ープロローグー
今日の俺はついている、だって星座占いで三位だったんだからな。
そう、ついていたはずなんだ。だけど俺の今の状態は世界のどんな漫画の最初よりも悲惨だろうな、なぜなら、
「その自転車には爆弾がしかけられていやがります。」
某ボーカロイドの声をしたセグウェイが追っかけてきている、さらにそのセグウェイには、
「なんでセグウェイに銃座が取り付けてあんだよ!?」
さらにその銃座に乗っかったイスラエルIMI社製のサブマシンガンUZIがこっちを狙っていやがるんだからな!
そう、この俺、龍源昌輝は世界的に珍しいチャリジャックにあっていたのだった。
その時、後ろからもう一台のチャリの音が聞こえてきた。
俺と同じ面倒なことに巻き込まれてんのは同居人、遠山キンジだった。
「よう、キンジ!朝っぱらから愉快なサイクリングしてんなぁ!そんなに急いで俺に追いつきたかったのか?」
「んなわけねーだろ!そういうお前もいい運動してんじゃねえか!」
「うるせえ!だがまぁ」
「とりあえず」
「「一体何がどうなってんだっ!」」
・・・・・・
ピピピ!ピピピ!
室内に入る朝日の光に照らされて俺は眼を覚ました。
「くあああああ」
今日から新学期が始まる、ここは東京武偵高校、通称武偵高の男子寮だ。
武偵高とは、武装探偵、通称武偵を育てる教育機関だ。
閑話休題
男子寮の二段ベッドの上に俺がいる、じゃあ下には誰がいるのかって?
もちろんキンジだ。
ある特殊能力をもつコイツはその特性故か様々なところでフラグを建てている。
周囲の男どもはコイツを神級フラグ建築士などと呼んで妬んでいる、もちろん俺も例外ではないので・・・
目覚まし時計をキンジの腹めがけてフルスイングする。
HIT!
「ぐふぉえ!」
おー、キンジが盛大に目覚めた。
全国の男どもよ、敵は倒したぞ!
そんなこんなをしていると・・・
・・・・・・ピン、ポーン・・・
なにやら慎ましやかなチャイムが聞こえたので、俺はとっとと防弾制服を着、USPと日本刀「緋炎」を腰に携える。これがこの高校、つまり武偵校の登校姿である。
ん?キンジ?あいつは慎ましやかなチャイムの主、幼馴染の白雪と話している。
白雪はキンジのために作った(ここ重要)お重を持っている。
な?この神級フラグ建築士は幼馴染に毎日起こしに来てもらってんだぜ?腹立つよな~。
「あ、昌君、おはよう。」
「よお、白雪、今日も仲いいな。」
「やだ、昌君たら。お似合いの夫婦だなんて。」
「・・・いや、「そこまでは言ってねえ。」」
「キンちゃんのためにお弁当作ってきちゃった。」
「そうかい、そんじゃ、仲よーやれや」
「まて、待ってくれ昌、頼む。」
「ん?やだ」
こんなことをしているうちに俺たちが乗るはずである7時58分発のバスが来る時間になった。
俺はこのバスに乗るつもりだったが、あまりにも混んでいたためにチャリにしたのだった。
・・・・・
「ったく、キンジにせいで散々だ」
「なんで俺のせいなんだよ!?」
そのとき、俺は見てしまった。おそらく、一生脳裏に焼き付いて離れないであろう光景を。
ちょうど俺たちは奇妙なセグウェイに追いかけられながら第3女子寮に近づいているところだった。
その第3女子寮の屋上にピンク髪の少女が佇んでいたのだ。
中学生だろうか、若しくは、インターンで入ってきた小学生かと思う。
その少女は飛び降りたと思うと、パラシュートを開いて迫ってきたのだ。
「んな!?」
「やめろ!このチャリには爆弾が・・・!」
「いいから頭下げなさい、バカども!」
仮にも武偵ランクがAの俺に向かってバカなどという腹立たしい少女は、空中で二丁のガバメントを取り出すと、俺たち、いや、その後ろのセグウェイに向かって発砲した。
ダン、ダンダンダンダンダン!!
二台のセグウェイは反撃すらできず、ばらばらになっていった。
しかし、まだ俺たちの下にはまだ爆弾がある。
その少女は今度は俺たちを助けようとしているらしい。
「俺じゃなくて、キンジを助けてくれ!」
少女はしばし迷ったようだが、うなずきパラシュートに足をかけ、逆さまになりながら抱き合う感じでキンジを救出していった。そのときに、キンジの顔に思いっきり少女の胸が当たっていたが、キンジがあの少女で例の能力を発動するとは考えたくない。
「さて、こっちもそろそろやらかしますかね。」
俺はUSPを抜くとチャリの前輪に向かって一発ぶちかました。
ダァン!
「ぬぅお!?」
反動で俺は投げ出され、チャリは俺の前方約10メートル先に落ち、大爆発した。
「ふぅ、やれやれ。」
俺はすぐそばの建物の陰に隠れる。
間一髪、という言葉がぴったりくる度合いで増援と思われるセグウェイが現れた。
「しゃーないか。」
俺は、建物の陰から飛び出ると二丁のUSPをセグウェイに向けて発砲、
ダンダン、ダンダンダンダン!
ガガガガガガガガガ!
セグウェイの弾をすべて撃ち返し、セグウェイの銃口に入れて破壊した。
「さて、キンジとあの女の子はだいじょーぶかなー?」
キンジたちが飛んでった方向に歩いていくと、向こうからキンジが走ってきた。
雰囲気が変わってる。
「はぁ、俺の心配が本当になったか。」
キンジがいかようにして例のモードになったかは知らないが、あの少女に可哀想なことをしていないだろうか・・・・
「してないしてない。大丈夫、ちょっとお姫様にしてあげただけだから。」
うわ、またフラグ建てたのかよ。
遠くで
「おっきな風穴あけてやるんだからぁー!」
というアニメ声が聞こえたあたり、たぶん大丈夫、かな。
それが俺、龍源昌輝と、のちに「緋弾のアリア」として世界中の武偵を震え上がらせる神崎・H・アリアとの間接的だが驚きな出会いだった。