まだログイン出来てませんが、ゴールデンウィークで攻略してみせますとも!
え?ギルガチャ?
聞くなよ…… ( ;∀;)
遂に優牙達は大空洞の最深部に辿り着いた。
準備は万端、休息も十分に取った。
後はこの先にいるサーヴァント セイバーことアーサー王を倒せばなんとかなるはずだ。
「あれが、大聖杯…… 超抜級の魔術炉心じゃない!? どうしてそんな物が極東にあるのよ!」
オルガマリーが見据える先には巨大な黒い杯が鎮座していた。
それはとても聖なる願望機とは程遠い気配を漂わせていた。
「気ぃ引き締めな。本命が来たぜ…!」
キャスターの視線の先には、明確な敵意を持って此方を見下ろす、漆黒の騎士王が、黒き聖剣を携えていた。
「先輩、良く見たらセイバーさんは女の人です!? アーサー王は男性だと思っていたのですが……」
『当時のお家事情だろうね。昔は男子じゃないと王位を継げなかったらしいから。全く、マーリンも趣味が悪いなぁ』
「対話に期待すんなよ。奴はあの状態になってから一度も言葉を発していねぇ」
優牙に対する警告の為か、キャスターがそう言うが、当のセイバーは……
「――――― 面白いサーヴァントがいるな」
何事もない様に平然と喋りだしたのだ。
「……… 喋んないんじゃなかったの?」
「なぬ!? セイバー、貴様喋れたのか!? わざと今まで黙りを決め込んでいたのか!?」
「―――― 何をしていても常に見張られている。故に案山子に徹していた」
セイバーが喋っていなかったのは、単に当人のさじ加減だったらしく、喋ろうと思えば喋れたらしい。
「それにしても小娘。貴様、中々面白い盾を持っているではないか」
セイバーがマシュを見据えた瞬間、黒い聖剣に、漆黒の魔力が集まり、それが剣の形に纏まっていく。
「話していても始まらないだろう。貴様の盾と、私の聖剣。どちらが上か、試させてもらう!」
その宣言と共に聖剣の魔力が、敵対する者全てを滅ぼす、破滅の暴風へと姿を変えた。
『なんて出鱈目な魔力なんだ!? これが、アーサー王のエクスカリバー……! 優牙君!』
「マシュ!! 宝具を展開するんだ!」
「了解です!」
それを見た優牙は、マシュに宝具の使用を許可し、マシュも盾に魔力を集結させていく。
そして、互いの宝具による撃ち合いが始まった。
「卑王鉄槌―――― 極光は反転する。光を呑め!『
「宝具…… 展開します!」
漆黒の暴風が、正に極光を呑み込みながら優牙達に向けて放たれた。
その凶悪な魔力の奔流を、マシュは
ドバアァァァァァァンッ!!!!!!!!
「うっ、うああぁぁあぁああぁああっ!!!!!!」
凄まじい威力の暴風が、光の盾に激突し、その絶大な威力をもって光の盾をガリガリと削っていく。
マシュは、その魔力に負けない様に必死で魔力を込め続けていた。
「負けま、せん!後ろにいる先輩達を、絶対に守り抜きます!」
マシュの守り抜くと言う想いに応えたのか、光の盾はその輝きを更に増していき、漆黒の暴風が徐々に小さくなっていく。
そして………
「ハァ――― ハァ――― や、やりました…… 守り、抜きました……」
見事に、セイバーの
「――― ほう、やるではないか。別段、手を抜いていた訳ではないのだがな」
「負けられません。私の後ろに、先輩達がいる限り、は……」
しかし、マシュにセイバーの宝具を防ぎ切るのは、体に相当な負担が掛かったようだ。
マシュは、盾を支えにして立っているのがやっとだった。
「マシュ!!」
「先輩、私、やりましたよ……」
「ああ、見てた。よく頑張ったな、マシュ」
優牙はそんなマシュに駆け寄り、マシュの支えになって、マシュを誉める。
「マシュ…… 動けるか?」
「直ぐには…… 無理そうです……」
「そうか…… キャスター、所長。マシュの回復、お願いします」
優牙はマシュをキャスターに預け、セイバーの前に立つ。
「そりゃあいいが…… お前さんはどうする気だ」
「…… マシュの回復まで時間を稼ぐ」
「そんな……! 無理です先輩!危険過ぎます!」
通常サーヴァントに生身で戦いを挑むのは自殺行為に他ならない。
「大丈夫…… 俺を信じろ!」
しかし……
「む? マスター自ら私に挑むか。余程の馬鹿か、それ相応の実力があるのか…… 何にせよ、無謀である事に変わりは無い」
優牙は、赤みの鞘から剣を引き抜きながらセイバーの言葉に答える。
「それはどうかな?人間、死ぬ気になれば、途方もない力が溢れるものさ」
「何だと? それに、貴様のその剣は……」
そして優牙は、剣をザルバに擦りつけて、構える。
『サーヴァント セイバー。真名はアーサー・ペンドラゴン。かなり強い聖剣使いだが…… いけるのか?』
「問題ない」
「……… 余程死にたいと見える。良いだろう。我が聖剣の一撃を、手向けと受けとれ。
セイバーは先程の宝具程では無いが、それでも高い威力を誇る暴風の一撃を優牙に放った。
迫る漆黒の殺意。
しかし優牙は、慌てることなく剣を頭上に掲げた。
そして掲げた剣で天に円を描く。
するとその円が砕け、溢れ出た金色の光が優牙を包み込み……
――――― GAOOOOO!!!!!!
