ライダー金時さんや、ボインな頼光さん。
やっと鯖化した茨木ちゃんに何故来たし風魔。
そして何より六章解禁!
円卓衆にオジマンさん、毒ハサンちゃん!! 欲しい鯖が多すぎて多すぎて…… 石が……
水着イベントまでどれだけ石残せるかな……
数十分、ブーディカの胸で泣きじゃくったマシュは、落ち着いた様で、顔を少し紅く染めてうつむいていた。
「すみません…… こんなに泣いてしまって……」
「いーの、いーの!辛いときは泣くのが一番だよ。それにマシュちゃんは私の親戚…… ううん、正確にはマシュちゃんの中に居る子かな?だから、何時でも頼って」
ブーディカは気にしていないらしく、マシュの中にいる英霊の正体も分かるらしい。
もっとも、ブーディカはそれをマシュに伝えるつもりはないみたいだが……
「フォウ!」
「あ、フォウさん…… すみません。迷惑をお掛けして」
「フォーウ、キュ!!」
いつの間にか着いてきていたフォウにも謝るマシュだが、そんなことは気にするなとばかりにてしてしとマシュの頬っぺたを叩く。
「さ、戻ろう?彼、きっと心配してるから」
「はい。行きましょうフォウさん」
「フォウ!」
そうして野営地へと戻る二人と一匹。
その顔には既に焦りは無かった。
野営地に戻ると、ブーディカとスパルタクスに戦いを挑まれた場所に優牙は魔戒剣を地面に突き立て、座り込んで目を瞑っていた。
「先輩……?」
マシュは恐る恐る優牙に声を掛けると、優牙はゆっくりと顔を上げ、マシュを見据える。
やがて優牙は立ち上って、スタスタとマシュの前に来て、腕を振り上げる。
殴られるのだろうと覚悟していたマシュは、身を固くし、与えられる衝撃に備えたが、次に伝わった感触は優牙にフワリと抱き締められた感触だった。
「せ、先輩!? あの…」
「ごめんマシュ。お前の気持ちを考えなくて」
「…… え?」
マシュは困惑していた。
一方的に優牙の邪魔をしていたのは自分の筈、それなのに優牙に謝られているのが解らなかった。
「マシュから見れば俺は無茶をしているただの人間なのに、俺はそれを省みず、次々に英霊達と戦っていった…… 何時だって守られていたのは俺の方なのに……」
「それは違います!! 守られていたのは私の方です!先輩には落ち度はありません!」
「そんなことはない。マシュが居なかったらヤバかった時なんて幾らでもある。なのに、偉そうに説教なんてしちまった」
「それは……!それは、先輩が何時だって私と共に居てくれたからです。先輩が居なかったら私…… 今頃、カルデアで死んでいます…… ごめんなさい」
「いいんだ。それよりも俺はマシュが戻ってきてくれた事が嬉しい…… まだ、一緒に戦える」
「先輩…!」
こうして、ちょっとした喧嘩騒動は幕を卸した。
二人の絆を、より強固に深めて……
そして翌日、ネロの指揮の元にガリア奪還が始まった。
「ふむ… 流石に今までの末端とは違って数が多いな」
「それでもいかなきゃ。何時までもこのままにしておくわけには行かない」
「うむ、優牙の言う通りよ。では諸君、ローマに栄えあれ!」
ネロの号令と共に、連合帝国に突撃していくローマ兵達。
その先頭で一騎当千の活躍をしているのはブーディカとスパルタクスだ。
「雑兵達はあたし達に任せて!将軍は任せた!」
「フハハハハ!!!! やはり戦場はいい。圧制者の魔の手と化した兵の数や、幾百、いや幾千、幾万か!」
特にスパルタクスは生き生きとした表情で笑いながら敵兵を凪ぎ払っていった。
「ちょっとスパルタクス!そっちじゃない!」
「反逆の女王は我らが味方となった。これより我が剣は圧制への解放の凱旋と知れ!!」
ただしそこはバーサーカー、検討外れもいいとこの場所に突撃していき、それをブーディカが宥める為に追いかけていった。
