J.Army   作:Gintoku

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第85話「万事休す」

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J.ARMY 第2章

 

「F」復仇戦争篇 第61話

 

 

頂上死戦篇

 

第85話「万事休す」

 

悟空とベジータがカイドウの眼前に現れ、彼を蹴り飛ばす。

 

獣軍団は、生き残った夜兎とサムライとの攻防戦に入る。

剣を地面へ突き刺し、片膝をつき虚へ怒りの眼を向ける銀時

そしてその横に立った高杉とヒナタと対峙する────

 

「ほう......

ここまで私の邪魔をしに来ますか

松陽(あのおとこ)の弟子達────」

 

「くだらねェ戯言は聞き飽きた......

取れよ

その仮面

俺もようやくその面を拝みてェ

なぁ......ばけガラス」

 

虚へ高杉が言葉を向ける。

すると銀時が「お前まさか」と虚の真実を知っているかの様に喋る高杉に驚く。

だが、ヒナタはそれを知らない。

「何を?」

と懐疑する。

 

「この仮面は......

"奈落"の誇りとも呼ぶべきもの......

ですが良いでしょう

あなた達のために、この誇りを取ってあげましょう」

 

呟きながら虚は笠を取り、その鴉の仮面を剥がす。

 

────ヒナタの身体を寒気が襲う。

鳥肌が立ち、眼を見開く。

相手の素顔、髪、声、口調、どこからとなく一人の男を思い出させていた。

春雨に就いた夜兎を忌み嫌い、父と共に種族を離れ地球に移り住んだ。

だが、戦争で父と離れ離れになり孤児になったところを松陽に拾われた。

そこで、銀時に出会った。

高杉、桂、龍時、銀時、ヒナタの5人の時代。

ヒナタの脳内をその思い出が過っていた。

だが、眼の前にいるこの男は何だ?

なんで松陽がいる?

銀時が......

なんで松陽が、生きてる......

なんで敵なの......先生

 

「違う......!!!!!!」

 

涙を浮かべていたヒナタの崩れ行く心を支えた声は、銀時。

「こいつは違う......

松陽(あいつ)も斬れなかった、ただのバケモンだ」

と徐ろに口走る。

ヒナタは息を吐き出す。この事実を受け入れるのは難しい。

でも現に眼の前にいる大敵の眼から感じる殺気が、それを受け入れろと心に語りかけてくる。

 

息を呑み込み、ヒナタの闘志は再び燃え上がる。

虚はただただ、何も感じさせない笑みを浮かべる。

すると虚の姿は3人の眼前から消える。

 

松陽ならどこを攻め込む?

歯を食いしばり怒りで眼を見開いた銀時は背後へ身体を振り向ける。

右手の木刀を眼前に翳し、振り下ろされた虚の黒刀を受け止める。

剣撃の波動が周囲を取り巻き、銀時の足元から飛び出る瓦礫。

銀時の身体の傷から血が飛び交う。

如何に銀時がその身体に負担を強いて止めた力の量が壮絶なものだと語る。

銀時の残った右腕から血管が浮かび上がる。

 

虚、すなわち松陽の動きを読めるのは銀時だけじゃない。

剣を振り下ろした一瞬の中の世界。

高杉が虚の左横に立ち、動く左手で剣を右薙ぐ。

虚の首は斬られた。はずだった。

高杉の眼は下へ行く。薙ぎ終えた自分の剣を見遣ると、刀身が半分すら残されていない。

 

「君たちが私の剣を知っている様に

私も君たちの剣を知っている」

虚の左手の人差し指と中指の間に、高杉の剣の上半分の刀身が残っていた。

挟み取った部分からヒビが入り刀身は更に半分に砕け地面へ落ちる。

すると、笑みを浮かべた銀時と高杉。

「「てめェが居る場所からも 俺たちにゃァ......」」

 

「届かない」

 

二人の言葉の続きが、頭上から耳へ届いた。

虚は上へ向く間も無く、彼の頭上を取ったヒナタの両足が虚の背中を踏み付け、夜兎独特の怪力で地面へ叩き付ける。

そのままヒナタは握りしめた剣を虚の後頭部を突き刺さんと振り下ろす。

 

だが!!

ヒナタの背中を蹴りが直撃する。

「カッ!!」

うつ伏せに倒れた虚が両手を地面に付け、背中に立つヒナタの怪力に押し勝ち、逆立ちする勢いでヒナタを蹴り飛ばし、身体を回転させ立ち上がる。

ヒナタは吹き飛ばされるも剣を地面に突き刺し、その摩擦で受け身を取る。

 

「「「ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」」」

 

吠えた3人の剣と虚の剣が交わる。

本来、勝てる筈のない敵

だが、この男の剣は、自分の剣の親とも言うべき存在。

子が、親を知らない筈はない。

それが如く、3人が虚の剣と互角に張り合う。

激しく消耗していようと、隣には、支えている誰かが居る。

それが心と身体に力を宿し、眼前に居る無限の壁にぶち当たって行く。

散る火花、交わる剣の音が周囲を取り巻く。

折れた剣で高杉も戦い続ける。

虹の絵を残しながら、消えては強烈な一撃を振るう虚だが、3人はそれでも自分の知る松陽の剣を勘で裁き食らいついて行く。

しばらくの3対1の斬り合いの末、虚が剣を薙ぎ3人を弾き飛ばす。

だが、3人も何とか地面に足を付け受け身を取る。

 

「「「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はっ」」」

 

無限の壁に楯突く銀時と高杉、ヒナタの体力の方が先に音を上げる。

 

 

カイドウと戦い続ける悟空とベジータ。

超サイヤ人3の二人のパワーを幾度となく食らうカイドウだが、倒れるどころか更に怒気を散らし立ち上がり悟空とベジータを追い詰めて行く。

だがそれでも虚よりは自分たちに向いている相手だ。

だからこそ銀時が互いに相手をかえさせたのかも知れない。

 

だがカイドウの拳が悟空の直撃し、右手のベジータに金砕棒が直撃。

二人は血を吹きながら岩場に直撃する。

「こんなんじゃ死ねねェ!!!!

もっと力強く来いや!!!!」

全く倒れる気配を見せないカイドウ。

「めえったな」「化け物め...!!」

流石の悟空とベジータも疲れのあまり、苦言を零す。

 

 

また、同じ戦場で獣軍団と戦い続ける夜兎軍と鬼兵隊の生き残った兵士。

だが、相手は倒れぬゾンビの様な相手。

流石の夜兎ですら限界を思い知らされる。

自軍で倒れた者はいるが、この獣軍は誰一人倒れずまた再起する。

 

どの戦場も

万事休す

 

だが、天には、さらなる宇宙船が姿を現す。

新たな絶望が待ち受けるのか?

同じ船艦型の宇宙船が三隻、徐々に風を切りながら地面へ降りてくる。

それを見上げた悟空は「へへっ...... もう勘弁してほしいぜ......」と流石に弱音を吐く。

 

続く......。

 

完結まで 残り4話

次回予告

第86話「J・アーミー」

12/1 更新予定!

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