またイイ感じの動画が撮影出来たら動画も上げていくつもりです。対戦相手も募集中です。
「俺もキャラデッキ作りたいな」
不意に俺は友達の櫻井にそんな言葉を漏らした。
「ほう、遂に貴様もこのキングの前に立つつもりか……」
「おい、アトラスが抜けてないぞ」
「このキングをアトラス呼びするのはお前だけだぞ」
なりきるのは良いが、盤面にいる全除外のスーパーノヴァが邪魔過ぎて……あ。
「
「MA☆TTE!!」
その後、大した妨害札もなかった奴の盤面にダイナミストの連続攻撃を喰らわせてやった。
「っぐ……で、結局誰のキャラデッキを作るんだよ?」
「えー……出来ればあんまり作ってる人がいない奴が良いよな。後、本編でのデュエルシーンが少なかったら割と自由にデッキ組めそうだし……」
「その思考、多分根本的にキャラデッキ作るのに向いてないぞ?」
そんなツッコミをされた後に、帰り道でうんうん唸っていた。
「まあ、持ってるカードでキャラの切り札になりそうな奴を探してみるか……」
こうして、デュエリストの宿命である睡眠時間を削るデッキ構築を始めたのだった。
「……あれ? 此処は……」
気が付いたらヤンデレ・シャトーにいた。
どうやらデッキを作って寝てしまった様だ。
「丁度いいや……此処の誰かに相手になってもらって――」
「――この! 馬鹿マスター!」
「へぶっ!?」
突然、頬を殴られた。
多分素手じゃなくてハンマーの様な物だったと思う。柔らかくて人の温もりはあったけど、鈍器以外では出せない威力だったと思う。
「何時まで夜更かしなんてしてるのよ! 早く寝ないと――こほん!
もう少し、お体を労わって下さい」
そんな説教を背中が壁にめり込んだ状態の俺にしたのは、マルタ……のルーラーの方だった。
竜であるタラスクを沈めた信仰深き聖女だけど、その実態はそこら辺のチンピラやヤクザすら裸足で逃げ出すステゴロ姉貴だ。
「だ、だったら……ぶっ飛ばさない方が良いんじゃ?
あんまり叩かれるとその衝撃で起きるって」
「起きません。この空間ではデュエルしないと起きないんだから……こほん、起きませんから」
口調を気にしてるみたいだけどその黒ビキニにジャージの姿じゃどんな言動をとっても聖女にはならないと思う。
「そう言う訳でこの聖女マルタ、マスターがゲームにかまけている時間を減らす為に、お相手します」
「げ、なんかお母さんみたいな事言い始めた……」
とはいえ、あちらがデュエルディスクを構えたらこちらも応戦せざるを得ない。
――っと、その前に。
「このデッキを使うんだったら――こほんっ」
「?」
「――ハノイに逆らう愚か者め! この私にデュエルを挑んだ事、後悔させてくれる!」
「……」
「ふふっふ、私のデッキにはリボルバー様から頂いた最強のモンスターが……」
「…………」
「…………」
……こちらをまるで養豚場の豚を見る様な目で見つめたままだったので、俺はすっと手を上にあげた。
「令呪を持って命ず――」
「――分かった、分かったわよ! 付き合ってあげるから!」
『デュエル!』
マルタのLP:8000
ジュウヤのLP:8000
「私の先行ね! 先ずは永続魔法【聖者の来訪】! このカードの発動と共に、デッキから【聖女】を1枚手札に加える。私が手札に加えるのは【一家の聖女】!」
「良いだろう」
「更に【聖者の来訪】はこの効果で加えたカードのレベルによって効果が変わる! 【一家の聖女】はレベル7だから、このカードがフィールドにある限り【聖女】は1つ少ないリリースで召喚できる。
更に永続魔法【聖者の教え】を発動! その効果の為に手札の【一家の聖女】を見せてあげるわ!」
【一家の聖女】はどうやら彼女のライダーの時の姿らしく、白い修道女の様な姿の女性が机を拭いているイラストが見える。
「見せたのはレベル7! よってライフポイントをレベル×200ポイント回復させ、更にこのカードがフィールドにある限り【聖女】のリリースは1つ減る!」
マルタのLP:8000→9400
