せざるを得ないと言えるだろう。

そんなことを2人で話したり、笑い合ったりしていると黒ウサギが声を上げて走ってきた。

 

「レティシア様がそろそろ目を覚まします! 御二人も戻ってきてください!」

 

二人の顔に笑顔が宿る。

 

「では、戻りましょうか、お姫様」

 

そう言いながら十六夜は飛鳥に手を差し出す。

一瞬戸惑った飛鳥だが、姫という単語にピンとくる。

 

「そうね。なら、エスコートはお願いします、王子様」

 

優雅に、自然に十六夜の手を取り、彼の後に続く。

一体今度はどんなメイド服を着せるかなどという、下らないことを考えてると、あっという間に本拠までついてしまった―――。

 




ギリギリ土曜更新。
おかしいな、昨日日付が変わったあたりに書き始めて、乗って書いたら意外と進んだ。
でも、改訂の段階でドジって8時更新はできなかったです。

なのはINNOCENTの話。
王様のトリニティDが完成しました。D、L、Sと3枚揃えるために頑張って飴を集めたいな~なんて思ってる今日この頃。
そして、問題児の乙1を入手!こう書くとなんだか危険物みたいですね(笑)
黒ウサがアニメより好みとういう謎←
他にもラノベを数冊買ったり、所持金がピンチw

ここから本当の後書きっぽい何か↓
オリジナルゲーム如何だったでしょうか?
正直飛ばしすぎた感が否めないんですが、蛇神よりも弱い設定なので、そこは勘弁して欲しいです。
その代わり、別のオリジナルゲーム...3巻該当分のゲームはその分、気合を込めて作る所存であります!
ただ、1巻が終了したので、2巻を書くのですが、話の軸を作ったり、修正分のストックを作ったりしたいので、暫く更新が止まります。ご了承ください。
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