J.Army   作:Gintoku

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第78話「怒りの二刀」

54

J.ARMY 第2章

 

「F」復仇戦争篇 第54話

 

 

辛戦篇

 

第78話「怒りの二刀」

 

衝撃で目が覚めた銀時は顔を振り上げ眼を見開く。

「ヒナタ......‼︎」

その剣を握る者の名を呼ぶ。

顳顬から眼にかけての血管が浮き出て、その白眼の力を発動している。

「情けない姿ね」

と銀時へ一言を浴びせる。

 

────ヒナタの身体を狩り尽くす恐怖。

凍てつく背中、竦む足。

フリーザの額に剣を突き刺した筈。

「クックック」

晴れた煙、その笑いと共に見えたのは、剣がただただ額に突き立てられている。

傷など付いていない。

 

虫酸の走る身体でヒナタは背後へ跳躍して後退する。

だが

「私から逃れられると?」

その耳元には絶望の声が届く。

跳躍する一瞬の中、眼を見開き、左へ顔を向ける。

 

人差し指を向けたフリーザ......‼︎

 

一瞬の閃光と共に、撃ち抜かれた胸の間。

「ガハッ!!」

大量の血を吐いた彼女は仰向けに地面に倒れる。

その剣は哀れに地面に突き刺さる。

 

血を吐きながらもがき、立ち上がれないヒナタ。

そんなヒナタに向けられたフリーザの人差し指。

「では先ず、君から死んで頂こう」

その死を告げる。

 

フリーザの体を突き刺さる殺気

眼を前に見遣ると......

────表情のない顔で大きく眼を見開いた銀時

研ぎ澄まされた殺意、今まで絶対的な強さと分かっていた本能が、初めてフリーザに危険信号を告げた。

 

だがそれも遅い。

左手に握りしめた木刀を左薙ぐ銀時。

怒りの一撃がフリーザの左頬に直撃。

その衝撃で背後へ僅かに飛ばされ岩場に直撃する。

銀時は歯を食い縛りながらヒナタの剣を右手で引き抜き、左手に木刀、右手にヒナタの剣を握りフリーザへ走る。

 

煙を晴らしたフリーザ

「っぐ!!あの野郎!!」

無傷であるにも関わらず、遂にフリーザも怒りを見せた。

だが眼前を見遣ると銀時はいない。

突如、頭上に振り下ろされる二刀。

咄嗟に右肘で頭を庇い銀時の二刀の斬撃を受け止める。

だが銀時はそのままフリーザの腹を蹴り、背後へ後退。

 

だが銀時の反応を圧倒的に超えた速度でフリーザが銀時の背後へ回り右拳を振るう。

────だがそれを熟知していた様に銀時も背後へ振り向く。

上半身を左へ寄せて、左手の木刀でフリーザの右拳を流す。

今までにない感覚。

まるで拳の方向が線路の如く切り替えられた感覚にフリーザも戸惑う。

 

だが銀時は止まらず、受け流した勢いのまま右手の剣の刃をフリーザの腹へ直撃させる。

「ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」

吠える銀時。

そのまま剣を左へ振るいフリーザを飛ばす。

 

僅かに飛ばされたフリーザはその宛ら姿を消して銀時の右横へ現れ、また左拳を振り下ろす。

だが銀時の眼は鋭く、また片方の剣で流してもう片方の剣をフリーザへ振り下ろす。

 

だがフリーザがまた姿を消して銀時の眼前に現れ蹴りや拳を何発か繰り出しても銀時がそれを二刀で流し、その虚を突き、牽制した斬撃をフリーザへ繰り出すも、フリーザには通用しない。

フリーザは銀時の両足を潰さんと右蹴りを左薙ぐも、銀時は跳躍しまた二刀をフリーザの頭上へ振り下ろす。

 

だがフリーザもまた左肘で受け止め銀時を弾き飛ばす。

怒りの赴くまま銀時は両足を地面に付けその摩擦で止まり、眼前に迫ったフリーザへ二刀を左薙ぐ。

フリーザもまた右拳を放っており、剣と拳が衝突し、火花を散らして交錯する。

 

瀕死の眼でヒナタは懐疑する。

「銀時......

なぜ私の......ために?」

銀時の激昂はヒナタの今までの憎しみに疑問を生んだ。

 

瓦礫から立ち上がったベジータはよろけながら、辛うじてフリーザと互角に戦う銀時を見遣る。

「あの野郎......

怒りでただ突っ掛かった訳じゃない

相手の一撃一撃に込められた絶対的な"死"

それに対して本能を剥き出しにして戦ってやがる...‼︎

だが、その本能に身体が付いて行かず、相手の無敵の肉体には攻撃の意味がない...!!」

銀時の底力の正体を見破る。

 

その言葉は当たった。

眼前に迫ったフリーザの左拳を、右手の剣の鋒を後方へ向け、その刃でフリーザの拳を流して行き、反撃のため左手の剣を右薙ぐために構えていた銀時。

だが、銀時の右肘の筋肉の筋一つが裂けて血が噴き出る。

その拳は流し切れなかった。

意思を収める肉体の強さが、足りなかった。

「チィ!!」

舌打ちしながら上半身を右へ寄せ躱そうとするも、間に合わずフリーザの拳が銀時の左腕に直撃。

 

その勢いで吹き飛ばされ、岩場に直撃。

周囲を包む塵。

フリーザの眼前に三つの物体が落ちる。

銀時が右手に握りしめていた剣。

左手に握りしめていた木刀。

そして、血の海と共に転がった、銀時の左腕────

 

煙が晴れると、背中を岩に付けて倒れ、袴の左袖の中なから大量の血がビチャビチャと地面べ落ちて行く。

痛みのあまり、銀時は歯を食い縛る。

だが容赦無く、銀時の眼前にフリーザが迫る。

「死ね」

囁いたフリーザの左拳が銀時へ炸裂する。

歯を食い縛り眼を見開く銀時。

ベジータも、倒れたヒナタも、銀時の死を感じ取った────

 

 

 

 

フリーザの頭上を踏み付け、そのまま地面へ足を突っ込む1人の男。

血を流し、傷付いている。

 

超サイヤ人3の姿を見せ、地面へ突っ込んだフリーザの頭を踏み付ける。

ようやく笑みを浮かべたベジータ。

その男の名を呼ぶ。

 

「カカロット......‼︎」

 

続く......。

 

次回予告

第79話「最後の競り合い」

11/9 朝10時更新予定!

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