今回はヤンデレ・シャトーではお馴染みの玲のデュエル。
弟に付き合ってあげる優しいお兄ちゃんは、邪悪な師匠の野望を打ち砕けるか?
「あー、ぺ太郎」
「ん? なに?」
放課後、同じゲーム研究部の1人に声を掛けた。他の連中は知識が狭く深いが、こいつは最近実況者になったらしく、結構幅広いゲームをやっている。
因みにぺ太郎はあだ名だ。オンラインゲームのアバターとかSNSのアイコンにペンギンを使っているので、クラスメイトや研究会の奴らにそう呼ばれ、本人も気に入っているので俺もそう呼んでる。
「最近、弟の奴がカードゲームに嵌ってな。相手をしろって母さんがうるせぇんだけど、お前、俺にルールとか教えてくれねぇか?」
「いいけど……何のゲーム? デュエマ?」
「いや、遊戯王」
それを聞いてぺ太郎は嫌そうな顔をして額を抑えた。
「うわぁ……また面倒な」
「そうなのか?」
「ちょっと色々複雑だけど……玲ならなんとかなりそうだね」
「おう、頼むわ」
「でもデッキは?」
「貰いもんだけど、これで良いか?」
俺が持ってきたカードケースを渡すとぺタロウは驚いた様子で中を確認した。
「すごい。これ、一昔前だったら結構高いデッキだ」
「ん? そうなのか?」
「しっかりスリーブまで……エクストラデッキは無いけど、面白いなこのデッキ。誰から貰ったの?」
「カードショップのおっさん。一昨日、強盗に襲われているのを偶々助けてやったら、お礼がしたいって言われて、遊戯王のデッキをくれって言ったらこれをくれた」
「やっぱり、君は存在自体がチートだよ」
「かもな」
俺がそう返すと呆れた様子のぺ太郎はごそごそと自分の鞄を弄ってケースを取り出した。あれ、もしかしてこいつ……
「……お前、いつもそれ持ち歩いてんの?」
「まあね」
デュエリストだからね、とかドヤ顔で言われてイラっとした。
「あ……取り敢えず、この2枚はあげるよ」
「良いのか?」
「お礼だよ。いつも僕の動画に高評価してくれてるだろ? そのお礼」
なんか良く分からん黒いカード、【
因みに、研究会の奴らをそれを見て何かひそひそと話していた。
多分、他のゲームでボコボコにされていた鬱憤を晴らそうとか、そんな下らない事だと思うので、一応このデッキの弱点や対策をぺ太郎に聞いておいた。
その後家に帰ってから、真からも融合モンスターとやらのカードを貰った。
「でもこの召喚条件じゃ出せなくねぇか?」
「んー、でも余ってるし取り敢えず入れてみたら?」
明日2人でカードを買いに行く約束をしつつ、初心者同士で戸惑いながらデュエルをした。
「義兄上殿、私と勝負をしてみないか?」
明日は週末、うるさい母さんも仕事でいなかったので真とデュエルをしてそのまま一緒に寝たら、あの金髪青コートのライネスが夢の中で挑発してきたので、取り敢えずアイアンクローで持ち上げてやる。
「あたたたっ!? ちょ、ちょっと待て!」
「あ、ライネス師匠!」
真がやってきたので、放してやる。
「いっ……ふ、ふふ……今回ばかりは力に屈しない! 私は司馬懿殿とトリムマウのおかげでこの塔の特性を理解したのだからな!」
「特性?」
情けなさそうに頭を撫でながら歩いて、俺と距離をとったな。
「この場所は決闘場! デュエル……君達風に言うなら遊戯王での勝負をする場所だ」
「デュエル!」
真は嬉しそうだが俺はちっとも喜べない。
つまり、ガチンコ勝負じゃなくてゲームで決着を着けようって事か。
「という訳で、私は義兄上殿とデュエルをして、私が勝てば真とデートさせて頂こう」
「なんだと?」
俺は振り返って真を見る。
あいつ、結構遠くまで行ってるな。もしかして今の聞いてなかったか?
