遊戯王なカルデア 〜シャトー外伝〜   作:スラッシュ

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今回は活動報告で募集したデュエルです。なのでオリカは無しで、デュエルするのもジュウヤではありません。

募集自体は先着3名で、まだ1人分の枠がありますので参加したい方は活動報告をご覧になって下さい。



完全復活、パーフェクトアストルフォ様だぜい!【募集企画】

「会いたかったぞマスター!」

 

「うぉ、またネロか!?」

 

 俺は一度、俺を苦しめたいという良い趣味をお持ちのアヴェンジャー達を揃えてヤンデレ・シャトーを終わらせたが、ネロ・ブライドが自身のスキルでアヴェンジャーと化す事で俺を再び悪夢の世界に誘っている。

 

「今日は余の創った品の数々をマスターに披露してやろう! 以前作ったふぃぎゅあ、だけではなく黄金の像やチョコ、指人形やそふび(?) 等の古今東西あらゆる製法、材料で作ったネロミュージアム! 最初にして唯一の入場者となる幸運を噛みしめるがよ……い?」

 

 夢中で語っていた彼女だったが、振り返るとマスターは忽然と消えていた。

 

「……マスター……? マスター!?

 ……よ、余を置いていかないでくれ! 何処に消えたのだマスター!?

 うぅぅ……な、泣かんぞ! 余が必ず、そなたを見つけ出すからな!」

 

 

 

 ネロの部屋にいたら突然、嘴に捕らえられヤンデレ・シャトーの別の階へと引き摺り込まれてしまった。

 

「よーし、良く連れてきてくれたね。ありがとう、ヒポグリフ!」

 

 その犯人はライダークラスのサーヴァント、アストルフォだった。

 ピンク髪にスカートと、何処からどう見ても男の娘な彼は頭のネジが多分10本くらい足りておらず、理性がよく蒸発する。

 

「アストルフォ……!」

 

 背中……ではなく、尻に悪寒が走る。

 このサーヴァント、キャラクターとしては大好きなんだけどヤンデレ・シャトー時代、何度も何度も尻を狙われるという男として最悪な体験をさせられていた。

 

「マスター。僕は怒ってるよ! もうプンプンだ!

 なんで此処に戻って来たのに、僕に一回も挨拶に来ないの!?」

「えぇ……だって絶対俺の尻狙ってるだろ」

 

「そんな事! …………ないとは言い切れないけどさ!」

 

 正直だけど、股間を抑えながら言われるとゾッとするのでやめてくれ。

 

「兎に角、僕はもう怒った、怒りに怒った! だから、今から君を抱く!

 ……筈だったんだけど、忌々しい皇帝さんに僕はこの階層に閉じ込められた。何せ、僕のヒポグリフで階層を移動されるとあの人には捕まえる手段がないからね!」

 

 階層……確か、ヤンデレ・シャトーは階層によってサーヴァントにヤンデレ属性以外にも追加効果を与えたりするんだったけ。

 

「此処はヤンデレ・シャトーの地下。別名、地下決闘場!」

「決闘場!?」

 

「此処では、サーヴァントとマスターはデュエルを介してのみ、己の要求を通す事が出来る!」

 

 ちょっと待て、デュエルってまさか遊戯王か!? 俺それ以外のデュエルを知らないんだけど。

 

「つまり、僕が勝てば君の貞操を! 君が勝てば僕を自由にして良いって事さ!」

「いや、俺は無事に帰りたいだけなんだけど……」

 

「ならそれでいいさ! どうせ僕が勝つんだからね!」

 

 そう言って右手を掲げたアストルフォ。すると何処からともなく羽根が……違う、羽根型のデュエルディスクが彼の手にはめられた。

 

「さあ、マスターも自分の盾と剣を手に取って!」

 

「く……やるしかないか」

 

 漫画やアニメで見た闇のゲームを、まさか自分の尻を掛けてやる事になるなんて……だけど、俺だってデュエリストだ。

 こうなったら、俺のデッキを信じてやってやる!

 

「準備はいい!? 行くよ!」

「くっ、絶対勝つ!」

 

『デュエル!』

 

 

アストルフォのLP:8000

マスターのLP:8000

 

 

「先攻は俺だ!」

 

 こうなったら最強カードで一気にケリをつけてやる!

 

「マジックカード【レッドアイズ・インサイト】発動!