「うむ…… 色々な意味で任せたぞ?ブーディカ」
「大変だな、ブーディカさんも」
「あはは…」
「フォーウ……」
「では、我らも行くとしよう。優牙、マシュ!余に着いて参れ!敵の将軍に向けて突撃するぞ!」
そう言うとネロは戦車から降りて、自慢の剣を携えて敵兵の群れに向けて走り出す。
「俺たちも行くぞマシュ!!」
「はい。先輩……」
「なんだ……?」
ネロを追って優牙も戦場に駆け出そうとした時、マシュがなにやら決意を秘めた表情で優牙を見る。
「私、先輩に人を殺させはしませんから…… だから、私を信じてくれますか? 」
「…… 俺は何時だってマシュの事、信じてるよ」
「ありがとうございます。その言葉があれば、私は戦えます」
「さあ、行こう…!」
「はい…!」
二人は、ネロを追って戦場に駆け出した。
その頃敵陣では、将軍が兵士から戦況の報告を受けていた。
「報告します!! 現在、僭称皇帝ネロ・クラウディウスの軍勢が、我が軍を圧倒しています!」
「そうか…」
「は…」
しかし将軍は兵士の報告に、たった一言述べただけで、その他には指示も出さず、なにもしなかった。
「…… 如何さないますか?」
「どうもしない」
「と、言いますと?」
「サーヴァントの相手はサーヴァントにしか務まらぬ。まったく…… 面倒なものよ」
将軍はめんどくさそうに戦場を眺めると、十字架にも似た黄金剣を鞘から抜き、太陽に照して輝かせた。
「ローマの神々の気まぐれもここまで来ると笑えないな…… よりにもよってセイバーなど……」
「まさか、陛下自ら出陣を?」
「阿呆、私が行くのではない、向こうから此方に来るのだ」
「はっ、申し訳ありません。して、どの様に相手を?」
「しなくていい。適当に戦え」
再三の兵士の指示の催促にも、この将軍はただ一つ、適当に戦っていればいいと言うだけだった。
しかし兵士も将軍に命を捧げているから戦場に参加している。
要は将軍の為に戦いたくて仕方ないのだ。
「しかし、我々は連合帝国を信じたからこそ此方にいるのですぞ!」
「ならば命ずる。適当に戦え。私はお前達の犠牲を好まん!」
「はっ!この命に代えましても!」
将軍から命を受けた兵士は、嬉々として戦場に戻っていき、将軍はその様子を呆れながら見ていた。
「命に代えるなと言っただろうに…… とは言え、お前達は死ぬのだろうな。自らの信じたローマの為に……」
将軍のその呟きは、戦場の兵士達の雄叫びと剣戟の音に掻き消された。
「はあっ!」
「オオッ!!」
ズズウゥゥゥン!!!!
優牙の斬撃と、マシュの盾の威力で突如現れた石の巨人は倒れた。
「何だコイツら……」
『魔術で作られたゴーレムの様だね。こんな事が出来る魔術師は限られている』
「レフが作ったのか…… このゴーレムを……」
『僅かだが邪気を感じる。優牙、フラウロスが何処に居るのか分からない。油断するなよ?』
「分かってる」
ゴーレムから感じた僅かなホラーの邪気。
レフに憑依したフラウロスの仕業に間違いは無かった。
「優牙達の言っていた魔術師か。其奴にも気を付けて行かねばな。敵陣は目と鼻の先故」
そう言うネロの視線の先には、敵の本陣が敷設されていて、皆出払っているのか、警備は薄かった。
優牙達は一気に走り抜け、敵本陣へ突撃する。
「よく来たな。待っていたぞ?さぁ、名を名乗るがいい」
「………」
そこにいたのは将軍と思われる、恰幅のいい男が一人、黄金の剣を携えて待ち構えていた。
服装はネロと極めて似通っており、ネロ自身も何かを感じたのか、黙ってしまった。
「どうした?名乗らぬのか。戦場にて名を名乗るのが礼儀だろう。それとも、今のローマは名乗らぬのか?」
「…… いや、余はローマ帝国第五皇帝、ネロ・クラウディウス。僭称皇帝である貴様を討ちに来た!」
