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J.ARMY 第2章
「F」復仇戦争篇 第59話
頂上死戦篇
第83話「咆哮」
────突然瓦礫から現れた者が獣戦士を何人か蹴ちらす。
左側には銀時・高杉・ヒナタ。
右側には悟空・ベジータ。
瀕死のダメージの中でも、彼らは争う意思を捨てていない。
だが、倒した筈の獣の戦士が起き上がる中、新たな絶望が彼らの眼前に立つ。
銀時達の眼前には、カイドウ。
「死ぬ覚悟は出来てんだろうな?」巨体の男は絶望の言葉を吐き捨てた。
悟空達の眼前には、虚。
"赤い世界"で悟空達を圧倒的に上回るサイヤ人をみな殺しにした男。
「君たちにも、裁き下る時が来た」
虚目な男は告げる。
不死の獣の戦士に囲まれ、瀕死の身体で強大な敵と対峙する5人。
「「「「「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁ」」」」」
ただただ
絶望の中
5人の吐息の音が聞こえる────
凄惨な重傷を受けている5人。
左腕を飛ばされた銀時
右脇腹が抉れ、皆の中で最も重い傷を受けている高杉
胸に風穴があり、呼吸困難のヒナタ。
フリーザとの戦いで重傷を負ったベジータ。
同じく悟空。
皆が限界だ。
だが、円状に広まった戦場の左右に絶望が迸る。
左側にはカイドウと対峙する銀時・高杉・ヒナタ。
右側には虚と対峙する悟空とベジータ。
巨人に近い体格。
頭の角は天を仰ぐ。
鬼のもつ様な巨大な金砕棒を右手に携える。
後ろ髪が背中を覆い、腹まで口髭型れる。
常に歯を食い縛る鬼気を帯びた表情。
対峙する銀時も高杉もヒナタも息を飲む。
その男・百獣のカイドウ。
「お前らァァァァァァァ!!!!!!
こんな退屈な世界を守ろうとしてんのかァァァァァァァ!!!!!!」
その咆哮は、波動となって周囲を包み込む。
違う。
この男、今までの敵とは何か違う。
フリーザ以上?いや、同じ規格ならフリーザレベルかも知れないが、まるで天災の様な敵だ。
強さなど、推し量れるものじゃない。
どうする?
身体がまともに言うことを聞かなくなって来ている。
袴の肌脱ぎの銀時の体を寒気が走る。
すると高杉も羽織りを脱ぎ捨て、動く左手で剣を握り、左肩を脱いだ袴の片肌脱ぎにする。
まだ、戦う。
その意思表示だろうか。
そして眼に巻かれた包帯が戦いの最中垂れ始めていた。
真っ赤に染まった包帯をも取り、捨てる。
銀時は笑みを浮かべ「珍しい格好すんじゃねェか」と高杉へ言うと笑みを浮かべた高杉が「うるせぇ」と彼を疎む。
すると息が荒く喋る事もままならないヒナタ。
銀時はその身を按じているが口出せない。
不死の獣軍団に囲まれ更に相手は強大。
成す術のない彼らだが、銀時と高杉の眼はまた、蘇っている。
背中が凍てつく。
心が壊れる。
希望を全て引き剥がされた。
もうダメだ。
銀時と高杉以外全員がそう思っている。
絶望する皆に銀時は
「勝手に諦めんな!!!!!!」
怒鳴る。
その声で、どういう訳か、全員が僅かな希望を受け取る。
突撃して来た獣軍団。
犬人間、狼人間、虎人間、兎人間、猫人間、鼠人間、キリン人間など様々な動物に成り代わり、巨体な者も居れば小柄な者もいる。
姿がダブった者だっている。
だけど銀時は分かってる。
こいつらは強い。
驚異的な身体能力と不死身の能力。
それに加えカイドウ。
だが銀時も高杉もヒナタも剣を握りしめ、迫り来る獣軍団へ走り出す。
「うぉァァァァァァァ!!!!!!」
吠える銀時、それと共に剣を振り回して何人も倒して跳躍すり。
3人とも、カイドウへ剣を振り下ろす。
だがカイドウの姿は消える。
眼を見開く3人。
地面に影が差し掛かる事で本能で感じる。
跳躍して宛らの自分達の頭上に......
カイドウが現れた...!!
「俺ァなァ
最後の海"新世界"に入ってからなんて呼ばれたか知ってるか?
"地上最強の生物"...!!」
語りかけたカイドウの巨大な金砕棒が銀時達へ振り下ろされる。
丸で爆発が起きた様な波動が周囲を取り巻く。
崩れ去る岩や瓦礫。
巻き上がる煙。
なんて威力だ...!!
それを見た者はそう思うだろうか。
金砕棒を振り下ろした事で前傾姿勢になったカイドウの耳に声が届く。
それは血塗れになろうと、戦う意思を捨てなかった男の威圧だ。
「なめんじゃねェ────」
ドッ!!!!
吐き捨てた男は跳躍し、前傾姿勢になったカイドウの額を木刀で突く。
額から血を流しながら、男の顔面は天へ向く。
その眼に映るは、剣を今にも振り下ろさんとするヒナタの姿。
振り下ろされる剣
重傷とは言え、夜兎を超えるパワーをまともに頭上に食らうカイドウ。
跪き、頭上から血を流す。
だが、安らぐ間も無く胸の中心にまた攻撃を食らう。
跳躍して来た高杉の剣の強烈な突き。
流石のカイドウも仰向けに倒れ込む。
カイドウを倒した3人をまた先ほど倒した獣軍団が襲うも、またもや倒す。
────3人の背中は凍てつく
地上最強
なぜカイドウがそう己が世界で呼ばれるのか?
パワー?
スピード?
技?
能力?
違う。
何度拷問を受けようと
重傷を受けようと
どんな化け物でも致命傷にすらなり得る傷を受けようと
その男には、意味がない。
フリーザの時と同じ感覚だ。
"倒す"ことの出来ない敵────
男は、何も無かったかの如く立ち上がる。
「こんなんで俺を殺せるかァァァァァァァ!!!!」
そう言い捨てたカイドウの声に込められた力は、絶望となって心に突き刺さる────
続く......。
次回予告
第84話「最強の鴉────」
11/27 朝10時更新予定!