前回のあらすじ
兵士は眠らせたぁ!
Aランクでてきたぁ!
蟲使うらしい
なんかあまりいい噂を聞かないとか言われている冒険者と対峙しているんだが、問題があるならギルドが黙ってなさそうじゃないか?どうなんだろうか?それよりも……この人30歳なのか………おじいちゃんかと思ってた。
「ヒヒヒッ……お前、虫は好きか?」
そう言うや否や彼の足元がざわざわカサカサと……おいおい、マジかよ!ムカデのような生き物-地球のより太くてトゲトゲしてるけど-とかクワガタのような生き物-顎が刃物だけど-とかがわらわら出てきた。こいつら……かっけぇ!なんだろう、心をくすぐるカスタムがついてて最高。
あっ、奴がいた、いやがった!Gみたいなやつだ!それもなぜか触覚がバチバチ言ってどんどん短くなってる。あれは、見た感じ導火線?たしか某美食家のアニメで似たような生物を見たぞ………Gはやばくなったら飛んで来るって言うがこの世界ではどうだろうか……あぁ、つらい。とりあえず、はなカワセミ達をルームに戻し、スライムベス達を召集。彼らの大技を見せてやろう。
スライムベス達は俺の周りに陣取ると、半径3メートルほどの範囲にポツポツと火の粉のようなものが舞い始めた。そこに飛んでくるはGもどき達。しかしその火の粉に触れた瞬間、灰になる。
「なかなか妙な……技を使うな?ヒヒッ」
「努力の結晶ってやつだ、誰でも出来るぞ」
そう、この火の粉は以外と簡単に出来るはずだ。これは火の粉に見えるように改良を重ねた灼熱の炎。ある程度炎に関する知識と、イメージ力が無ければ出来ないが、そこは努力次第でなんとかなるだろ。確かに作るのに多少は苦労したが、魔力を多めに使えばある程度ポワッとしたイメージでなんとかなったから……誰でも出来るだろ。技名はまだない。
「ヒヒヒヒッそれが簡単に出来るなら……ぜひ教えてほしいなぁ……」
「別に教えてもいいよ?あのおかっぱをいい感じにボコボコにして、誘拐犯として叩き出せた後でならいくらでも」
「調子に乗るには……まだ早い。それに、あれでも一応は、ヒヒッ……依頼人だ」
もちろん冒険者の先輩、それもAランク相手だ。相手が死なない程度?無理だろ。全力だ。
襲い来る蟲達。迎え撃つスライム達。ローグは……後ろか!振り向くと草刈り鎌のような武器を脳天めがけ振り下ろすローグが!すかさず大鎌で受け流す。何だあの鎌、めちゃくちゃ髑髏や骨が装飾されてたぞ。かっこいいじゃん!受け流した瞬間、横からまた鎌が振られた。当たらないギリギリで避ける。
「ヒヒヒッ、その年でその身のこなし……末恐ろしいな」
「お褒めいただき、光栄ですよ!っと」
上下からの鎌を素早く払い、大鎌で斬りつけるがするりと避けられた。
しばらくカンカンキンキン斬りあっていると、急にローグが距離を取り出した。気がつくと蟲は居らず、スライム達が俺の後ろに陣取っていた。
「ヒヒヒッ、お前……化け物だな。その鎌、魔鉄だな?それに常に魔力を流してる……普通はもう魔力切れだと思うが?」
「幸いなことに魔力は底無しなんでね」
体質のおかげで使ったそばからMPが回復するから、魔鉄のように魔力で強化するタイプ本当に重宝してる。
「ヒヒヒッ………やめた……」
「え?」
やめた?手を引くってことか?
「いくら依頼でも……さすがに、わりに合わないぞ……ヒヒッ……てなわけで、依頼は失敗だ」
「ふ、ふざけるな!僕は雇い主だぞ!泣いて喜んで命をかけろ!雇ってやっているんだから当たり前だろ!!」
「命は有限、依頼主のために死ぬ冒険者は希。ま、罰金や信頼は落ちるが命を失うよりかはな?……ヒヒヒッ……それに、そろそろか」
最後、ローグがなにかを呟いた後に飛んで帰った。んー?さっぱりわからん。おかっぱ共々『???』状態がしばらく続いたとき、部屋のなかに兵士がぞろぞろと………新手?
「お、おぉ!はやくそいつを捕まえろ!不敬罪だ!」
おかっぱが兵士に対し叫び、兵士が動き出す。少し身構えたがなにかおかしい……敵意がない?疑問に思っていると兵士は俺を通りすぎ、おかっぱを囲った。
「何だ!はやくそいつを捕まえろ!いや、殺せ!」
「お前には誘拐、脅迫その他の犯行で王城から捕縛命令が出ている。おとなしく来てもらおう」
そこからは早かった。暴れたおかっぱが捕らえられ、無事にシリカを救出、あっさりだった。さすがに、ここまで進んでしまったらおかっぱに攻撃できないな。というか、このおかっぱの名前をはじめて聞いたな。
しかし、なぜここで誘拐が起こったなどが分かったか聞いてみたが、匿名でタレコミがあったとしか分からなかった。そして、後処理は兵士に任せ、シリカが落ち着くまで我が家で保護することになった。
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