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J.ARMY 第2章
「F」復仇戦争篇 第55話
辛戦篇
第79話「最後の競り合い」
眼前に迫ったフリーザの左拳を、右手の剣の鋒を後方へ向け、その刃でフリーザの拳を流して行き、反撃のため左手の剣を右薙ぐために構えていた銀時。
だが、銀時の右肘の筋肉の筋一つが裂けて血が噴き出る。
その拳は流し切れなかった。
強き意思を収める肉体の強さが、足りなかった。
「チィ!!」
舌打ちしながら上半身を右へ寄せ躱そうとするも、間に合わずフリーザの拳が銀時の左腕に直撃。
その勢いで吹き飛ばされ、岩場に直撃。
周囲を包む塵。
フリーザの眼前に三つの物体が落ちる。
銀時が右手に握りしめていた剣。
左手に握りしめていた木刀。
そして、血の海と共に転がった、銀時の左腕────
煙が晴れると、背中を岩に付けて倒れ、袴の左袖の中なから大量の血がビチャビチャと地面べ落ちて行く。
痛みのあまり、銀時は歯を食い縛る。
だが容赦無く、銀時の眼前にフリーザが迫る。
「死ね」
囁いたフリーザの左拳が銀時へ炸裂する。
歯を食い縛り眼を見開く銀時。
ベジータも、倒れたヒナタも、銀時の死を感じ取った────
フリーザの頭上を踏み付け、そのまま地面へ足を突っ込む1人の男。
血を流し、傷付いている。
超サイヤ人3の姿を見せ、地面へ突っ込んだフリーザの頭を踏み付ける。
ようやく笑みを浮かべたベジータ。
その男の名を呼ぶ。
「カカロット......‼︎」
夜兎の宇宙船。
生き残った鬼兵隊と夜兎族の軍隊は、神威の指令通り宇宙船内で待機していた。
その神威すらいなくなった事にはまだ気付いていない。
一つのホールに負傷者を寝かせ、手当てに共同でかかっている。
「うぅ」「ぁああ」
負傷者の呻きが響く。
突如揺れる宇宙船。
煙が船内に入り込み、瞬く間にホール内に煙が充満する。
息が苦しかった者は忽ち窒息死。
焦った兵士の1人が、絶望を告げる。
「謎の艦隊に襲撃された────」
元祖形態フリーザと対峙する、超サイヤ人3の孫悟空。
あれだけの攻撃を受け、未だ無傷のフリーザ。
悟空は戦いを重ねほぼ限界に近い。
悟空
両側の頭から流血し、二つづつの血の線が顔を通る。
前頭部の中心からも血の線が流れ口元まで辿り着いている。
前頭部の右側から流血し、その線は眉毛の中心を通り、下顎まで伸びている。
左脇腹には風穴があり、かなり血を流している。
道着のオレンジのシャツが、左脇下から肩に掛けてなく、青色のTシャツが半分以上露わになっている。
そして悟空の後ろで岩に背を付け倒れ込んでいる銀時。
銀時
右側頭部から流血しその血の筋が二つ右頬を通り、更に右側の前頭部から流れた血が右頬で交わってより太くなり通る。
更に前頭部の中心からも血を流して、鼻の右側を血の線が通る。
左の前頭部からも細い血の線を流し、顎の手前あたりで止まっている。
左側頭部から4つほど血の筋が通り、左頬の傷で交わって一つの太い線となり、傷を通ってやや太くなってまた4つに分裂し、下顎まで伸びている。
左頬全体に赤い痣があり、口と鼻から血を流している。
左肩には風穴があり血を流している。
左腕は無く、そこから垂れる血が袴の左半分を真っ赤に染めた。
何度も吹き飛ばされ、岩場に衝突した衝撃が身体を蝕んでおり、痺れや、足や肋骨が砕けている。
肋骨の影響で息も荒く、その強い生命力で生きていると言っても過言では無い。
悟空は周囲を見渡す。
