GARO/Grand Order   作:響く黒雲

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先ずは挨拶を…… 『何度も出てきて恥ずかしくないんですか?』

とまあ、これ出せば皆判るよね?エリちゃん復活だぞ野郎共。しかも今度は勇者だぞ勇者!また属性増えたジャマイカ……(お前どちらかといえば魔王側だろ!とかいうツッコミは無しな!)

復刻イベントが出たってことはノッブとかサンタさんとかリリィとか期待していいんだよね?


劇場

「…… 死ぬかと思ったぞ」

 

『ああ。よく生き残れたな』

 

ハラハラした表情でポツリと呟くネロ。

そんなネロを肯定するように話すザルバ。

 

アルテラの宝具開放によって優牙たちは連合帝国首都外れの荒野まで弾き出されていた。

 

『僕にはあれだけの魔力の宝具を間近で受けて生きている事に驚いてるけど――― とにかくよくやってくれたマシュ。ブーディカもナイスタイミングだ』

 

「いやぁ、驚いたよ。宮殿に突入したらいきなり宝具が放たれてるんだもん。慌ててこっちも真名開放させてなんとかなったけどさ」

 

あのとき、アルテラの宝具をマシュの疑似宝具だけで防いでいた状態だったが、彼女の宝具の力はアーサー王のエクスカリバーに匹敵するほどの力。

 

マシュの守りだけでは、破られるのも時間の問題だった。

 

そこにブーディカが現れ、彼女の宝具『約束されざる守護の車輪(チャリオット・オブ・ブディカ)』が発動、マシュと同じ守りを与える宝具の相乗効果で弾き出されてしまったものの、無傷で居ることが出来たのだ。

 

「それでも、あの光をまともに浴びたスパルタクスと呂布はダメだろうね」

 

「ここに来てあの二人を失なうのは痛いな」

 

だが全員という訳でもなく、スパルタクスと呂布はまともに宝具を受けて消滅していた。

火力のあるバーサーカー二人を失ったのは、ネロたちにとって打撃だろう。

 

「あやつ――― アルテラと言っておったな」

 

『ああ。彼女は既に連合帝国首都から離れている。今は、ローマに向けて歩いて進行中だ』

 

「あやつは我がローマを、灰燼に帰するつもりか?」

 

『だろうね。彼女にはその力がある。例え君が生きていても、ローマが消え去れば、それはローマ帝国の消滅だ。或いは、ローマを滅ぼした後で君を殺しに来るか…』

 

アルテラの破壊力を以てすれば、一都市を壊滅させることなどそれこそ赤子の手を捻る様なものだろう。

 

加えて今の彼女は聖杯を所持している。

魔力切れなど気にせずに宝具を連発することが出来るのだ。

 

「どちらもお断りだな。余は、余のローマも、余も、どちらもくれてやるつもりはない」

 

「では、アルテラを倒すしかありません。……… ですが」

 

「どうかした?マシュ」

 

毅然とした態度を崩さず、アルテラがあるであろうローマを見据えるネロに対して、マシュは意気消沈気味になっていた。

 

「アルテラの宝具…… あれは、冬木でみた聖剣の様でした。あの時は強力なキャスターの援護があったものの……」

 

「出来ぬというのか?マシュは」

 

「………」

 

出来ない、とは心の中で思っていても、それを口に出すことがどういう事か分かっているマシュは、黙るしかなかった。

 

しかしネロは、マシュが思っているようには微塵も感じてはいなかったのだ。

 

「余はそうは思わぬ。マシュも、優牙も、余を幾度となく助けてくれたではないか。余は確信している。神々と運命は余に味方しているとな!」

 

「だからこそ優牙たちが来たのだ。余の想いはきっと叶う。神祖も言っていた、世界は永遠でなくてはならないと」

 

「たとえその名が忘れられても、ローマが植えた種は、形を変えて残るのだ。故に、永遠の帝国は在り続ける。皇帝が国が、それら全てが変わってもだ」

 

ネロは確信していた。

優牙やマシュと共に戦えば、ローマは必ず救えると。

 

この出会いは決して偶然などではなく、必然であったのだと。

 

「それこそが、連綿と続く命の系統樹。優牙たちが守る人理に他ならぬのだ」

 

「あはは… ネロ公。あんたが何言ってんだが、あたし全然分かんないだけど」

 

「うむ!安心しろ。言ってみて何だが、余にも分からぬ!」

 