「これでお前の【聖女】の召喚にリリースは必要ないと言う訳か」
「そう言う事! 現れなさい、【一家の聖女】!」
【一家の聖女】
☆7 ATK2500 効果
修道服の女性は箒と共に現れて床を掃いている。
しかし、その後ろからは永続魔法の影響か光が放たれている。
「永続魔法をもう1枚発動、【聖者の道標】! このカードがフィールドに存在する限り、リリースなしで通常召喚されたレベル5以上の【聖女】は戦闘及び効果では破壊されず、相手のバトルフェイズ終了時に同じ条件の【聖女】がいればカードを1枚ドローできる」
更なる魔法の光を受けて、【聖女】はより輝きを増し、祈る様に手を重ねている。
「随分と永続魔法を多用するデッキだな」
「そうね。まあ、魔法って言い方は嫌いなんだけど……そこは大目に見るわ。
ターンエンドよ」
マルタさんの手札は2枚だが、永続魔法はフィールドに残り続ける限り効力があるので出来れば早めに破壊しておきたい所だ。
「偶然か、必然かは分からないが、ならばこそ私とこのデッキの力を見せてやろう! 私のターン、ドロー!」
俺は改めて自分の手札を見た。そして――
(……あれ、これはもしや?)
「完璧な手札だ! これなら最初から全力で行ける!」
「あっそう、ならさっさと来なさい」
見せてやろう、このハノイの騎士デッキの力をっ!
「ライフを1000ポイント払って、永続魔法【ドラゴノイド・ジェネレーター】を発動する!」
「ならそのタイミングね」
っ!? まさか、【一家の聖女】に妨害効果が!?
「【一家の聖女】の効果発動! 私の前で魔法を使うとどうなるのか、教えてあげるわ!
ドラゴン族モンスターの特殊召喚もしくは魔法カードを発動した時、私はまず自分の永続魔法の数だけライフを1000ポイント失う」
マルタのLP:9400→6400
「そして、次の私のスタンバイフェイズまでランダムに相手の手札を私の永続魔法につき1枚、最大2枚を裏側で除外するわ!」
「何だと、っく!?」
光に照らされ、よりによって重要なコンボパーツを失ってしまった。
「っぐ……!」
「悪行を悔い改めろって事ね。【ドラゴノイド・ジェネレーター】は無効にはならないけれど、どうする?」
此処で下手に動いても、あの聖女を突破できない所かこちらのリソースが尽きて負けてしまう。
「仕方ない。私はこれでターンを終了する」
「エンドフェイズ、【一家の聖女】の効果で除外した手札と同じ枚数の永続魔法を私のフィールドから墓地に送る。【来訪】と【教え】の2枚を墓地へ」
コストはライフだけじゃなかったか。だけど、1度の効果で2枚ものハンド・アドバンテージを失わせる効果は強力だった。
「私のターン、ドロー!」
「このスタンバイフェイズ! 先のターンに除外されたカード達が戻って来る!」
「そうね。けど、戻って来るのは貴方の手札なんて誰が言ったかしら?」
「なんだと!?」
「除外されたカードは裏側のまま、フィールドにセットされるわ!」
彼女の言葉と共に次元の間から俺のモンスターゾーンに1枚、魔法・罠ゾーンにセットされた。
「なんだと!?」
「私がタラスクを沈めた後布でグルグル巻きにして引き渡したって伝承が残ってるんだけど、知ってたかしら?」
つまり、除外されたカードを身動きの取れないままフィールドに戻した訳か。
「さあ、重く行くわ」
言いながら腕を鳴らさないで……!
「フィールド魔法【サマー特異点 ファースト・アイランド】を発動!
このカードの発動時にデッキから自分のフィールドのモンスターと同名のカード……【鉄拳の聖女】を手札に加えるわ……」
めっちゃ不服そうに加えたけど間違いなくマルタさん本人じゃん……とは口が裂けても言えない。
「このカードは【一家の聖女】として扱う効果を持ってるわ」
「なるほど。そのお陰で【ファースト・アイランド】の効果で持ってこれた訳か」
「そう言う事! 【鉄拳の聖女】の効果発動! フィールドの同じレベルの【聖女】を手札に戻す事で、このカードを特殊召喚する!
