遊戯王なカルデア 〜シャトー外伝〜   作:スラッシュ

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今回は我慢出来ずに遊戯王のお話。

※オリジナルカード注意
※一応ルールとか効果は分かりやすく書いたつもりですが、分からなければすいません。
※ルールや効果ミスは感想で指摘していただけると嬉しいです。


遊戯王×Fate
何!? 遊戯王のヤンデレとは、ユベルの事ではないのか!?


 俺は不藤十矢(フトウジュウヤ)、現在は我が家のベットでゴロゴロしつつスマフォを弄っている。

 

「ふぅ……AP全部使ったな……よーし! デュエルするか!」

 

 Fate/Grand Orderのイベントが始まり、取り敢えずAPが無くなるまでプレイした俺は、遊戯王のデッキを2つ持って1人デュエルを開始した。

 ショップに行って誰かとデュエルしたいが、残念ながら今日は平日、時刻は午後6時。出かけるには少々遅い時間だ。

 

「……折角新しくデッキ組んだってのに、まだ対戦してないんだよな……あー! 何で一昨日の掃除サボったんだよ俺!?」

 

 現在、親に叱られショップへの外出禁止と言われた。

 俺のよく行くショップの店長は親の知り合いなので、行けばすぐにバレる。

 隣街まで行けば別の店があるが、そこそこ遠い為、気軽に行けない。

 

「攻撃宣言時、ミラフォ……してもペンデュラム効果で破壊を無効だから意味ないなー……うーん……負けか」

 

 スマフォのライフ計算アプリからピーッと鳴り試合終了。

 

「っだあー! 誰でもいいから相手してくんないかなー!? 何なら俺に勝ったら何でも言う事きいちゃうよ!?」

 

 学校にカードゲームをする友達はいない。

 カードゲームをやってる事がバレたら他の生徒からオタク扱いされるのでやっていても隠しているんだろう。

 

「はぁ……寝よ」

 

 夕食の時間になれば起こしに来るだろうと納得し、俺は1人眠りに着いた。

 

 

 

「ま・す・た・ぁ?」

 

 俺は直ぐ耳元で声を聞いて驚き飛び起きた。

 

「うぁ、清姫!?」

 

 目の前にいる存在に俺はまだ寝ぼけているのかと目を擦る。

 角の様な髪飾り、白い髪に炎の模様の黒い着物。

 扇子を握っており、こちらを見て笑っている美しい女の子は、間違いなくFate/Grand Orderに登場するバーサーカークラスのサーヴァント、清姫だ。

 

「約束の通り、相手して差し上げます」

「……約束?」

 

 約束、以前になぜ清姫がいるのかも分からない。 

 

「デュエルで勝てたら何でも言う事聞くって、言いましたよね?」

 

「デュエル! デュエルか!?」

 

 デュエルとなれば優先すべき物は直ぐに決まった。

 

(この場所やら清姫が何故いるかなどのこの際どうでも良い! デュエルだ、デュエル!)

 

 使ったことなど無いが、何度も見た事がある腕につけられた装置を起動する。

 

 デュエルディスク。

 遊戯王の漫画やアニメの登場人物達が当たり前の様に使用する、ソリッドビジョンシステムが内蔵された機械に俺は手元にあった唯一のデッキを差し込んだ。

 

「デュエルディスク、起動!」

 

 デッキが自動的にシャッフルされる。

 タッチスクリーンが付いており、フィールドの状況や、デッキ、手札の枚数が確認できるARC-Vのディスクの様だ。

 

 終わるとデッキの上の5枚のカードが突き出る。俺はそれを指で掴み、引いた。

 

「マスターが私との遊戯に全力を注いでいる……! では、私も本気で行きましょう……!」

 

 あちらも嬉しそうにデュエルディスクを取り出すかと思ったが、宙に浮く四角い物体の上にデッキを置くとデッキが吸い込まれていき、その四角い箱からカードの形をした光の様な物が清姫の前に5枚現れた。

 

「バディファイトのルミナイズやヴァンガードで出てきたのと同じシステムか!」

 

 スクリーンに何か表示される。どうやら俺は後攻の様だ。

 

「「デュエル!!」」 

 

 

 

 ジュウヤのLP(ライフポイント):8000

 清姫のLP:8000

 

