GARO/Grand Order   作:響く黒雲

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今週の魔戒烈伝…… 本当に凄かった!!!!
普段ならやらない様なクロスオーバー…… 魔戒教師のザジ先生の登場…… そして何より伝説の黄金騎士、冴島鋼牙の帰還。
嬉しすぎて涙出そうだった。

うちの優牙も負けてられませんぞ!

物語は遂に二章!舞台はローマ!
この狂気に満ちた世界で黄金騎士は何を成すのか?

そして登場する魔戒騎士は!?
……… まあオリジナルですけど。

それではどうぞ!


二章 永続狂気帝国 セプテム
帝国


私はある夢を見た。

 

「がんばれ!しろがね!」

 

「そう言うこがねだって、へばったんじゃないか?」

 

「そんなことない!見てろぉ~!!」

 

それは、とある二人の少年が高さ二百メートル程もある断崖絶壁の崖を、命綱無しで己の体一つで登る様子だった。

 

その少年達は上下を黒で統一した修行着を着て、頭に一人は金の、もう一人は銀の鉢巻きを巻いていた。

 

私には何を言っているのかは分からないけど、互いに懸命に叱咤しあい、頂上へ登っていく

 

「うわっ!?」

 

すると、しろがねと呼ばれた少年が手を滑らせ、断崖絶壁の崖から落ちようとしていた。

 

「……… あれ?」

 

しかし少年は何時まで経っても落ちることは無かった。

 

「うぐぐ……」

 

何故なら、こがねと呼ばれた少年が、その手を掴んでいたからだ。

 

 

 

そこで場面が変わった。

 

 

 

「貴様は…… 魔戒騎士のなんたるかをまるで分かっていないッ!!」

 

「………」

 

翡翠色のロングコートを纏った少年が、同じく翡翠塗りの槍を携えて、背中に黄金三角形を背負った白いロングコートの少年に突きつける。

 

私はその後ろ姿にとても見覚えがあった。

 

「貴様に騎士は務まらない!即刻牙狼の称号を捨てろ!」

 

「おい■■■。そこまで言う事ないだろ?」

 

「貴様は黙っていろ!■■■!」

 

二人は口論しているのか、はたまた槍を持つ少年が一方的に言っているのか……

黒いロングコートを着た少年が止めるが、槍の少年は止まらない。

 

「何とか言え!貴様が彼処で、一般人を庇わなければホラーを容易く倒せた筈だ!我ら魔戒騎士はホラーを狩るもの、人を守るのは二の次―――!?」

 

その先の言葉を槍の少年は言えなかった。

先程まで沈黙していた白いロングコートの少年が、赤身の鞘から剣を抜き、槍の少年の首筋に当てていた。

 

「何とでも言えばいい。俺はこの生き方を、牙狼を辞めるつもりはない。だがな、今度俺の前で人の命を軽んじてみろ…… その時は、お前を斬るッ!!」

 

白いロングコートの少年が振り向き、見えた顔は、紛れもなく私の知る――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルデアの一室、治療器具が置かれている部屋のベットで、マシュは目覚めた。

 

「今のは…… 先輩の、夢?」

 

彼女は先程まで、優牙が経験したと思われる夢を見ていた。

 

サーヴァントと契約しているマスターは、稀に夢を共有してしまう事があるようだ。

 

「あれが先輩の歩んできた、カルデアに来る前の先輩…… 辛くて、苦しくて…… とても優しい生き方」

 

敬愛する自身のマスターの過去、その一部を知ってしまったと言う罪悪感と嬉しさがマシュの胸の中に渦巻いていた。

 

そんなとき、ロマンから通信が入る。

 

『やあ、お早うマシュ。ぐっすり寝られたかい?』

 

「おはようございますドクター。はい、夢を見た以外は快調です」

 

『それは良かった。早速だけど、ブリーフィングルームに優牙君を呼んでくれるかな?次のレイシフトする場所が決まったんだ』

 

「了解、直ぐに支度します」

 

ロマンからの通信を切ると、マシュは気持ちを切り替えて、パジャマからカルデアの制服に着替え、メガネを掛けて優牙のマイルームへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

優牙のマイルームへ着き、一言声を掛けて部屋に入ると、優牙は丁度何時ものレザージャケットに白いロングコートの魔法衣を着て、ザルバを指に嵌めている所だった。

 

