J.Army   作:Gintoku

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第88話「1ヶ月後」

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J.ARMY 第2章

 

「F」復仇戦争篇 第64話

 

 

後日談

 

第88話「1ヶ月後」

 

 

戦争より一月が流れた。

ここは、将来の忍者達がしがらみ無く育つ里。

大戦で多く失ってもその心は折れず、火影によって背負われた家族の里。

木の葉の里。

 

ナルトはいつもの様に暴れるボルトを止めたり、火影としての仕事に没頭している。

そんな最中、彼の部屋に一人の女性が入る。

袖のない白いロングコート、白いVネックのTシャツ、黒いズボンに黒いロングブーツ、日本刀を腰に携え、白い瞳と瞳孔。

ヒナタだ。もちろんナルトの妻ではない側のヒナタだ。

丁度ナルトの妻であるヒナタも娘のヒマワリと共に火影室に遊びに来ていた。

「「うっ」」

世界が違うとは言え、同じ存在に会うのは多少気まずいものがある。

ヒマワリも驚き「お、お母さんが二人!?」と口走る。

仕事中のナルトも驚きながら

「おめーがここに来るなんて珍しいな」と異界側のヒナタへ言葉を向ける。

 

「今日は一つ、頼みがあるの」

とヒナタはゆったりと口走る。

ナルトは「頼み?」と問うと異界側のヒナタは「柱間の細胞で作り上げたあなたの義手と、同じものが一つ欲しい......

来てくれる?」とナルトへ依頼する。

するとナルトは断るに断れない状況にある。

本来異界にものを提供するのは禁じられている制度。

「(ヒナタに断るとこっち側のヒナタが自分に断ったとかでややこしい事になりそうだな

身の安全を優先するってばよ)」

七代目火影であろうと妻は恐ろしい。

それもあってかナルトは「よ、喜んで〜!」と妙な苦笑いする。

 

➖

 

悟空達の世界の地球、西の都のとある病院にて、多数の戦士が入院していた。

実は半月ほど前に、ドラゴンボールで既に地球へのダメージと戦死者の蘇生を願った後だ。

それにより魔人ブウ、阿伏兎、神威、悟飯、未来のトランクス、夜兎軍や鬼兵隊の面子は蘇生されていた。

そして銀時の腕の再生も神龍に頼んだところ、恐るべき事実を告げられる。

 

「私の力が異界の者に及ぶのには限度がある

この宇宙で死した者ならば異界の者であろうと、違い無く蘇生できる

この世界で受けた影響が大きい者ならば私の力で届く

だが、怪我や四肢の欠損のなどの影響が小さい者には残念だが力が届かぬ

更に一つ警告しておくが

ドラゴンボールとは、数ある並行宇宙の中でこの宇宙一つにしか無いのだ

お前たちが他の宇宙で受けた影響に私の力は届かない

つまり他の宇宙で死ぬと言う事は、ドラゴンボールでの蘇生も不可能になると言う事だ

あの世、と言う死後の世界もこの宇宙のみにしか存在しない

他の宇宙で死ねばどうなるか、想像はつくな?

死と言う概念が軽いものになったこの宇宙と、他の数多の宇宙の死の概念は全く違う」

 

と恐るべき事実を告げられる。

そして今、その時の記憶を巡りながらベジータは病院内の廊下を歩いて行く。

ベジータや悟空はデンデの手により全快していた。

やはり異界の銀時には届かなかった様子。

院内の廊下で、右に一つの部屋、左にベンチと言う作りだが、新八と神楽がベンチに座り込んでいる。

「まだ眼を覚ましていないのか?」

2人の哀しげな表情を見てベジータが問う。

 

すると新八は首を横に振る。

ベジータは溜め息を吐き出し、病室に入る。

鳴り響く機会音、点滴などが立っている。

ベッドに仰向けに寝ている銀時。

頭や右手に包帯、腹などにも包帯をされており、残念ながら病院服の左側の袖が垂れている。

銀時はあの戦いの後、眼を覚ましていない。

 

高杉も同様の昏睡状態に陥っていた。復活した神威は自分の無惨な死を何とも思わず、兎にも角にも高杉の再起を優先する。

それは、自らの世界にある春雨、そのアジト"摩天楼"。

技術に優れた春雨の中でより高い医療技術を持つアジト。

そこならば高杉が眼を覚ます手立てを得るかも知れないと思い、復活した夜兎と鬼兵隊と共にこの世界を去る。

後に摩天楼を襲撃し逆に星海坊主に待ち伏せされて甚大な被害を受け、それが惑星「烙陽」での戦いに繋がる事は、まだ誰も知らない。

 

 

銀時もまた眼を覚ましていない。

悟空は銀時の腕に対し何らかの罪悪感を感じ何度かカリン塔を訪ねたが、まだ仙豆が完成するには日々を有すると同じ答えを返される。

それに一月を越えれば仙豆であろうと欠損の再生は不可能になる。

もう一月以上が流れており、銀時の腕に対しどの手段も使えない。

本人が起きていれば「気にするな」と一蹴しそうだが。

 

翌日、ヒナタと彼女の連れた医療部隊が病院に到着する。

即座に銀時の病室に入り込み、何らかの治療にかかる。

治療の様子を窓越しから見続けるヒナタはただただ心中

「(私があなたに対して感情を取り戻した訳じゃない

ただ私のせいであなたの腕が無くなった事が許せない

だからこれはただの償い)」

何故か自分に言い訳をするかの様な言葉を心中で繰り返す。

 

そして更に半月後

銀時はようやく眼を覚ます。

号泣した新八と神楽が銀時に抱きつき、その背後で悟空とベジータも少し安堵した様子で笑みを浮かべる。

「これは......?」

と無いはずの自分の左腕の感覚を感じた。

眼を見下ろすと、ナルトの様な包帯に包まれているが、紛れも無く左腕だ。

すると新八により左腕の説明を受ける。

柱間と言う人の細胞でできた義手。

以前の腕と同じ筋力まで後に戻り、元の腕から殆ど違和感無く使える代物。

痛みなどの感覚ももちろん感じ、怪我をすればもちろん出血する。

ただデメリットも付いている。

左腕の包帯は永劫付けなければならず、取れば左腕が空気に長く触れすぎて崩れ去る。

包帯でいつも塞がるため触った時の感触は永劫左手で感じる事は無く、包帯を変える作業は10分以内にしなければならない。

自分の左掌を少し見詰めた銀時は「ヒナタやジャック達は?」と問う。

 

「ジャックさん達はあの戦いの後、本部に呼ばれたとかで帰りました。

ヒナタさんは銀さんの左腕の再生を探すためジャックさん達と同行し、半月ほど前に帰って来てその義手を付ける作業させて、また帰りました......

ただ、帰り際に変な事を言っていましたよ

"近いうちに、並行世界を巻き込んだ大きな戦いに、僕たちが巻き込まれる"って」

 

と大雑把に事態を説明し、ヒナタの意味深な言葉も告げる。

少し表情を真剣にする銀時だが

その不安を「まぁまた強え奴と戦えるしいいじゃねェか!」と悟空が掻き消す。

恐るべき復讐に巻き込まれる事を、今知っていれば、心を整理できたかも知れない。

だが、彼らにはまだ、知る由もない。

 

続く......。

 

次回完結

第89話「〜終幕〜 別れの決闘」

12/5 朝10時更新予定!

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