血塗れで右腹が抉れ、瀕死になっている高杉。
腹が潰れ、死んでいる悟飯。
右腕を引き千切られ、屍となったトランクス。
首と胴体を放され、息絶えている神威。
僅かな気しかなく、フリーザとの戦いで重傷を負っているベジータ。
敵であれ仲間であれ、全員が無様な有様だ。
そんな悟空を嘲笑いながらフリーザが彼の眼前に立つ。
顳顬から浮かび上がる血管。
悟空の静かな怒りを象徴している。
それを察し
「どうした?お前の仲間を先に地獄へ送っただけだぞ
お前も今から仲間入りするんだ」
そんな苦言を悟空へ浴びせる。
悟空は今にも突っ込みフリーザを殺したい。
サイヤ人の本能が赴くままフリーザの身体をバラバラにしたい。
嘗てない殺意が悟空の中に燃え滾る。
だが悟空自身も知っている。
これは、フリーザの中にいる悪魔が仕出かした事。
自分と最高の競り合いをしたフリーザはもう殺戮とは程遠い存在だった。
そんな悟空を見遣るベジータは
「(界王神が今地球から消えた
カカロットの気が半分近く回復したのは奴の仕業か)」
半分近く悟空の気は回復している。
だがその身体には凛砂から始まる死闘の連鎖の傷が深く刻まれている。
するとベジータも膝をつく。
彼もまた凛砂で獣軍団と戦い、フリーザとも全力で戦い重傷を負わされている。
「今の俺じゃ、おめェには勝てねェ
多分、すぐやられちまう」
それを聞いたフリーザは悟空を嘲笑う。
「ならば今ここに敗北を宣言しに来たと?」
軽口で悟空へ問う。
だが悟空の眼は何かをハッキリ見据えている。
「おめェと、最後の競り合いをしに来た......
傷付かねェ身体......
それを倒す方法があるとしたら
俺の全てを、この技に込めるしかねェ......‼︎」
大方、界王神から情報を得ており、ここへ降り立つ前から既に腹を決めている。
ならば帝王もこの場を退く訳には行くまい。
「よろしい」威風堂々とその挑戦を受け入れる。
────悟空の身体に纏わりつき、立ち上るオーラは一層激しく光散らす。
「はぁぁぁぁぁあぁぁぁああ!!!!!!!」
咆哮を上げた悟空の身体は黄金色に包まれて行く。
激震する大地。
巻き上がる岩や瓦礫。
地割れが唸りを上げ、周囲を雷の嵐が徘徊する。
空に轟く雷鳴。
フリーザも感じ取る。
復活した事で悟空の力が上昇しただけじゃなく、その根本たる怒りが頂点に達している。
簡単には行かない。
ならば自分も帝王の意地を見せなければならない......‼︎
「来い!!!!」
全力で吠えたフリーザ。
それと同時に悟空が全力でフリーザへ突進する。
「龍拳爆発ァァァァァァァ!!!!!!!!」
吠えた悟空の身体が煙に包も込まれる。
何か、得体の知れない何かが出てくる。
「ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」
直径30mを覆い尽くす程の紫のバリアを張る。
悟空が今までにない技を見せるならば、自分も答えねばならない。
これは、悟空の技を止めるためじゃない。
悟空がもし、この競り合いに負ければ、このバリアは忽ち大きな爆発波に成り代わり、この太陽系ごと滅ぼす。
その意思表示でもあるのだ。
煙に包み込まれた悟空。
「ぐォォォォォォォォォォ!!!!」
幻獣の遠吠えが耳へ突き刺さる。
煙を忽ち吹き飛ばし、黄金の神龍が、広がりつつあるフリーザのバリアへ突進する。
雄叫びと共に、龍の顔面はバリアへ食らいつく────
宿敵同士の最後の競り合いが始まる
続く......。
次回予告
第80話「絡み合う絆」
11/12 朝10時更新予定!