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J.ARMY 第2章
「F」復仇戦争篇 第4話
暗躍篇
第28話「宇宙帝王と鬼兵隊総督」
その男は今蘇った。孫悟空と戦い、死を経ても、その復讐心を刻んでまた現世に姿を現した。
その切れすぎる刃は、剥き出しになった牙はまた、この世に、孫悟空に向けられた。
突如雨が降り出した。
男の復活にまるで天が涙を流すかの様に。
震え恐れ叫ぶかの様に轟音を鳴らす稲妻。
泣きながら逃げ出すかの様な荒れ狂った烈風。
地球が怯え震える様に世界を突如大きな揺れが襲う。
地球が 世界がその男の復活に恐れを成している。
地は捲れ、動物は夜な夜な怯える様にその周囲から逃げ出し、天に走る稲妻はその荒野を破壊し出す。
全てはその男に慈悲を求める様に地球が引き起こした光景かも知れない。
少なくとも普通の人間がそれを拝めばそう連想するだろう。
だが、高杉はその男を拝み「ようやくまともなのが来たか」と不敵の笑みと共に口走る。
かつては全宇宙の帝王と呼ばれ恐れられた伝説の存在────
フリーザ
その男は冷気を帯びた不気味な笑みを口元に浮かべ「ようやく、戻って来れました......」
と静かに呟く────
その男がその硬く閉ざされた瞼を開けると、全ての異常が突如消える。
揺れや風、全てをその眼差し一つが封じてしまったかの様に。
するとパオズ山では、眠りについていた少年である悟飯が驚いて起き上がり「こ、この気はフリーザ!?」とすぐに家から飛び出てその気の感じる方向に超速で飛んでいく。
そして復活したフリーザの背後にいる神龍は「願いは叶えた、さらばだ!!」と言い放ち、その姿は光となりながら散り散りに消え、ドラゴンボールは世界に散らばって行った。
散らばって行くドラゴンボールを見た神威は「あ、まっ、勝負!!」と言ったがその声を聞いて逃げるかの様にドラゴンボールは消えた。
神威は静かに「チェ...」と少しがっかりした。
周囲は先ほどの光景が嘘の様に静まり返る。
何も無いただの夜に世界は帰った。
だが、2人の男はそれを気にも留めず睨み合う。
高杉 晋助・フリーザ
宇宙帝王・鬼兵隊総督
視線で噛み付き合う両者。
頬を優しく触り、髪を鮮やかに揺らしらながら微風は通る。
高杉は笑みを浮かべながらフリーザを拝む。
フリーザもその冷気と殺気を帯びた笑みを高杉へ向ける。
アイスはそんなフリーザの姿に怯え「ぱ、パパ...」と思わず涙を浮かべる。
高杉は笑みを絶やさぬまま「てめェが、フリーザの様だな...。いや、そうだろうな......。
復活しただけで全てが怯えた様に異常現象を引き起こした様だしなァ」
と口を開く。
するとフリーザは「ただの戦闘力による影響ですよ......。
本来の姿のまま復活しましたからねェ......。
それにあなたが言えたことじゃない......。
確かに戦闘力こそある様には見えませんが......、あなたは只者じゃない」
と笑みと共に呟く。
睨み合いを続ける両者────
────突然フリーザは上半身を前に曲げ、高杉の前に頭を下げる。
「ありがとう......。私の息子が凶行に出ない様に止めて頂き......、そして私を復活させてくれ、ありがとう」
フリーザを良く知る者は目を擦る光景だ。
頭を下げ、礼を口にしている。
高杉は「頭を上げろ......。どうやらてめェは俺と違って立派な大将の様だ」と口走る。
そしてフリーザは歩き出し、アイスの方へ詰め寄る。
アイスを見下げるフリーザ。アイスの身長が低いためだろうか?
するとアイスの頭に手を置き
「大きくなりましたね......。
会いたかった
あなたがまだ幼児の時に私は死にましたからねェ
でもね、ずっとあの世から見ていましたよ......。あなたの毎日を
大きくなる姿を。
あなたの母はどうやらあなたを虐待していた上、私も戦死。
ずっと孤独で生きてきましたね。
根性は腐っていますが、まぁいい。
これからは父親として、あなたのそばにいてあげます。
あなたを、強くしてあげます
蘇らせてくれてありがとう」
と今までのフリーザとは信じられない程の優しい笑みを浮かべる。
神威はそんな彼を見て高杉に「へぇ〜...。
宇宙の帝王と呼ばれた男と聞いたから、もっと狂ってる奴と思ったんだけど、案外人が出来てるね」と口走る。
高杉は「てめェの守る物にすら狂気を振るう奴は大将を名乗る資格はねェ...。それをやるのはただただ目的も何もねェうつけだけだ」と語る。
すると彼らの背後に立つ巨大宇宙戦艦から阿伏兎の呼ぶ声が聞こえる。
「おーーい!!!!ヤベェぞ!!そっちのフリーザさんとやらを圧倒的に上回る反応を持ったガキが1人こっちに向かってる!!!!全員船内に来い!!!!宇宙に出て体制を整えねェとデケェ被害が出る!!!!」と叫び危険を知らせる。
フリーザは「皆さん、今は宇宙に出ましょう......。あなた方なら地球にいる彼らを今にも潰せそうですが、戦闘体制にもなっていないまま衝突するのは被害が大きすぎます。これ以上恩を買う訳には行かない。行きましょう」
と高杉達に言うと高杉も「確かに、機が熟してねェ今戦っても意味はねェ......。アイスの宇宙船もこっちの艦隊に乗せた、直ぐに地球を出る」と神威へ指示すると神威は「了解!」と返事する。
緊急時であるにもかかわらず、4人は余裕で歩きながら艦隊に入る。そして直ぐに出発する準備が整い宇宙船が浮かび上がると、その上空には、超サイヤ人2となった孫悟飯が待ち受けていた。
悟飯は飛び立とうとする宇宙船を睨み「逃げさないぞ、お前たち!!」喋った。
すると右手の平から気功波を艦隊に目掛けて撃つ。
激しい速度で接近する気功波に、宇宙船はなす術無かった────
すると、船型の宇宙船の上に立つ和風の屋敷の様な建物の天井に気功波が直撃した瞬間、方向が急に変わった様に左に向かい始め、消えて行った。
すると、炎の様に立ち登る黄金のオーラを纏った悟飯は先ほど気功波が方向を急に変えた場所を見下ろすと......。
そこには笑顔を浮かべ、日傘をさした神威が立っていた────
続く......。
次回予告
第29話「悔い」
6/9 朝10時更新予定