「……ん? 兄ちゃんとデュエル? 俺……僕は?」
「……安心したまえ、マスター……」
おい、何ちょっとニヤニヤしてやがる。俺の弟がてめぇに気を使って一人称を変えたのがそんなに嬉しいか?
「君の対戦相手は兄上のサーヴァントだ」
「弟君に勝てれば部長を好き放題できると聞いて」
この青コート、Xオルタまで用意してやがったか。
「所で部長」
「ん? なんだ?」
「あんぱん下さい」
なんでこいつ俺が此処にあんぱん持って来てると思ったんだ……あるし。
「では、これはお礼です。好きに使ってください」
「ん? おい、なんだこの弱そうな――おい、勝手にデッキに入ったんだが?」
「では、私達はあちらで観戦しましょう」
「うん! 兄ちゃん、頑張ってねぇ!」
意味不明なカードをデッキに入れられたまま、Xオルタは真と一緒に観客席に向かった。
「むっ……ごほん、ごほん! 弟子よ、君の師匠は誰か、忘れてしまったのか?」
「あ……! ら、ライネス師匠も、頑張れー!」
うちの弟に変な気を使わせるな。
「では――」
光を放って、霊基を変えた。
「――始めようか!」
青コートから、白と水色の袖口がスカートみたいにデカい中華衣装に変化した。
「やってやるよ、ライネス!」
「司馬懿殿に願掛けしてでも、勝つ!」
『デュエル!』
ライネスのLP:8000
レイのLP:8000
「私の先攻、最初は【魔界発現世行きデスガイド】を召喚する」
【魔界発現世行きデスガイド】
☆3 ATK1000 効果
「このカードの召喚に成功した時、デッキからレベル3の悪魔族モンスター【クリッター】を特殊召喚する。この【クリッター】は効果が無効になり、シンクロ召喚の素材にも出来ない」
【クリッター】
☆3 ATK1000 効果
なんか早速湧いてきやがったな。レベルが同じだから、エクシーズとやらか?
「ライネス師匠のデッキは悪魔族?」
「いえ、確かフィールドにいるモンスターは悪魔族ですが、これだけでは何かは分かりません」
「いかせてもらおう。“現れろ、勝利を誘う未来回路。召喚条件は通常召喚された攻撃力1000以下のモンスター1体。【デスガイド】をリンクマーカーにセット”
リンク召喚、リンク1【
【転生炎獣アルミラージ】
Link-1 ATK0 リンク・効果
「続けて、“召喚条件は名前の異なるモンスター2体。【アルミラージ】と【クリッター】をリンクマーカーにセット”。
リンク召喚、リンク2【クロシープ】」
【クロシープ】
Link-2 ATK700 リンク・効果
黒い羊が椅子に座って呑気に編み物してやがるぞ。
「リンクモンスターについての講義は必要かね?」
「いらん。続けろ」
位置が重要とか、リンクマーカーとやらがないと2体以上召喚出来ない事位なら知っている。
「では……【クリッター】の効果でデッキから攻撃力1500以下の【灰琉うらら】を手札に加える」
「っげ、手札誘発……」
「そして、此処からこのデッキの真価をお見せしよう。
フィールドにエクストラデッキから召喚されたモンスターがいる時、手札の【
【教導の聖女エレクシア】
☆4 DEF1500 効果
なんかジャンヌ・ダルクっぽい金髪に白衣装の女が現れた。手に持ってる得物は随分ごついハンマーみたいだが。
「【ドラグマ】デッキ!」
「意外ですね。ライネスさんならもっと嫌らしいデッキで来るかと……」
「先攻で完全に制圧するよりも、僅かな希望を摘まれた時の絶望感が良いじゃないか」
「嫌らしいのは性根の方だな」
「では続けよう。【エレクシア】の効果発動。デッキより【ドラグマ】の名を持つ罠カード【ドラクマ・エンカウンター】を手札に加える。この効果を使用したターンはこれ以降、エクストラデッキからの特殊召喚が封じられる」
つまり、エクストラデッキを多用するデッキじゃねえって事か?