“ヤコブ様、モーゼ様……マルタ、拳を解禁します!”
【鉄拳の聖女】を特殊召喚!」
【鉄拳の聖女】
☆7 ATK2500 効果
現れたのは修道服を脱ぎ捨て、赤の特攻服に晒を巻いたスケバンスタイルに早変わりした聖女。その手には無骨なナックルを嵌めている。
「【鉄拳の聖女】が特殊召喚に成功した時、相手のセットモンスターを全て破壊する!」
「なんだと!? っく!」
【聖女】が伏せられていたカードに拳を振り下ろした。
「っぐ、【暗黒の魔王 ディアボロス】がっ!」
「さあ、覚悟しなさいマスター! 2枚目の永続魔法【聖者の教え】を発動して【一家の聖女】を見せてライフを回復!」
マルタのLP:6400→7800
「そして【鉄拳の聖女】の効果発動! フィールドに存在する全ての魔法罠の効果をこのモンスターがフィールドに存在する間無効にして、表側の魔法カードの数だけ攻撃力が1000ポイントアップする! “正堂の海”!」
「何!? 貴様の場には2枚の永続魔法とフィールド魔法が……!
っ、しまった!」
【鉄拳の聖女】ATK2500→6500
「あんたの【ドラゴノイド・ジェネレーター】も頭数に入ってるっての!
さあ、バトルよ! 【鉄拳の聖女】でマスターに直接攻撃!
“鉄・拳・制・裁”!」
魔王すら1撃で沈めた拳が、的確に俺の腹を抉りぬいた。
「っぐぁあぁぁぁぁ!?」
ジュウヤのLP:8000→1500
「うっぐぅ……!」
「さあ、さっさと立ちなさい。立てなくなったデュエリストに、ターンは回ってこないわよ」
「っく、言ってくれる……!」
一度に大ダメージを喰らってフラフラしつつも、何とか立ち上がった。
「バトルフェイズ終了時、効果を発動した【鉄拳の聖女】の効果。手札に戻り、このカード以外の同じレベルの【聖女】をリリース無しで召喚する。
【一家の聖女】を召喚!」
【一家の聖女】
☆7 ATK2500 効果
再び修道服に着替え、慌ててナックルを何処かへ放り投げていた。
「これで魔法カードの効果も戻って来るわ」
「なるほど……攻撃は【鉄拳の聖女】、守りは【一家の聖女】が行うという訳か」
「ええ、そう言う事よ」
「ならば、教えてやろう! 貴様のその戦略が私の前では無駄だと言う事を!」
「御託は良いから掛かって来なさいっての! 私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
マルタさんの手札は【鉄拳の聖女】の1枚のみ。先は妨害のせいでまるで展開できなかったが、このターンで本領発揮だ。
「私のターン、ドロー! 完璧な手札だ!」
「スタンバイフェイズ、【ファースト・アイランド】の効果発動!」
俺の前に2つの映像が浮かび上がった。
1つは青い空の下に建てられたマルタさんの様な像、もう1つは夕焼けに照らされタラスクの上で佇むマルタ像。
「マスター、選びなさい。このスタンバイフェイズに私のライフを1000ポイント回復させるか、エンドフェイズに2000ポイント回復させるか」
「なるほど。回復か……ならば、このタイミングで1000ポイント回復させる!」
マルタのLP:7800→8800
この程度、この4枚のカードで乗り越えて見せる!
「まずは、セットされていた永続魔法【冥界の宝札】を発動!」
「忘れたのかしら? 魔法カードが発動した時、【一家の聖女】の効果発動! 2000ポイントのライフと引き換えに、マスターの手札を2枚除外する!」
マルタのLP:8800→6800
2枚除外は確かに痛手だ……だが!
「私の最強モンスターは2枚有る! ならば1枚でも残る可能性に賭ける!」
また減らされた手札、だが俺の切り札には――
――いた!
