なんか釈然としない終わり方でしたが、続きがあると信じてます(棒)
次のイベントの三蔵法師ですが…… イラストを見てのコレジャナイ感半端なかった。
このイラストはどちらかと言えば孫悟空の方じゃないか? と思う位微妙でした。
ストーリー内容に期待したいです。(きっとギャグだろうけど……)
幾つもの困難を乗り越え、難敵達との戦闘、戦友達との出会いを経て、遂にここまで来た優牙とマシュ。
今、彼らの目の前には厄災をもたらす悪竜、ファヴニールが睨み、立ち塞がっていた。
「幾重もの困難を越えて、よくやるものだな、マスター。そしてマシュ・キリエライト」
「ええ。貴方達の諦めない心。決して砕けない信念。短い間でしたがこのゲオルギウス、確かに見極めさせて貰いました」
そんな彼らを、歴戦の英雄であり、世界最高の
「しかしだ…… こうして相まみえると、改めて強大な竜だな、こいつは……」
そうしてファヴニールを見上げるジークフリート達は、改めてその強大さと邪悪さを身に染みて感じるのだった。
「それでも…… こいつを倒さない限りには始まらない。頼りにしてるよ、ジーク」
「あぁ… その事なんだがマスター」
不意に、申し訳なさそうにジークフリートは声を詰まらせ、所在無さげに優牙をみる。
「すまない…… 正直に言うと、俺も何故こいつに勝てたのか、未だに分かってない」
「はぁ!?」
「なんと…!?」
「ちょ!? いきなり不安になるような事を言わないで下さい!」
恥ずかしげにポリポリと頬を掻くジークフリートは、生前も、英霊となりサーヴァントとなった今でも、どうやってファヴニールを倒したか覚えがないと言う。
「だが、記憶に刻まれている事は一つ。あの戦いは勝って当然の戦いではなく、幾つもの敗北から勝利を拾い上げる様なものだった」
『ああ、あの戦いは本当に酷いものだったな。最終的にホラーまで取り憑いて大変な事になる所だった』
「ザルバ知ってるの?」
『ああ。俺もファヴニールとは一度戦った事がある。当時の黄金騎士も手間取った相手だ。油断するなよ、優牙!』
ザルバはかつてファヴニールと戦っていた。
悠久の時を経て記憶は摩耗しているものの、それでも、歴代の相棒達の事は覚えていた。
その中の一人が、ジークフリートと共にファヴニールに立ち向かったと言う。
「やはりマスターの指輪はお前だったのか、ザルバ。マスターの赤鞘の剣を見てもしやと思ってはいたが……」
『なんだジーク。サーヴァントになっても俺達の事は覚えていたのか』
「朧気にはな。俺の数少ない友人の一人を忘れる事は、流石のアラヤも出来なかった様だ」
「ガアァァアァアアアア!!!!!」
そんな風に話していると、痺れを切らせたファヴニールが、咆哮を上げて此方を更に睨んでくる。
「向こうは戦闘状態です!こちらも行きましょう、ジークさん!」
「ああ。最後のアドバイスだマスター。慎重に策を投じろ、大胆に動け、広く視野を保ち、深く一点に集中しろ。空と海の様に、光と闇の様に、相反する二つの行動を同時にとれ。そうでなくては、あの
「分かった。要するに本能的に戦えばいい訳だ」
ジークフリート最後のアドバイスに、不敵に笑いかける優牙を見て、ジークフリートは安心した様に笑みをこぼす。
「フッ…… 頼もしいな、うちのマスターは。それでこそ、こちらも剣の預け甲斐があるというものだ」
「ええ、あんな気のいい御仁、そうはいないでしょう」
『お前達、どうやら話は終わりの様だぜ。来るぞ!』
「「「「!」」」」
ザルバが飛ばす警告に反応した優牙達は、振り下ろされたファヴニールの巨大な前足を見た。
「ガアァァアァアアアア!!!!」
ズドォォォォン!!!!
地響きを轟かせ、広範囲に砂ぼこりを撒き散らす一撃は、他の生物を粉々にする威力を十分過ぎるほど秘めていた。
ましてや、今回は自らを滅ぼしたジークフリートがいるのだ。
ファヴニールは慢心などせずに全力で踏み砕いた。
「グルルルゥゥゥ……」
砂ぼこりが少し晴れた頃、ファヴニールは前足を上げて、宿敵達が醜い肉塊になったかを確認する。
だが、ファヴニールには確信に近い思いがあった。
――― 自らを滅ぼした奴が、この程度で死ぬ筈がないと…!