「それでいい!お前の様な美しい者はそうであるに限る。さて、そこのお前。名乗るがいい」
「…… 黄金騎士 牙狼、冴島優牙」
すると、将軍は牙狼の名を聞き、一瞬驚きの顔をするが、直ぐに余裕に満ちた笑みを浮かべた。
「黄金騎士…… そうか、貴様があの方の言っておられた牙狼の称号を継ぐ者か」
「…… レフから聞いたのか?」
「さてな。だがその者では無いと言っておこう」
「(レフじゃない?なら、一体誰が…)」
本来牙狼を知る筈の無い人間が牙狼を知っていた。
優牙はレフから聞いたと思っていたが、どうやら別の人物から聞いた様だ。
「私も名乗らねばな。皇帝、その称号は私の時代には無かったが…… 私の名はガイウス・ユリウス・カエサルだ」
将軍、カエサルがその名を口にした時、ネロの顔は驚愕に包まれた。
「バカな!? その名は皇帝以前の支配者の名!」
「偽物ではないぞ?既にカリギュラにも遭遇していよう。あれも同様に本物だ」
「そんな…… ならば連合帝国の皇帝は、全て…!」
全てを悟ったネロは、驚きのあまりに動けなかった。
自らの慕う者達、これからローマを治める者達。
それらが一辺に襲い掛かることは、ネロにとっては辛い現実だろう。
しかしカエサルはそんな中でも自分のペースに持ち込もうとしてくる。
「何にせよ。ここに来た以上、我らは戦うしかあるまいて。ネロよ、貴様もその為に来たのだろう?」
「無論だ!偽物だろうが、本物だろうが関係ない!ローマは今、余の物だ!何人にも渡さん!」
「それでいい!それでこそローマに相応しい!」
カエサルは、その巨体に合わぬ速度でネロに接近し、黄金剣を振り下ろす。
「ぬうぅぅ!!」
「どうした!? その程度ではあるまい!」
「何のこれしき!」
ネロの焔の剣が、うねりを上げて吹き荒れ、カエサルの剣を押し返すが、カエサルは涼しい顔でそれを押し返す。
「そらそら!!」
「マシュ!ネロを守れ!」
「はい!やあっ!」
優牙の指示で飛び出したマシュは、ネロとカエサルの間に入って剣を防ぐ。
「ネロさんはやらせません!」
「ふむぅ…… 美しい。実に美しい!やはり戦場には華が無くてはな!」
「ウオオオオッ!!!!」
マシュに気をとられている内に、カエサルの背後から魔戒剣を振り抜く優牙だが、またも身の丈に合わぬ速度で優牙の魔戒剣を封じた。
「なっ!?」
「赤身の剣…… 貴様の技量も合って美しい…… だが、その剣の真価はそんな物では無いのだろう?魔戒騎士」
「何故、お前が魔戒騎士を!!」
「はっ!」
優牙とカエサルが鍔迫り合いを演じる中、ネロがカエサルを討ち取るべく、焔の剣を滾らせ、カエサルにぶつける。
「ヌオッ!?」
「やったか!?」
体に火を着けられたカエサルだが、素早く離脱し、黄金剣で火を消す。
「ふむ、肉体労働は向いていないのだが……」
「セイバーでこれだけ動いておいてどの口がいっているんですか!!」
「だが、お前達ならばこの
『なんだ…?カエサルの魔力が、上がっていく!?』
魔力の光がどんどんカエサルに集まっていき、徐々に霊器の質が上がっていき、最終的に彫刻の様な左腕に、輝きを放つ黄金剣。
カエサルは本気で戦う事を決意した。
「ここからは本気だ。易々と死んでくれるなよ?」
「なんと!?」
「あれで本気じゃ無かったなんて…!!」
「私は見た!私は来た!ならば次は勝つだけの事!さあ、賽は投げられた!存分に来るがよい!」
「悪いが…… 俺はお前に勝利をくれてやる気は無い!」
優牙は魔戒剣を天に翳し、円を描く。
魔戒剣の軌道が光の円と成り、魔界のゲートを創り出し、砕ける。
砕けたゲートから金色の光が優牙を照らし出し、次の瞬間鎧が召喚され、覆い被さる様に優牙に纏われた。
――――― GAOOOOOOOOO!!!!!!!!