「私は既に発動していた永続魔法【ドラゴノイド・ジェネレーター】の効果を発動する! この効果で【ドラゴノイドトークン】を攻撃表示で特殊召喚する!」
【ドラゴノイドトークン】
☆1 ATK300 通常
「この効果は1ターンに2回使える!」
【ドラゴノイドトークン】
☆1 ATK300 通常
「この効果を使用したターン、エクストラデッキからの特殊召喚は封じられるが……関係ないな」
「【冥界の宝札】は2体以上のモンスターをリリースした際にドローする効果を持つカード……なら狙いは」
「そうだ! 今見せてやろう! リボルバー様から授かった最強の僕!
“浸食せよ! この世全ての情報を! 人類の未来こそがお前の飢えを満たす糧となるのだ!”
アドバンス召喚! 【クラッキング・ドラゴン】!」
【クラッキング・ドラゴン】
☆8 ATK3000 効果
電脳空間のテクスチャをぶち破り現れたのは、強大な姿と力を持つネット世界の略奪者。
黒鉄の竜、【クラッキング・ドラゴン】こそがこのデッキ、そしてハノイの騎士のエースモンスターだ。
「【冥界の宝札】の効果発動! 2体をリリースしてアドバンス召喚に成功した時、デッキからカードを2枚ドローする!
そしてバトルだ! 【クラッキング・ドラゴン】よ! 【一家の聖女】を攻撃!
“トラフィック・ブラスト”!!」
「けど、【一家の聖女】は【光の道標】の効果で戦闘と効果では破壊されない!」
【クラッキング・ドラゴン】の口から放たれる青い炎の様な熱線。
だが、【聖女】の後ろから放たれる光が彼女を守った。
マルタのLP:6800→6300
「っく……バトルは終了だ」
「なら、【道標】の効果で1枚カードをドローするわ」
「カードを1枚伏せて、エンドフェイズに移行する」
エースを召喚できたが、手札は残り1枚。それにマルタさんの手札には【鉄拳】が待ち構えている。だが――
「――まだだ! 【ドラゴノイド・ジェネレーター】の効果を使用したエンドフェイズ、相手の場に【ドラゴノイドトークン】を攻撃表示で特殊召喚する!」
【ドラゴノイドトークン】
☆1 ATK300 通常
「そして相手の場に1体のモンスターが召喚・特殊召喚された時、【クラッキング・ドラゴン】の効果が発動する!
そのモンスターのレベル×200ポイント、攻撃力をこのターンの終了時までダウンさせその数値分相手のライフポイントにダメージを与える! “クラックフォール”!」
「面倒な……!」
【ドラゴノイドトークン】ATK300→100
マルタのLP:6300→6100
「【ドラゴノイド・ジェネレーター】の効果は2回使った! よってもう一体のトークンが生み出され、“クラックフォール”の餌食となる!」
【ドラゴノイドトークン】
☆1 ATK300 通常
【ドラゴノイドトークン】ATK300→100
マルタのLP:6100→5900
「ああ、もううっとおしい! 【一家の聖女】の効果で【道標】と【教え】の2枚を墓地に送るわ!」
「これでターン終了だ」
「私のターン! ドロー!」
「このスタンバイフェイズ、先のターンに除外された2枚のカードがフィールドにセットされる」
俺はモンスターゾーンに1枚、魔法&罠ゾーンに1枚カードをセットした。
「さあ、覚悟する事ね! 私は手札の【鉄拳の聖女】の効果を発動するわ!
【一家の聖女】を手札に戻して、【鉄拳の聖女】を特殊召喚!」
【鉄拳の聖女】
☆7 ATK2500 効果
「かかったな! この瞬間、【クラッキング・ドラゴン】のモンスター効果を再び発動!“クラックフォール”!
相手のフィールドに召喚・特殊召喚されたモンスターの攻撃力を、レベル×200ポイントダウンさせ、その数値分のダメージを与える!」
「猪口才な……だけど、【鉄拳の聖女】の効果でセットモンスターは破壊されるわ!」
【鉄拳の聖女】ATK2500→1100
マルタのLP:5900→4500
ダメージを与えたものの、俺の場にセットされていた2枚目の【クラッキング・ドラゴン】は破壊された。
「リバースカード、【聖者の伝承】! このカードは私のメインフェイズにしか発動できないトラップカード! 手札を1枚墓地に送って【聖女】の効果で墓地に送られたカードを3枚までフィールドに表側表示で置ける!」
【聖者の来訪】、【聖者の教え】、【聖者の道標】の3枚が再びフィールドに……!
