J.Army W.S. DB×銀魂
10ドラゴンボール×銀魂 夢のクロスオーバー
トキの守護者篇
第10話 「王たる誇り」
「俺はもう一つ、壁を超えなければお前に勝ち目は無いだろう」
牛鬼に言葉を向けるベジータは、気を高め始める。
両手の拳に力を込め、立ち上る炎のオーラはより大きく、より荒れ狂い力の上昇をこの身に感じさせる。
それを拝む牛鬼は「ほう、まだ奥の手があったか。これ以上ガッカリさせてくれるなよ王子様よォ」皮肉余る口を叩く。
右胸の服が裂け、片肌脱ぎの様な様相となったベジータ。頭の左側から大量の血を流し、額の3分の1を真っ赤に染めて眼を境目に血は5、6本の線に別れ顔を流れている。右頰にも血の線が一本。
そして起こる地震。所々に地割れが起き、大気は荒れ周囲を連続で突風が襲い、地を捲って行く。
黄金色のベジータの髪は伸び始めて、腰まで届く。
「はァァァァァァァ!!!!」と力を込めるベジータの声は廃墟に轟く。
そしてベジータを包み込む金色の光。余りの眩しさに牛鬼も眼を瞑る。
そしてその眩い光景が消え、ばちばちと火花の散る音が牛鬼の耳に届く。
ベジータのその姿、個人で言えば宿敵の悟空のみが到達した領域。
名を、超サイヤ人3
超サイヤ人が辿り着く最強の姿。
牛鬼はその不敵の微笑みと共に超サイヤ人3状態のベジータに突進する。
「今度こそガッカリさせるなよ王子様よォ!!!!!!」
と太々しく喋り、力を込めた右拳をベジータの顔面へ打つも、ベジータは左手の平で受け止める。
牛鬼の打った拳の衝撃はベジータの背後を駆け抜ける。地を捲って。
超サイヤ人3と言えど、最強の怪力を誇る牛鬼の拳を受け止める事はやわじゃない。
その影響かベジータの笑みは苦く汗を垂らしている。
そしてベジータは左足に力を込めて、牛鬼の腹部に蹴りを入れる。
吐血する牛鬼の腰が前に曲がって顔がベジータ側に寄るとベジータの右足の膝蹴りが牛鬼の顔面に直撃する。
鼻血を出しながら牛鬼は自然と後ろへ倒れ込んで行く。
だが足を地に付け『ズザザ!!』と足で地を削る音と共に牛鬼は受け身を取る。
牛鬼はそのまま笑みを浮かべ「いいぞ、もっと来い!!俺も本気を出してやる!!」とどこか余裕を見せてベジータを挑発する。
歯を食いしばってベジータは牛鬼に突進する。
再び顔面へ向けた右拳の打撃。だが牛鬼はそれを左肘で受け止め、右膝の膝蹴りがベジータの顔面に直撃する。
ベジータは吹き飛び、左肩からビルに衝突する。
歯軋りしながら倒壊したビルの瓦礫から起き上がると、牛鬼は眼前に立っている。
牛鬼の笑みは絶えず「よく耐えたな!!」と言うと左足を振り上げ、猛烈なかかと落としがベジータの頭部へ放たれた。
ベジータは両肘を頭まで上げて✖︎字の形で牛鬼の蹴りを受け止める。
周囲を取り巻く激しい衝撃。
ベジータの表情は一層苦くなり、立っている地面に足がめり込むだけでなくその周りにクレーターができる。
始まる攻防戦。ベジータと牛鬼はお互いに攻撃と防御を繰り返し、その速度は非常に早い。
ぶつかり合う拳、蹴り。牛鬼はどこか余裕を見せ、ベジータは苦い表情のまま打撃や蹴りを打ち合う。
しばらくそのやり取りが続くと、牛鬼の一撃でベジータが吹き飛ばされる。
そしてそれを追う牛鬼は吹き飛ぶベジータの眼前に現れ拳を放とうとするも、ベジータは左手の平を牛鬼に向けて「ビッグバン、アタァァック!!!!」と叫び、吹き飛びながらもベジータの手の平から出た白い球体は牛鬼の顔面に直撃する。
だが牛鬼はビッグバンアタックそのものを噛み砕き、準備していた拳が吹き飛んでこちらに接近したベジータの腹に直撃する。
ベジータは地の奥深くまで落ちていき、最終的に荒れた地下に落ちた。
「ガハッ!!!!」と倒れたまま血を吐き出すベジータ。
牛鬼は地上からベジータに向けて「おうおうおう!!!!もう終わりかよ!!!!」と大声で喋る。
ベジータは何とか立ち上がろうとするも腹部に走る猛烈な痛みが身体を蝕む。