 デッキの【真紅眼(レッドアイズ・)の黒竜《ブラックドラゴン》】を墓地に送って、デッキから【真紅眼融合(レッドアイズ・フュージョン)】を手札に加え、そのまま発動だ!」

 

 デッキから2枚のカードが自動的に突き出された。【真紅眼の黒竜】と【ブラック・マジシャン】の2枚だ。

 

「“可能性の竜よ! 同じ色の力と勇気に翼をもたらせ!”

 融合召喚! レベル8、【超魔導竜騎士—ドラグーン・オブ・レッドアイズ】!」

 

【超魔導竜騎士—ドラグーン・オブ・レッドアイズ】(真紅眼の黒竜扱い)

☆8 ATK3000 融合・効果

 

 俺のフィールドに黒竜を鎧の様に纏った騎士が現れる。

 

「いきなりそいつ!?」

「更にマジックカード【黒炎弾】を発動! フィールドの【真紅眼の黒竜】1体を選択して、その攻撃力分のダメージを相手に与える! 【ドラグーン】は【真紅眼融合】の効果で【真紅眼の黒竜】として扱われている!」

 

「うぁっ!? あ、アチチチッ!?」

 

アストルフォのLP:8000→5000

 

「【真紅眼融合】の効果でこれ以上モンスターを召喚出来ない。

 カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 【ドラグーン】は効果の対象にならず、効果では破壊されないし、相手の効果の発動を一度だけ手札1枚と引き換えに一度だけ無効に出来る。

 勿論、手札はまだ2枚もある。

 

 

「いきなりかぁ……僕のターン、ドロー!」

 

 アストルフォは手札6枚。

 尻への恐怖に駆られて何も考えずに【ドラグーン】を立ててしまったが、一体どんなデッキを使ってくるんだ?

 

 もしかして、とんでもオリカデッキなんじゃ……?

 

「僕は魔法カード【成金ゴブリン】を発動するよ! マスターのライフを1000ポイント回復させて、カード1枚ドローする!」

 

 あ、これはまさか……?

 

「無効にしないなら、僕はもう1枚同じカードを発動するよ!」

 

マスターのLP:8000→10000

 

「そして、更に魔法カード【閃刀術式—ベクタードブラスト】を発動!」

 

 不味い、ルールが変わったのに前の新マスタールールの癖が抜けずにエクストラモンスターゾーンに召喚してしまった……!

 

 【ベクタードブラスト】は互いのデッキトップのカードを2枚墓地に送るカードだが、もし墓地に魔法カードが3枚以上あれば追加効果で互いのエクストラモンスターゾーンのモンスターをデッキに戻す効果がある!

 今のアストルフォの墓地には2枚の魔法があり、先に2枚デッキのカードを墓地に送るから発動条件が満たされる可能性は高い!

 

「っく、手札を捨てて【ドラグーン】の効果発動! その発動を無効にして攻撃力を1000ポイントアップ!」

「あーあ、これで【ドラグーン】を処理できたら楽だったんだけどなぁ」

 

【超魔導竜騎士—ドラグーン・オブ・レッドアイズ】ATK3000→4000

 

 これは不味い。

 俺は慌てて、伏せていたカードを発動させた。

 

「永続トラップ発動、【真紅眼(リターン・オブ)鎧旋(・レッドアイズ)】! そのまま第一の効果、フィールドに【レッドアイズ】モンスターが存在するので墓地の通常モンスターである【真紅眼】を特殊召喚!」

 

【真紅眼の黒竜】

☆7 DEF2000 通常

 

「……ふぅーん」

 

 アストルフォはそれを見てニヤリと笑った。

 

「何がおかしい?」

「ふっふっふ! 焦っているマスターを見てるのが嬉しくてね」

 

「焦ってる? 俺が?」

「だって、頼みの綱の【竜騎士】がやられちゃうと思って【鎧旋】を今発動させたんでしょ? しかも、そのカードって墓地の通常モンスターを召喚できる効果なのにステータスが高い【ブラック・マジシャン】を召喚しなくてよかったの?」

 

 ……確かに。

 これはプレイングミスだ……!

 

「えへへ、大丈夫だよ。僕が勝って君を気持ちよーくしてあげるからね!

 魔法カード【閃刀起動—エンゲージ】を発動! デッキから【閃刀機—ホーネットビット】を手札に加えて、更に墓地に3枚以上魔法カードがあるから追加でカードを1枚ドロー!」

 

 ここにきて展開札を引き込まれたのは不味い!