「残念だけどそれぞれの発動時の効果は使えないわ。だけど、これで終わりよ!
【鉄拳の聖女】の効果、“正堂の海”! フィールドの魔法・罠カードの効果を無効にして、無効にした表側表示の魔法カードの数だけ攻撃力が1000ポイントアップする!」
「まだだ! その発動にチェーンして、私は罠カード【パルス・ボム】を発動する!
私の場に機械族モンスターがいる時、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て守備表示に変更し、更にこのターン中に召喚・特殊召喚されるモンスターを強制的に守備表示にする!」
無効にされる前に発動し、攻撃される前に守備にしてしまえば、【鉄拳の聖女】も恐れるに足らず!
【鉄拳の聖女】ATK1100→DEF2500
【ドラゴノイドトークン】×2 ATK300→DEF300
【鉄拳の聖女】ATK1100→7100
「っく……やってくれたわね!」
「ふふふ、いかに高い攻撃力を持っていても守備表示ではどうにもなるまい! さあ、どうする!?」
この【クラッキング・ドラゴン】のダウン効果と【パルス・ボム】の強制守備変更、一見最強コンボに見えるかもしれないがレベルを持たないエクシーズやリンクモンスターの攻撃力を下げられず、リンクモンスターに至っては守備表示になる事も無い。
もしマルタさんが以前に戦ったブーディカの様な【聖杯】カードや、俺が与えてしまった2体の【トークン】を使ってリンク召喚してしまえば突破されてしまうかもしれないが……
(危ない危ない……まだ俺は彼女に聖杯を捧げていないから、あのチートカードも恐らく入っていない筈だ)
手札は【鉄拳】の効果で戻した【一家の聖女】のみ。
「……私は、これでターン終了よ」
「攻撃力は元に戻り、無効になっていたカードの効果も復活する」
「やはり【クラッキング・ドラゴン】を操る私こそ、最強デュエリスト!
ドロー!」
「まだよ、【ファースト・アイランド】の効果発動!」
「1000ポイント程度、くれてやる!」
マルタのLP:4500→5500
此処で勝負を決める!
「永続魔法【ドラゴノイド・ジェネレーター】の効果を再び発動!
【ドラゴノイドトークン】を1体特殊召喚し、更に手札から【ジェスター・コンフィ】を特殊召喚!」
【ドラゴノイドトークン】
☆1 ATK300 通常
【ジェスター・コンフィ】
☆1 ATK0 効果
「そして、手札から魔法カード【悪夢再び】を発動! 墓地から守備力0の闇属性モンスター【クラッキング・ドラゴン】を手札に加える!」
「まさか……!」
「そのまさかだ! 1体の【トークン】と【ジェスター・コンフィ】をリリースし、最強モンスター、【クラッキング・ドラゴン】をアドバンス召喚!」
【クラッキング・ドラゴン】
☆8 ATK3000 効果
再び現れる黒鉄竜。
だが、今回はそれだけでは終わらん!
「その咆哮で【冥界の宝札】が発動し、そして闇属性である【ジェスター・コンフィ】の悲鳴が墓地の【暗黒の魔王ディアボロス】の効果を発動させる!」
「【ディアボロス】!?」
「闇属性モンスターがリリースされた時、【暗黒の魔王ディアボロス】は蘇る!」
【暗黒の魔王ディアボロス】
☆8 ATK3000 効果
「更に2枚のカードをドロー!」
2体の【クラッキング・ドラゴン】そして【暗黒の魔王ディアボロス】……ふふふ、これぞ私の求めた最強のフィールドだ!
「さあ、これで終わりだ!
【クラッキング・ドラゴン】よ! 【鉄拳の聖女】を攻撃しろ!
