J.Army   作:Gintoku

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第82話「絶望の降臨」

58

J.ARMY 第2章

 

「F」復仇戦争篇 第58話

 

 

頂上死戦篇

 

第82話「絶望の降臨」

 

数十分ほど時間が流れ

悟空、ベジータ、銀時、高杉、ヒナタが円を描く様に座り、背中を岩に付けて凭れかかっている。

凄惨なダメージを受けた5人は、ただただ息を荒げていた。

ようやく長い戦いが終わった。

ようやく、この復仇戦争が終わった。

するとヒナタは、銀時を見遣る。

 

過去に銀時はヒナタを傷付けた様子だ。

だが、なぜヒナタのために左腕を失うほど怒ったのか。

なぜヒナタの中に、憎しみが弱りつつあるのか、ヒナタは唇を噛み締めた。

「そ、そろそろ帰って、飯食いてェぞ」

と悟空が言う。

するとベジータは「いつも食うことしか能のない貴様だが、今日は同意だ......」と返答する。

「俺はクソすらふけねェ有様なのによく言えんな」

銀時が少し皮肉愚痴を叩くと、5人の中の雰囲気が和む。

 

 

 

 

彼らは、疲れのあまり、気付いていない

 

 

 

 

死の鐘が、まだ

 

 

 

 

鳴り止んでいない

 

 

 

 

絶望はまだ

 

 

 

 

彼らの頭上に浮かんでいる

 

 

 

 

雲を切りながら、地面へ着地体制に入っている、二つの船艦型巨大宇宙船。

その先端に

立つは

 

百獣のカイドウ

 

そして

 

錫杖を手に携え

悟空たちをも上回るサイヤ人を3人も相手取り

 

圧倒した生物

 

虚────

 

絶望は、まだ終わらない

 

思えば、凛砂での戦いは何だったのか?

あの後の決着はどうなったのか?

この事態は、既に何度も警戒されていた。

ヒナタの属する組織も虚とカイドウが地球へ向かっていると察知していた。凛砂でのカイドウがどこかへ去った不審な行動も、急に高杉達の艦隊が襲撃されたのも、全て繋がる。

最強の獣と、鴉が、降り立つ前触れだった────

 

地面にいる悟空達も、空を見上げる。

凄惨なダメージを受け、立つ事がままならない5人。

「なんてバカでけェ邪悪な気だ」

その大きさに悟空の背中も凍てつく。

銀色の雲の中から、二つの船艦が降りてくるのが遂に肉眼で確認できた。

 

ヤバイ

 

もう限界なのに

 

まだ、戦いは終わらないのか

 

銀時は眼を見開く。

天から降りてくる船の先端に立つは

自分の天敵(師)

「あ、あいつァ────」

乾ききった口から言葉が溢れる。

絶望を告げる、虚────

 

終わりを告げる様に、船から大砲の矛先が、悟空達へ定められる。

フリーザの引き連れた、神砲みたいなものか!?

それを考える間も無く、大砲は発射された。

大爆発

唸りを上げる爆心

その波動は巨大で彼方に進み、地形を抉る。

 

煙幕が周囲を包み込む。

その黒煙の中、巨大な二隻の船は地面へ降り立つ。

向かい合わせで立った二つの船から獣の軍隊が出てくる。

走り、周囲へ広まる様に散って行く獣に軍隊の走る勢いで爆煙は晴れる。

瓦礫に埋もれる一帯に散らばった獣の軍隊。

 

この軍隊、凛砂で戦ったものと同じだが、一層に凶々しい表層だ。

グルルルルル

まるで餌を求める様に涎を垂らす。

すると、一匹の犬人間が瓦礫の中の血の匂いを嗅ぎ付ける。

近くにいる仲間を遠吠えで呼び寄せ、掘り出す。

 

円状に散らばった地形の左右で同じ事が起きている。

 

────突然瓦礫から現れた者が獣戦士を何人か蹴ちらす。

左側には銀時・高杉・ヒナタ。

右側には悟空・ベジータ。

瀕死のダメージの中でも、彼らは争う意思を捨てていない。

だが、倒した筈の獣の戦士が起き上がる中、新たな絶望が彼らの眼前に立つ。

 

銀時達の眼前には、カイドウ。

「死ぬ覚悟は出来てんだろうな?」巨体の男は絶望の言葉を吐き捨てた。

悟空達の眼前には、虚。

"赤い世界"で悟空達を圧倒的に上回るサイヤ人をみな殺しにした男。

「君たちにも、裁き下る時が来た」

虚目な男は告げる。

不死の獣の戦士に囲まれ、瀕死の身体で強大な敵と対峙する5人。

「「「「「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁ」」」」」

ただただ

絶望の中

5人の吐息の音が聞こえる────

 

続く......。

 

次回予告

第83話「咆哮」

11/24 朝10時更新予定!

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