 

「更に今加えた【ホーネットビット】を発動!」

「唯ではさせない! 【増殖するG】の効果! このターン、相手の特殊召喚の度にカードを1枚ドローする!」

 

「ま、それくらいは良いかな。【閃刀姫トークン】を攻守1500で特殊召喚!」

 

【閃刀姫トークン】

☆1 DEF1500 通常

 

「さあ行くよ! “現れろ、乙女の道を照らす未来回路! 召喚条件は【閃刀姫】モンスター1体! 【閃刀姫トークン】をリンクマーカーにセット!”

 リンク召喚! 【閃刀姫—カガリ】!」

 

【閃刀姫—カガリ】

Link-1 ATK1500 リンク・効果

 

 現れたのは真っ赤なドレスの様なフォルムを持つ機械的な装備に身を包んだ金の髪の少女。背後に取り付けられた羽根の様な機関が炎を放っている。

 

「攻撃力は墓地の魔法カード1枚につき100ポイントアップ!

 更に特殊召喚に成功した場合、墓地の【エンゲージ】を手札に加えるけどその前に! 手札の【閃刀姫—ロゼ】の効果発動! この子を手札から特殊召喚するよ!」

 

【閃刀姫—ロゼ】

☆4 ATK1500 効果

 

 銀色の髪と赤い瞳。黒い軍服に身を包んだ少女が静かにこちらを見据えている。

 

【閃刀姫—カガリ】ATK1500→1900

 

 俺の手札はここまでの特殊召喚で3枚も増えたが、アストルフォも手札を回復しつつ展開している。

 

「更に2体のモンスターでリンク召喚! こい、【閃刀姫—ジーク】!」

 

【閃刀姫—ジーク】

Link—2 ATK1500 リンク・効果

 

 先の【カガリ】とは打って変わって邪悪さを醸し出す黒と赤の機械装甲。フルフェイスなので誰が乗っているのかは分からない。

 

「1枚ドロー!」

「これでメインモンスターゾーンにモンスターがいないので【エンゲージ】を発動! 【閃刀術式—アフターバーナー】を手札に加えて1枚ドロー!」

 

 あれは、フィールドのモンスターと魔法&罠を破壊するカード。

 

「フィールド魔法【閃刀空域—エリアゼロ】を発動! 【ジーク】を対象にとって、デッキから3枚めくって【閃刀】があれば1枚手札に加える!

 【閃刀機—ウィンド・アンカー】を手札に! そして【ジーク】を墓地に送るよ!」

 

 【ジーク】を墓地に送った。狙いは――

 

「【ロゼ】の効果発動! エクストラモンスターゾーンのモンスターが僕の効果で墓地に送られたから、特殊召喚して、更に相手のモンスターの効果を対象をとらずに無効にする! これで【ドラグーン】は丸裸さ!」

「だが1枚ドローだ!」

 

「無駄無駄。マスターのデッキに【G】以外の手札誘発は入ってないよね? それにレッドアイズデッキなら、幾らドローしてもむしろデッキの【真紅眼の黒竜】が無くなって動き辛くなるでしょ?」

 

 っく、確かに……ピン刺しの融合素材とか、死に札になりうるカードも抱えるリスクがある。

 

「【ロゼ】1体でリンク召喚! 【閃刀姫—シズク】をリンク召喚!」

「1枚ドロー!」

 

【閃刀姫—シズク】

Link—1 ATK1500 リンク・効果

 

 【カガリ】と同じ少女が、青色のアーム部分が巨大な鎧に身を包んで現れた。その後ろには盾の様なオプションパーツが浮遊している。

 

「効果で相手モンスターの攻守が墓地の魔法カード数だけ100ポイントダウン!」

 

【超魔導竜騎士—ドラグーン・オブ・レッドアイズ】ATK3000→2500

【真紅眼の黒竜】DEF2000→1500

 

「メインモンスターゾーンが空いてるから【閃刀術式—アフターバーナー】を発動! フィールドの【ドラグーン】を対象に破壊! 追加効果は無しで! 【鎧旋】を破壊しちゃうと、【ドラグーン】が蘇っちゃうからね!」

「っく!」

 

 突然現れた炎の大翼が、黒竜の加護を失った【ドラグーン】を貫いた。

 