“トラフィック・ブラスト”!」
「【光の道標】が守るのは通常召喚された【聖女】のみ! 特殊召喚された【鉄拳の聖女】は対象外! これで私の勝ちだ!」
【クラッキング・ドラゴン】の熱線が確かに【鉄拳の聖女】を貫いた。
しかし――
「――最後の最後で、見誤ったわね」
「何っ!? 何故破壊されない!?」
「私が何をした英霊か、忘れてしまったのかしら?
【鉄拳の聖女】はフィールドにドラゴン族モンスターが存在する時、戦闘では破壊されないわ」
「なんだと!?」
「先からマスターが出すのがドラゴンとは名ばかりの鉄の塊だったから発動できなかったけど、【ディアボロス】を出してくれて助かったわ」
「っぐ……! ならば【ディアボロス】と【クラッキング・ドラゴン】で【ドラゴノイドトークン】を攻撃!」
だが破壊しても守備表示ではダメージは入らない。
「っく……! メインフェイズ2、【暗黒の魔王ディアボロス】自身をリリースして効果を発動させる……! 貴様の手札を1枚、デッキの上か下に戻してもらおうか」
「私は下に戻すわ」
これで唯一の手札が消えた……だが、完全に流れをあっちに持って行かれた。
「まだだ……まだ負けん!
セットされていた永続魔法【悪夢の拷問部屋】を発動! 同名カード以外で効果ダメージを与えた時、追加で300ポイントのダメージを与える!
そしてエンドフェイズ! 【ドラゴノイド・ジェネレーター】と2体の“クラックフォール”のコンボを喰らえ!」
【ドラゴノイドトークン】
☆1 ATK300→0 通常
マルタのLP:5500→5000→4600
1体目の【クラッキング・ドラゴン】の効果で攻撃力が200ダウンしてダメージを与え【拷問部屋】で300ポイントのダメージ、2体目は100ダウンしダメージも100、【拷問部屋】で300ポイントの追加ダメージ。
俺の手札は2枚……まだ、勝機はある!
「さあ、決めるわ! 私のターン、ドロー!
メインフェイズ、【鉄拳の聖女】の効果を発動してフィールドの魔法・罠の効果を――」
「――させると思ったか! 手札の【エフェクト・ヴェーラー】の効果! 【鉄拳の聖女】の効果を無効にする!」
これで【鉄拳の聖女】の攻撃力は上がらない……! 仮に永続魔法を生贄にして【降雷皇ハモン】を召喚すれば、【クラッキング・ドラゴン】2体と【拷問部屋】のコンボでライフが尽きてジ・エンド……!
「言っておくけど、私は【幻魔】に頼ったりなんてしないわよ?
手札の【哀しき竜‐タラスク】の効果発動! 手札のこのカードは戦士族【聖女】モンスターに装備する事が出来る!」
あ、【鉄拳の聖女】さん戦士族だったんですね。意外ですねー。(棒読み)
「そして、装備モンスターの攻撃力を2000ポイントアップさせる!」
【鉄拳の聖女】ATK2500→4500
こ、これは……終わったか?
「【タラスク】を墓地に送って直接攻撃する効果もあるけど、このまま【クラッキング・ドラゴン】を攻撃すれば貴方の残りのライフ1500ポイントが綺麗に飛んで終わりね」
「……だが、【クラッキング・ドラゴン】は自身のレベル以下のモンスターとの戦闘では破壊されない」
「それがどうかしたのかしら?」
「まさか、結局聖女マルタが【クラッキング・“ドラゴン”】と拳を交えても倒せずにデュエルが決着するなんて……と少しガッカリしただけだ」
「へぇ……つまり、ストレートにぶちのめされたいと?」
「なんとでもいえ。私はエースカードたる【クラッキング・ドラゴン】が傷付くのはみたくない……それだけだ」
「良いでしょう。その意気に免じて、【タラスク】の効果を発動します。これで【鉄拳の聖女】は直接攻撃できます」
【鉄拳の聖女】ATK4500→2500
「バトルフェイズ! 【鉄拳の聖女】で、ダイレクトアタック!」
「……どうやらこれで勝負は着いたようだな」
「? 何を今さら……」
「ふふふっふふ、分かっていない様だな。私の言葉の意味が!」
「あ、あんたまさか!?」
まんまとかかったな、聖女マルタぁ!