「おはようございます先輩。ぐっすり眠れましたか?」

 

「おはようマシュ。お陰様でね」

 

『俺様はもう少し寝ていたかったぜ』

 

「贅沢言うなよザルバ」

 

どうやら優牙もぐっすり眠れていた様で、何時もの優しい笑顔でマシュに答え、反対にザルバは悪態をついていた。

 

「フォウ!」

 

「やあ、フォウもおはよう」

 

「フォウさん。おはようございます」

 

いつの間にか居たフォウにも挨拶して、マシュはここに来た本題を話した。

 

「先輩、ドクターが呼んでいます。次のレイシフトの行き先が決まったみたいです」

 

「…… わかった、行こうか」

 

『やれやれ、今度はどんな時代に跳ばされるのやら……』

 

レイシフトの話が出た途端、優牙は顔を引き締め、マシュと一緒にロマンの待つブリーフィングルームへと足を運んだのだった。

 

 

 

 

ブリーフィングルームに入ると、ロマンとダ・ヴィンチ、数名のスタッフがカルデアスとシバの調整をしていた。

 

「やぁ、来たね優牙君。よく眠れたかな?」

 

「お陰様で。それよりドクター、レイシフトの行き先が決まったって聞いたけど」

 

「うん。早速ブリーフィングを始めようか」

 

ロマンは、カルデアスとシバの調整をスタッフに任せて、次のグランドオーダーに関するブリーフィングを始める。

 

「先日の優牙君達の活躍によりフランスの特異点は修復された。そこで、改めて観測したら次の特異点が鮮明に解析することが出来たんだ」

 

「やはり、そこにも聖杯が……」

 

「十中八九そうだろうね。そこでも歴史の歪みや、異変が聖杯によってもたらされているに違いない」

 

どの特異点でも聖杯による時代の破壊が行われているらしく、七つの特異点全てに聖杯があると、カルデアは当初考えていた。

 

フランスのように、今回の特異点にも聖杯があるようだ。

 

『万能の願望器も数があると有り難みも何もあったもんじゃないな。で、次の行き先は何処なんだ』

 

「あはは…… それでも聖杯だからねぇ…… っと、話がずれたね。次の行き先は西暦60年、ローマ帝国がもっとも栄えていた時代だ」

 

「となると次の行き先はローマですか?」

 

第二特異点の場所はローマ、それもまだ西暦に入って間もない頃のローマらしい。

 

「ローマかぁ…… ねぇロマニ。私も行っちゃダメ?私一人でもいいから歴代ローマ皇帝とお話してみたいなぁ~。特にネロ帝かカリギュラ帝!絶体話が合うと思うんだよねぇ~」

 

「その意見には全面的に同意…… というかレオナルド、君はカルデアの復興作業があるじゃないか」

 

「ちぇー、ロマニのいけずぅー」

 

芸術家であるダ・ヴィンチは、ローマの文化に触れ、ローマ皇帝と話したがっていたが、彼女はカルデアにまだ必要な為、ロマンに断られていた。

 

「ただ、気を付けてほしいのは―――」

 

「レフ教授…… いえ、レフ・ライノールですね」

 

「そうだ。彼が現れたら十分注意してくれ」

 

レフ・ライノール、またの名を魔神ホラー フラウロス。

 

カルデアを、人類を裏切り、挙げ句の果てホラーにまでなってしまった最悪の魔術師。

 

「レフ…… だが、奴はフランスには現れなかった」

 

「うん。けどフランスが失敗してお冠な筈だ。今回も邪魔してやろう」

 

ブリーフィングは終わり、優牙とマシュは霊子を変換するコフィンの前に立つ。

 

『気を付けろよ優牙。フラウロスは人の醜態や足掻く様を眺めて嘲笑うホラーだ。決して自ら先陣には来ない。どんなえげつない手を使ってくるか……』

 

「悪趣味極まりないな。結局はホラーってことか」

 

「大丈夫ですよ。先輩は黄金騎士で、私はそのサーヴァント。負ける気がしません」

 

「頼もしいね、マシュ。でも相手はホラーだ。一つのミスが命取りになるから、気を付けて」

 