「先攻は貰います……! 先攻はドローは出来ませんのでスタンバイフェイズ! 発動するカードが無いのでメインフェイズへ!」

 

 清姫は一番右にあるカードに扇子を向ける。

 

「永続魔法、【道成寺ノ呪鐘楼(どうじょうじのじゅしょうろう)】を発動します! このカードの発動と効果は無効になりません!」

 

 発動と同時に、俺の頭上に巨大な鐘が俺の頭上に出現する。

 永続魔法、フィールドに残り続けるこのカードは存在する限り効果を発揮し続ける。

 

「う、っぐ……!?」

 

 鐘から発せられる不快な音に、思わず耳を塞いだ。恐らく無効にされない効果の演出だろう。

 

「このカードが存在する限り、互いのプレイヤーが効果を無効にする効果か、攻撃を無効にする効果を発動する度に、効果を発動したプレイヤーのライフを半分にします」

 

「いきなりとんでもないオリジナルカード……!?」

 

 つまり、攻撃や効果を防ごうとすれば、守るべきライフが半分持っていかれる。

 

「そして、このカードに転身カウンターが3つ乗った時、私はこのデュエルに勝利します」

 

「特殊勝利条件のカード!?」

 

 遊戯王は8000で始まる相手のプレイヤーのライフをゼロにするか、相手のデッキのカードが0枚で相手がカードが引けなければ勝利する……のが普通の条件だ。

 

 しかし、特殊勝利条件はそれを行わずに勝つことが出来る……が、大抵は専用カードを豊富に含んだ専用デッキとなる。

 必要なカードが来なければ何も出来ずに負ける事もある、難しいデッキだ。

 

(しかし、あの【鐘楼】も転身カウンターも……清姫らしいな)

 

 サーヴァントとは使い魔の事だが、Fateのサーヴァントは昔の偉人やら英雄を現界させた英雄の幽霊、つまりは英霊だ。

 

 俺の目の前に立っている英霊清姫は日本に伝わる清姫伝説に登場する、安珍という名の僧を好きになり、嘘を吐いて逃げた彼を、龍になってまで追い駆け回し、最後には道成寺の鐘楼に隠れた安珍を焼き殺した恐ろしい逸話を持つ。

 転身とは、人の身から龍に変わった事を指しているのだろう。

 

(【鐘楼】に転身カウンター……だが、今の所カウンターを置くカードが無いが、どうやってカウンターを?)

 

「チューナーモンスター、【恋い焦がれる乙女】を攻撃表示で通常召喚します!」

 

 1ターンに1度のみ行える通常召喚で現れたのは、白い着物を着て、顔を三度笠で隠しているが長く白い髪が美しい乙女。

 

(レベル3のチューナーか……清姫に似てるな)

 

【恋い焦がれる乙女】

☆3 ATK1500 チューナー・効果

 

「このモンスターを召喚したターンに私は他のモンスターを特殊召喚できず、【恋い焦がれる乙女】はフィールドに1体しか存在できません。そして、このモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えれば、フィールドのカード1枚に1つ転身カウンターを乗せます」

 

 早い話が、あの【乙女】に攻撃されてダメージを喰らえば転身カウンターが置かれるが、それが出来るのは【乙女】がフィールドにいる間に1度だけ、という事だ。

 

「先攻は攻撃できません。カードを1枚伏せて、ターンエンドです」

 

 魔法&罠ゾーンにカードが裏側で伏せられる。罠や速攻魔法ならば俺のターンに発動して効果が使える。

 

 これで清姫の手札は2枚になった。

 

 

「俺のターン、ドロー! スタンバイフェイズ! ……メインフェイズ!」

 

 ドローしたカードを見た後に、手札の他の5枚を見る。

 

(戦闘ダメージを与える必要のあるカードに攻撃を無効にすればライフ半減の永続魔法……ならば、伏せたカードは【聖なるバリア―ミラーフォース】の様な除去カードか、攻撃力を上げての返り討ち……展開を妨害するカードの可能性も有り得るが……)

 

「先ずはサーチだ! 俺は永続魔法、【ダイナミスト・チャージ】を発動! 発動時にデッキからダイナミストモンスターカードを1枚、手札に加える!」

 