「更にマジックカード【天底の使徒】を発動する。
まず代償としてエクストラデッキのモンスター【灰燼竜バスタード】を墓地に送り、その後デッキから【アルバスの――」
……ん? なんだ、動きが止まった?
(司馬懿殿、なぜ腕を……ん? エクストラデッキを見ろ? ……3枚?)
「――なるほど、私は【
「何故部長のエクストラデッキは3枚だけなんですか?」
「えーっと、貰ったデッキにエクストラデッキが無かったみたいだから学校の友達と僕のカードを入れたんだって」
「なるほど」
(3枚……つまりこの機を逃せば互いのエクストラデッキのカードを2枚墓地に送れる【マクシムス】の効果を使えるタイミングが無くなってしまう訳だ)
「墓地に存在するリンクモンスター、【転生炎獣アルミラージ】を除外して手札の【マクシムス】を特殊召喚する」
【教導の大神衹官】
☆8 DEF3000 効果
「【マクシムス】の効果発動。互いのプレイヤーは自身のエクストラデッキから2枚のカードを墓地に送る。まずは私はシンクロモンスターの【ウィンドペガサス@イグニスター】と【
「俺は……」
選択肢は少ない。ここは【銀河眼の光波竜】を残しておきたいんだが……真から貰ったカードだし、あいつの前だから残しとこう。
「【光波竜】と【光波刃竜】を墓地に送る」
「私は2枚のカードを伏せて、エンドフェイズに移行しよう。
墓地に送られていた【灰燼竜バスタード】の効果を発動、デッキから【アルバスの落胤】を手札に加える」
随分長いターンだったな。手札は3枚。その内の1枚は【灰琉うらら】か。
「俺のターン、ドロー!」
ぺ太郎のアドバイスだと、確か何をするにも先に伏せカードは破壊するか使わせろだったな。
「これとか丁度いいな。速攻魔法【ツインツイスター】、手札を墓地に送って伏せカードを破壊する!」
「何!?」
そして破壊されたカードは……先手札に加えてた【エンカウンター】と【ドラグマ・パニッシュメント】か。
(いきなりこちらの妨害札を潰されたか。義兄上殿はどうやら運もサーヴァント級らしいな……って、司馬懿殿、関心してる場合ではないのでは?)
「そして、今捨てた【
此処で【灰琉うらら】は使ってこない。って事は、もう1つの方を警戒してやがるな?
「そして、手札の【青眼の白龍】を相手に見せる事でこいつは手札から特殊召喚できる! 来やがれ、【
【青眼の亜白龍】
☆8 ATK3000 効果
「こいつは、攻撃の代わりに相手モンスターを破壊できる! 【マクシムス】を破壊する!」
これで一番ウザい壁はいなくなったか。
「なら手札から魔法カード【ドラゴン・目覚めの旋律】を発動! 手札1枚を墓地に送って――」
「【灰琉うらら】の効果でそのカード効果は無効だ」
っち、やっぱり2枚のカードを手札に加える【旋律】は許さないか。
「ならこれならどうだ? 魔法カード【モンスターゲート】を発動! フィールドの【亜白龍】をリリースして、デッキの上から通常召喚可能なモンスターが出るまでカードを墓地に送る!
1枚目【復活の福音】、2枚目罠カード、3枚目儀式モンスター【
【青眼の白龍】
☆8 ATK3000 通常
「【亜白龍】を攻撃可能な【青眼】に変更したか」
「まだだ。2枚目に墓地に送られていた罠カード【強靭! 無敵! 最強!】の効果で、【ブルーアイズ】の召喚と同時フィールドにセット出来る!
バトルフェイズ! 【青眼】で【クロシープ】を攻撃!