「それじゃあ二人供いくよ?」

 

二人がコフィンに入ったのを確認したロマンがコンソールを操作すると、カルデアスが起動して回転、レイシフトが発動する。

 

 

『――――時代設定、B.C 60。座標固定完了。レイシフト、開始します。レイシフトまで後、3、2、1…… レイシフト開始』

 

 

その瞬間、優牙とマシュの体は霊子に変換され、西暦60年のローマへレイシフトしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人がレイシフトした先は、緑の溢れる丘陵地帯だった。

 

「西暦60年、レイシフト完了です。先輩」

 

「今回も無事に終わって良かったね」

 

優牙の服装には変化は無かったが、マシュはサーヴァントとしての姿に、盾を持ってなっていた。

 

「見渡す限りの緑の大地、澄みきった空。どれも素敵です」

 

すると、不意にマシュが辺りの景色を見て深呼吸を始めた。

 

『どうしたお嬢ちゃん。深呼吸なんぞして、緊張でもしているのか?』

 

「そう言う訳じゃないんですザルバさん。立体映像では見たことがあっても、実際に感じるのとでは大違いで。前にフランスにも来ましたけど、あの時は必死で景色を楽しむ余裕もありませんでしたけど、今は楽しいです!」

 

「そっか…… 良かったな、マシュ」

 

「はい!でも、あれは相変わらず空にありますね」

 

二人が空を見上げると、フランスにも現れていたオーロラのリングがローマの空を覆っていた。

 

「あれは何でしょう?フランスの物に似て…… いえ、同じ物でしょうか」

 

『あれね…… こっちでも解析してはいるけど詳しい事は分からない。引き続き調査しておくよ』

 

どうやらオーロラのリングは、カルデアの力を持ってしても解析出来ない様だ。

 

「フォウ! キャーウ!」

 

「フォウさん!? また着いてきたんですか!?」

 

その時、いつの間にか着いてきたフォウが、マシュの胸部装甲から現れる。

 

「おい、フォウ。今何処から出てきた?」

 

「フォウフォウ! キャウキャーウ!」

 

「え?「外にいる方がいい」ですか?その意見には同意です。カルデアの中よりも絶体にいいです」

 

「まあ、着いてきたなら仕方ないな。それよら、ここは何処だ?」

 

『あれ?首都ローマじゃないの?』

 

ロマンは首都ローマの近くに二人をレイシフトさせたつもりでいたが、優牙とマシュは実際には街一つ見えない丘陵地帯にいた。

 

「いえ、丘陵地帯にいますよ?」

 

『あれ~?おっかしいなぁ~。確かに座標は固定した筈なんだけど……』

 

「まさか、時代の方もズレて?」

 

『いや、時代はそこで合ってるよ。西暦60年、間違いない』

 

幸いだったのが時代はズレておらず、確かにそこは西暦60年のローマだった。

 

「? この音は……」

 

『どうかしたかい?マシュ』

 

「…… これは、複数の戦闘音です。この近くで大規模な戦闘が行われています」

 

マシュのデミ・サーヴァントとしての強力な聴覚が、この近くで戦闘が行われている事を察知した。

 

『戦闘? この時代にそんな大きな戦争は無かった筈…… まさか、時代が歪んで!?』

 

「可能性は高いです。行きましょう、先輩」

 

マシュの察知した戦闘音のする場所へ走る二人、丘陵地帯を抜けて拓けた場所に出ると、そこでは戦争が行われていた。

 

『どんな感じだい?マシュ』

 

「はい。赤と黄金の軍が二つ、小規模の軍と大規模な軍が争っています。小規模の軍は女性の方が指揮をしているようです…… というか彼女が殆どの兵士を相手にしています」

 

「サーヴァントか?」

 

『いいや。あのお嬢ちゃんは正真正銘の人間だ。今の所サーヴァントの反応はない』

 

『僕の仕事取られた……』

 

互いに同色の軍だったが、大規模の軍が勢いよく攻め込んでいて、小規模の軍が後ろに存在する街を守ろうとしていた。

 

「どうしますか?先輩」

 

「魔戒騎士としてはどっちにも荷担したく無いけど…… そうも言ってられない状況だしな…… 小規模の軍に味方しよう。街を蹂躙される訳には行かない」

 