「ハアッ!」
「セイッ!」
ジークフリートとゲオルギウスが、ファヴニールの胴体を両側から斬り裂いた。
「ゴアッ!?」
「むっ、硬い…… 流石は悪名高きファヴニール。一筋縄では行かぬか」
「いや、微量だがダメージは通っている。この調子で鱗を削ぎ落とし、宝具を叩き込もう」
しかし、最強のドラゴンの一角として語られるファヴニールの硬い鱗は、あらゆる攻撃を無効化する。
それはジークフリートの宝具の一つである、『
その宝具はファヴニールの血をジークフリートが浴びた事で生まれた宝具である。
ならば大元であるファヴニールが、それ以上の硬度を持っていても可笑しくはないのだ。
「やああああああっ!!!!」
ゴンッ!!
「ガアッ!?」
更に上空から追い討ちを掛けるようにファヴニールの脳天を的確に潰しに掛かるマシュの盾。
そのあまりの衝撃にファヴニールの巨体がぐらついた。
「先輩!」
ファヴニールの頭から飛び下りたマシュが見据えるのは、ファヴニールの背。
丁度翼の付け根辺りに白い魔法衣をはためかせて降り立つ優牙だった。
「ここか?ザルバ」
『ああ。以前のファヴニールは翼の付け根辺りだけ鱗がなかった。そこを突け』
優牙は両側の翼の付け根を見ると、確かに付け根の部分だけ、ファヴニールの鱗はなかった。
「よし…… ハッ、ダアッ!」
それを確認した優牙は赤鞘から魔戒剣を抜き放ち、鱗のない翼の付け根を斬りつけた。
「ガアァァアァアアアア!!??」
「うぉ!? うわあっ!!」
付け根を斬られたのがファヴニールに響いたのか、ファヴニールは悲鳴の咆哮を上げて、体を激しく揺さぶる。
優牙は、その衝撃でファヴニールの背中から落ちていった。
落ちていく優牙は、急にゾクリとする感覚を覚えた。
『優牙避けろ!』
「!」
ザルバの忠告虚しく、優牙はファヴニールの強靭な尻尾を叩きつけられ、地面に皹を入れながら落とされた。
「先輩!」
「気を抜くなキリエライト!ファヴニールはまだ健在だ!」
マシュは、叩きつけられた優牙を救いに行きたかったが、ファヴニールが睨みを利かせていて、優牙に近寄る事も出来なかった。
「で、ですが!先輩が死んでしまっては…!」
「だからこそですマシュ。少しでもファヴニールの攻撃を、マスターから遠ざける必要があります。我々サーヴァントはマスターを守り、剣となる事が第一、それを忘れてはなりません」
ゲオルギウスに諭されたマシュは、今にでも泣きそうな顔で優牙の倒れる場所をみつめ、意を決した。
「先輩…… 少し待って下さい…… マシュ・キリエライト!マスター冴島優牙の為、この盾で貴方を倒します!」
決意したマシュは盾を構えて、優牙からファヴニールを少しでも遠ざける為、突貫した。
「はあっ!」
「くっ、やっ!」
優牙達がファヴニールと戦っている激戦区から少し離れた場所で、聖女ジャンヌと魔女ジャンヌは戦っていた。
「いい加減倒れなさい!愚かな私!」
「それは、出来ません!このフランスを、世界を救うまで、私の歩みは止まらない!」
聖旗と魔旗を撃ち合い、一歩も引かない二人のジャンヌは、力の差を感じさせない戦いを演じていた。
「何故だ!力はルーラー能力の総てを持っている私の方が上なのに!何故こうも力が拮抗する!?」
「黒い私と言うのもアレなのでオルタと呼ばせていただきます。オルタ、私には負けられない理由があります。ですが、貴女はどんな理由で戦っているのですか?」
「負けられない、理由…… だと?」
ジャンヌに負けられない理由を問われたジャンヌ・オルタは、言葉を失った。
―――― 考えた事もなかった。ただ、神への復讐の為に蘇った。なら、私の負けられない理由とは……?