【真紅眼の黒竜】DEF1500→1400

 

 更に今の魔法カードが墓地に送られて、遂に【真紅眼】の守備力が【シズク】の攻撃力を下回った。

 

「バトルだ! 【真紅眼】を攻撃だ!」

「うっぐ!?」

 

 守備表示の【真紅眼】が破壊されてもダメージは無いが、初めて感じるバトルの衝撃に、俺の体は吹き飛ばされる。

 

「……このっ」

「どう? サレンダーする?」

 

 …………いや……これは……

 

「……楽しいな」

「へ?」

 

 やはり、先までの俺はちょっとどうにかしていたらしい。

 デュエリストなら誰もが憧れるソリッドヴィジョンでのデュエルを、貞操の危機に駆り立てられて見えなくなっていた。

 

 そのせいで、肝心のデュエルにも集中できていないんだから、デュエリストとして二流の誹りを免れないだろう。

 

「こんだけ手札があるのに、サレンダーする訳ないだろ! 寝ぼけた事言うなよ、アストルフォ!」

「……うわー、ちょっとエンジン点いちゃったかな?

 まあ、でもマスターが楽しそうだから、いっか!

 カードを2枚伏せて、エンドフェイズに【シズク】の効果を発動! 墓地に同じ名前のカードが存在しない【閃刀】魔法カードを手札に加える! 加えるのは【閃刀術式—シザーズクロス】! これでターンエンド!」

 

 あれだけ動いて、未だにアストルフォの手札は6枚。

 しかも伏せたカードは先【エリアゼロ】で手札に加えた、こちらの効果モンスターの効果を無効にしてコントロールを奪う【閃刀機—ウィンド・アンカー】なのはほぼ間違いないだろう。

 

 もっとも、俺の手札にはそれを打開するカードが6枚もある。

 

 さあ、行くぞ俺のデッキ。反撃開始だ。

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 彼女の伏せカードのもう1枚が何かわからない。

 だが、【鎧旋】と同じ縦列に置いたので、もしかしたらアレかもしれない。

 

「【真紅眼(レッドアイズ・)鉄騎士(メタルナイト)—ギア・フリード】を召喚!」

 

【真紅眼の鉄騎士—ギア・フリード】

☆4 ATK1800→1200 効果

 

「更に手札の【黒鋼竜(ブラックメタルドラゴン)】の効果発動! 【ギア・フリード】に攻撃力が600ポイントアップする装備カードとして装備する!」

 

 更に【ギア・フリード】の効果で装備カードを破壊すれば魔法&罠を1枚破壊出来る!」

 

「やらせないよ! 装備効果にチェーンして罠発動、【無限泡影】! これで【ギア・フリード】と、このカードと同じ縦列の【鎧旋】の効果を無効にするよ!」

 

「なら無効になる前にチェーン発動だ! 【鎧旋】の効果で甦れ、【真紅眼の黒竜】!」

 

【真紅眼の黒竜】

☆7 ATK2400→1800 通常

 

【真紅眼の鉄騎士—ギア・フリード】ATK1200→1800

 

 俺の呼び声に答える様に、短い吼えた【真紅眼】は俺にチラリと視線を向けた。

 

「……うぉぉぉ! レッドアイズ! やっぱりお前はかっけぇーよ!」

「おーい、マスター?」

 

「本当に、先までの俺はどうかしてた! やっぱり、お前は最高のドラゴンだ!」

「マスター……僕の事、ろくに褒めた事も無いのに……」

 

 ひとしきりその雄姿を拝み倒した所でデュエルに意識を戻した。

 

「マジック発動、【融合徴兵】! EXデッキの融合モンスターを公開して、そいつに指定されているモンスターをデッキから手札に加える! 但し、このターンの間、そのモンスターを召喚、特殊召喚できずモンスター効果も使用できない!

 俺は融合モンスター【ブラックデーモンズドラゴン】を見せて、デッキの【デーモンの召喚】を手札に加える!

 そしてマジックカード【融合】!」

 

「【悪魔龍】を呼ぶつもり?」

「チッチッチ! 外れだ! フィールドの【真紅眼】と手札の【デーモンの召喚】で融合!

 “可能性の竜よ、悪魔の骨を身に纏い、迷いの宮さえ超えて行け!”

