ソードアート・オンライン ブロッサムフィール(改編版) 作:偽帝
2018/07/25更新
カチャ、っと持っている刀を小さく動かすと雑魚モンスターは悲鳴を上げ、ガラスの砕けるような音と共に消滅した。
「・・・かーえろっと」
どうでもいい独り言が、洞窟に寂しく響く。
ゲームの中とはいえ武器を使っていない期間があると必ず腕が訛る。これはゲームに限ることではないと思うけど。
俺のメイン武器である刀は余り使わないんだけど、使わなかった結果、錆びたら元に戻すために無駄な出費が発生するので、時々こうやって家の近くにある簡単な洞窟で腕慣らしをする。決して無駄な時間ではない。
指をスワイプさせてメニュー画面を出し、アイテムの中から《転移結晶》を1回タッチすると、手の上に現物が現れる。
「転移、シルフ領・ヴィエント」
瞬時に俺の体は光に包まれ、洞窟から姿を消えた。
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俺の名前はトウカ、17歳、って誰に説明してんだ俺は。
ヴィエントにワープし終え、草原に座り込む。あぁ、疲れた、運動不足ですね。
視線の先には綺麗な緑色の町並みと幾つもの塔がある。シルフ領首都・スイルベーンだ。
ちなみに俺の種族はシルフではなく
この場所からはスイルベーンがハッキリと見えるし、夜景も綺麗だからここにした。建設費と諸経費諸々で結構もってかれたけど、後悔はない。
芝生から立って、自分の家へと向かう。
「ただいま~、って一人か」
ドアを閉めて、一目散にベッドに飛び込む。ふかふかのベッドはほんとに気持ちいい。一生何もしないでこうしていたい。
ベッドの上でぐでーーっと寝っ転がったまま、指をスライドさせネットニュースの今日の話題的なものを見る。所謂、○×速報とか△□まとめみたいなやつだ。いつもそこまで熱心に見ないが、その中でも今日は1つだけ、気になるタイトルがあった。
『謎のプレイヤー<絶剣>待ち受けデュエルで脅威の34連勝!!!』
いや、強すぎでしょ。
34連勝て、疲れないのかな。尊敬する。
それにしても、絶剣なんて愛称のプレイヤーは聞いたこともない。多分、ゴリゴリの脳筋プレイヤーとかなのかな。予想に反して女の子とかだったら、なんかいいかも。
俺は詳細の部分を指でタッチして、表示された内容をに視線をやる。
書かれていた内容をまとめると、
・ある日、掲示板にデュエル募集の書き込みが。興味半分で指定された場所に行ったプレイヤーが今日まで立て続けに敗北、未だ勝利した人がいない。そしてほぼ瞬殺されてるらしい。
・新しく実装されたアインクラッド24層の小島で待っていて、もし勝つことが出来れば<絶剣>が使う11連撃のOSSをもらうことができる。
OSSをもらえるのか。これだけの強さを持っている相手のOSSを勝てばもらえるなんて得の多い話だ。
仮に、俺がデュエルを挑んだとして勝てるのだろうか。一応メインは刀だけど自慢出来る程上手くない。
「まあ、行くだけ行ってみるか」
後で後悔するより、デュエルして負けるほうが潔いし後で引きずらないだろう。
ベッドから起き上がって窓の方を見る。夕陽がスイルベーンの塔を照らしていて綺麗に反射していた。まあ、眩しいんだけど。
時間を確認すると今は午後4時過ぎ、おそらく《絶剣》はまだ誰かを待っているだろう。もしいなかったら・・・・・、まあその時はその時だ。
身支度を整えて、俺は絶剣のいる場所へと移動した。