黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共に異世界へ 作:ヴィヴィオ
謁見が終わり、待っているペストと合流する為に王宮の廊下を歩いている。ジャンヌとエセルドレーダは姿を消して俺の護衛をしてくれている。
少し歩くと前方から黒髪の青年がやって来た。美形の青年は俺を見るなり固まった。しかし、それはこちらも同じだ。まさか、こいつが居るとはな。いや、ある意味では正しいのだが。
「馬鹿な……」
「おや、これはルドルフ殿下」
俺の前を歩いていた父上が正体を明かしてくれる。しかし、殿下ね。
「そちらは?」
「我が息子であります」
「そうか……彼と少し話したいのだが……」
「畏まりました。では、私は先に帰っております」
「ああ、すまない。付いて来てくれ」
そのまま付いていくと豪華な一室に通される。そこは個人的な部屋のようだ。豪華な椅子に座り、対面を行う。
「さて、まさか獣殿がこの世界に居るとは思わなかったな。本人か?」
「半分正解だ。そういうそちらは悪逆皇帝かゼロか」
「その名前でいうな。確かに容姿はそうなのだがな」
「絶対遵守か」
「そうだ。俺のギフトであるが、劣化している。いや、回りに対策されているという事だが」
「ほう」
「相手の対魔力を抜かねばならんからな」
ならば問題ないだろう。こちらの対魔力EXを抜けるとは思えん。
「で、そちらは?」
「獣殿の知識と経験。融合していると思ってくれればいい」
「それは敵対したくはないな」
「私としては卿が敵対しないのであればその必要はない」
「そうか。なら、味方になってくれ。分かっていると思うが……この国は名前こそ違うがブリタニアみたいな物だ。国是が弱肉強食だからな」
「武力が欲しいか」
「その通りだ。報酬はこの国だ」
「ほぅ。卿が収めるのではないのか?」
「ぶっちゃけ、無理だ。ルルーシュと同じような事を俺に出来る訳もない。だが、暗殺される可能性が高い上に他の皇子達は馬鹿ばかりでな」
「それは困るな……」
「だから、ベストはある程度の地位を手に入れて田舎か何処かに引っ込む事だ。だから、国が欲しければ好きにするといい」
「まあ、国などどうでもいいのだが」
手に入れようと思えば手に入れられる。しかし、面倒なのだ。街を一つ支配下におくだけでも面倒なのに、国全体とか面倒すぎる。まあ、キャロルのクローン達を使えばどうという事はないのだがな。
「だよな。なら、別の報酬を用意するが、希望は?」
「今のところはやはり、金か」
「俗物的だな」
「しかし、力であるのは事実だ」
俺の場合はガチャがあるので特にだ。
「金か。自由に出来るお金も少ないんだよな。っと、自己紹介もしていなかった。俺はルドルフ・ラングハイム。この国の第八皇子だ」
「上ではないか」
「三人分だがな」
「私はコルネリウス・リーゼンフェルトだ」
そんな話をしていると、扉がノックされる。ルドルフが許可を出す。すると扉が開いてメイドが入ってくる。そのメイドは簡易な木製の車椅子に乗った綺麗な金糸のような長い髪の毛をした幼い美少女を連れてきた。彼女は目を閉じている。そして、足が完全にないようだった。
「お兄様、お客様ですか?」
「そうだ。そういえば約束をしていたか。シエル、すまないが少し待っていてくれ」
「はい」
彼女は部屋の隅にあるテーブルの方に連れて行かれる。メイドは飲み物を用意しに出て行った。
「彼女は?」
「ああ、俺と同じ母親の第17皇女、シエルだ。事故で足と目を失った
おそらく、他の後継者にやられたのだろう。有能なら潰してしまえばいいという事だろう。
「さて、そんな事より報酬だな」
「ならば彼女を頂こうか」
「おい」
目や足なら治せるのだから、こちらの戦力になるだろう。それに、いざという時の大義名分を手に入れられるのだ。
「金も出せないというのなら、人だろう? 特に女ならな」
「貴様っ!?」
「まあ、考えておくがいい。卿がどのようにしようが、私にはどうでもよい事だ」
「っ!?」
こちらを睨み付けてくるルドルフ。こいつはまともな様ではあるな。だが、それはそれで問題だ。
「何時までも前の世界と同じように考えていると足元を掬われるぞ」
「知っているっ!」
「そうか。では、好きにするがいい。此度の戦で私が持つ力を見せつけてやろう」
部屋から出ようと立ち上がり、ドアの方へと進んでいく。
「待ってください」
「ん?」
可愛らしい声に立ち止まる。
「シエル?」
「どうか、お兄様を手伝ってくださいませんか?」
「それがどういう意味か分かっているのか?」
「もちろんです。目が見えず、足も動かないこんな私で良ければお好きにお使いください。ですが、その代わりにお兄様をお願いします」
「馬鹿な事を言うのは止めろ!」
「嫌です。こんな身体でもお兄様やお母様達は愛してくれました。だから、今度は私の番です」
「そんな事は気にしなくていい!」
