黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共に異世界へ 作:ヴィヴィオ
バルテン子爵
我が領地はラングハイム皇国有数の穀倉地帯の一つであり、豊富な食料がある。それを使って大量の馬を養い、大規模な騎兵隊を組織してある。お蔭で我が騎兵隊はこの皇国有数の部隊である。その騎兵隊を連中に差し向けた訳だ。目的は殲滅して奴隷と金を取り返す事だ。一緒に付いて行った連中は奴隷にしてしまえばいい。しかし、媚薬が効いておればあのまま監禁して手籠めにした後、調教したのだが。
「そろそろ報告が来る頃だな」
「そうですね」
高級なワインを飲みながら、吉報を待っていると扉が急に開けられた。
「無礼ですよ」
「構わん。どうした?」
「騎兵隊が3騎を残して正体不明のモンスターに襲撃され、全滅したようです!」
「なんだと!?」
「そのモンスターはどうなった?」
「こちらに向かってきているようです! 数は不明っ! 物理攻撃は一切効かないそうです」
「ちっ、直ちに門を閉じて戦闘配備! 魔術師隊を緊急招集!」
「はっ!」
兵士が出て行った後、戦の準備をする。騎兵隊を崩壊させるようなモンスターの討伐となれば戦わねばなるまい。立ち上がり、壁に掛かった大剣を取る。
「父上、その手はどうなさいました?」
「む? なんだ、この斑模様は?」
「内出血でしょうか?」
「何処かにぶつけた覚えはないのだが。ふむ……大した事はあるまい」
「わかりました」
支度が完了し、外に出て防壁の上に登る。すると遠くの方から不気味な見たことも無いモンスターがこちらへと向かってきていた。
「あれか」
「のようですね。物理攻撃が効かないそうですが……」
「魔術師隊、準備はいいか!」
「「はっ!」」
「詠唱はじめ!」
魔術師隊が魔術を放ち、化け物達へ攻撃する。幸い、すこしダメージを受けているようで、だんだんと削れていっている。この分だとどうにかなりそうだ。
「父上、あれを」
「むっ、あそこに居るのは少女か?」
三角帽子を被った少女が遠目に見えた。その少女は謎のモンスターから離れているが、様子をみているようだ。
「どちらかわからんが、どちらにしろ先ずは目の前のモンスターだ。魔術が効くといく事は魔術が付加された魔装具ならば問題あるまい」
「おそらくは……」
「ほ、報告を忘れておりました。連中に触れられると身体が砂のようになって崩壊します」
「ちっ、接近戦は無理か」
「しかし、とほうもない数ですね。これは増援を呼んだ方がいいでしょう」
「ああ。ハンターギルドにも要請しておけ」
「畏まりました!」
しかし、こんなモンスター見た事も無いぞ。
キャロル
転送陣の後始末をしてから、見学に来たのだが……予想外にアルカノイズの性能が下がっていた。いや、下がっているというよりはこちらの世界には魔法や魔術がありふれているからだ。つまり、神秘が満ち溢れている。神器であるシンフォギアとまではいかないとしても、アルカノイズに十分ダメージを与えられるようなのだ。故に数を増やして追撃までさせてみたのだ。
「このまま攻め滅ぼすのも余裕かと思ったが、既に種は巻かれていたか。ならば、オレが手をくだす必要も無いか。お前達、あの街を封鎖して閉じ込めておけ」
アルカノイズ共に命令し、転送の術式が刻まれた結晶を破壊して転移する。