 融合召喚! レベル9、【ブラックデーモンズドラゴン】!」

 

【ブラックデーモンズドラゴン】

☆9 ATK3200→2600 融合

 

 今度はメインモンスターゾーンに、一応セットカードを避けて召喚した。

 

「え? なんで? 【悪魔龍】なら墓地の【真紅眼】をデッキに戻せるのに?」

「【ブラックデーモンズドラゴン】は効果を持たない融合モンスターだ! よって、効果モンスターを対象にする【ウィンド・アンカー】の効果を受けない!」

 

「あ、そうだった!」

 

「バトルだ! 【ブラックデーモンズドラゴン】で、【シズク】を攻撃!」

「っあだ!?」

 

 アストルフォのLP:5000→3900

 

「これで【シズク】が消えて攻撃力は元に戻る!」

 

【ブラックデーモンズドラゴン】ATK2600→3200

【真紅眼の鉄騎士—ギア・フリード】ATK1800→2400

 

「だ、だけどこの瞬間墓地の【閃刀姫—ロゼ】の効果! エクストラモンスターゾーンの【閃刀姫】が破壊されたから特殊召喚!」

 

【閃刀姫—ロゼ】

☆4 DEF1500 効果

 

「【ギア・フリード】で攻撃!」

「っく!」

 

 メインフェイズ2に入って俺は1枚を手札に残して、2枚のカードを伏せた。

 

「ターンエンドだ」

 

 

「覚悟しろマスター! 僕のターン、ドロー!」

 

 アストルフォの手札は7枚。厳しいターンになりそうだ。

 

「スタンバイフェイズ、トラップ発動【鎖付き真紅眼牙(レッドアイズ・ファング)】! こいつを【ギア・フリード】に装備する!」

 

 【牙】には相手の効果モンスターを装備カードに変える効果がある。

 

「【ギア・フリード】を奪っても【牙】の効果でこっちのモンスターを除去するつもりだね! なら永続魔法【閃刀機関—マルチロール】を発動!

 このカードはエンドフェイズに、このカードが表側表示の間に発動した【閃刀】魔法カードを任意の枚数セット出来る!」

 

 あのカードが発動したと言う事は……速攻魔法を大量に消費するつもりか。

 

「魔法発動【閃刀術式—アフターバーナー】! これで【ブラックデーモンズドラゴン】と【牙】を破壊するよ!」

 

 いきなりこっちの妨害札を破壊して来たか!

 

「これで伏せていた速攻魔法カード【閃刀機—ウィンド・アンカー】を発動! 【ギア・フリ―ド】の効果を無効にして頂いていくよ!」

「なら【真紅眼】がいる内にチェーンして【鎧旋】の効果を発動! 対象は墓地の【ブラック・マジシャ――】」

「――速攻魔法、【閃刀機—シャークキャノン】! 対象になっている【ブラック・マジシャン】を対象に、追加効果で僕のフィールドに攻撃不能の状態で特殊召喚!」

 

【ブラック・マジシャン】

☆7 DEF2100 通常

 

 2体もモンスターを奪われた。

 いや、この流れはもしかしてリンク4か!?

 

「手札から【閃刀姫—レイ】を召喚! 更に【閃刀姫】が召喚された時、手札から【閃刀姫—ロゼ】を特殊召喚!」

 

【閃刀姫—レイ】

☆4 ATK1500 効果

 

【閃刀姫—ロゼ】

☆4 ATK1500 効果

 

 現れた金髪青眼の美少女は、既に召喚されていた【カガリ】や【シズク】の鎧を纏っていた彼女だ。

 

「魔法カード【閃刀術式—シザーズクロス】! 墓地の【ロゼ】を1枚手札に加えておいて、バトル!」

 

 敵意の視線を向け合う少女達だが、一度頷いてから刀と共にこちらへと駆け出す。

 

「【レイ】と【ロゼ】でダイレクトアタック!」

 

「ガァッ!?」

 

マスターのLP:10000→8500→7000

 

 初ダメージ。ライフもまだ半分以上ある。

 だが、思ったよりもはっきりとした痛みと、衝撃が俺の心を貫いていく。

 

「……大丈夫、マスター? まあ、一種の闇のゲームだからね。

 めちゃくちゃ痛かったかな?」

 

「っく……なんの!」

 

 と強がっておいたが、吹き飛ばされてはいない筈なのに膝を折ってしまう衝撃だった。

 

「続けて【ギア・フリード】でダイレクトアタック!」

 

 仲間だった筈の鋼の騎士の一閃が、俺のライフを削り取る。

 

マスターのLP:7000→4600

 

「っぐぉ!?」

 

「メインフェイズ2! 【ブラック・マジシャン】と【閃刀姫—ロゼ】でリンク召喚! 【閃刀姫—ジーク】!