 タッチスクリーンに候補カードが表示され、俺はその中から1枚を選んだ。

 

「俺は【ダイナミスト・プレシオス】を選択して、手札に加える!」

 

「マスターのデッキは全て把握してます。そのダイナミストデッキは、サーチ効果を持つ【プテラン】、2回攻撃と貫通、バウンス能力を持つ【レックス】、2回攻撃と直接攻撃の出来る【スピノス】、除外効果持ちの【アンキロス】の入っていない未完のデッキ。エクストラも3枚だけです」

 

 どうやら本当に俺のデッキは筒抜けの様だ。スマフォでダメージ計算していたのでもしかしたらそこから得た情報かもしれない。

 

(だが、それがどうした!)

 

「っは! 説明は負けフラグだぜ! 俺は、スケール3の【ダイナミスト・ステゴザウラー】をペンデュラムスケールにセッティング!」

 

 モンスターゾーンと魔法&罠ゾーンの間に位置するペンデュラムゾーンに、下半分は魔法カードのフレームで上半分は効果モンスターのフレームのカード、ペンデュラムモンスターを置いた。

 

(……手札にもう1体スケール6のダイナミストがいりゃあ良かったんだが……)

 

 右のペンデュラムゾーンにセッティングされた【ステゴザウラー】が俺の右に、光の柱と共に現れる。

 

「更に、【ダイナミスト・プレシオス】を通常召喚!」

 

 先程手札に加えた【プレシオス】を召喚する。

 召喚された機械仕掛けの青いプレシオサウルスは、尾の部分に付いているスクリューを回転させ、足元を覆う様な霧を出現させた。

 

【ダイナミスト・プレシオス】

☆4 ATK1700 ペンデュラム・効果

 

「【ステゴザウラー】のペンデュラム効果によって、ダイナミストは一度だけなら戦闘と効果による破壊から守られる! 

 更に【プレシオス】の永続効果! 相手フィールドのモンスターの攻撃力と守備力は俺のフィールドのダイナミストカードの数だけ100ポイント下がる! “ダウン・スチー厶”!!」

 

 着物で口元を抑えつつ、【乙女】は咳をし始めた。

 

「【ダイナミスト・チャージ】、【ステゴザウラー】、【プレシオス】の3枚で300ポイントダウン!」

 

【恋い焦がれ乙女】ATK1500→1200

 

「メインフェイズ終了、バトルフェイズ! 【プレシオス】で【乙女】に攻撃!」

 

(入ったか?)

 

「リバースカードを発動します!」

 

 伏せられていたカードがその姿を表す。

 

「トラップカード、【ドゥーブルパッセ】! 自分のモンスターへ攻撃してきたモンスターの攻撃を私へのダイレクトアタックにして、攻撃対象になっていたモンスターの攻撃力分、相手プレイヤーにダメージを与えます!」

 

「っく、そんなカードを!?」

 

 【乙女】に突進した筈の【プレシオス】だが、その巨体は消えた【乙女】の代わりに清姫に命中し、消えた乙女は俺へと火球を放った。

 

 ジュウヤのLP:8000→6800

 清姫のLP:8000→6300

 

「戦闘ではなく効果ダメージですから転身カウンターは乗りませんが【ドゥーブルパッセ】の効果で、【恋い焦がれる乙女】は次の私のターンに相手プレイヤーに直接攻撃できます!」

 

「っく……不味いな。カードを2枚伏せて、ターンエンド……」

 

 場に伏せられる2枚のカード。俺の手札は残り2枚。

 ペンデュラムモンスターはフィールドから墓地に送られた時、エクストラデッキに送られるルールを持つ。そこから再召喚が可能になるので、今はまだ準備の段階だ。

 

 

「では私のターン、ドロー!」

 

「スタンバイフェイズ、永続トラップ【連成する振動】を発動! 1ターンに1度、フィールドのペンデュラムゾーンのカードを選択して発動できる! 選択したカードを破壊して、1枚ドロー出来る! この効果は今は使わない!」

 

 永続トラップ【連成する振動】は発動さえしていれば相手ターンにも発動できる。

 

(だけど、まだだ。何が来るか分からない以上、モンスターを守れる【ステゴザウラー】は残しておかないと……)

 

「メインフェイズ、私は手札から【サファイアドラゴン】を召喚します!」

 