考えても考えても、答えは出なかった。
「負けられない理由など、貴女にあるはずはありません。フランスを、世界を崩壊させる要因があるのは七つの特異点と聞きました。なら、ここが成功しなくても、他で成功すればいい。なので、負けられない理由ではありません」
「………… れ」
「復讐も、貴女が蘇った理由であり負けられない理由ではない」
「……… ま、れ」
「優牙さんの言う通り、貴女はただ人形の様に戦っているだけです」
「黙れェェェッ!!!!」
ジャンヌ・オルタは激昂し、魔旗に煉獄の炎を纏わせてジャンヌに振り下ろした。
「くっ……!」
「ジルは言った!私達の復讐は神に知らしめる事で完遂すると!ならば、それが私の理由だァァァ!!」
「…… ジル? ジルは…… 関係ないでしょう!」
ジャンヌはオルタの魔旗を振り払い、聖旗を突きつける。
「もう一つ、負けられない理由が出来ました。オルタ、貴女を操る糸から、貴女を解放します!」
「五月蝿い!」
そうして二人は、互いに掲げた旗を打ち合っていく。
聖女と魔女、二人のジャンヌの戦いは、未だ熾烈を極めていた。
「う…… くっ……」
地面に叩きつけられた優牙は、数分の気絶の後に目を覚ました。
『目覚めたか、優牙』
「ああ、なんとか…… どうなってる?」
『あの盾のお嬢ちゃんが、お前の為に頑張っているぜ』
「マシュ……」
魔戒剣を杖の様に地面に突き立てて、ヨロヨロと立ち上がる優牙。
サーヴァントにも匹敵する強靭な肉体を持つ魔戒騎士である優牙にここまでのダメージを与えたファヴニールの攻撃の強さが伺える。
霞む瞳でファヴニールと戦うマシュを見た優牙は、自身を奮い起たせて立ち上がる。
『あのお嬢ちゃん。成長したな』
「なら名前で呼んでやりなよ」
『その域にはまだまだだ』
「厳しいなぁ……」
不意にファヴニールが此方を見る。
(見た目は)無傷の優牙を見て、ファヴニールは優牙の優先順位を跳ね上げた。
―――― この人間は危険だッ!! 殺らねば此方が殺られる!?
本能で優牙の脅威を察知したファヴニールは、真っ直ぐ優牙に向かって巨大な前足を振り下ろす。
「――― ッ!? 不味い、マスターが!」
「センパァァァイ!!!!!」
ファヴニールが優牙に向かった事に気づいたマシュ達だったが、攻撃を加えようとした時には既にファヴニールは飛び立っていた。
「ガアァァアァアアアア!!!!!!!!」
空から全体重を掛けて優牙を潰しにかかるファヴニールを優牙は睨みつけていた。
そして、ファヴニールの前足が、優牙の体を潰し、再び地面に地響きを轟かせた。
「そんな…… 先輩、が……」
『これで……… 世界は、終わるのか……?』
優牙の死に絶望するマシュとロマン。
マシュは膝を着いて、その薄紫の瞳から涙を溢す。
「私が…… 私がもっと先輩の近くにいれば…… こんな、こんな事には……ッ」
「いや…… まて、あれを見ろ!」
「えっ………?」
涙で濡れる顔を上げ、ファヴニールの前足を見ると、前足の隙間から、金色の光が溢れていた。
「あ、あれは……!?」
「グルルルゥゥゥ………!」
異変を感じたファヴニールは、更に前足に力を入れるがビクともしない。
それどころか、段々とファヴニールの体が浮き上がっていた。
前足が完全に浮き上がった時、そこに居たのは右腕に黄金の鎧を纏い、ファヴニールを持ち上げる優牙の姿だった。
「先輩……!」
「……… ハアッ!」
「ゴアッ!!」
マシュに無言で頷き、ファヴニールを押し返した優牙。
その行為に更に恐怖を覚えたファヴニールは、尻尾で優牙を凪ぎ払うが、尻尾が優牙に触れた瞬間、金色の光が放たれ、尻尾は弾かれた。
「ガアッ!?」
あまりに予測出来ない事に、ファヴニールは困惑する。
光が晴れた時、優牙の体を金色の鎧が包んでいた。
優牙は牙狼剣に変化した魔戒剣を構えてファヴニールに、静かに言い放った。
「…… ファヴニール。初めて貴様に出会った時、貴様は我が物顔でフランスを蹂躙していたな。だが、貴様は本来この時代の竜ではない……… そんな貴様に蹂躙していい土地など、無い!!!!」
――――― GAOOOOOOO!!!!!!