「直接攻撃宣言時、手札の【バトルフェーダー】の効果発動! このモンスターを特殊召喚し、バトルフェイズを終了する!」
【バトルフェーダー】
☆1 DEF0 効果
「はぁぁぁっ!?」
「これで私の勝ちだぁ!」
――よし、後は手札の【星遺物‐星鎧】を召喚して総攻撃を……ん?
「? どうした【鉄拳の聖女】? さっさと自分のフィールドに……あれ?」
目の前の【鉄拳の聖女】の後ろで、【鉄拳の聖女】が逆サムズアップをして――
「――鉄・拳・制・裁!」
「うごぉぉぉぉぉ!?」
マルタさんのリアル・ダイレクトアタックをモロに受けた俺の体は吹き飛び、壁に体がめり込んだ。
「ふ、ふふふ……随分舐めた真似をしてくれたわね……!」
「ちょ、ちょっと待てっ!? こ、これデュエルだから!?」
「そのふざけたお芝居に付き合ってあげたらこれよ! その腐った性根を叩き直してあげる!」
「い、いや、精神攻撃は基本だから……」
そう言うと、目の前まで来ていたマルタさんは拳を下ろした。
「あら、そう」
「う、うん……だ、だから……」
「私も1つ知ってるのよ」
「え、何を?」
「遊戯王にリアルファイトは付き物、よね? マスターはデュエルマッスルとやらは鍛えているのかしら?」
そう言って俺の両足を掴んで――ぶん回し始めた。
「あああぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「オラオラオラ! ハハハハハ!!」
数分後、デュエルはマルタさんの反則負けとなったが俺はボコボコにされたので翌日の記憶からこの出来事は消える事になった。
【直接攻撃しなかったら……】
「もう寝る時間よ! デッキ調整なんて明日にしなさい」
「え? でも、今まだ10時――」
「――寝・な・さ・い!」
そう言ってマルタさんに無理矢理就寝させられた。
しかし――
「――あの、寝れないです」
「何でよ。私が隣にいるのよ? 安心して寝なさい」
この人……自分がどんな姿か分かっていないんだろうか……?
仕方なく背を向けているけど、やっぱり隣だとつい意識して……
「お、お願いだから……1人で寝かせてください」
「駄目よ。私が離れたらまたデッキ弄る気でしょ?」
「しないから!」
「絶対するわ!」
「しないって!」
「絶対する!」
そんな言い合いがエスカレートし、遂に互いに向き合って――
『――』
――俺の腕が、彼女の胸に触れた。
あ、死んだなこれ。
そう思っていたら……
「……絶対、しないの?」
赤面した彼女の質問に、思わず聞き返してしまいたくなったけどグッと我慢して答えた。
「……し、しません……」
「そ、そう……しないのね」
……その夜の会話は、これっきりだった。
――因みに、翌日の櫻井との対戦は――
「――いや、どう考えてもこのデッキ、【冥界軸最上級】だろ」
「いやいや、【ハノイの騎士】だって」
「はぁ? 【ハック・ワーム】と【ジャック・ワイバーン】を入れろよ」
「そいつら絶妙に使いずらいから……」
「いや、だからこそのキャラデッキだろ?」
「【クラッキング・ドラゴン】がエースだから十分だって」
「【暗黒の魔王ディアボロス】、【ダークネス・シムルグ】まで入ってるし間違いなく【冥界軸最上級】だ!」
「【ドラゴノイド・ジェネレーター】も使ってんだから【ハノイの騎士】!」
「それリボルバーが使ったカードだろうが!」
「【クラッキング・ドラゴン】も使ったわ!」
そんな押し問答で1日が過ぎ去ったのだった。
ルールとマナーを守って楽しくデュエル!
【ハノイの騎士】とは……?
ジャック・ワイバーンにビックバン・シュート装備させたり、ロンリー・ブレイブと戦った奴は【インヴェルズ】使ってたし、きっと【冥界軸最上級】を使うハノイもいるよね。
そう思う事にします。
あとマルタさん、その服装で聖女は無理で――(人間が時速360キロで飛ぶ音)