J.Army   作:Gintoku

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第74話「"元祖"宇宙の帝王」

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J.ARMY 第2章

 

「F」復仇戦争篇 第50話

 

 

辛戦篇

 

第74話「"元祖"宇宙の帝王」

 

銀色のオーラに身を包まれた圧倒的な気は、悟空はおろかアイスをも超越する。

"元祖形態・フリーザ"

 

「はぁ...」と息を付いた。

傷も気も全快。

邪悪一杯の気を発した彼は

「帝王の座に帰り着いた今、先ずは地球を滅ぼしますかね」

宇宙の帝王は、威風を見せながら再び帰って来た

 

その威風は戦場の全ての戦士に、死を悟らせた────

 

散り散りだった者が集まる。

ベジータ、悟飯、銀時、高杉、神威、未来トランクス。

「父さん!!!!」

彼方から聞こえる声。降り立つは、アイス。

倒れた悟空を除き、7人がこの戦場にやって来た。

常にフリーザの事をパパと呼んでいたアイスが、父さんと呼んだ。

如何にアイスがフリーザを按じているのか伺える。

 

誰もが眼を疑う。誰だ?

この邪悪な威圧を纏う化物は。

誰だ?この容赦の無い赤い眼を向けるのは...。

 

誰だ......?

「残った皆さんですか......

良いでしょう......

帝王の座に帰り着いた

肩慣らしのため、全員皆殺しにして差し上げましょう」

この冷酷な言葉を吐き捨てるのは────

 

ベジータとアイスを除き、全員が満身創痍。

眼を見開く銀時は「どうやら事情が変わっちまった様だ」と真剣な表情を見せる。

神威は耳に付けていた小さなマイクで宇宙船に通信し

「第七師団に団長命令を告げる

これからどんな事になっても、決して出て来るな

ヤバイとなれば、構わず鬼兵隊と共に逃亡しろ

決して振り向くな......

これから先、どんな事が待っていても

もし、命令に逆らう様な事があれば

殺しちゃうぞ♪」

宇宙船へ待機する第七師団へ告げる。

通信先から届く「待って下さい団長!!」部下の声に耳を貸さず神威は通信を遮断する。

万斉、また子、武市、鬼兵隊の面子も全員宇宙船へ入っている。

涙を流しながら、宇宙船の扉は封鎖された。

 

部下を優先したこの行動

以前の神威なら考えにくい

だが、悟飯との戦いを経て少しばかり何かを変えられてしまった。

いや、自分の中にあった何かが目覚めたんだ。

 

 

 

 

ピッコロ、天津飯、ヤムチャ、クリリン、17号、18号、悟天、トランクス、ヒナタ。

戦場から離れた場所で、気を失っている戦士。

本来仙豆があれば事足りるが、カリンは平和になった地球に仙豆は必要無いと、作るのを止めていたのだ。

そんな彼らの前に立つ新八と神楽。

戦争で2人も傷付いている。

 

遠くから漂う邪悪な威圧は2人の身体を縛り付ける。

汗を流した2人は戦場の方へ向いて「銀ちゃん」「銀さん」と、大切な男の名を呼ぶ。

 

次の瞬間、2人は気絶する。

立ち上がったヒナタが2人を手刀で殴り気絶させたのだ。

「ごめんね神楽ちゃん。新八君

あなたはあの銀時(ばか)を守るために戦場へまた出てしまうかも知れない

銀時(かれ)は私の大切な者を簡単に奪えても、私にはそんな事は出来ない」

その眼には、少しの悲しさと虚しさが映っていた。

 

ヒナタの腹の傷は塞がっている。

剣を握り締め、戦場へ向けて走り出す。

「(高杉、私が回復できる範囲に傷の深さを抑えていたわね。

適量アルタナと夜兎の回復力で傷は塞がった

今なら加戦できるかも知れない)」

と思いながら走る。

すると眼前には、互いを支え合いながら、白兵精鋭隊の72人近くが歩いてくる。

 

するとヒナタはピタッと止まり「あなたたち!?」と声をあげる。

すると兵士の1人が「トランクスと言う者が、負傷した方々の護衛にかかれと依頼し、ここへ来ました」と告げる。

恐らくトランクスはヒナタの白兵精鋭隊を守ろうとした事を直ぐに察知し「分かった、直ぐに護衛にかかりなさい」と告げ、再び戦場へ走り出す。

 

 

 

 

絶望の戦場。

誰もが息を呑む。

もう既に限界に達した身体。

これ以上どうやれと言う?

気を感じれる者も感じれない者も一律に考えた。

この邪悪溢れる威圧、恐らく全快した身体で全員でかかろうと勝てる敵じゃない。

 

唖然としたアイスは震える口元を噛み締め「と、父さん、ほんとに父さんなんでしょ!!」フリーザの中に自分の父を探す。

するとフリーザは無言のまま姿を消す。

 

アイスの左横に姿を現し、その首筋に手刀を浴びせる。

白目を向きながらアイスは気絶する。

「あなたは帝王の息子

それに私の中にある存在があなたをこの戦場に置く事を許さない」

と、まだ息子への愛は僅かながら残されている。

ベジータは息を呑む。

 

この宇宙最強のアイスが、例え錯乱した状態とは言え、手刀一つで気絶させられた。

そしてその動きは、誰の眼にも入らなかった。

歯軋りするベジータは「クソッタレめ!!」と吐き出す。

 

そんな絶望を諸共せず、笑みを浮かべた高杉は剣を握りしめる。

「フリーザさんよォ

俺は言った筈だ

もしその牙を俺に向ける事があれば

噛み付くのは銀時達(こいつら)だけじゃねェとな」

と口走る。

するとフリーザは「ならば、消える鼠が一匹増えただけですよ」とそれを一蹴する。

 

剣を握りしめる銀時と高杉。

超サイヤ人3へ姿を変えるベジータとトランクス。

傘を構える神威、気を全開に高めるアルティメット悟飯。

銀時は、溜息を吐き出して剣の鋒をフリーザへ向ける。

「てめェがどんな七変化をしようと、俺たちァ最後までこの祭りに付き合ってやるよ...‼︎」と、どうしようもない絶望的な敵を前に闘志を燃やす────

 

続く......。

 

次回予告

第75話「隣に立つ死」

10/27 朝10時更新予定!

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