「駄目です! このままだとお母様やお兄様も殺されてしまいます」
殺されるってどんだけ親族仲が悪いんだ……と、言いたいがこれからの事を考えると反乱などさせない為に殺してしまうのがベストなのだろう。
「しかしだな……」
「もはや、卿の事は関係ない」
「おい!?」
「シエルと言ったか、娘よ」
「はっ、はい」
「卿と契約して汝の力となってやろう」
「あ、ありがとうございます!」
「待て待て、どうしてそうなる!」
「代価を用意したのはこの娘だ。故に契約者はこの娘になる」
「それはそうだが……」
「それに彼女にとっても得が有ろう。私の下でなら彼女の傷を治す事も可能だ」
「本当か!?」
「ほ、ほんとうですか!?」
「ああ、これを使えばすぐだろう」
懐から念のために所持しているエリクサーを出す。
「それは?」
「エリクサー。命の水とか言われるものだ」
「馬鹿な……本当に……」
「お兄様?」
「まあ、ゆっくりと考えるがいい。シエルよ」
「はい」
「お前の家紋が入った旗はあるか?」
「ありません……」
「なら、家紋を教えてくれ。我が旗に入れておいてやろう。そうすればお前の手柄になる」
「は、はいっ!」
これで俺は彼女達の派閥に入る事になる。まあ、構わないだろう。これからは後ろ盾は必要なのだし、面倒な連中が群がって来るだろうからな。
「では、吉報を待っているといい」
「はい」
「くっ」
さっさと外に出て、旗と資金、許可書を受け取る。それからペストと合流する。
「知らない女の臭いがするわね。ジャンヌ」
「ええ、お姫様の一人を自分の玩具にしましたわ」
「人聞きの悪い事をいうな」
「ええ、まだしていませんね」
「どっちにしろ、面倒な事になりそう……って言いたいけれど、確かにこのままだと鬱陶しいのが多くなるわね」
「王族関連は特に鬱陶しいからな。それならこちらの傀儡に出来る者を用意すればいい」
「幸い、今回の事で壊して傀儡にする手間が省けましたね」
ジャンヌの言う通りだ。彼女の傷を治すと同時に力を与えてこちらに従順になるように教育すればいいだけなのだからな。いや、もっと手っ取り早く聖痕を刻むと同時に魂もろとも我が物とすればいいか。
「とりあえずもう二、三日はこっちよね?」
「いや、必要な物は受け取ったから、このまま帰るつもりだったが……」
「観光したいわ」
「いいですね」
「なら、明日は転移で帰るか。土産も買わなければな」
「ええ」
宿屋へと向かい、部屋を取る。そこでベッドに座りながらペストを膝の上に乗せて抱きしめながらガチャをする。ジャンヌも後ろから覗き込んで来ている。そのせいか、俺に抱き着いている為に背中にジャンヌの胸が当たっている。隣を見ればジャンヌの綺麗な顔が直ぐ横にある。
「この体勢にも慣れてきたわね」
「そうか」
ペストの頭に顎を乗せつつ、ガチャを起動する。まだ前のロリっ娘ガチャ・海系インストールピックアップが残っているので、こちらを引く。リスキーダイスは有るが、殺して問題無い奴もいないので連発はしない。
「確か、前の奴は爆死したままだったよな」
「そうね。それで終わったわ」
「なら大丈夫か」
「振るの?」
「ああ」
リスキーダイスを振ると大吉が出た。
「ジャンヌ達も振ってみろ」
「引く前なら大丈夫かしらね?」
「さあな。だが、ジャンヌは再召喚出来るし、ペストは即座にエリクサーを飲ませれば大丈夫だろう」
「むしろ、生半可な事でも起きない限り、この身体だと大丈夫でしょう」
「だな」
「じゃあ、私からですね。まあ、面白味もありません」
ジャンヌは大吉だった。次にペストが持って振る。
「あっ」
大凶が出た。しかし、ペストは小首を傾げるだけだ。
「どうだった?」
「少し、お腹に違和感がした程度ね」
もう一度振ると大吉が出た。
「じゃあ、引くか」
「ええ」
「楽しみですね」
三人で同時にガチャのボタンを押すと初っ端からEXが出た。EX駆逐棲姫、SR戦艦タ級、EX駆逐棲姫、EX戦艦レ級、N弾薬1000、N真珠、R高級修復剤80、Rスクール水着、R魚雷10。
「突っ込みたい事が色々とあるな」
「そうなの?」
「化け物が入ってるからな。まあ、いいや。それよりどんどん引いてくれ。後はペストがな」
「ええ、わかったわ」
戦艦レ級。ボス級である姫や鬼に匹敵する特殊な艦艇であり、もはや、戦艦の皮をかぶった何かだ。 可愛らしい笑顔と裏腹に異常なほど強いのが最大の特徴。 解りやすく言うと、「ぼくのかんがえたさいきょうのせんかん」「超兵器」それでも分からないなら空を飛ばない「宇宙戦艦ヤマト」。これが説明である。
「あ、失敗した。痛い……蚊に刺されたくらい」
「桁違いの防御力ね」
それから、ペストがひたすらガチャをしていく。色々と当たったが、めぼしい物はフェイト・テスタロッサやシエル・メサイア、それにアンチラだった。後半、海に関係なかった。流石はピックアップといった所だ。もちろん、艦娘ではない多数の船舶は手に入ったのだが。