 清姫の場に、新たなモンスターが現れた。青く輝く宝石の様な二足歩行の竜。

 だが、その輝きも【プレシオス】の前では霧に覆われ失われてしまう。

 

【サファイアドラゴン】

☆4 ATK1900→1600 通常

 

「私はレベル4の【サファイアドラゴン】に、レベル3の【恋い焦がれる乙女】をチューニング!」

 

「レベル合計は、7か……!」

 

 【恋い焦がれる乙女】は3つの光の輪になり、その全てが【サファイアドラゴン】を囲むと、【サファイアドラゴン】の体は4つの光の球体へと変化する。

 

「“嘘吐きは燃え、逃げ道は絶たれ、愛は死を持って大成する!” シンクロ召喚! レベル7、【恋い焦がれる竜人】!」

 

 チューナーモンスターと、チューナー以外のモンスター1体以上をフィールドから墓地に送る事で行える特殊召喚方法の1つ、シンクロ召喚。

 墓地に送られたモンスターのレベルの合計と同じレベルのシンクロモンスターを、エクストラデッキと呼ばれるデッキから召喚するこの召喚法は既に8年以上経過しているが、それ以前とは比べ物にならない程デュエルの展開を大きく変えた。

 

 現在はチューナーを必要としないエクシーズ召喚が蔓延っているが、それでもいまだ強力な効果が多いモンスターだ。

 

「【恋い焦がれる竜人】……!」

 

 フィールドに現れたのは【恋い焦がれる乙女】……だった少女に竜の尻尾と翼が生え、着物も大きな物へと変化しているモンスターだった。

 

【恋い焦がれる竜人】

☆7 ATK2600→2300 シンクロ・効果

 

「攻撃力……2300!」

 

(攻撃力が【プレシオス】を上回った! やばい、【恋い焦がれる乙女】と同じ効果なら、カウンターを置かれる!)

 

「バトルフェイズ! 【恋い焦がれる竜人】は、相手フィールドのモンスターの数が1体だけなら自身の効果でダイレクトアタックできます! 更に、与えたダメージが2000以上なら、転身カウンターを2つ乗せ、表側表示で存在する限り、その効果を使用できなくなります!」

 

「嘘だろ!? ダイレクトアタック成功で、カウンターを2つ!?」

 

「十矢様に攻撃です! “転身火生三昧”!!」

 

 【恋い焦がれる竜人】から放たれた炎に、俺は焼かれ、飲み込まれた。

 

「っくうぅぅ……!!」

 

ジュウヤのLP:6700→4400

 

【道成寺ノ呪鐘楼】転身カウンター0→2

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンドです」

 

 嬉しそうに宣言した清姫、なかなか厳しい状況に俺もワクワクしてきた。

 

「ならエンドフェイズに【連成する振動】の効果! 【ステゴザウラー】を破壊して、デッキからで1枚ドローする! そして【ダイナミスト・チャージ】の第2の効果! 1ターンに1度だけ、フィールドからエクストラデッキに送られるダイナミストを手札に戻す! 今破壊された【ダイナミスト・ステゴザウラー】を手札に!」

 

「無駄の無い動きですね」

 

 清姫は手札が1枚、伏せカードが1枚。

 

 こちらは手札は4枚、ドローフェイズと【連成する振動】の効果を合わせれば6枚、十分反撃できそうだ。

 

 

「これから巻き返す! ドロー! スタンバイフェイズ、メインフェイズ! 手札から【ステゴザウラー】を再びセッティング!」

 

 もう一度現れた【ステゴザウラー】。だが、再び破壊される。

 

「【連成する振動】を発動! 【ステゴザウラー】を破壊して1枚ドロー! 【ダイナミスト・チャージ】の効果でエクストラデッキへ送られる【ステゴザウラー】を回収!」

 

 手札を端から端まで確認して、カードを選ぶ。

 

「俺は、速攻魔法【サイクロン】を発動! 【道成寺ノ呪鐘楼】を破壊! これで転身カウンターも消え去る!」

 

「甘いですわ! 【道成寺ノ呪鐘楼】は破壊され、墓地に送られた時、デッキから同名カードを手札に加えるか、手札の同名カードを発動して転身カウンターを1つ乗せる効果のいずれかを選んで発動できます! 私は後者を選択して、【道成寺ノ呪鐘楼】を発動します!」