「はい。行きましょう、先輩!」

 

優牙とマシュは、小規模の軍に向けて走っていった。

 

『優牙、相手は人間だ。魔戒剣は使えないぞ』

 

「分かった!マシュも、なるべく殺さないように!」

 

「了解です!この盾で峰打ちします!」

 

優牙とマシュは小規模のローマ軍の戦車を飛び越え、大規模のローマ軍の兵士を殴り飛ばした。

 

「ハアッ!」

 

「がっ!?」

 

「な、何者!?」

 

「助っ人だ。訳あって加勢する!」

 

優牙は向かってくる兵士達の武器を一つ一つ拳で叩き落とし、怯んだ所を後方へ蹴り飛ばしていた。

 

「ハッ!ハッ!オオオオッ!!」

 

「ギャアァアアッ!?」

 

「ひ、怯むな!? 数で囲めば勝てない相手じゃない!」

 

一人一人では勝てないと判断した兵士達は、優牙を取り囲み、それを見た優牙はやれやれと拳を握る。

 

「掛かれぇっ!!!!」

 

「「「「ウオオオオオオオッ!!!!!!」」」」

 

一斉に優牙に向けて、剣を振り抜く兵士達。

しかし優牙は慌てずしゃがみ、一斉に振るわれた剣を全て腕一本で受け止めていた。

 

「ひぃっ!? こ、こいつこれだけの剣を腕だけで!?」

 

「あ、あり得ねぇ!? バケモンだ!?」

 

「酷いな、君達と同じ人間だよ」

 

そう言うと優牙は素早く立ち上がり、剣を弾き、飛び上がって取り囲んでいた兵士の顔を一人残さず蹴った。

 

「その首貰ったぁっ!」

 

「!」

 

着地と同時に剣で優牙を貫こうとする兵士が現れたが、優牙はその兵士に気づいているもののあえて無視した。

 

「させません!やあっ!」

 

「なっ!? この女どっから――― ギャアッ!?」

 

優牙があえて無視したのは、マシュが直ぐ後ろにいる事を知っていたからだった。

 

優牙の背中を守ったマシュは、優牙に苦言を呈する。

 

「先輩!気づいているなら何故対処しなかったんですか!? 先輩に怪我があったら…!?」

 

「ごめんマシュ。でもマシュの事を信じてるから、背中、任せたよ」

 

「もう…… お任せください、貴方の背中は、私が守ります、マスター!」

 

優牙は再び拳を構え、マシュは盾を前に突きだす。

二人は背中合わせになって、お互いの背中を守りながら、迫り来る大軍勢に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝負あった!剣を納めるがよい!」

 

暫く戦っていると、先陣を切って戦っていた少女が勝鬨を上げ、大軍勢は去っていき、少女の軍は士気を上げていた。

 

すると、少女は此方へにこやかな笑顔を浮かべてやって来た。

 

「そなた達、加勢に感謝する。ふむ、首都の道は封鎖されていた筈だが、もしや敵軍か?よいよい、余は寛大故、敵軍であろうと力を貸してくれたならば水に流す」

 

「いいや?俺たちは敵軍じゃなくて、只の通りすがりだ」

 

「なんと、ならばブーディカ辺りの采配か?抜け目の無い奴よ。良い、余と轡を並べて戦う事を許す。此度の働き、よくぞやった!たっぷりと恩賞をやる故な!」

 

そこまで言うと、少女はやってしまったとばかりに頬を掻いた。

 

「しまった…… つい勢いで約束してしまった…… だが!案ずるな。余は一度した約束は破らぬ故。先ずは、首都ローマに帰還してからだ!勿論、そなた達も一緒にな!」

 

「どうします先輩? 悪い人じゃなさそうですけど」

 

「とりあえず情報が欲しい。あの子に着いていこう」

 

「話は纏まったか?では行くぞ皆の者!ローマに帰還する!」

 

こうして優牙達は、たまたま加勢した軍を指揮する薔薇の様に美しく、太陽の様に笑う少女に連れられて首都ローマへと向かっていった。




薔薇と情熱の都ローマ。

活気と熱気、何より笑顔が満ちるこの街で、優牙は何を見るのか。


次回 第二節 栄華


愛の狂気が牙狼を襲う!
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