「私はなんとなく分かりました。明確な形が消えても、そこに意志は宿ると」

 

「フォウ!」

 

目の前にある大きな絶望にも屈せず、尚も自らの勝利を信じるネロの笑顔に、俯いていたマシュも自然と顔を上げて笑顔になる。

 

『あはは。もうちょっとロマンチックに考えようよ。少なくとも、僕はネロの言葉で勇気が出たよ。彼女はアルテラに勝てると信じてる。だから世界は終らない。…… 成程、根拠のない自信だ。でもやってみようとは思える。優牙君はどうだい?』

 

ここで優牙がどう答えるかなんて、ロマンはおろか誰だって分かっている。

 

皆が思い描いていた言葉を、優牙は迷わず即答するのだった。

 

「俺はネロを信じてる。きっと勝てるさ」

 

ネロを信じてる―――― 優牙が戦う理由なんてそれだけだ。

 

人が持つ心と絆、その光を今も信じているからこそ、優牙は今代の黄金騎士 牙狼に選ばれたのだ。

 

「――― なら、私は先輩を信じます。アルテラと戦いましょう」

 

「私も付き合うよ。これ以上蹂躙されるのは、いい気分じゃないからね」

 

「何の話か知らないけど、ネロは信じられるぜ」

 

「そうだな。それとこいつの運もな」

 

優牙を中心に皆が一つになった時、アルテラの動向を探っていた陸人と瞬が戻ってきた。

 

「瞬に陸人ではないか。今まで何処に行っておったのだ?」

 

「あのアルテラってやつを偵察にな」

 

「奴は、悠々と歩いてローマに向かっていた。このペースなら日暮れには着いてしまうぞ」

 

「そうか…… ならば、急がねばな」

 

『それだけではないぞ。奴が歩いた後から、竜の様な怪物がゾロゾロ沸いていた』

 

『なんだって!?』

 

ガルバの報告を聞いたロマンは驚愕しながら、荒野を捜査する。

 

『本当だ…… フランスで召喚されていたワイバーンがいるぞ!?』

 

「ワイバーン? お伽噺の怪物か?」

 

「はい。前回、フランスで戦ったんですけど…」

 

『アルテラの持つ聖杯のせいか?だとしたら早く止めないと!』

 

『どちらにしろ、アレを何とかしなければなりませんね……』

 

そう言うラルヴァの見据える先には、大群のワイバーンが無数の数でこちらにやってくる。

 

『どうする優牙。奴等の相手をしてる暇はないぞ?』

 

「分かっているさ。でもやらないと!」

 

「仕方ないなぁ~。ここは私が引き受けるから、あんたたちは先に行きな」

 

ブーディカが気恥ずかしそうに優牙の前に出る。

 

「待てブーディカ!? 引き受けるとはどういう事だ!」

 

「言葉の通り、あんたはさっさとアルテラを止めてきな」

 

「し、しかし……」

 

「いいから行け!…… あんたの言う世界を守ってみせなよ」

 

「……… すまぬ。我が好敵手、ブリタニアの女王よ」

 

ブーディカの怒りに覚悟をみたネロがこれ以上止められる筈もなく、申し訳なさそうに背を向けた。

 

「優牙、俺たちもここに残るぜ」

 

「女王だけを置いて行く訳にも行かんからな」

 

「そうか…… しばらくお別れだな」

 

「ああ!また会おうぜ」

 

「達者でな」

 

そうして、優牙も盟友たちと別れを告げ、アルテラを止めるために背を向けた。

 

「行くぞネロ、マシュ。これが最後だ……!」

 

「はい!マスター!」

 

「うむ、余のローマは誰にも渡さん!」

 

優牙たちはローマに向けて、文字通り風の様に走り去って行った。

 

荒野に残ったのはブーディカ、陸人、瞬、そしてワイバーンの群れ。

 

「…… ゴメンね。あんたたちまで付き合わせて」

 

「気にすんなよブーディカ」

 

「ああ、これが俺たちの仕事だ」

 

「ふーん…… イイ男じゃない、あんたたち。あたしの旦那の次に!」

 

「って、二番目かよ!?」

 

「はぁ…… !来るぞ」

 

それぞれの武器を構えて、三人はワイバーンの群れに突っ込む。

 

それが好敵手の、盟友の為になると信じて………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走り続けて数時間、日が沈み始め、大地が紅く染まりは始めた頃、優牙たちはアルテラの前に立った。