そして激しい怒りを見せた優牙の頭部を、紫色の瞳をした金色の狼の兜が装着され、優牙は完全に牙狼となった。
「!ガアァァアァアアアア!!!!」
かつて自身を滅ぼしたもう一人の騎士の姿を思い出したファヴニールは、怖れる様にブレスを放って、再び前足で攻撃する。
『フンッ!! オオオッ!!』
優牙は牙狼剣を振り下ろし、ブレスをかき消して、前足を牙狼剣で斬り上げ、ファヴニールを吹き飛ばした。
「ガアァァアァアアアァァァ……!!!!」
ズドォォォォン!!!!
ファヴニールの巨体が、地面に皹を入れて倒れる。
優牙は、マシュやジークフリート、ゲオルギウスの元へ向かった。
「先輩!」
『マシュ、心配させてごめん』
「あまりヒヤヒヤさせないでくれ、マスター」
「いやはや、一時はどうなるかと……」
『お前達、まだファヴニールは倒れてないぞ!』
『ああ!』
起き上がるファヴニールを見て、再び武器を構える優牙達に、ファヴニールは自身が放てる最大のブレスを優牙達に放った。
「これは不味いな!」
「もう…… 先輩ばかりに負担を掛けさせません!! 先輩は、私が守ります!!」
マシュは、宝具を展開して『
光の盾が、ファヴニールのブレスを受け止める。
「ああああああああああっ!!!!!!」
余りの魔力使用に、マシュの魔力回路から魔力が迸る。
「先、輩!今です!」
『分かった!ジーク!ゲオルギウス!宝具を!』
「その言葉、待っていた!」
「こちらはとっくに準備完了しております」
ゲオルギウス、ジークフリートが宝具発動の為に、魔力を溢れさせる。
ジークフリートはバルムンクに魔力を集め、ゲオルギウスはファヴニールの巨体に潜り込んだ。
「これこそがアスカロンの真実!汝は竜、罪ありき!――――― 『
竜殺しの力を持つ聖剣アスカロンでファヴニールの胸を十字に斬り裂き、その中心に突き立てる。
「ゴガッ、ハッ!?」
「待たせたなファヴニール。この黄昏の一撃をもって、貴様を再び葬る!」
そしてゲオルギウスがファヴニールから退いたその時、魔力を貯めたジークフリートが宝具を発動させる。
「天を治める魔の邪悪なる竜は失墜し、世界は今、落陽に至る!―――― 打ち落とす!『
バルムンクから放たれた黄昏の波動は、以前とは比べ物にならない程の威力をもってファヴニールに炸裂した。
「ガアァァアァアアアア!!!!!?」
ついにファヴニールはブレスを吐き続ける事も出来なくなっていた。
「グ、ゴアァァァ……ッ!!」
「まだ立つのか、ファヴニール……」
『優牙。アレで一気に奴を討滅しろ。生半可な攻撃は通じないからな』
『承知!』
優牙は金色のライターを取りだし、火を着ける。
ライターから緑色の魔導火が吹き出し、それを牙狼剣に翳して鍔元から鋒へと炙っていく。
すると、緑色の魔導火が牙狼剣に纏われ、それを振るうと牙狼の鎧にも魔導火が着き、優牙は炎に包まれた。
「先輩!?」
『心配するな、そう言う技なんだ』
いきなり炎に包まれた優牙を心配するマシュだが、これは一流の魔戒騎士のみが使える『烈火炎装』という技で、 体力を消費する代わりに、魔導火の力で鎧の力を上げる技だ。
優牙は牙狼剣を構えて、ファヴニール目掛けて斬り上げた。
『ハァァァァァ……… ダアァアアァァアッ!!!!』
ファヴニールを優に越える巨大な炎の斬撃は、地面を奔ってファヴニールを真っ二つに斬り裂いた。
「ガアァァアァアアアア……… !!!!」
二つに斬り裂かれたファヴニールは、魔導火にその体を灼き尽くされながら倒れていく。
再び牙狼剣を振るって魔導火を消し去り、牙狼剣を鞘に納めた瞬間、ファヴニールは爆発と共に消え去った。
遂に決戦の時は来た。
聖女と魔女、二人のジャンヌの慟哭。
それを貶める黒幕の影が優牙を襲う!
次回 第十三節 人形
本当に怖いのは、ホラーよりも人の執念かもな?