リリカルなのは転生者~身を削っても運命を変えようとする者 作:N、T
予想通りというかなのはが泣いている……この頃のなのはは小さな体に色々抱え込んでいるんだよな……話しが出来るかわからないけど、話しかけてみよう。俺はなのはの近くへ歩いていき話しかける。
「どうしたの?どこか痛いの?大丈夫?」
と声をかけてみる、泣いている理由は心当たりはあるけれど、普通に小さな子もとい今は自分も小さくなってはいるけれど、女の子が泣いてたらほっとけないよな。
「ううん、どこも痛くないの」
泣きながらそう応えてくる、声は少し擦れていたのは一人で結構長い時間泣いていたのだと思う。
「じゃぁ……何かあったの? 僕は御剣紀祐っていうんだけど君は?」
俺はそう尋ねた。ちょっと子供っぽくない尋ね方な気がするけれど、精神年齢が高いのだから仕方がない部分はある。
「高町……高町なのは……お父さんが大怪我して、入院しちゃって……お家のみんなが忙しくて……いい子にしなくちゃ嫌われちゃう……の……」
見た目と精神年齢があってない。この頃から不屈というか、抱え込むようになってるんだなぁ……
「なのはちゃんは強いね……でも、僕だととても真似できなくて……泣きついちゃうかも……」
少し泣きそうな感じを、装いつつ俺はそう話した。
「僕やなのはちゃんは、まだ小さいから……甘えたほうがいいと思うよ? 嫌われたりしないと思う」
「そう……なの……かなぁ……」
まだ泣き続ける。まぁ中々素直に甘えるのも難しいとは思うけれど、なのはがこうやって泣いてる事に今はみんな気がつける余裕は無いはずだし。
「泣いてたら、お母さんやお父さんも悲しくて、泣いちゃうと思うよ? それに、かわいい顔が台無しだよ?」
かなり恥ずかしいセリフを、言ってみたら、とりあえず泣き止んでくれた。
「うん、わかったなのもう泣かない……の」
泣き止んで、微笑む少女の顔は輝いて見えた。
(うっ、同じ年同じ視点からだと思いたいけど、本当にかわいい。)
自分が、顔真っ赤にしている。いかんいかん、平常心平常心と、気を落ち着かせてから。
「なのはちゃん、良かったら少し遊ぼう」
「うん、なの」
そうして、少し遊んでいた。やっぱり少し運動が苦手なのか、時々こけそうになってたりはしたけど、とにかく楽しく適当に遊んでいた。そろそろ日が暮れ始め、普通の子供なら帰らないといけない。
「あまり遅くなると駄目だから……そろそろ帰ろうなのはちゃん。心配だから、お家まで着いていくよ」
「うん♪こっちだよ~」
そういって、駆け出したなのはについて行く。道中予測どおりというか、運動音痴のなのはがこけそうになるのを、支えながら翠屋に到着した。
「ただいま~なの~」
頼むから、なのはの兄が来ませんように……すると、女の人の声がした。多分これは、桃子さんであると思う。
「なのは~心配したのよ~」
心配していた様子が、見て取れるようになのはに抱きついてる。
「ごめんなさい」
なのはが謝っている。今ならまだ何もいなかったかのようにそ~っと帰れると思い、抜き足差し足で帰ろうとすると……。
「あら、見かけない子ね? なのはのお友達? お名前は?」
桃子さんに気がつかれ、逃げるタイミングを逃した。桃子さんのセンサー恐るべし。俺は観念して自分の名前を名乗り始める。
「御剣紀祐っていいます。公園で今日一緒に遊んでたんです」
「あらあら、それはありがとうね」
そうお礼を言われる。
「楽しかったので、お礼を言われると困ります」
「まだ小さいのに、しっかりした子ね~」
と頭を撫でられる。精神は大人なのでちょっと複雑だな。
「それでは、僕はこれで」
そう言って帰ろうとしたとき、既に遅くあの人が……
「あら、恭也いたのね。この子新しいなのはのお友達なのよ。御剣紀祐君っていうのよ~まだ小さいのにしっかりしてるのよ」
桃子さん死亡フラグ立てないでください。案の定恭也さんがキレてると心の中で悲鳴をあげる。
「なのはが世話になったようだね……ありがとう、ゆっくりしていくと良いよ。奥に、来てくれるとうれしいんだけど……?」
完全にキレてる。声は普通だけど、顔にもろに出てる。そしてなのはと桃子さんは気がついていない…
…
そして捕まり、引きずられて高町家道場の方へ引きずられていった。
そして、道場の入り口を閉められて木刀が飛んでくる……これは冗談抜きで死んだかな……。
「さぁ、好きなもの使うと良いよ」
一応基礎訓練はしてあるし、死にそうにない攻撃を貰ってばたんきゅ~を狙おう。
そう覚悟して、木刀を拾って構える。
恭也さんが猛然と切りかかってくる、そして恐ろしい太刀筋…普通に木刀でも死ねるレベル
「死ぬー」
必死で恭也の剣筋を木刀で必死にいなしつつ、ひたすら逃げ回る、体力は既に限界で、心臓は悲鳴を上げている……仕留めれないのに業を煮やした、恭也さんが、おもいっきり上段から切り落とす。
それを紙一重で、身体をひねってかわし。
「!?」
恭也さんが驚愕している、本人自体も驚いているが、初めての反撃チャンス!
「せぇーい!」
全力の気合と力を込めて、胴に一撃を叩き込む。
しかし、まだ小さいがゆえに、ぜんぜん効いてないようだったが、攻撃は止めてくれたようだ。
「まさか、一撃貰うとは、思わなかったなぁ……すまなかったなぁ」
とりあえず暴れたおかげ?で、落ち着いた様子で、謝ってくれたけど……生きてるのが奇跡だ。
「あらあら、御剣君大丈夫だった?」
桃子さんが来てくれたけどもだ。もっと早く来て助けてもらいたかった。
「しかし、小さいのによくあれだけ動けたね……何か習ってるのかい?」
恭也さんにそう聞かれて、俺は素直に答え始める。とはいっても魔法に関することは話はしないけど。
「習ってるわけではないですけど……一応走りこみや剣術の真似事の練習くらいはしてます」
俺は適当にそう言って恭也さんの追及を回避した。
「なのはがお世話になったから、これお土産に持って行ってね」
桃子さんからシュークリームを貰った。憧れていた翠屋のシュークリームを手に入れられてかなり嬉しい。
「お世話になりました、また遊びに来ます。なのはちゃんまた遊ぼうね♪」
「うん、またなの~」
そう言って、心の中では、少なくともしばらく恭也さんには、会いたくないと思いつつ、家に帰るのであった。