GARO/Grand Order   作:響く黒雲

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なんかゴールデンの彼女?のセントグラフ絵が出回っているって噂聞きますけどどうなんですかね?

コラボ終わったら久々の体験クエストでしょうか?

なんにせよ庄司水着早よ。


謝罪

十字に斬り裂かれたマルタは、傷から黄金の粒子を吹き出してゆっくりと崩れ落ちる。

 

へルマンはそんなマルタを、ゾロの鎧を解除して魔界に返還し、抱き留める。

 

「あら、お優しいのね」

 

「女性には特にね。それより、何故最後の一撃を避けなかった?君になら避けられた筈だ…… まさか」

 

「冗談じゃない。手加減なんてしないわよ」

 

マルタは狂化が解かれたのか、安らかな顔をしていた…… 口調は依然として変わらなかったが。

 

マルタは優牙達に目を向けて、最後の言葉を告げる。

 

「全く、聖女に虐殺なんてさせんじゃないってぇの。いいですか? このままでは貴方達は必ず敗北します。何故なら、彼女達には最強のドラゴンがついているから」

 

『何? ワイバーンだけでなく、ドラゴンまで居やがるのか』

 

「ですが、古来よりドラゴンを倒してきたのは聖女でも姫でも無い…… 竜殺し(ドラゴンスレイヤー)です。リヨンと言う街に行きなさい。そこに、貴方達が求めるサーヴァントが居ます」

 

そこまで告げると、マルタはタラスクに目をやり、哀しげな顔で謝罪する。

 

「ごめんなさい、タラスク。今度は、まともな所に召喚されたいわね……」

 

そしてマルタは完全に消え去り、それに伴って宝具であるタラスクも、塵となって消えていった。

 

『サーヴァント消滅確認。お疲れ様』

 

「彼女は狂化に抗うだけでも辛かった筈です…… でも……」

 

「ええ、類稀なる克己心が狂化に撃ち勝っていた…… 流石聖女マルタです」

 

「なんにせよ、次の目的地が決まったんだ。明日に備えて、今日は休もう」

 

そうして森は、一時の静けさを取り戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルレアンの城にて、黒いジャンヌはマルタの敗北を知った。

しかし想定はしていたのか、大して驚きもせず、ただ淡々とその結果を受け入れていた。

 

「ライダーが自決しましたか…… 全く愚かなものです。…… しかし、それでも彼女は手を抜いていた訳ではないのでしょう。それを打ち破るとは…… 成程、奴等も侮れないと言うことですか」

 

「ですがご安心下され、ジャンヌ。最後に勝つのは貴女なのですから」

 

優牙達への警戒心を強めると共に、勝利への揺るがぬ自信。

ジルはジャンヌのそれを奮い起たせる。

 

ふと、ジャンヌは表情を無くし、ジルに問いかける。

 

「ねぇ、ジル。あの私と私、どっちが本物かしら……」

 

「勿論貴女です。ジャンヌよ」

 

その問いにジルは即答する。

竜の魔女こそが真のジャンヌ、疑う要素など微塵もなく、正当な怒りを振りかざし、フランスを滅ぼすに相応しいと。

 

「よいですかな、ジャンヌ。貴女は故国フランスの為戦い、最期には民衆、主君、更には国にまで裏切られた。何が間違っていたのか?いや、貴女は間違ってはいない。間違っていたのは、救いを求めてもなお、貴女を救わなかった神だ!故に、私達は神を否定する。そうですな?」

 

「そう、ですね。バカげた話でした」

 

そうして黒いジャンヌは何時もの嘲笑を取り戻し、次の行動の為、指示を飛ばす。

 

「では、あの愚かな私を殺すとしましょうか。バーサーカー、バーサーク・アサシン。私と共に来なさい」

 

そして黒いジャンヌの元に黒騎士と、ギロチンの様な剣を持つ青年がやって来る。

 

「バーサーク・アサシン、貴方は先に暴れているバーサーク・アサシンと…… ああ、もう。同じクラスがいると面倒ね。この際真名で呼ぶとしましょう。シャルル=アンリ・サンソン、貴方はカーミラと合流して私の元に来なさい。ランスロットは私の護衛を」

 

「…………Aurrrrr」

 

「了解しました。マスター」

 

青年、サンソンと黒騎士ランスロットは黒いジャンヌの指示に従い、サンソンはカーミラと合流するために先に行き、ランスロットは黒いジャンヌの傍らで待機するのだった。

 

「ではジル。留守を任せます」

 

「心得ましてごさいます。ジャンヌ、ご武運を」

 