“滅びの
編み物をしている所悪いが、【青眼】の一撃で消し飛んだ。
ライネスのLP:8000→5700
「っく……! まずまずと言った所か。だが、私の対抗策もまだある。
墓地の【ウィンドペガサス@イグニスター】を除外して効果発動。私のモンスターが破壊された時、フィールドのモンスターを1体デッキに戻す。【青眼】にはご退場願おう」
っく、こっちの場をがら空きにしやがったか。
「だが、エンドフェイズに先の手札コストで墓地に送っておいた【
デッキから【ブルーアイズ】モンスターである【
【深淵の青眼龍】
☆8 ATK2500 効果
「デッキか儀式魔法【カオス・フォーム】を手札に加えて、更にエンドフェイズに発動する効果によりレベル8以上のドラゴン族、【ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン】を手札に加える!」
これで俺の準備は万全だ。今加えておいた【ディープアイズ】はフィールドのドラゴン族が破壊された時に特殊召喚できる効果を持っている。
「私のターン、ドロー」
「ライネス師匠の手札は4枚。その内の1枚は相手モンスターと融合する【アルバスの落胤】」
「ですが、部長が伏せた【強靭! 以下略】はフィールドの【ブルーアイズ】モンスター1体に効果を受けず、戦闘で破壊されず、戦闘した相手モンスターを破壊する効果を付与します」
「ならばこのターンでそれらを使わせるまでだ。【アルバスの落胤】を召喚し、手札1枚を墓地に送って効果を発動する」
【アルバスの落胤】
☆4 ATK1800 効果
「当然、【強靭! 無敵! 最強!】を発動させて、その効果で【深淵の青眼龍】はこのターン、一切カード効果を受けず破壊されなくなる! 【強靭!】はその後除外される」
「ならば私は“フィールドの【エレクシア】と【落胤】をオーバーレイ、2体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!”
エクシーズ召喚、ランク4【
【No.101 S・H・Ark Knight】
★4 ATK2100 エクシーズ・効果
「そいつでどうするつもりだ?」
「【アークナイト】のオーバーレイユニットを2つ取り除き、効果を発動し、【深淵の青眼龍】を対象に選択するが効果は受けない」
何? なんで態々効果を……?
「エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターがいる時、手札から2枚目の【エクレシア】を特殊召喚し、効果発動。デッキから【
【教導の聖女エレクシア】
☆4 ATK1500 効果
【フルルドリス】は、どうやら手札からモンスター効果を無効にするモンスターらしい。
「そして【天底の使徒】を発動し、2体目の【バスタード】を墓地に送ってデッキから【ドラグマ・エンカウンター】を手札に加えて、セット」
手札は1枚だけなので隠しもしないか。
「そして、【バスタード】の効果でデッキから【
まずい。ダメージゼロで乗り切ったが、あっちの妨害が手厚い。
「俺のターン、ドロー!」
「兄ちゃん……」
「このターンが勝負ですね。アドバンテージは【ドラグマ】の方が上手です」
「さあ、どうする義兄上殿。どうやって突破する?」
「こうしてやるさ。墓地の【太古の白石】の効果発動! 除外して、墓地の【亜白龍】を回収し、【青眼】を見せて手札から特殊召喚!」
【青眼の亜白龍】
☆8 ATK3000 効果
「またか。だが効果は使わせない。伏せていた【ドラグマ・エンカウンター】を発動し、墓地の【アルバスの落胤】を特殊召喚する」
【アルバスの落胤】
☆4 ATK1800 効果
この為に態々【アークナイト】の効果を使用して【アルバスの落胤】を墓地に送っていた訳か。
「手札を捨てて【アルバス】と【亜白龍】で融合を行う。
“黒き力よ、白と混ざって灰となれ!”
融合召喚、レベル8、【灰燼竜バスタード】!」
【灰燼竜バスタード】
☆8 ATK2500 効果
「【バスタード】はこのターン、エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの効果を受けない。さらに攻撃力は融合素材となったモンスターのレベル×100アップする」
「融合素材に使われたモンスターのレベル合計は12ですね」
【灰燼竜バスタード】ATK2500→3700
4本の角と棘だらけのドラゴンが吠え、地面が砕かれる。
予想していたが、これは……面倒だな。
「なら、バトルフェイズだ!