 

【道成寺ノ呪鐘楼】転身カウンター0→1

 

 結果的に、清姫の手札とカウンターを1つずつ減らしただけか……

 

「だが、まだまだ! 俺は手札から【強欲なウツボ】を発動! 手札の水属性モンスター2体、【スクリーチ】と【海皇龍 ポセイドラ】をデッキに戻して、シャッフル! その後、カード3枚引く! ドロー!」

 

 ドローに次ぐドロー。俺は更に動き出す。

 

「俺は、スケール6の【ダイナミスト・ブラキオン】とスケール3の【ダイナミスト・ステゴザウラー】でペンデュラムスケールをセッティング!

 これで、レベル4と5のモンスターが同時に召喚可能!」

 

 遂に2枚のペンデュラムモンスターがペンデュラムゾーンを埋めた。

 

「“波の様に揺れ動け、魂の咆哮!!” ペンデュラム召喚! 現れよ、俺のモンスター達!」

 

 フィールドに左右端にあった光の柱の間に穴が開き、そこから青い光が2つ飛び出した。

 

「レベル4、【ダイナミスト・プレシオス】! レベル5、【機海竜プレシオン】!」

 

【ダイナミスト・プレシオス】

☆4 ATK1700 ペンデュラム・効果

 

【機海竜プレシオン】

☆5 ATK2300 効果

 

「更に通常召喚! 【スクリーチ】!」

 

【スクリーチ】

☆4 ATK1500 効果

 

(本当なら【スクリーチ】の効果発動の為にワザと攻撃力が上の【恋い焦がれる竜人】に攻撃したいが……)

 

「これでどうだ! 【機海竜】の効果発動! フィールドの水属性モンスター、【スクリーチ】をリリース! 表側表示の相手モンスターを選択して破壊する! 【恋い焦がれる竜人】を選択だ!」

 

「チェーンしてトラップ発動、【亜空間物質転送装置】! 自分フィールドのモンスターをゲームから除外、エンドフェイズに帰還させます! 【恋い焦がれる竜人】は除外され、破壊効果も対象を失い不発!」

 

 チェーンとは、相手や自分が発動した、もしくは発動された効果に重ねて、カードを発動する事だ。

 今の場合は俺の【プレシオン】の選択したモンスターを破壊する効果にチェーンして、清姫は俺が選んだモンスターを除外する効果を発動した。

 その後、効果を順番に処理するのだが、この時最初に効果が発揮されるのは後に発動した効果。よって、俺の破壊効果より先に対象だった【竜人】が除外され、俺は破壊できず、発動の為に墓地に送った【スクリーチ】も戻ってこない。

 

「っく……!」

 

(クソ! 清姫のライフは6300……俺のモンスター3体のダイレクトアタックで削れるのは1700×2と2300で5700……600残る! 手札にもうカードは無い! しかも、エンドフェイズに戻ってくる【恋い焦がれる竜人】はフィールドから離れたのでカウンターを置く効果を使用できる……! 

 だが、俺のフィールドも盤石の布陣……【恋い焦がれる竜人】は相手モンスター1体のみならダイレクトアタック出来るが、俺のモンスターは3体……更に、【プレシオス】2体の効果で攻撃力も守備力もダウンしている)

 

「バトルだ! 【プレシオス】2体、【プレシオン】の順番で攻撃だ!」

「受けましょう」

 

 3体の機械竜から放たれる波の様なブレスを、清姫は黙って受けた。

 

清姫のLP:6300→4600→2900→600

 

「ですが、墓地の【恋い焦がれる乙女】の効果! ダイレクトアタックを受けたバトルフェイズ終了時、フィールドに【鐘楼】があるので特殊召喚出来ます!  守備表示で特殊召喚!」

 

【恋い焦がれる乙女】

☆4 DEF1000→0 チューナー・効果

 

 再び現れた三度笠の少女。【プレシオス】に怯えてか、三度笠を抑えてしゃがんでいる。

 

「……ターンエンド」

「エンドフェイズに、【恋い焦がれる竜人】が帰還します。この効果は特殊召喚ではありませんので、【乙女】のデメリットに邪魔されません」

 