狼の雄叫びと共に、黄金騎士 牙狼が、狂気満ちる戦場に降臨した。
「なんと…!艶やかな鎧だ!」
「ほう…… それがあの方が言っていた黄金の鎧か。中々どうして美しい」
『何故、牙狼の鎧を知っているのか、喋って貰うぞ!!』
初めて牙狼の鎧を見るネロは、その雄々しさに圧倒され、カエサルは自身の情報が間違っていない事に笑い、鎧を賛美した。
だがそんなこと知ったことではない優牙は、牙狼剣を構え、カエサルに斬りかかる。
「ヌン! ハアッ!」
『クッ!? オオッ!』
しかし素早く避けられ、カエサルの
『デブの癖にすばしっこいな。不意を突かないと倒せないぞ?』
「ふくよかと言え!失敬な指輪よ!」
『不意って言ったって……!!』
セイバーのサーヴァントとして喚ばれているだけあって、さしもの優牙も防戦を余儀なくされていた。
見た目とは裏腹に、卓越した剣技と黄金剣が合間って、凄まじい威力を叩き出していたのだ。
「私は見た!私は来た!ならば次は勝つだけの事!『
宝具を解放したカエサルの黄金の剣戟が、正しく死の様に優牙に襲い掛かった。
『グアアアアアアアアッ!!!!!!』
カエサルの宝具の余りの威力に、鎧を強制解除されてしまった優牙は、地面に叩きつけられた。
「かはっ……!?」
「優牙!」
「どうした?それで終わりか?黄金騎士」
「まだ、まだァ!!」
宝具の直撃を食らってフラフラの筈の優牙は、魔戒剣を杖にして立ち上がる。
「俺は…… 負けられないッ!!」
「先輩…… そうだ!ネロさん!」
諦めかけていたマシュだったが、立ち上がる優牙の姿を見て、何かを思い付き、それをネロに伝える。
「成程…… 行けるかもしれなんな!それで行こう!」
「はい!では……」
マシュは自身の盾に魔力を流し込み、疑似宝具を発動する。
「『
発動した光の盾を使ってマシュは、カエサルに突撃していく。
「血迷ったか?間違った宝具の使い方だな」
カエサルはマシュに失望しながら、苦もなく飛んで避ける。
「はっはー!! 貰ったぁっ!!」
「何!?」
しかしカエサルは読み違えた。
攻撃の為にマシュは光の盾を使ったと思っていたが、実際は直ぐ後ろにいるネロを隠す為の物だった。
「ハアッ!」
「グオッ!?」
幾らカエサルが歴戦の剣士と言えど、不意を突かれてしまえば関係ない。
ネロに斬られ、焔によるダメージを受け続けるカエサルに追い討ちを掛けるように優牙は突撃する。
「ウオオオオッ!!!!」
魔戒剣の一撃は、カエサルの霊核を正確に切り裂き、カエサルはドサリと地面に落ちた。
「…… 見事」
「カエサル、時間が無いから一気に質問するぞ。聖杯は何処にある。そして、誰から牙狼の事を聞いた?」
「良かろう…… 取り立てるのも勝者の努めだ。聖杯は、連合帝国の首都にいる宮廷魔術師が所有している。鎧の事は…… 追々分かる。その時にその剣、取られぬ様にな……」
そう言ってカエサルは、黄金の粒子と共に消えた。
「これは…!?」
「サーヴァントの死だ」
カエサルが消えた事に着いていけてないネロは驚きを隠せないが、優牙達は見慣れた光景な為、ネロにはサーヴァントの死と言っておく。
『聖杯は、やはりレフが持っているみたいだね』
「その様です。引き継ぎ、レフ・ライノールの捜索を…… 先輩?どうされました?」
「いや、カエサルに牙狼を教えた奴が気になってね…… カエサルはレフからは聞いていないと言っていた。なら、一体誰が…?」
カエサルに黄金騎士について話した人物に、全く心当たりがない優牙は、悩んでも仕方がないと、考えを思考の隅にやったが、不安だけは何時までも消えなかった……
何時の時代も神っていうのは厄介だ。
時に試練を与え、時に栄誉を与える。
そして、残酷に命を奪う……
次回 第五節 女神
神の気紛れには気をつけな。