血が一滴一滴と落ちるのを見ながら「超サイヤ人3のフルパワーを持ってしても、野郎には勝てないのか……」悔やむ思いはその唇を動かす。
ベジータは「うおおおォォォォォ!!!!」と雄たけびを上げて、猛スピードで地上へ上がり、連続で打撃や蹴りを牛鬼へ向けて繰り出す。
だが全てを受け止められ、尚且つ牛鬼も打撃と蹴りを放ち、再び激しい攻防戦になる。
舞う血飛沫はダメージの大きさを語る。
だが結局ベジータが負け、牛鬼の蹴りを喰らい吹き飛ばされる。
廃墟のビルを一つまた一つと突き抜け、勢いが弱まって転がりながら止まる。
牛鬼はそんなベジータを嘲笑い「やはりこんな程度か……。こりゃあ孫悟空と戦った方がもっと面白みがあったろうに」そう喋る。
ベジータは震える身体を再び立たせ、眼を瞑る。
それはベジータの記憶の奥底にある真実を見直させる。
惑星ベジータが破壊されて数日後、まだ幼いベジータの元に手紙が届いた。
幼いベジータはその手紙を開くと、そこに記されていた文章はベジータの眼に涙を浮かばせた。
「ベジータへ。
お前がこれを読んでいると言う事は私はもう生きてはいまい。
だから最後にお前に伝えたい事があってな。
我らが故郷、惑星ベジータはもう破壊された後だろう。
その主犯はあのフリーザだ。我らサイヤ人を利用した挙句、滅ぼした。
ベジータよ、お前は昔から誇りの高い子供だった。
その誇りこそがサイヤ人である証だ。
だからそれだけは捨てるな。それだけは忘れるな。
お前の誇りの中で我等は生き続ける。
だが、もしその重りを背負ったままでは勝てない敵と出会えば、その誇りを捨てろ。
お前が生きてさえくれれば良いのだ。お前が生きていればその誇りは再び蘇る。
お前が生きていれば我等サイヤ人は報われるのだ。だから誇りを守れ。
だがそれで勝てない敵が居れば、それを捨てて戦え、我が息子よ。
お前に父親らしい事は一度もしてやれなかった。本当にすまなかった。心から謝る。
お前は疑問に思っているだろう。なぜ私がお前をフリーザに預けたのか。
それは人知れずお前を守るためだ。あいつはまだサイヤ人を利用したいと思っている。
それが私がお前にしてやれることだ。
お前は王たる誇りを持っている。
だから生きろ、お前が生きればサイヤ人の王は生き続ける。
お前は王子ではない。二代目ベジータ王だ......。お前を誇りに思うぞ、ベジータ。愛している。
初代ベジータ王より」
その手紙に示された事はベジータの心の中で生き続けた。故にフリーザ戦で死に際にベジータは涙を流した。
そしてベジータは眼を開いた。眼前に立つ牛鬼。ベジータは手袋を脱ぎ捨て、片肌脱ぎになっていた服を破き、上半身裸になる。
そして笑みを浮かべ「初代ベジータ王よ......。お前の言う通り、今回ばかりは誇りを持ったままでは勝てんらしい......。だから俺も戻らなければならんな......。王でも王子でもない、1人のサイヤ人に」と口走り、その目付きはどこか変わる。
流石の牛鬼も何か変化を感じたのか「ほう、何が変わったのか、見せてみろ、王子!!!!」と口走り、突進してベジータの顔面を左手の拳で殴る。
ベジータに拳が衝突すると同時に、その衝動が爆発の様に駆け巡る。
手ごたえを感じた牛鬼は「じゃあな王子様よ、いや、二代目の王か」と口走る。
ーーだが煙が消えると牛鬼の感じていた手ごたえのまやかしは消え失せる。
ベジータは身体から血管が滲み出るほど負荷をかけた力でその拳を右手で受け止めている。
そして笑みを浮かべ「王じゃねェよ......。俺は"ベジータ"だ」と口走り、左手の拳を牛鬼の腹に直撃させ、遂に反撃を開始した。
続く……。
戦況纏め
銀時 vs ジャック
(対峙中)
悟空 vs 龍馬
(対峙中)
ベジータ vs 牛鬼
(戦闘中)
ルミネ&新八&神楽 vs 兵隊
(戦闘中)
次回予告
第11話 「届いているなら」