けいさなんか今日は朝からいろんな目に遭ってる気がすんなー・・・・
チャリジャックにアリアに昔の思い出、さらには授業で出た宿題。
色々とたるいなー、と思いながらたらたらと歩いていた俺は、いつの間にか男子寮の部屋の前に立っていた。
さて、とっとと入ってP〇Pでもやるかぁ
ガチャッ!
マ(マサキ)「ただいまーっと」
???「あたしの奴隷になりなさい!」
ん?今どっかで聞いたことのあるような女子っぽいアニメ声が聞こえたんだが・・・・
まさかな、だってここは第3男子寮、女子がいるわけないじゃないか。
そう思って靴を脱ごうと玄関に入ると、‘キンジの靴’がある。これはいつもどおりなのだが
もう一つ、明らかに‘白雪の足よりも小さく、峰ではない女子の靴’と思われる物体がポイッと放り出してある。
ここで整理してみよう。1つ、どっかで聞いたことのあるアニメ声。2つ、靴から推理して明らか女子、3つ、白雪・峰以外でキンジに興味が大いにあり、かつキンジの知り合い。この3つから
推理できる人物は・・・
???「そう、あたしよ!」
マ「はぁ、やっぱり神崎か」
ア(アリア)「アリアでいいわよ。龍源、いえ、マサキ。あんたもあたしの奴隷になりなさい!」
・・・・こいつは何を言っているんだ?そのとき、キンジが顔を見せた。
マ「キンジ、これはどういうことだ?それに神崎、(ア「アリア」)・・・アリア、なぜ女子のお前が男子寮にいるんだ?」
キ(キンジ)「俺にもわからん。いきなりコイツが押しかけてきて奴隷になれだのなんだのと言い出 したんだ」
ア「ほらあんたたち!ご主人様にお茶やお菓子の一つでも出しなさいよ!]
スカートを盛大にひらめかせながら、アリアはソファーにその小さな体を預けた。
組んだ足のふとももがチラッと見えて、そこからは二丁の拳銃のうちの片方がのぞいていた。
ア「コーヒー! エスプレッソ・ルンゴ・ドッピオ 砂糖はカンナ! それとスコーン! 3分で!」
な、なんだんだよこの忘却無人っぷりは!?
思わずとなりを見ると、キンジががっくりと肩を落としていた。
簡単には帰ってもらえないらしいので仕方なしにキンジはインスタントコーヒー、俺はスコーンの代わりに金平糖を出してやると、アリアは、
ア「これは?」
と、金平糖を一つつかみ食べる。
金平糖も知らんのかこいつは。
次にインスタントコーヒの入ったカップを左右からもって鼻を近づけてふんふんやった。
臭いでわかるのか?
ア「これホントにコーヒー?」
いまどきインスタントコーヒーを知らない女子高生を俺は初めて見たぞ。
キ「それしかないんだから有難く飲めよ」
ア「ずず……変な味。ギリシャコーヒーにちょっと似てる……んーでも違う」
コーヒーの味にも変化があるのか……?
キ「味なんかどうでもいいだろ。それよりだ」
マ「なんでアリアが男子寮の、しかも根暗のキンジのところにいるんだ?」
キ「根暗とかそんなことは……どうでもよくないが、少なくとも今はどうでもいい。とにかく、今朝 助けてくれたことは感謝している。それにその……お前を怒らすようなことを言ってしまったこ とは謝る。でも、だからってなんでここに押し掛けてくる」
マ「さっきそれ俺が言ったよな?」
キ「うるさいぞ、マサキ」
アリアはカップを持ったまま、きろ、と紅い目だけ動かしてこっちを見た。
ア「キンジもマサキもわかんないの?」
マ・キ「「わかるかよ」」
会って早々立たないうちに以心伝心を図ろうとすんのはやめろよ。
ア「あんたたちならとっくに分かってると思ったのに、少なくともどっちかは。んー……でも、その うち思い当たるでしょ。まあいいわ」
だから以心伝心を図ろうとすんのはやめろってーの。
マ「そういやアリア、おまえ学校にはいつ来たんだ?言っちゃあ悪いが俺は一年時の学校内でもアサ ルトでもお前を見たことなんかねぇぞ?」
アリアは、ポリッと金平糖をかじってから顔をあげ、
ア「そうでしょうね、だってあたしがここに来たのは終業式の5日前だもの」
マ「5日前!? なんだってそんな時期に……」
転校生はふつう6月くらいに来るはずだろ。某スマイル仕込みの超能力者ですら4月の最後くらいだわ。
ア「いろいろあったのよ、あたしには。それよりねぇ、おなかすいた。なんか食べ物ないの?」
明確な答えをもらえずに話題をそらされた……
キ「ねーよ」
えっ!?ないの!?俺は思わずキンジのほうに顔を向け聞いた。
マ「ちょっとまった。それマジか?」
キ「マジだ。てかお前が冷蔵庫のコンセントを抜くからだろうが!!」
あー、そういえばしたなそんなこと。確か俺の部屋のコンセントが埋まったから台所のコンセントをP〇Pの充電器にしたんだったな。
マ「……あったなそんなことも」
ア「あんたら普段どんな生活してんのよ……」
アリアは飲み終わったカップをテーブルに置き、今度はソファーの手すりにしなだれつつ聞いてきた。
てかお前人の部屋で自由すぎるだろ。
しかし、ここでいろんな会話をしたところで腹は膨れないので……
マ「とりあえず、あそこに行くしかないか」
キ「そうだな、そうするか」
ア「どこ?どこ行くのよ?」
いやだってお前そりゃぁ
キ・マ「「下のコンビニだろ」」
ア「こんびに?ああ、あの小さなスーパーのことね。じゃあ行きましょ」
マ「いや、お前は帰るんだろ?」
ア「もう夕食の時間なのに?」
だめだ、会話が成り立ってねぇ。
つか夕食食っていくつもりかよ。早く帰ってくれないか。
俺が腰に両手を当てつつ悩みながらふと隣を見ると、思っていることはキンジも同じらしく、額を押さえている。
そんなことはお構いなしに、アリアはバネでもついてるかのようにぽーん!とソファからジャンプして立ち上がった。
そして俺たちの真ん前までとててと歩いてくると、下から顔を顔を見上げてきた。
ア「ねぇ、そこに松本屋の『ももまん』ある?あたし、食べたいな」
そういうと玄関へ歩いて行った。
一体アリアは何がしたいんだ?
俺は胸中に巻き上がる不安を抑えつつ、少し前にアリアが言った言葉と昼休みでの女子どもの会話をを思い出していた。
「あたしのドレイになりなさい」
「あの子ってトモダチいないよね」
俺たちに接する態度から見たところ、確かに少し上から目線ではあるし、理不尽な物言いはするが……別にクラスから完全に孤立するほどのものだろうか?
それにしてもドレイとはなんだ? まさかほんとの奴隷にするってわけではないだろ。
ア「マサキ、何してんの。早くこんびにに行くわよ!」
マ「はいはい、ったくやれやれだ」
とにかくまだアリアのことは様子見だな。
そんなことを思いながら、俺は諦めたようにぐったりしているキンジとなぜかわくわくしている様子のアリアがいる玄関へと向かった。
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