【深淵の青眼龍】で【エレクシア】を攻撃だ!」
「兄ちゃんの手札じゃこれ以上動けないのかな?」
「いえ、恐らく【フルルドリス】の弱点を理解したんだと思います。
あのカードはフィールドに【ドラグマ】モンスターが居なければ無効にする効果は使用できない」
「じゃあ、フィールドにいる【エレクシア】を破壊すれば!」
「当然そうくるだろう。
ならば、メインフェイズ終了時に【フルルドリス】を召喚して、【深淵の青眼龍】の効果を無効にする」
【教導の騎士フルルドリス】
☆8 ATK2500 効果
「メインフェイズは変わらず終了、攻撃は続行だ!」
ライネスのLP:5700→4700
「だがこれでエンドフェイズにドラゴン族をサーチする【深淵の青眼龍】の効果を封じられ、バトルフェイズも終了だ」
「【ブルーアイズ】デッキじゃ、バトルフェイズがないとモンスターを破壊出来ないんじゃ……」
「無い訳ではないですが、厳しいですね」
「ターン終了だ」
俺の手札は4枚。【青眼の白龍】と【カオス・フォーム】、【ディープアイズ】は割れている。不安だが、最後に引いた弱いこいつに賭けるしかねぇ。
「では、そろそろ本調理といこう。ドロー」
こちらからは見えない2枚の手札。あれが俺の未来を決める。
「私は【アドバンスドロー】を発動。フィールドの【フルルドリス】を墓地に送り、カードを2枚ドローする。更に【貪欲な壺】を発動。墓地から5枚のモンスター、【灰燼竜バスタード】1枚、【アルバスの落胤】2枚、【エクレシア】2枚をデッキに戻して、カードを2枚ドローする」
増やしてきやがったな。
「ふ、素引きとはな。
【アルバスの落胤】を召喚! 効果発動、手札のカードを墓地に捨てて【深淵の青眼龍】と融合だ!」
「っく、【ディープアイズ】の効果は使えねぇのかよ!」
「再び降臨せよ! 【灰燼竜バスタード】!」
【灰燼竜バスタード】
☆8 ATK2500→3700 融合・効果
これでライネスの合計攻撃力は9500!
「更に、私と義兄上の墓地に眠る融合モンスター【バスタード】、シンクロモンスター【Ω】、エクシーズモンスター【銀河眼の光波竜】、リンクモンスター【クロシープ】を除外して、手札より現れよ! 【教導枢機テトラドラグマ】!」
【教導枢機テトラドラグマ】
レベル11 ATK3200 効果
「攻撃力3200!」
「兄ちゃん!」
「これで終わりだ! 【テトラドラグマ】でダイレクトアタック!」
「……」
――……あ、これもしかして行ける?
漸く理解した俺は、チラリと真とXオルタに視線をやって、笑ってやった。
「……兄ちゃん?」
「引いてましたか」
「今攻撃宣言したな?」
「何?」
「こいつは、相手の攻撃宣言時に手札から捨てて効果発動できる!
俺が捨てるのは【アンクリボー】だ!」
「あ、【アンクリボー】だと!?」
「こいつはお前と俺の墓地からモンスターを1体特殊召喚出来る! 散々人のモンスターを使いやがって! 今度は俺の番だ! 来やがれ、【アルバスの落胤】!」
【アルバスの落胤】
☆4 ATK1800 効果
何度も俺のモンスターと融合した黒フードの野郎が、何処かへこへこした態度で俺のフィールドに現れた。
「だ、だがこの状況で出せる融合モンスターは【青眼】に――」
「――こいつの効果発動! 前のターンからいた方の【灰燼竜バスタード】! 半分は俺のモンスターだ、使わせてもらう!