獣の雄叫びと共に何かが優牙を被い、その瞬間にセイバーが放った卑王鉄槌が優牙を呑み込んだ。
「先輩!!!!」
マシュが悲痛な叫びを上げる。
しかし、卑王鉄槌に呑み込まれた優牙は返事をしない。
セイバーは当然といった表情で、しかしどこか落胆の色を浮かべて、卑王鉄槌が炸裂した先を見ていた。
「己の力を過信した貴様の負けだ。あのサーヴァントに任せて置けばこのような―――― 何ッ!?」
優牙への侮蔑を述べていたセイバーだったが、突然、声に驚きを含んだ叫びを上げた。
それを皮切りに、皆がセイバーの見ている先を見る。
煙が晴れ始め、徐々に優牙がいた場所から光が溢れてくる。
『何だ!? 何が起こっているんだ!?』
光は段々と、人の形を成していく。
「もう!今度は何なのよ!」
煙が晴れ、光の全体像が見えてくる。
「……… フォーウ………」
「おいおい、まさか坊主が伝説の騎士様とはな。驚いたぜ」
「―――― 貴様、その姿は……!」
それを見たキャスターは懐かしみ、対してセイバーはあり得ないものを見た様な反応をする。
やがて煙は完全に晴れ、視界が光一色になった時、その姿が現れた。
「…… 先、輩?」
そこに居たのは優牙ではなく騎士。
セイバーとは対称的に、全身を黄金の鎧で包み、頭部を紫色の瞳をした狼の兜が被っていた。
手には、エクスカリバーよりも少々刃幅が狭い黄金の両刃剣。
腰には、この騎士の称号を表す黄金三角形が輝いていた。
「……… あの騎士、絵本で見た…!」
マシュにはその姿に見覚えがあった。
かつて絵本で見た騎士その物だったのだ。
「……
そしてマシュ本人も知らぬ筈の名を呟いた時、黄金騎士の背後に光の紋章が現れ、炎のごとき波動を大空洞に迸らせた。
今此処に、闇を斬り裂く希望の光。
黄金騎士
「黄金騎士 牙狼!! よもや、その称号を継ぐものが私の前に立ちはだかるとは」
『あまり時間は無いんだ。手早く済ませる』
そう言うと優牙はゆっくりとセイバーに向けて歩き出す。
その黄金の体に空気が触れるたび、炎が巻き起こる。
「
再びセイバーが漆黒の魔力を飛ばすが、今の優牙にそんなものは効かない。
優牙は防ぐ素振りすら見せずに、卑王鉄槌を防ぎ切った。
「――― ならば!!!!」
魔力だけでは拉致が空かないとセイバーは優牙に向かって飛び立ち、闇の聖剣を振るう。
『フン。ハッ!』
優牙は己を潰す聖剣を、腕に備え付けられた刃で防ぐと、剣を持つ腕でセイバーを弾き飛ばした。
「ガフッ!? …… 腕を添えられただけでこの威力…… 相変わらず凄まじい…!」
『これで終わりだ』
優牙はキンッ、と心地いい音を響かせ、黄金の剣、牙狼剣を鞘から引き抜いた。
「生憎、ただでやられる趣味は持ち合わせておらん。今出せる私の最大の一撃を受けるがいい!!!!」
敗北を覚悟したのか、セイバーは再び聖剣に漆黒の魔力を集め始める。
また
『マシュ!キャスター!』
「ッ!? は、はい!マスター!!」
「おうよ!今行くぜ!」
それを確認した優牙は、己のサーヴァントを呼び出す。
『マシュ…… もう一度防げるか?』
「わかりません…… ですが、期待に応えてみせます!」
『分かった。キャスター、セイバーが宝具を使ったら、俺をウィッカーマンでセイバーに投げろ』
「おいおい正気かよ…… だが乗ったぜ、その作戦」
優牙は、己の、そしてマシュ達の命を懸けた作戦を話すと、二人ともやる気十分といった様子で引き受けた。
「相談はそれまでか?――― ならば消えろ!『
すると相談している間に魔力を貯め終えたのか、セイバーは先程の魔力を優に越える漆黒の魔力を聖剣の形をに形成していた。
これではマシュにも防げるか分からない。
だが、それでもマシュは、自分を信じてくれた優牙に報いる為に、魔力の出し惜しみを一切なく宝具を解き放った。
「宝具、解放!!!! 『
マシュも先程より巨大な光の盾を形成し、巨大な光と闇が衝突を始めた。
ドガアァァァァァァァァァァン!!!!!!!!
