遊戯王なカルデア 〜シャトー外伝〜   作:スラッシュ

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猫可愛いけど、サーヴァント達って個性が溢れてるから、あんまり猫に染まらせられないね。



ネコミミカルデア 後編

 

「……にゃー」

 

「主どの! 主どの!」

 

「どーしよ、これ……」

「困り、ましたね……にゃー」

 

 猫耳と尻尾、毛皮の様な下着……ではなく水着という刺激的すぎる格好の清姫、牛若丸が抱き着き、一緒に悩んでくれているマシュは頭や体を俺に無意識に擦り付けている。

 

「や、やめろ、マシュ!」

「っは!? す、すいません……」

 

 赤くなるマシュだが、それよりも……

 

「このままだとカルデアがビーチみたいになるぞ?」

 

「それに、この猫化がどこまで進むかも不安です。服の面積に影響を与えているようですし……」

 

「…………うっ……うむ! まずい!」

 

 一瞬、全裸のネコミミマシュを想像して、直ぐに振り払う。

 

「先輩……にゃー」

 

 冷たい視線が俺を貫くが、語尾が台無しにしている。

 

「マスター、撫でて下さい。にゃー」

「はいはい」

 

 俺は清姫の頭を撫でてる。

 気持ち良さそうな顔をする清姫は、一度自分から頭を離れる。

 

「此処も、撫でて下さい。にゃー」

 

 清姫が自分の手で胸を持ち上げるが、そこに手を伸ばす訳には行かず、俺は牛若丸の頭を撫で始める。

 

「よーしよし」

「ミャー……主どの……」

 

「あ、マスター!」

 

 3人とは違う声に唐突に呼ばれた。そちらへ視線を当てて、思わず頭を手で抑えた。

 

「どうかな? 可愛い?」

 

 赤い猫耳に尻尾、赤い毛皮水着、そして手にはキグルミの様な猫の手をつけたブーディカがいた。

 

(追加オプションが増えてるんですけど……)

 

「にゃん、にゃん!」

 

 ブーディカが顔の横にまで手を上げて振り、ウィンクする。

 揺れるロングヘアー、だがそれよりも可愛い過ぎるだろ! 人妻だから手は出さないけど!

 

「ほれほれ!」

「っちょ、マジで勘弁してください、ブーディカさん!」

 

 尻尾をこちらに向けて振り始める。

 もうやってる事が完全に痴女だ。

 

「ほら、頭撫でてあげますから」

「……うん」

 

(いや、それでおとなしくなられても困るんだけど……)

 

 ブーディカに近づき、軽く頭を撫でた。

 

「〜〜!」

 

(どいつもこいつも、頭を撫でるとおとなしくなるんだよな……)

 

「マスター、私の此処も」

 

(清姫(こいつ)以外は…)

 

「先輩、私を疎かにしないで下さい!」

「主どの!」

「マスター、もっともっと!」

 

 迫りくる美女4名。流石に許容オーバーです。

 

「ええい! いくらなんでも捌き切れるか!」

 

 俺は牛若丸が回収した動くネズミ人形を投げる。

 

「にゃー」

「か、体が……勝手に!?」

「ニャア!」

 

(誰だ、猫は犬みたいに懐かないって言った奴!)

 

 俺は逆方向へと走った。

 

 

 

「マスター! つっかまえた!」

 

 廊下を走っていたら捕まった。しかも、よりによってアーチャークラスのアルテミス(トラブルメーカー)に。

 

「にゃっにゃにゃー! 一緒にオリオンを探そう!」

 

「お断りします」

 

 ゲーム内でならこの後は強制レイシフトだが、今はドクターも猫化してそれどころでは無い。

 

「じゃあ、マスター! オリオンの代わりに一緒に寝よ!」

 

「断る!」

 

 中身こそ残念なアルテミスだが、そのスタイルは抜群な上、今の衣装は白い猫耳、尻尾に白い水着に鈴付き首輪のフル装備だ。

 理性が持つ自信がない。

 

「はい、じゃあお休みー!」

 

 しかし、サーヴァントの腕力で腕を掴まれては抵抗できずに部屋に入れられるのは不可避な上に、ベッドに抱き着かれたまま押し倒されるのも避けられない。

 

「今回巨乳組頑張るね!? 俺もう理性溶けそうだよ!?」

「暴れないでね、マスター…………ぐー」

 

 もう寝てるし……

 

「……本格的に出れないんだけど」

 

 胸に当たる感触はご褒美だし、美人の寝顔が横にあるのも役得だ。

 

 しかし、俺は知っている。このあと絶対ろくな目に合わない事を。

 

「ええい、放せ!」

「……っむ……オリオン、暴れないの……」

 

 くそぅ! うちの猫は突付いただけで起きるのに……

 

「そうだ! 令呪!」

 

 俺は手の甲に描かれた令呪へ視線を向ける。

 