ジルに城を任せ、自身はランスロットと共に竜に乗り、次こそ優牙達を滅ぼす為に飛び立って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「情報を集めて参りましたわ」

 

次の日、優牙はリヨンの情報を集める為に、リヨンから比較的近い街で情報を集めていた。

 

「すみません、マリー。私も行ければよかったのですが……」

 

「仕方がないわ、ジャンヌ。今の貴女は竜の魔女ですもの。街の人達を混乱させてしまうわ」

 

実際、情報を集めていたのはマリーとへルマンで、ジャンヌは黒いジャンヌのこともあり、街に入れなかったのだ。

 

「こっちも集めて来たぜ」

 

「お帰りなさい。へルマンさん」

 

へルマンも戻ってきた為、ここら辺で情報を纏める一行。

へルマンとマリーが集めてきた情報によると、リヨンは既に滅びているが、滅びる前に巨大な剣を持った騎士が街を守っていたそうだ。

 

「成程…… それがマルタの言ってた竜殺し(ドラゴンスレイヤー)か…」

 

しかしつい三日前、恐ろしい人間がリヨンを襲い、騎士は行方不明、リヨンは滅びてしまったそうだ。

 

「兎に角…… 行くしか無いよ」

 

「先輩の言う通りです。グズグズしていても始まりません」

 

今はそれしか希望のない優牙達は、すがる思いでリヨンに竜殺しの騎士を探しに行くのだった。

 

 

 

 

「そう言えばへルマンさん。魔戒騎士だったんですね」

 

「まあな」

 

道中、思い出したかのように言う優牙に、へルマンはなんてことも無いように答えた。

 

「やっぱりガジャリに呼ばれたんですか?」

 

「ああ、ガジャリから引っ張り出されてな。気がついたらフランスに居たもんだからビックリしたぜ」

 

以前、へルマンは契約者は聖杯では無いと口にしていたが、その契約者がガジャリだったのだ。

 

魔戒騎士である彼は、そもそも英雄として記録はされない。

鎧の英霊として、時のたゆたう場所で鎧の継承者を見守り続ける存在。

 

そんな彼を呼び覚まし、特異点に召喚したガジャリの異常さは、聖杯が起こす召喚よりも特異であるのは間違いないだろう。

 

「彼処に見えるのがリヨンです」

 

そうして話していると、リヨンに到達する。

そこは端から見ても崩壊していて、とても人が住める様な場所ではなかった。

 

「酷い有り様だ。人の音なんて聞こえやしない」

 

「兎に角、行ってみましょう」

 

優牙達は、人気の無いリヨンに入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リヨンの中に入っても、そこには廃墟と燃えカスや、消し炭になった家や木、人などが転がっているだけだった。

 

そんなリヨンを見てジャンヌは一人、心を痛める。

 

「……… 嘗てはリヨンは美しい街でした。ですが…… これは……」

 

周りを注意深く見渡してみても、人は一人も居らず、かといって生き物も居ない。

この街は完全な廃墟と化していた。

 

「…… あれは!」

 

その時マシュが、瓦礫で動く何かを見つける。

生存者かと近づくと……

 

『シャァァァァァァ!!』

 

「!生ける屍(リビングデッド)!?」

 

それは生存者ではなく、既に黒いジャンヌによって殺され、怨念と化したリヨンの住民だった。

 

「こんなの…… 人の死に方じゃありませんわ」

 

「同感だね。全く、僕の音楽が乱される」

 

「先輩…」

 

「ああ…… 早く楽にしてやろう」

 

優牙のその一言で全員が武器を構え、優牙も赤身の鞘から魔戒剣を抜いて、構える。

 

「貴様らの陰我、俺達が断ち切る!!」

 

生ける屍(リビングデッド)達に優牙が言い放つと、一斉に優牙達に向けて襲いかかる。

 

『シャァァァァァァ!!!!』

 

「ウォォォォォォォッ!!!!」

 

こうして、リヨンにおける殲滅戦が始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアッ!!」

 

『ギャッ!?』

 

優牙が最後の生ける屍(リビングデッド)を斬り裂き、怨念に満ちた体が消失していく。

 

「……… どうか安らかに」

 

ジャンヌは、倒した元人間達を悼み、鎮魂を願う。

 

「その魂に安らぎを求めるか?」

 

「!?」

 

その時、背後に優牙でもへルマンでもアマデウスの声でもない、役者の様に通る声で話す男が一人。

 

「誰だ!」

 

「我らサーヴァントの時は凍り――― 時代は歩みを止めた。その世界に果たして、安らぎはあるのだろうか?」

 