融合召喚、レベル8【スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン】!」
【スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン】
☆8 ATK2800 効果
「なんでそんなカードが!?」
「真がくれたカードだ! 効果で【灰燼竜バスタード】の攻撃力分、攻撃力をアップさせる!」
【スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン】ATK2800→6500
「く、我が弟子のカード……羨ま――じゃなくて、面倒な!」
ライネスは【スターヴ・ヴェノム】を睨みつけるがそれ以上動けない。
「……【アークナイト】を守備表示にして、エンドフェイズにこのターン墓地に送られた【バスタード】の効果で【フルルドリス】を手札に加える」
【アークナイト】DEF1000
手札2枚の奴のターンは終了した。
「俺のターン、ドロー!」
「っく、まだだ! まだ私のライフは残っている!」
「いーや、これで終わりだ。【スターヴ・ヴェノム】の効果発動! 【テトラドラグマ】の効果を得る!」
「手札から【フルルドリス】を特殊召喚し。その効果で【スターヴ・ヴェノム】の効果を無効にする!」
【教導の騎士フルルドリス】
☆8 DEF2500 効果
「これでコピーした全体破壊は――」
――甘ぇ!
「儀式魔法【カオス・フォーム】を発動! 墓地の【青眼の白龍】を除外して、手札から降臨しろ、【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】!!」
【ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン】
☆8 ATK4000 儀式・効果
「此処で【カオス・MAX】だと! インチキドローも大概にしたまえ!」
「墓地の【深淵の青眼龍】の効果発動! 除外して、フィールドのレベル8以上のドラゴン族モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる!」
「っく、義兄上殿め……! も、もう少しで……我弟子が私の物に――」
狙うは守備表示の【フルルドリス】だ。
「――バトル、【カオス・MAX・ドラゴン】、思いっきりやってやれ!
【フルルドリス】を攻撃! こいつの効果で、倍の貫通ダメージを喰らいやがれぇ!」
ライネスのLP:4900→0
「兄ちゃん! 勝ったね!」
「おう、真のおかげだ。ありがとな」
興奮した様子の弟を抑えようと、頭を撫でるが完全に火が点いた様で収まる気配がない。
「凄かった! アニメみたいですげー楽しかった!」
「う……我弟子……無様に倒れてしまった師匠には、なんの言葉もなしか……?」
「あ、し、師匠、大丈夫ですか!?」
「あ、おい」
あの変態青コートに近付けさせてなる物かと動こうとした瞬間に、左腕をXオルタに掴まれた。
「逆転のカードを授けた後輩に、何か言う事はないんですか?」
「……まあ、確かにな。ありがとよ。返すよ」
そう言って返そうとデッキから【アンクリボー】に触れると……一瞬で別のカードに変わった。
「……何?」
そのカードの後ろには【アンクリボー】がいた。しかし触った瞬間、また後ろのカードと入れ替わった。
「おい、逃げんな【アンクリボー】!」
「部長、気に入りましたか?」
「違う、【アンクリボー】が勝手に!」
「……じゃあ、その子はあげますね」
「……良いのか?」
「はい」
「我弟子、私のデュエルはどうだった?」
「めっちゃかっこ良かったです師匠!」
「そうだろう、そうだろう」
「最後のモンスターを並べた時のライネス師匠、魔王みたいでした!」
「……それは褒めているのかね?」
「勿論です!」
「……心が折れそうだ。頭を撫でてくれ」
「はいはい」
あの野郎、何イチャついてやがる……!
「――ライネスさん、次は真君と私のデュエルです。
真君、私が勝ったら部長とデートに行かせてもらいます」
「え、兄ちゃんと謎のヒロインXオルタさんがデート!?」
「おい、真。勝てよ」
「良いの?」
「勝ったら好きなポケモンをやる」
「分かった! 絶対勝つ!」
「……大丈夫なのか? 我弟子は強いのか?」
「こういうゲームで、俺はあいつに全く勝てん」
「「……え?」」
その後、先攻1ターン目の【インスペクト・ボーダー】と手札誘発と伏せカードが越えられずXオルタは何も出来ず敗北しましたとさ。
書いてて思ったのがドラグマ強っ! でしたね。
「青眼だしカオスMAXで余裕だろ」とか思ってたら、フルルドリスが対象取らないし、落胤は融合するし本当に最近のテーマって凄い。
募集企画は次で最後です。お楽しみに。
6月30日最後の2ターンを修正しました。