「……いや、でもこんな事に使うべきか?」

 

 悩む。使うべきか使わざるべきか……

 

「えへへ……一緒だよ、オリオン……マスターも……」

 

 悩み始めた俺だが、よだれを垂らしながらそんな寝言を呟くアルテミスに脱力する。

 

「アホらしい……なんで俺がこんな必死こかなきゃいけないんだっつーの」

 

 俺は腕を伸ばしてアルテミスを撫でる。

 

「――マスター、無事か――!?」

 

 が、此処でタイムアウト。ドアを殺した式が入って来たが、アルテミスの横で頭を撫でながら寝そべっている俺を見つけた。

 

「……」

 

「……」

 

 沈黙が痛い。

 

「っふん!!」

 

 そして怒って出て行った。

 

「え、いや?ちょっと待てぇー!」

 

「っむぅ……煩いな……」

 

 どうやらアルテミスは俺の叫びで目を覚ましたようだ。

 

「チャンス!」

 

「あ、マスター!」

 

 目を擦ろうとアルテミスの腕の拘束が解かれたので、俺は急いで部屋から出ていった。

 

 

 

「さて、これからどうする……」

 

(アヴェンジャーに制限時間を聞いとけば良かったな……)

 

 体感時間的にはそろそろ2時間、と言った所だろう。

 

「平和って言えば平和だが漠然とし過ぎてて不安になるな……」

 

「あ、ご主人様!」

 

 また誰かに見つかったようだ。俯いていた顔を上げて前方を確認する。

 

「にゃー……どうかな?」

 

 立っていたのはセイバークラスのサーヴァント、シュヴァリエ・デオンだったが、慣れ始めていた茶髪の猫耳と尻尾をピクピクと振るわせているが、その服装は俺の予想を裏切っていた。

 

「で、デオン……その格好は……」

 

(か、可愛い……)

 

 メイド服を着たデオンは僅かに頬を赤く染めながらも、くるりと一回転した。

 

「にゃん!」

 

「こ、これが……猫耳メイドの破壊力か……!」

 

「ご主人様……」

 

 そう言ってデオンはこちらに何かを渡して来た。

 

「首輪を、付けて下さいにゃん!」

 

 渡された物は鈴付きの首輪。

 

「……お、おう……」

 

 どうも今回は動揺してばかりだ。

 俺は首輪を手に取るとそれをそっとデオンの首に着けた。

 チリーンといい音が鳴る。

 

「……ご主人様」

 

「お、おい!?」

 

 デオンは顔を俺の体に擦り付け始める。

 

「にゃー……撫でて、撫でて!」

 

「分かったよ! 頭撫でるから!」

 

 しかし結局これである。ヤンデレ・シャトーの時とは違い、性的行為ではなく頭を撫でて貰う事を望んでいる様だ。

 別にそれはそれで構わないが、こうも物理的に擦り寄られると小っ恥ずかしくなる。

 

「……あぁ、幸せ〜……」

 

 猫……というかただ単にペット化しているだけな気がする。

 

「さて、そろそろ――」

「もっと、もっと!」

 

 デオンが頭も体も擦り寄せてくる。

 

「おい、動きにくい――っ!」

 

 それが腕に当たった時、何故か悪寒がした。

 

(……昨日の悪夢の記憶が無いが……やっぱなんかあったのか?)

 

 廊下に貼られている紙に、“気になる人はヤンデレ・シャトーで検索!”と書かれているが、そんな事をする気は微塵も起きない。

 

「マスター、マスター!」

「はいはい……どうしたものかコレ……」

 

「あ、デオンさん!」

 

 デオンと2人で廊下を歩きながら、まだ会っていないサーヴァントを思い出す。

 

(このパターンだとあっちから接触してきそうだが……あと残ってるていったらメディア、メドゥーサと……荊軻だな)

 

「む、漸く見つけたぞ、主」

 

(噂をすれば、か……)

 

「どうしたの、荊軻?」

 

 現れたのは最終降臨のフル装備姿……ではなく、黒い猫耳と尻尾に毛皮で出来た白いスクール水着の様な格好のアサシン、荊軻。

 

(何故スクール水着なんだろう……?)

 

「少し訓練に精を出しすぎてな。汗を書いたので、主に汗を流してもらおうと思ってな」

 

「ああ、分か――ないよ! 何でだよ!?」

「? 何故と言われても……主がサーヴァントの汗をシャワールームで洗うのは当然であろう?」

 

(……猫化どころか記憶の改竄が見られるんですが……?)

 

「私とて水は苦手だが、マスターに全身を撫でてもらうのは気持ちがいいからな」

 

(無理でーす! 童貞にはハードル高いどころか、次元が違うんですよねー!)