 “更に現れろ! 乙女の道を照らす未来回路! 召喚条件は効果モンスター3体以上! 【ギア・フリード】、【レイ】、リンク2の【ジーク】を2体分としてリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン!”

 リンク召喚! 【ヴァレルロード・ドラゴン】!」

 

【ヴァレルロード・ドラゴン】

Link-4 ATK3000 リンク・効果

 

 鋼の体に無数の光のラインを発光させて現れた赤い銃身の様なドラゴン。

 こいつはヤバい。

 

「だけど、【ギア・フリード】に装備させられていた【黒鋼竜】が墓地に送られたので効果発動! 【レッドアイズ】カードである【レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン】を手札に加える!」

 

「さあ、お楽しみのエンドフェイズ!

 【マルチロール】の効果発動! このターン発動した【閃刀】魔法カードである、【ウィンド・アンカー】【シャークキャノン】【アフターバーナー】【シザーズクロス】をセットして、ターン終了だよ!」

 

 アストルフォの手札は残り2枚。

 だけど場には俺の効果モンスターを奪う【ウィンド・アンカー】と墓地からモンスターを奪う【シャークキャノン】が準備されている。

 

 俺の手札2枚。場には伏せカードと【鎧旋】だけ……

 

 

「――それでも、戦うのがデュエリストだ! 俺のターン、ドロー!」

 

 俺は最後のドローに望みをかける。

 

「来てくれたか!」

「甘いよ、マスター! スタンバイフェイズに速攻魔法【閃刀機—シャークキャノン】! これで君の墓地の【超魔導竜騎士—ドラグーン・オブ・レッドアイズ】を頂きます!」

 

【超魔導竜騎士—ドラグーン・オブ・レッドアイズ】

☆8 ATK3000 融合・効果

 

 融合召喚されていない【ドラグーン】だが、耐性と無効効果は未だに健在だ。

 

「なら、魔法カード【死者蘇生】を発動! 墓地の【ブラックデーモンズドラゴン】を――」

「手札のカード1枚を墓地に捨てて【ドラグーン】の効果発動! 【死者蘇生】は無効だぁ!」

 

【超魔導竜騎士—ドラグーン・オブ・レッドアイズ】ATK3000→4000

 

 即座に無効にされてしまった。

 

「なら……これしかないよな」

 

 俺は先ほど手札に加えた【レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン】を、墓地に送った。

 

「手札の【レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン】をリリース! 来い、【真紅眼(レッドアイズ・)亜黒竜(オルタナティブ・ブラックドラゴン)】!」

 

 

【真紅眼の亜黒竜】

☆7 ATK2400 効果

 

 赤い影を身に纏って現れたのは可能性の竜とは異なる力を持った【亜黒竜】だ。

 

「その竜は……!」

「バトルフェイズ! 【亜黒竜】で【ヴァレルロード・ドラゴン】を攻撃!」

 

 俺の指示を信じて【亜黒竜】は敵へと攻撃を放つが、攻撃力は【ヴァレルロード】の方が上だ。

 その弾丸で撃ち抜かれて、黒の外殻は壊される。

 

マスターのLP:4600→4000

 

 だが、壊された外殻から炎が噴き出し、漆黒の姿で再誕する。

 

「【亜黒竜】が破壊された時、墓地から【レッドアイズ】を特殊召喚できる!

 この時、特殊召喚したのが【真紅眼の黒竜】なら攻撃力は倍になる!」

「うぎゅ!?」

 

【真紅眼の黒竜】

☆7 ATK2400→4800 通常

 

 どうやら、アストルフォはパニックになってしまった様だ。

 

「バトル続行! いけ【真紅眼の黒竜】! 【ドラグーン】を打ち砕け!」

「えぇ、えーと! ……そうだ! 【ヴァレルロード】の効果発動! 