『優牙。サーヴァントだ』

 

「何!? ドクターは!?」

 

「ダメです!繋がりません!」

 

男は細身の体にオペラ歌手の様な服を纏い、顔を半分髑髏の仮面で隠し、両手の平には血に染まった大型ナイフよりも鋭い鍵爪があった。

 

「左様――― 人は、私のことをこう呼ぶ…… オペラ座の怪人(ファントム・オブ・ジ・オペラ)と」

 

男の名はファントム・オブ・ジ・オペラ。

嘗てオペラ座の怪人と呼ばれ、悲恋の末、大量殺人者に成り果てた悲しい怪物だ。

 

「そのオペラ座の怪人が、こんな所で何をしている」

 

「私は竜の魔女の命により、ここを管轄している。さあ、世界を救わんとする者達よ。この美しき地獄を、君たちはどうする?」

 

「決まっている…… 斬り裂く!」

 

ファントムの挑発、とも取れる言葉に優牙は魔戒剣を構える事で答える。

 

ファントムは一瞬、哀れなものを見るような目線を優牙に向けて目を伏せた。

 

そして次に目を開けた時には、その目には殺意しかなく、明らかな戦闘体制に入った事を告げる。

 

「マシュ!皆!」

 

「はい!戦闘、開始します!」

 

「では唄おう――― 正しく狂乱の唄を!」

 

ファントムはまず標的に選んだのはマスターである優牙…… ではなく、相性が良く非力なマリーに飛びかかる。

 

「さあ、その綺麗な声で悲鳴を聞かせておくれ、薔薇の王妃よ」

 

「まあ、大胆ね。でもごめんなさい、お断りです!」

 

マリーはファントムに硝子の薔薇を投げて応戦するが、ファントムは鍵爪で軽々防ぎ、マリーの喉に鍵爪を突き立てる。

 

「させません!」

 

「おいおい、君は歌手だろ?僕の演奏を待たずに唄い出すとは、ナンセンスだよ。フォルテシモ!」

 

しかし間にジャンヌが入り、聖旗で鍵爪を受け止め、アマデウスが魔力でファントムを押し出す。

 

「ヌウッ!?」

 

「トロいぜ!」

 

「やああああっ!!」

 

ファントムの背後からへルマンとマシュが、ファントムに迫る。

 

「レラレラ♪」

 

「うっ!?」

 

「マシュちゃん!うおっ!?」

 

たが、ファントムが唄うとマシュは不自然な体制で地面に落下し、へルマンがそれを受け止めた。

 

「おい!しっかりしな、マシュちゃん!」

 

「うぅっ…… すみません…… あの唄を聞いたら体が……」

 

「では、そろそろ劇も幕を降ろそう」

 

ファントムがそう宣言すると、背後に無数の人骨で出来た巨大なパイプオルガンが出現する。

 

「唄え唄え、我が天使――――― 『地獄に響け我が愛の唄(クリスティーヌ・クリスティーヌ)』」

 

その瞬間、パイプオルガンから一斉に怨念の声が魔力に乗って優牙達に襲いかかる。

 

「ぐ、があああっ!!!?」

 

「あ、頭が…」

 

「なんつー音だ!?」

 

ファントムの宝具の効果で魔力の傷を与えられながらじわじわとファントムが殺した者達の呪いが優牙達を蝕んでいく。

 

「全く、酷い唄を唄うもんだ。音楽家としてヘドが出る。音楽とはこういう物だ!」

 

しかしアマデウスは平然としており、彼も自らの宝具を解き放った。

 

「聞け!魔の響きを!『死神のための葬送曲(レクイエム・フォー・デス)』!!!!」

 

悪魔の音楽隊が出現し、魔の重音を響き渡らせ、ファントムの宝具と相殺し合う。

 

「バカな!? 我がクリスティーヌの唄が!」

 

「今だ!優牙!」

 

アマデウスにより、呪いの唄から解放された優牙は、魔戒剣を掲げて円を描き、牙狼の鎧を召喚する。

 

 

―――― GAOOOOO!!!!!!