 

「えーっと……どうすりゃ」

「マスター……私も汗をかいてしまいまして……」

 

 荊軻に続いてきたのは紺色の猫耳と尻尾に、それ以外は普段通りの格好であるライダー、メドゥーサ。

 普段通りの格好と言っても、既にラインの強調されたタイトドレス――ボディコン服と呼ばれるらしい――を着ているので結構際どい。

 

「……流して頂けないでしょうか?」

 

「……ムリデス、ますたー、チョウイソガシイデス」

 

 思わず片言になってしまった。

 あまりの衝撃に、脳も体も追いついていない。

 

「マスター! 漸く見つけたわ!」

 

 今度はキャスターのサーヴァント、メディアのご到着だ。

 これまた普段着だが、フードは被っていないので、猫耳はまる見え、尻尾は見えないが、隠している様だ。

 

「あら、マスターは猫耳が無いのね……」

 

 ご到着と同時に下がるテンション。どうやら女の子の猫耳が可愛くって気分上々な

ご様子だ。

 

「いや、まぁ……」

「それよりもマスター! 私の頭を撫でて下さるかしら?」

 

 撫でながら思ったのだが、サーヴァントによって猫化の影響に随分と差があるようだ。

 

 マシュ、メディアは自分の格好に異常や普段との違いを感じているようだが、他のサーヴァントの殆どが今の姿が当たり前だと認識しているようだ。

 この違いは一体……

 

『ただの薬の個人差だ』

「……随分、急に出てきたなアヴェンジャー」

 

『あと10分で夢から覚める。だが、その前に猫耳の薬の効果を解除してやろう』

 

「何だ? 飽きたか?」

『それもあるが……まあ、精々楽しむ事だな』

 

 

 

「わあぁぁぁ!?」

「きゃぁぁぁ!?」

「えぇぇぇ!?」

 

 急に響き始めたのは悲鳴だった。

 

「あ……まさか薬が切れたから!?」

 

「あ、主! こ、こっちを見るな!」

 

「あれ、私なんでメイド服を……っは!?」

 

「私は……なんて破廉恥な事を……」

 

「ま、マスター!? あ、頭をな、なでにゃいで!」

 

 後悔、羞恥、混乱。

 

「マスター……覚悟は良いわね……?」

 

「うう……マスターに汚されちゃったよ……オリオン……」

 

「ますたぁ……私の扱いが随分と酷でしたね?」

 

 怒り、悲しみ、とばっちり。

 

「主どのが撫でて下さいました!」

 

「な、何でオレ……あ、あんな事で喜んだんだ……?」

 

「……だ、駄目……私、何であんな恥ずかしい事を……」

 

「照れて逃げたマスター、すっごく可愛いかったなー♪」

 

 怒りに震えるエウリュアレとハイライトの消えた涙目で追い掛けてくるアルテミス、平常運転の清姫。

 

 迫りくる3人から逃げる為、全力疾走を開始した。

 

「て言うか半分以上俺のせいじゃなぁぁぁい!!」

 

「「「逃さない(しません)!!」」」

 

「そ、そうだ! 令呪を持って命ずる! エウリュアレ、アルテミス、清姫! 追い掛けてくるな!」

 

 令呪は3画でサーヴァント全員に7分間の命令を実行させるが、1画ならば1人に10分間の命令を実行させらられる。

 

「っく! ま、待ちなさいマスター!」

 

「やなこった!」

 

 

 俺は適当に、食堂へと逃げ込んだ。

 

 そこには1人で飯を食べ続けていたリリィがいた。

 

「なんだリリィ……まだ食べてたのか? 味噌汁結構な量あったのにもう1杯分くらいしかないな……」

 

 と言いつつ茶碗に入れて、椅子に座る。

 

「むぅ……その言い方だと、私が1人でたくさん食べたみたいじゃないですか! 猫化の影響で、魚が入った味噌汁が美味しかったんです!」

 

 俺はリリィの話を聞き流しながら味噌汁を啜った。

 

「はいはい……ん? 旨いな……」

 

「――アヴェンジャーさんも食べに来ていましたし、私だけでは――」

 

(……ん? 今嫌ワード聞こえた様な……)

 

「あ、マスター! 猫耳生えちゃってますよ!?」

 

「……ゑ? そんな馬鹿な……」

 

 頭に手を伸ばす。モフモフする。

 

「可愛いですね!」

 

「う、そ……だろ……」

 

 

 

「……んぁー……よく寝た……さて、着替えないと」

 

 目が覚めた。今日は特に夢を見なかったようだ。

 

(さて、今日のご飯は昨日作っておいたアップルパイを……)

 

「……んー? なんだろう、無性にツナが食べたい気分だ」

 




今回はだいぶ短くなったと思います。次はもう少しボリュームを増やしたい。
(というかヤンデレ・シャトーで誘惑やらキスやら甘ーいネタやり過ぎて切れ気味なんだよなー……もう少しラブコメ系の勉強しようかな?)
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