【恋い焦がれる竜人】ATK2600→1600

 

 手札はお互いに0枚。2枚のペンデュラム効果でモンスターも守られているのだが、俺は何故か嫌な予感がしている。

 

 

「私のターン! ドロー!」

 

 清姫はカードを引いた。同時に目が鋭くなり、口は不敵な笑みを浮かべた。

 

「スタンバイフェイズ! メインフェイズ、【ハーピィの羽箒】を発動!」

「っ! チェーンして【連成する振動】の効果を発動! セッティングされている【ステゴザウラー】を破壊する!」

 

 発動されたカードに俺は咄嗟に【連成する振動】をチェーン発動した。

 【ハーピィの羽箒】は相手フィールドの魔法、罠カードを全て破壊する強力な魔法カードだ。

 

「ドロー! 更に【ダイナミスト・チャージ】の効果で【ステゴザウラー】は手札に!」

 

「ですがそこまでです」

 

 【ダイナミスト・チャージ】、【連成する振動】、伏せられていた【イタチの大暴発】が墓地に送られ、更にペンデュラムゾーンのペンデュラムモンスターは魔法カード扱いなので破壊され、エクストラデッキに送られる。

 

【恋い焦がれる乙女】DEF0→600

 

【恋い焦がれる竜人】ATK1600→2200

 

「ダイナミストカードが減って、攻撃力も守備力も戻ってきますね?」

 

「だが、どいつを攻撃しても俺のライフは削り切れないし転身カウンターも乗らない!」

 

 今のままでは攻撃力1700の【プレシオス】しか破壊出来ない上に、与えるダメージも500ポイント。【恋い焦がれる竜人】は2000ポイント以上の戦闘ダメージを与えなければカウンターは乗せられず、【乙女】はそもそも攻撃力が上回っていない。

 

「では、レベル7の【恋い焦がれる竜人】にレベル3の【恋い焦がれる乙女】をチューニング!」

 

「レベル合計、10……!?」

 

「“好きです、愛しています、添い遂げましょう、ニガシマセン……”シンクロ召喚。レベル10、【恋い焦がれる女竜(じょりゅう)】」

 

【恋い焦がれる女竜】

☆10 ATK0 シンクロ・効果

 

 現れたのは巨大な白い竜。体は蛇の如く長く、口から火の粉が見える。

 

「このモンスター召喚には恋い焦がれると名のつくチューナーと恋い焦がれると名のつくシンクロモンスターが必要ですが……効果は強力ですよ?」

 

「攻撃力……0?」

 

 レベル10、攻撃力0……清姫は、ヤンデレ。

 

「バトルです。【プレシオン】に攻撃! 【恋い焦がれる女竜】は戦闘では破壊されず、私は戦闘ダメージを受けません」

 

(これは、まさか……!?)

 

「【恋い焦がれる女竜】の効果。ダメージ計算終了時、戦闘を行った相手モンスターの攻撃力と【恋い焦がれる女竜】の攻撃力の差、その数値が相手モンスターの方が多い場合、1000ポイント毎に転身カウンターをフィールドのカードに乗せます」

 

「ぷ、【プレシオン】の攻撃力は……2300……」

 

「転身カウンターは2個、【道成寺ノ呪鐘楼】に置かれます♡」

 

 清姫がニッコリと笑ったと同時に、俺の頭上の鐘楼が落ちてきた。

 

『この瞬間、私の勝利が決定しました』

 

「熱っ!?」

 

 どうやら鐘楼ごと燃やされている様だ。スクリーンにはYou loseと表示されている。

 

『では、デュエルに勝ったので、1つ主に頼み事をさせて頂きます』

 

「な、なんだ?」

 

『私の望みは1つだけ……』

 

 

『マスターとの、結婚です』

 

 

 

 その後、過程とか色々すっ飛ばして俺は清姫と結婚した。

 

「さあ、デュエルだデュエル!」

 

「……えぇ……お相手致します……旦那様」

 

 

 

「マシュさん……助けてくださいまし……」

 

「……先輩、清姫さんがグッタリするぐらいデュエルしてるんですか……」

 

 

 好きな人と一緒にいられるって素晴らしいなー!

 




デュエルバカ大歓喜END。
作者も彼女できたら1日中デュエルの相手をしてもらいたいです
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