 

「…… 行く手を阻むのか。この私の」

 

「ああ。その為にここまで来た。これ以上進めさせるわけには行かない」

 

褐色の少女と、最後のマスターの短い問答はそれで終わり。

 

アルテラは全く反応を示さない。

彼女にとってどうでもいいのか?はたまた、優牙たちが()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「阻むぞ。貴様を進ませる事は出来ぬからな。…… 貴様は言ったな。世界を滅ぼすと、何故だ?世界はこんなにも美しく、そして余の愛が満ち溢れているというのに、勿体無いとは思わぬのか?」

 

「私は、フンヌの戦士である。この西方世界を滅ぼす――― 破壊の、大王」

 

ネロの兼ねてからの疑問にも反応を示さず、宮殿で言った事をただ、淡々と述べるのみ。

 

そんな彼女をネロは、事もあろうに哀れんだのだ。

 

「また、それか。…… 哀れよな、本当に美しい物を知らんのだ。花も、愛も、黄金も、世界も!何もかもを……」

 

「私は……」

 

しかしこの哀れみが、彼女の何に触れたのか?彼女はこれまでにない反応を見せた。

 

「美しさなど、愛など、私は知らない……」

 

その顔は何処か空虚に感じ、とても痛ましいものであった。

 

「ドクター、今までにない反応です。どうやら、自動的に反応するわけでは無いようです」

 

『この反応は――― そうか!聖杯を得た事で、一種の暴走状態にあるんだ!でも対話は望めない。また宝具が来る前に一気に決めるんだ!』

 

「要は聖杯を引き剥がせばいいんだな?」

 

そう言うと優牙は魔戒剣を抜いてアルテラに構える。

 

「…… 戦闘目標、確認。排除する」

 

アルテラも、それに応じて軍神の三色光を出現させて、それを突きつける。

 

「サーヴァント、アルテラ!来ます!」

 

「力では勝てぬかもしれん…… だが、愛の強さでは余の方が上と知れ!」

 

「アルテラ。貴様の陰我、俺が断ち切る!」

 

「………」

 

無言のまま、アルテラは軍神の剣を振り回す。

すると、軍神の剣は鞭の様に伸び、優牙たちの首を跳ねようと、うねりを挙げて振るわれる。

 

「伏せろ!」

 

優牙の合図で三人はアルテラの一撃を避け、アルテラへと接近する。

 

だが、アルテラも何もしない訳ではない。

再び鞭に軍神の剣を変化させて、優牙たち一人一人に地面が砕け散る程の衝撃を与える。

 

優牙たちはバラバラに動く事により、アルテラの標的を一つに定めず、攪乱しながら確実に近づいて行った。

 

そして――――

 

「もらった!」

 

「………!」

 

ネロの炎の一閃がアルテラに振り下ろされる。

しかし暴走しているとはいえ、それは性格の話、戦闘能力は変化がない処か向上しているので、人間のネロの攻撃は止まって見える。

 

素早く後ろに下がったと同時に足をバネの様に曲げ、軍神の剣をネロの心臓目掛けて突き込む。

これでネロはひとたまりもなく死に絶えるだろう。

 

「…… ハァ!」

 

ただしそれは、ネロが一人でアルテラに挑んでいた場合だが。

 

「させません!」

 

すかさずネロの前に立ったマシュが、ラウンドシールドでアルテラの剣を受け止める。

 

「……!」

 

自身が敬愛する軍神(マルス)の剣が受け止められた事に、アルテラは僅かなショックを受けるが、それもほんの一瞬、直ぐ様マシュのシールドを破るため、連続で突き込んだ!

 

 

ガガガガガガガ………!

 

 

「くぅぅうう!」

 

「ハアアアアッ!」

 

マシュのシールドは仮にも宝具に選ばれるほど頑丈だ、しかしアルテラの剣も全てに破壊を与える神の剣、アルテラが競り勝っても、マシュが耐えきっても可笑しくはない。

 

だが、圧倒的に経験がまだ足りないマシュは確実にアルテラに押され始めていた。

 

「負けま、せん!」

 

「これで……!」

 

ふと、マシュの背後から優牙が飛び出し、アルテラの背後に降り立つ。

 

「ハァッ!」

 

「くぁっ!?」

 

そうして魔戒剣を一閃。

アルテラはマシュへの攻撃を中断して迎撃しようとするが、間に合わず、優牙はアルテラの背中に一撃いれたのだ。

 