 【黒竜】の攻撃力を500ポイント下げる!」

 

【真紅眼の黒竜】ATK4800→4300

 

「無駄だ、“ダーク・メガ・フレア”!」

 

アストルフォのLP:3900→3600

 

「でも、これでマスターはもう攻撃出来ないし、仮に伏せカードが【黒炎弾】でも発動出来ないから僕の勝ち!?」

「じゃあ、伏せカードが【レッドアイズ・スピリッツ】ならどうだ?」

 

【真紅眼の亜黒竜】

☆7 ATK2400 効果

 

「え? ま、まさか……!?」

「【亜黒竜】の効果に1ターンに1度の制限はない! もう一度行け、【亜黒竜】!」

 

マスターのLP:4000→3600

 

「すまん……! だが、これでもう1体の【真紅眼の黒竜】が復活する!」

 

【真紅眼の黒竜】

☆7 ATK2400→4800 通常

 

「あ、あわわわっ!」

「いけ、【真紅眼】! 【ヴァレルロード】を焼き尽くせ!

“ダーク・メガ・フレア、ダイニダァ”!!」

 

アストルフォのLP:3600→1800

 

「あだだだ……あれ? でも僕のライフ残ってるじゃん! やった、次のターンで僕の――」

「何勘違いしてるんだ?」

「ひょ?」

「まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!

 フィールドに【レッドアイズ】が存在する時、永続罠【真紅眼の鎧旋】の効果発動! 墓地から甦れ、3体目の【真紅眼の黒竜】!」

 

【真紅眼の黒竜】

☆7 ATK2400 通常

 

「っな!? 3体目なんていつの間に!?」

「俺がテンパってた2ターン目、【ドラグーン】の手札コストとして墓地に送ったんだ。まあ、かっこよく決められるだから結果オーライだな!」

 

「そんな、嘘だぁぁぁ……僕はマスターと……!」

「“ダーク・メガ・フレア、ダイサンダァ”!!」

 

 

 

「危ねぇ……ギリギリだったぁ」

 

 もし最後のモンスターが【ヴァレルロード】じゃなくて戦闘破壊出来ない【ヴァレルソード】や、【閃刀機—イーグルブースター】を伏せられていたら俺の負けだった。

 

「うぁあぁぁぁぁぁ! 悔しいぃぃぃ! もう少しでマスターの体も心も僕の物だったのにぃぃぃ!」

 

 しかも、あのデッキを理性蒸発のアストルフォが回していたんだから驚きだ。

 

 床に転がりながら元気に泣いているし。

 

「うぅ……やっぱり僕は駄目な弱いサーヴァントなんだ……」

「……」

 

 流石に、あそこまで泣かれていると気が引ける。

 

「なぁ、アストルフォ」

「……何?」

 

「また、デュエルをしよう」

 

 俺はそう言ってピンクの髪を撫でた。

 

「マスターは、まだ僕の事が好き?」

「ああ」

 

「……えへへ、だよねー! 知ってたよ!」

 

 急に元気に飛び跳ね始めた。

 

「よーし! 次はもっと強くて簡単なデッキ借りてこよーっと!」

「借りる? 誰に?」

 

「ブラちゃんからだよ! あ、でもマスターは会っちゃダメだよ!」

 

 はいはいと、俺は頷いておく事にした。

 

 

 

「なるほど……あのピンク美少年の仕業か。

 大事には至っていない様だし、今日は穏便に済ましてやるとするが……なるほど、デュエルか……」

 

 白い花嫁姿の皇帝はニヤリと笑った。

 

「実に面白い! 愛の駆け引きという奴だな! こうなったら、余もマスターに相応しき相手になるように準備をしなくてはな!」

 

 そう言って彼女は自分の懐から聖杯を取り出した。

 

「さあ、余の望みを叶えよ! 願望器!」

 

 その後、彼がネロ・クラウディウスの引き起こす大事件に巻き込まれる事になるのはまた別の話。

 

 




企画にアレが駄目とかこれが駄目とか決めてませんし、全く問題ないんですけど……
【魔性の月】でアストルフォをアホの子にしたり、【ムーン・スクレイパー】でそれを解除したりとかを予想していたら、そんな物一切なしの真剣勝負でしたね。
自分、エンジョイ勢なので今回出てきた殆どのカードに触った事がなく、全部確認しながら震えてました。【シャークキャノン】と【ウィンド・アンカー】強過ぎ怖い。


作者が使った事ないデッキ同士なので、ルールミスが見つかったら教えて下さい。

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