「ウオォォォォォッ!!!!」
「うああぁぁあぁああぁああっ!!!!!! 先輩! 早く!」
時間が経つ度に威力を増していくセイバーの宝具。
このままでは、未熟なマシュでは押し負けるのは明白だった。
「……… 坊主、ホントにいいんだな?」
『ああ、そうしなきゃセイバーには勝てない』
「オーケー…… んじゃ景気よく行くかぁッ!!!! 灼き尽くせ、木々の巨人――― 『
キャスターが杖を振るうと、背後から炎を纏った巨人が現れ、セイバーに進行する。
『…… ハッ!』
そんな巨人の手に、優牙は飛び乗り、その炎を黄金の鎧に纏わせていく。
「行くぜぇ!!!! 優牙ァァァァァ!!!!」
キャスターの叫びと共に、巨人は手に乗せた優牙を、振りかぶってセイバーに向けて投げた。
炎の弾丸と化した優牙は、高速でセイバーに向かっていく。
「行ってください!! 先輩!!」
未だセイバーの宝具を押し止めているマシュの声援も身に受け、優牙はセイバーに飛んでいく。
優牙の姿を捉えたセイバーは、その表情を驚愕に変えるが、もう遅い。
この状況、しかも宝具を放っている最中の彼女に、優牙の剣を防ぐ術は無かった。
『ハアァァァァ……! ハアッ!!!!』
ザンッ!!
炎を纏った剣を振り抜き、セイバーの真後ろに着地する優牙。
優牙は、牙狼剣を鞘に納め、キンッという音が大空洞に響き渡った。
その瞬間、セイバーの体に袈裟斬りにされた傷が現れ、セイバーの魔力が漏れ始めた。
この時霊核が破壊されたので、セイバーはもうこの特異点に現界してはいられない。
現に、セイバーからはサーヴァントが消滅するときに発生する黄金の粒子が出ていた。
「……………」
セイバーは、消え行こうとする体をなんとか留め、力を振り絞って優牙に振り返る。
優牙の、紫色の瞳をした狼の兜の頬を撫でた。
「見事…… 流石、最強の称号、黄金騎士 牙狼を受け継ぐ者。その名に恥じぬ、善き采配と戦いでした」
『セイバー…… 君は……』
「私としたことが、執着を捨てた筈なのに、貴方達を前に剣が鈍るとは…… 結局、私一人では同じ結末にしか成らないという事ですか」
セイバーの体から溢れる黄金の粒子が、その量を増やしていく。
いよいよセイバーが特異点から消失する時が来たのだ。
「なにッ!? まてセイバー!! そりゃ一体どういう事だ!?」
「――― いずれ貴方も知るでしょう。アイルランドの光の御子よ。人理修正、
意味深な発言をしたセイバーにキャスターが問い詰めるが、セイバーは既に限界だったのか、更に意味深な発言をして、完全に粒子となって消え去った。
「待てセイバー!まだ聞きたいことがッ!?」
消え去ったセイバーに怒鳴るキャスターだったが、キャスターからも黄金の粒子が出始める。
「おいおい、ここで強制送還かよ!? チッ、仕方ねえ。坊主、次はランサーとして喚んでくれ!」
そう言い残して、キャスターもこの特異点から消え去った。
『ああ。ありがとう、キャスター』
「先輩!」
優牙は消え去ったキャスターに礼を言うと、呼んでくるマシュの元に向かった。
運命は回り始めた。
もう後戻りは出来ないぜ?
進むも止まるも、お前さん次第さ!
次回 第六節 観測
未来を懸けた、壮大な旅が始まる!