「ダァアアッ!」

 

「くっ……」

 

流石に二撃目は回避したが、それでも背中から魔力が漏れ出す程度には傷を付ける事が出来た。

 

「なんと、面妖な…」

 

「そんな…!」

 

「厄介だな…」

 

三人は驚愕した。

何故ならたった今付けた筈の傷が、蒸発するように無くなってしまったのだ。

 

「どうなってるんだ…… ドクター!」

 

『聖杯だ!聖杯が与える無限の魔力が霊体のサーヴァントを復元しているんだ!』

 

サーヴァントは魔力でこの世に現界する生きた幽霊の為、傷を負っても強大な魔力があれば致命傷以外の傷は大抵治ってしまう。

 

「宝具…… 開放……」

 

すると、アルテラが持つ軍神の剣が回転を始め、虹色の魔力が刀身にチャージされていく。

アルテラは宝具を発動するというカードを切ったのだ。

 

『魔力反応増大!宝具が来るよ!』

 

「…… ザルバ。アレの対処の仕方、判る?」

 

『お手上げだな。アレはもうどうにもならん。一か八か、避けてみるか?』

 

「それは出来ぬ!後ろには、余のローマがあるのだ!」

 

ネロの言った通り、優牙たちの後ろには運が悪い事に丁度、首都ローマがあるのだ。

宮殿を簡単に吹き飛ばす程の威力を持った宝具を魔力ブーストが掛かった状態で放つなら、都市一つ吹き飛ばすなどわけないだろう。

 

故に回避という選択肢は最初から存在しない。

 

『なら受け止めるか?お嬢ちゃんの盾では防ぎ切れないぞ?』

 

「…… やります。もうそれしかありませんから」

 

「それしか…… ないのか……」

 

受け止める以外道がないと悟ったマシュと優牙は、その為に疑似宝具の開放を急いだ。

 

「令呪三角使っても耐えられるか……」

 

『せめて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……』

 

この、ザルバが呟いた一人言が、ネロの直感に警鐘を鳴らした。

 

「…… ザルバよ。あやつを別の場所に移動させればいいのか?」

 

『ああ。そうすればローマを気にせず避けられるからな。だがそんな方法が……』

 

「なんとかなるかもしれん……」

 

「本当か!ネロ!」

 

「うむ…… だが、成功するか分からん。万が一に備えて、マシュには受け止めて貰いたいのだが……」

 

「…… 分かりました。私も、先輩が信じたネロさんを信じます!」

 

「うむ!恩に着るぞ!マシュ」

 

なんとか希望が見えてきたその時、魔力のチャージを終えたアルテラが、軍神の剣を此方に向けていた。

 

「これで終わりだ…… 『軍神の剣(フォトン・レイ)』!」

 

七色の光が優牙をマシュを、そしてネロとローマを呑み込もうと迫り来る。

 

「令呪をもって命ず…… マシュ!宝具を全力で展開しろ!」

 

その時優牙の令呪一角を代償にマシュへ魔力ブーストが発動し、疑似宝具の防御を底上げする。

 

「了解です!――― 宝具、展開します!」

 

七色の光を前に、令呪で強化された光の盾が現れ、激しくぶつかり合う。

 

 

ドババババババババ!!!!!!!!

 

 

「くっ、アアアアアアッ!!!!!! マスター!」

 

「ネロ!頼むぞ!」

 

今にも壊れそうな光の盾。

そう長くは持たないだろう。

総ての希望はネロに託された。

 

「うむ!任せるがよい!」

 

ネロは懐から薔薇を取り出すと、演目の舞台の様にそれを宙に放り投げた。

 

「我が才を見よ!万雷の喝采を聞け!インペリウムの誉れを此処に!咲き誇る華の如く…… 開け!黄金の劇場よ!」

 

その薔薇が魔力と共に散ると、ネロは地面に剣を突き立て、それを中心に世界がネロ一色に染め上がる。

 

優牙が眩しさに目を瞑り、再び開けたその時、もうそこは荒野でも、ローマでもなかった……

 

目の前に広がる世界は豪華絢爛、黄金と赤の二色に染まり、薔薇が華麗に舞い散る黄金劇場へと姿を変えていた。




遂にローマともお別れだな。

名残惜しいのは分かるが、俺たちにはまだやるべき事があるのを忘れるなよ?


次回 第十四節 友達


結ばれた絆は、何時までも色褪せない!
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