 

 

黄金の鎧を身に纏い、牙狼となった優牙は、牙狼剣でファントムの胴体を斬り裂いた。

 

『ハアッ!!!!』

 

「ぐおっ!? …… クリス、ティーヌ……」

 

そのままガクガクと足を震わせて瓦礫にもたれ掛かるファントムは、霊核が破壊され、消えるのを待つ身で、唄を紡ぐ。

 

「くっ…… 報われぬが、私の役目は果たした。喜べ聖女よ。お前の邪悪は、お前以上に育った」

 

「黙りなさい。もう喋るのも辛いでしょうに……」

 

「否――― これは言葉ではなく唄だ。お前へのな」

 

そうしてファントムは唄い出す。

 

「逃げるがいい―― 今ならまだ間に合う。運が良ければ逃げられよう――― 竜がくる。悪魔がくる!竜殺しは諦めろ。竜の魔女は負けぬ、傍らに、最強の竜種がいるかぎり…」

 

「しつこいな君は、コーダは終わった。さっさと奈落に帰れ」

 

アマデウスはそんな彼を鬱陶しそうにしながら、止めを刺し、ファントムは消滅した。

 

「最強の…… 竜種?」

 

「どうかしたか?マシュちゃん」

 

「いえ、少し引っ掛かることが……」

 

マシュが、ファントムの唄に違和感を覚えていると、ロマンからの通信が復帰し、慌てた様子のロマンが投影された。

 

『――― ああ!? やっと繋がった!それより大変だ!サーヴァントを超える超巨大な生体反応だ!』

 

「サーヴァントを超える!? そんな事あるんですか?」

 

『どうやら本当のようだぜ。盾のお嬢ちゃん』

 

曰く、サーヴァントすら軽く超える程の生体反応が、優牙達に迫ってきているらしい。

そしてそのことはザルバも感知していた。

 

『更にサーヴァント三騎追加だ!早く逃げるんだ!』

 

「私、ですね」

 

同時に三騎のサーヴァントもいるようで、ジャンヌはもう一人の自分の存在を察知していた。

 

「待ってください。竜殺しのサーヴァントはどうするんですか? ここで引いては彼も危険では」

 

『でももう時間が無いよ!?』

 

「…… どーすんだ、ユーガ。マスターのお前が決めろ」

 

「先輩……」

 

ここで竜殺しを捜し続けるか、それとも逃げるか。

その判断の全ては優牙に委ねられた。

 

「……… 竜殺しを捜そう。どの道、それしか希望はない」

 

優牙は、残って竜殺しを捜し続ける事を選んだ。

 

「では、私達が食い止めておきます。いいでしょ?アマデウス」

 

「僕に一々聞かなくても、君は堂々としていればいい。いざとなったら真っ先に逃げるから」

 

「うふふ、それでこそアマデウスね」

 

「音楽家とお姫様じゃあ心許ない。俺も残るからお前達は竜殺しを捜してこい」

 

「ありがとうございます!」

 

足止めをへルマン、アマデウス、マリーに任せて、優牙とマシュとジャンヌは竜殺しを捜しに向かった。

 

「ザルバ!」

 

『ちょっと待て…… あの城の瓦礫の下だ!』

 

優牙がザルバを翳して周囲を探らせると、弱いが城の瓦礫の下にサーヴァントの反応があり、優牙達は瓦礫を退かして、城の地下に入った。

 

城の地下には、壁に力無く寄り添っている男がいた。

 

「居ました!」

 

「くっ、次から次へと……」

 

マシュがその男に近づくと、男はマシュを敵と思ったのか、大剣を持ってマシュに斬りかかる。

 

「きゃっ!?」

 

「ま、待ってください!私達は敵ではありません!」

 

「…… 何?」

 

盾で剣を受け止めた瞬間、ジャンヌが男を説得し始めると、男は動きを止めてジャンヌの言葉を待った。

 

「今、竜種が接近しています。早く此処から離れましょう!」

 

「竜種…… 成程、だから俺が召喚され、狙われた訳か…… すまない、お嬢さん。いきなり悪かったな」

 

竜種という言葉で納得しながら、男は物腰低くマシュに謝罪し、剣を引いて崩れ落ちる。

 

「大丈夫か!?」

 

「うっ、すまない…… 傷が治っていなくてな」

 

「立てるか?」

 

「ああ… すまない、名も知らぬ少年よ」

 

優牙は、男に肩を貸して立ち上がらせる。

足元はしっかりしていたが、ダメージのせいで力は入っていないようだった。

 

「先輩、行きましょう」

 

「早く此処を出なくては」

 

「ああ。…… そうだ、あんたの名前は?」

 

「私の名は――― ジークフリート。しがない竜殺しのサーヴァントさ」

 

そして優牙は、ジークフリートを担ぎ、マシュとジャンヌに守られながら、地上に出た。

 

更なる恐怖と絶望が、優牙達を待っているとも知らずに……




聖女は聖旗を振る、己の故国の為に。

たとえ護るべき国に裏切られ、人々に罵られ、悪名を被る事になろうとも……


次回 第六節 救国


全ては、己の信じた希望の為に!
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