J.Army   作:Gintoku

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第77話「及ばぬ力」

53

J.ARMY 第2章

 

「F」復仇戦争篇 第53話

 

 

辛戦篇

 

第77話「及ばぬ力」

 

ベジータもまた息を吐き出し、己が涙を飲み込み、立ち上がる。

「ガキ共の分際で一丁前の事を言いやがるぜ」

と銀時と高杉に対して若干の皮肉な口を叩くも、その顔から絶望は消えている。

3人はまたフリーザへ突進する。

 

ベジータと高杉はフリーザの左右に回り込んで突進する。

フリーザの右側に振り下ろされる両手で握りしめられた高杉の剣、左側に放たれるベジータの左拳。

ベジータの拳を左肘で止め、高杉の剣を右掌で受け止める。

衝突の波動が周囲を取り巻く。

 

「うォォォォォ!!!!」

 

眼前に迫る銀時。

両手の剣を強く握りしめ今にも振り下ろさん威勢だ。

跳躍して剣を天へ振り翳し、全力でフリーザの頭上へ振り下ろす。

両腕を封じられたフリーザの頭上に見事に直撃する木刀の一撃。

だが、フリーザの肉体には技壊であろうと通り抜けはしない。

 

その一瞬でも全く動じないフリーザに流石の銀時も眼を見開く。

「それが通用すると思うかァ!!」

吐き捨てたフリーザは右蹴りを振り上げ、銀時の腹へ突っ込む。

咄嗟に木刀を腹と蹴りの間に挟み込んで致命傷を間逃れるも

「ゴフ...‼︎」

その威力は殺されてもそれでも強大。

血を吐きながら銀時は吹き飛ばされる。

岩山に背中から直撃し、その岩山は大崩壊し煙を巻き上げる。

 

人間ならば確実に死んだ────

 

だがその隙を突いたベジータと高杉。

ベジータは右拳でフリーザの顔面を殴り付け、高杉は止められた剣を鮮やかに滑らせ柄の先端でフリーザの顔面を殴り付ける。

だが意味は無い。

フリーザはベジータの左腕を鷲掴み、そのまま上半身を右へ捻ってベジータを振り回しながら高杉へ直撃させる。

「「グハッ!!!!」」

流石の2人も血を吐き出して吹き飛ばされ、岩場に直撃し煙を巻き上げる。

流石の高杉もフリーザの怪力で受けた一撃で、右脇腹が抉れ気を失う。

 

静まり返る一帯。

又もや全員が倒れた。

「クックック......ハッハッハッハッハッハッハ...!!!!」

高笑いを上げるフリーザ。

無敵...

そう言わざる得ない力だ。

傷付かぬ肉体、圧倒的な戦闘力。

宇宙の帝王たる力はやはりベジータ達の届く先より遥か遠い。

 

瓦礫の中、より血に塗れた高杉とベジータが仰向けに倒れている。

そして別方向には、瓦礫の中、運良く大きな岩が直撃しなかった銀時が、大きな岩に背を付けて倒れている。一層、身体が血に塗れた、地面へ向いている顔からはポタポタち血の落ちる音が聞こえる。

フリーザはその絶望の象徴たる足で地面を踏みながら、倒れた銀時へ向けて歩き出す。

岩に背を付けて倒れた銀時の眼前に立ち、自分の必殺技のデスビームを放ち止めを刺すべく、右手の人差し指を銀時へ向ける。

 

「さらばだ......サムライ」

別れを告げたフリーザの指先から、細い光線が無防備の銀時へ放たれた────

 

 

 

 

「死ぬのは、あなた────」

 

 

 

 

────突然、フリーザの眼前の岩山から突き出た剣が、彼の額に直撃する。

衝撃で放たれた光線の矛先には誰も居なくなり、地面に穴を開けた。

水色の刃、その鋒がフリーザの額に突き立てられ、その剣を握る者はそのまま走り続け、フリーザごと剣を岩場に突っ込む。

 

その衝撃で目が覚めた銀時は顔を振り上げ眼を見開く。

「ヒナタ......‼︎」

その剣を握る者の名を呼ぶ。

顳顬から眼にかけての血管が浮き出て、その白眼の力を発動している。

「情けない姿ね」

と銀時へ一言を浴びせる。

 

────ヒナタの身体を狩り尽くす恐怖。

凍てつく背中、竦む足。

フリーザの額に剣を突き刺した筈。

「クックック」

晴れた煙、その笑いと共に見えたのは、剣がただただ額に突き立てられている。

傷など付いていない────

 

続く......。

 

次回予告

第78話「怒りの二刀」

11/6 朝10時更新予定!

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